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念の可視性と可聴性について

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◆念の可視性と可聴性について

平たく言えば、念が視えるかどうか念が聴こえるかどうか、ということ。

例題として、キルアの発は非能力者でも視えるのか、そして「バチッ」という音は聴こえるのか

 

最終的に断定的な答えは出せないものの、意外と想像通りの答えで確定ではないと思われる。

各々、予め答えを出した上で以下に進んで貰えるとブログ主としては嬉しい。

 

◇念の可視性

恐らく今回のテーマは変化系具現化系の能力を考えるにあたり、ぶつかる壁かと思われる。

 

端的に言えば、

変化系=オーラに性質を付加する事が得意な系統(完成品=性質が増えた“オーラ”)

具現化系=オーラを元に思念の物質化が得意な系統(完成品=物質)

であるため非能力者には変化系能力は視えない」現化系能力は視える」というのが原則的な答えであろう。

 

しかし、そうだとしても、その2つを読者視点ではどの様に見分ければよいのか。

 

個人的にはその能力の輪郭線がオーラの様相を呈しているかどうかが、変化系具現化系の区別の1つになりうるかと考えている。

変化系能力は端的に言えばオーラの性質を変えている(性質変化)だが、実質的には性質の付加(性質付加)であるため、“オーラ”であることには変わりないのである。

「電気の性質の持つオーラ」であったり「ゴムとガムの性質を持つオーラ」に過ぎず、オーラを「電気」や「ゴム」や「ガム」等に“作り変えている”わけではない

そのため、変化系能力はその輪郭線がオーラの様相を呈していると言えそうだ。

 

対して具現化系能力は基本的には物質化しているため、その能力の輪郭線はオーラの様相を呈していないので比較的わかりやすい様に思われる。

 

もし現実世界に念があったなら、(例えば片目だけ)「絶」状態でそれが視えるかどうかでその2つの系統のどちらなのか判別がつきそうな気もするが、そう簡単なものでもなさそうだ。

 

と言うのも原則には例外が付き物であり、具現化物は非能力者にも視えるのが原則であるものの、

具現化物は“オーラ物”であるためか、「隠」非能力者に見えない様にすることも可能であったり、

「11人いる!(サイレントマジョリティー)の様に“術者と特定の相手”以外には視えなかったり

カキンの守護霊獣の様に「隠」で非能力者+“特定の者(儀式の当事者間)”には視えなかったり

ムッセの「裏窓の鳥(シークレットウィンドウ)ミミズクの様に術者にしか視えない様な特殊な具現化物も作中で示されているからだ。

 

―さて、ここからが今回の本題。

「電気」「炎」の様なものをそれぞれ変化系具現化系で能力とした場合、どう違うのか。

具現化系ではその様な能力は作中未出の様にも思われるものの、毒の性質付加が可能ならば毒の具現も可能であろうことから、電気の性質付加が可能ならば電気の具現も可能の様に思われる。

 

オーラという「生命エネルギー」「別のエネルギー」に変換している(作り変えている?)様な感じになるのだろうが、具現化系能力は“物質”だけでなく、“エネルギー”や“現象”も具現可能ということになるのだろう。

余談にはなるが、その様に考えるとゲンスルーの「一握りの火薬(リトルフラワー)“爆弾の性質付加”“爆弾”の具現ではなく、“爆発”の具現という解釈や、フェイタンの「太陽に灼かれて(ライジングサン)“疑似太陽”の具現なんていう解釈も採りえるのかもしれない。

ウイングの説明では「オーラを“物質化”する」系統

イズナビの説明でも「オーラを“物質化”するのが得意なタイプ」

といった感じに抑えられているが―オーラではなく肉体を元に具現する能力が登場した様に―あくまで両者の説明は読者を含めた初学者向けの概論的なものに過ぎないのだろう。

(※そもそも水見式で変化系具現化も、“オーラだけではなく物体にも作用しうる”ことが示されていた)

 

今回のテーマでは本筋ではないため、ひとまず「電気」や「炎」の能力は変化系でも具現化系でも実現可能だとするが、果たしてそれは視えるのか視えないのか、そして読者はどう見分ければ良いのか。

 

特殊な具現化例は除くとしても「原則」としては―

変化系性質付加された“オーラ”のため視えず

具現化系具現化された“現象”だから視える

―となりそうだが、一部の方は恐らく瞬間的に“非能力者であっても変化系の電気の能力も視える”と考えることが多いだろう。

例題の答え1:非能力者にはキルアの周囲のオーラは視えないが、手の間を走る電気や音は聴こえる?(パターン1)

 

ここで理科の話をしたい訳ではないため簡単に触れるが、電気で見られる様な発光やバチバチっという音物理現象なのだ。

■■■理科の復習■■■

電気とは簡単に言えば、目に見えない電子の流れによって発生する様々な物理現象の総称の様なもので、一例として雷の原理に触れる。

雲の中にはたくさんの水蒸気が含まれているが、その雲が上昇気流で空高く上がっていくと入道雲に発達する。

空高く上っていった入道雲の中では温度が低下していき、雲の中の水蒸気が上昇気流で上っていく過程でその水の粒が氷の粒に変わっていく。

雲の上の方へ上っていく小さい氷の粒と、他の氷の粒や水滴とくっついて大きくなり落下する粒同士がぶつかると電子のやり取りが起きて電気を帯びていき、最後は雲の中で蓄えきれなくなった電気が地面に向かって一気に流れてしまう。

通常、空気は電気を通さないが、雷の力は強力なため無理矢理空気の中をかき分けるように進んで行くから真っすぐ進めずにギザギザに見え、瞬間的に空気が熱くなり激しく震えることが雷の光と音となっている。

つまり、雷や放電を見て“電気が見えている”と感じているが、実際は電気が見えているのではなく、電気の素とも言える電子の働きで空気等が熱されて光ったり、その時の膨張や振動によって音が生じているいてそれを感じ取っているだけなのだ。

■■■復習終わり■■■

しかし「“電気”の能力」と端的に言えるからと言って、そのままそれを現実の“電気”と同一視しても良いのか

 

例えば、2人の変化系能力者で考えてみる。

1人は理系専攻の学生で子供の頃からその力に憧れ、学ぶ内に心酔し、自らのオーラに電気の性質を付加させた様な場合。

もう1人はアマゾンの奥地にある様な未開の地に住む先住民が、ある日その地域では神聖視されていた雷に打たれたが生存し、自らの体に神が宿ったと考え、自らのオーラに電気の性質を付加させた様な場合、果たして両者の能力に差はないのだろうか。

 

前者の場合、“雷に心酔”していることから、学んだ雷の性質をそのまま自らのオーラに付加している可能性もあろう。

(パターン1=非能力者でもその雷は視えるし、その音も聴こえる?)

 

しかし、後者の場合はどうだろうか。

最近流行りのなろう系でありがちな「世界の理(アナウンス)」の判断や調整を受ける訳でもなく、念はあくまで“術者の思念を反映させている”に過ぎない。

つまり、科学的知識の欠如から実際の雷と比べ“性質の過不足”もあるだろうし、その地域で信仰の対象となっている神の性質や、その者の信仰の内容の影響を受け“変質”している可能性もあるだろう。

例えば、雷は「神の持つ絶対的な力」を「意思を持たない自然」を介したために誰にでも見える様な自体に陥ったが、「本来、神の御力は選ばれた者にしか見えず、凡夫にはその一部(声や音)のみしか感じ取ることが出来ない」等と考えているならば―、

例題の答え2:非能力者にはキルアの周囲のオーラも手の間を走る電気も視えないが、音は聴こえる?(パターン2)

―バチっという音のみ聴こえている可能性もあろう。

 

術者の考える電気の性質を付加した“オーラ”(=電気の様なもの、即ち≒電気、あるいは≠電気)非能力者に視えないというのは原則通りだろうが

“人にかける念があるのだから、逆にはずす念も存在すると考えるのは至極自然な発想”

とクラピカが「反対解釈」を念の解釈手法と用いていたことから、“「隠」の逆”「オーラを見やすくする(≒強制可視?)の力がないとも現時点では断言出来ないだろう。

(作中未出のため、あまり好ましい解釈ではないだろうが)

 

そして当然このような変質は具現化系能力者の場合も起きえる。

実際にある物をそのまま具現するならば実物(超強力なスタンガンや兵器等)を買った方がいい様に、雷(電気)の性質を正しく認識していたとしても、敢えて実際の雷(電気)の性質を一部削ったり、逆に特殊効果を付与した結果、実物とは性質が異なる可能性もあるだろう。

(もちろん削除or追加する効果によって能力のコストは大きく変わると思われる)

 

つまり、「電気の能力」だからと言って、それが現実の「電気」と同一のものではない可能性の方がむしろ高い様に思われるのだ。

 

読者目線ではその能力だけを見ただけでは変化系具現化系か判断が難しいケースもあろう。

描写によっては一見明らかな能力もあろうが、術者の念系統が作中で明確になっていない場合は特に1描写だけでなく、複数の描写や情報から判断する必要があると思われる。

 

◇念の可聴性

続いてオーラや具現化物(念獣等)の出す音は非能力者でも聞こえるのか

これも科学的に考えれば、音は物体の振動よって起きる波が空気などを伝って、鼓膜を振動させてそれを脳が音に変換することで音と認識していることから、キルアの発(電気)が見えるかどうかを考えた時と同様に、物理現象のため能力者如何に関わらず「聴こえる」と考える方も多いだろう。

 

だが念の可聴性については作中で描写されているのだ。

まずモモゼの霊獣について。

寄生型(恐らく二重寄生型)の念獣の言葉のため、特殊な具現物故の例外の様にも思われたが、

“「念獣の声が聞こえる事」が発動の条件なら、王子達をはじめ能力者でない者には効かない能力…!?”

とクラピカ大先生は考えていた。

この言葉をそのまま採れば、念獣の声は非能力者には聴こえないということになるのでしょう。

 

ただ、これは先日の操作系能力の箇所でも若干触れたが想定通りではある。

約10年程前に香川大学の澤田教授の研究室で開発された「発話ロボット」をふと思い出すが、念獣が言葉を発しているならば、言葉を発する念獣を具現する場合は複雑な発声器官の理解が必須になってしまう可能性がある(※特殊な具現化系能力や、特質系の具現化物はその理解が必要ない可能性もある)

 

しかし、これまで「能力の説明(ゲンスルー)「ヒント(ナックル)を敵に与えることで能力の底上げを図っている者(=制約と誓約)が居たが、言語が違ったり、病気や怪我で一時的に耳の聞こえない者あるいは先天的に耳が聞こえない者、はたまた周囲の音で偶然重要な部分が聞こえなかった様な場合でも、その制約と誓約による上昇効果は得られるのだろうか。

 

ゲンスルーに関しては事前に相手が同じ言語で通じることは分かっており、説明前の仲間の演説を聴く様子から通常の肉声で良いことは判断できるだろうが、事前に相手の情報がわからぬまま戦闘に入る場合もあるだろう。

相手が何らかの不可抗力で説明ヒントのアナウンスを理解できない場合でも制約と誓約の効果が得られるならば、最初から相手が理解し得ない“造語”“入れ詞(ex.バビ語)による説明でも成立してしまう。

レオリオがお勧めしていたビートル07型の機能からもハンターの世界にも複数の言語があることが示されているため、念能力には相手への強制通知や、コミュニケーションを助ける様な力もあるのかと思われる。

クラピカの「人差し指の絶対時間(ステルスドルフィン)オイトの“頭と直接交信”していたのもその一種で、

正念獣が排気口に入らんとする時に始めたドルフィンの説明が、排気口に入る前には終わっているため、その手の能力は瞬時に相手に通知することも出来る(心滴拳聴に類する現象を強制的に引き起こしている?)のかと思われる。

 

適当に「呪言(じゅごん)と呼ぶが、その様な力があれば複雑な発声器官の理解とその具現も必要なく念獣に言葉を発せさせることも可能で、実際に音を出しているわけではないから念能力者以外には聴こえないという事も理解できよう。

(恐らく性質的に強制的に非能力者にも念獣の声を伝える方法もあるかと思われるが、コストが高いか、相手を半覚醒状態にする必要があるのかもしれない)

 

しかし、その一方で暫定37巻(No.381)にて、またそれとは違うタイプが示されているのだ。

ベンジャミンの私設兵・ウショウヒの能力「虫射球(ニードルボール)(以下、“虫球”と省略)である。

ウショウヒの能力は完全には分かっていないものの、描写的に虫球具現物であろう。

 

そして、この虫球“簡易念能力者判別装置”としても使えると考えているのだ。

“耳元で羽音がしたのに無反応でいられる人間は皆無”なため、その羽音に反応した者=念能力者と判別できるということなのだろう。

 

相手に憑ける様なタイプのため“特殊な具現物(特定の者にしか視えない等)ならば“特殊な事例”として処理しても良かったのだろうが、ウショウヒは“第11王子(フウゲツ)に憑いているのを他の念能力者に見つからずに済んだのだからラッキー”と考えていた。

 

つまり、虫球は基本的には常時「隠」型の具現物で非能力者には視えず、能力者には視えるタイプかと思われる。

(非能力者を装っている者=「纏」をしていない者に羽音を聴かせる必要があるため、緩めの「隠」もしくは羽音を聴かせる一瞬だけ「隠」を解くなどしている?=遠隔操作型)

しかし科学的に考えれば物質化した虫球が羽ばたいて音を発生させているのだから―視覚的には「隠」で視えなかったとしても―音(波)は非能力者にも届く(聴こえる)のではなかろうか。

 

よって、特殊な具現物の可能性は残っているものの、“念(具現化物含む)が起こした音”は基本的には“特殊な音域(念能力者でないと聴き取れない音域)”のため非能力者には聴こえないのかもしれない。

ウボォーの爆音攻撃は、

実際に“発した音”音波の働きを強めた攻撃(強化)であろうから、非能力者であっても聴こえるだろうし、

センリツの能力も実際の“楽器の演奏の音”と共に自らオーラを飛ばして、そのオーラ(生命エネルギー)を相手に譲渡して回復させたり、強化系や操作系を併用する様な能力なのだろうが、これも実際の音を伴っているため非能力者であっても聴こえるだろう。

 

しかしキルアの電気の能力の「バチッ」という音は―

例題の答え3:非能力者にはキルアの周囲のオーラも手の間を走る電気も視えず、音も聴こえない?(パターン3)

―「電気の性質を付加した“オーラ”」が発している音(特殊な音域)のため、聴こえない可能性もあるのだろう。

 

同様の考えで、

モラウが“針で突き刺されてるみてーな研磨されたオーラ”と評したネテロの「練」が奏でる音や、

ゴンさんのジャジャン拳グー時の「鋸で鋼の弦を弾くかの様な硬質な不協和音」も、多量のオーラを練り込んで圧縮した結果、オーラとオーラが擦り合わさって生まれる音だろうから非能力者には聴こえない可能性もあろう。

 

以上の事から現状では、例題のキルアの発が非能力者でも視えるか聴こえるか、という問題の答えを出すのは―

―難しい様にも思われる。

 

個人的にはユピーが「落雷(ナルカミ)を受けた時の様子から、

パターン3(非能力者は電撃も視えず音も聴こえず)の様な気もしている。

 

まず、情報整理。

ラモット戦での使い方から見ても「落雷(ナルカミ)は、ゴンの「ジャジャン拳チー(変化)と同質の発で、指先に集めた全オーラ(「硬」)に電気の性質付加を行って放つ発かと思われる。

「落雷(ナルカミ)を放った際にキルアの周囲に残るオーラ描写はメレオロンの「神の共犯者」によるもので、

「落雷(ナルカミ)が当たった直後ではそのオーラ描写が消えているためこの時には「神の共犯者」は一旦解除(一呼吸)しているのかと思われる。

(ユピーは麻痺により動けず、その隙をナックルが攻めないハズもなく、メレオロンが呼吸する余裕が十分あるためだろう)

そのため、ヒット直後のユピーの周囲の放電はユピーにも、ナックルにも視えているかと思われる。

しかし、メレオロンの「神の共犯者」はメレオロンが手を触れている者には適用されるが、メレオロンから離れてしまった地面に落ちた血液には効果が及ばない。

しかしながら、ユピーが電撃をどこから受けたか明確に分からなかった様子から、「落雷(ナルカミ)が落ちた瞬間の“光”“ドンという音”を認識出来ていないのかと思われるのだ。

 

もし雷を科学的に捉えたならばその“光”“音”は―モラウの血液の様に―メレオロンから“離れている”ため能力の適用外になるのではなかろうか(=ユピーにも視える)

つまり、メレオロンの手キルア自身とそのオーラ(電気の性質が付与された“オーラ”)に接触しているため視えず(認識できず)、そのオーラが発している音(オーラ由来の特定の周波数)も同じく適用されて聴こえない(認識できない)のではなかろうか。

以上のことから、パターン3(非能力者は電撃も視えず音も聴こえず)が例題の答えの様にも感じます。

 

一方で、例えば「神の共犯者」が適用された者が拳銃を撃った場合、その際の発砲音が周囲の者に聴こえるかどうかは不明のため、やはり例題の明確な答えを出すにはやや情報不足なのかもしれませんね。

 

まだ容量内に収まりそうなので、最後にちょっと関連のあるものを2つ。

1つ目、ゼノの龍に乗れる理由について

ゼノの龍は輪郭線の描写から変化系であろう。

そして、「龍頭戯画(ドラゴンヘッド)から「牙突(ドラゴンランス)「龍星群(ドラゴンダイヴ)と発展させた様に、オーラを絵具(墨?)に見立て「龍頭戯画(ドラゴンヘッド)で描いた龍の内容によって、能力が派生するのかと思われる。

龍のを強く描けば「牙突(ドラゴンランス)(“牙”の様に相手を貫く性質の付加)

龍のを強く描けば相手を切り裂き(“爪”の様に相手を引っ掻く=切る性質の付加:作中未出)、

巨大な龍とそのを描いて空から打ち落とせは、恐らく「龍星群(ドラゴンダイヴ)に派生できよう。

そして王とネテロを目的地に運んだ際は他の龍に比べ鱗の描写が細かくなっている様に思われることから、付加した性質は龍の“鱗”かと思われる。

龍鱗で何を想像するかは人それぞれだろうが、ゲームの「ドラゴンシールド(龍鱗を防御面に張り付けた盾)の様に龍鱗には何かを防ぐ効果が高いと思われる。炎に強そうなイメージもあるが、硬い龍の鱗を用いた盾は通常の盾よりも強いイメージがある。

そして物理的に防ぐ障壁になるということは、“その上に乗る”ことも出来るのではなかろうか(どちらかと言えば「防御用の発」の副産物?)

 

ちなみにゼノの龍は“龍の性質を付加したオーラのため、非能力者には視えないが、件の龍は非能力者も乗ることができるかと思われる。

 

2つ目が、物体を元”に変化系能力や具現化系能力を用いた場合の可視性について

“オーラを元”にした具現化物は「隠」で非能力者に視えない様にすることが可能だと示されているが、

ツボネの「大和撫子七変化(ライダーズハイ)の様に「元々視える物体」を元にした具現化物も「隠」で非能力者に視えない様にできるかは定かではない。

加えて、水見式から変化系能力オーラだけでなく物体にもその影響を及ぼせるかと思われるが、その場合もどうなるのかは定かではない(例:肉体にオーラの性質を加え変形する=作中未出?)

 

個人的にはどちらもあり得る様に思われる。

変化系能力具現化系能力の2つの系統の違いは、

前者「元(素材)の性質+別の性質(思念)=別の性質を持った元(素材)であるのに対して、

後者「元(素材)+思念=新しい“モノ”」

と、性質の付加創出(作り変え?)なのだろう。

 

つまり、変化系能力元々視える物体別の性質を付加しても、新たな性質を持った物体のため、「隠」しても存在感が薄くなる程度で、非能力者でも視えてしまうように思われる。

その一方で、物体(非能力者でも視える)オーラ(非能力者には視えない)の性質の付加した場合どうなるのか。

ヒソカの「伸縮自在の愛(バンジーガム)はオーラにガムとゴムの両方の性質を付加しているが、その時々で“ガム”の性質の方が強かったり、“ゴム”の性質が強かったりと、性質をスイッチさせている様に思われる。

ヒソカのケースは付加した性質をスイッチさせているが、元々の性質新たな性質をスイッチさせる様なことができるならば、物体変化系能力を用いた場合、付加した性質によっては視えなくさせることもできるの“かも”しれない。

 

具現化系能力の場合は、オーラ(非能力者には視えない)を元に具現した場合、オーラ物であるためか、「隠」した場合は非能力者は視えなくすることもできるが、それは素材の性質を残している(引き摺られている?)ためと言えるのかもしれない。

つまり、物体(非能力者でも視える)を元に具現して、「隠」したとしても素材の性質(非能力者でも視える)から、「隠」しても存在感が薄くなる程度で、非能力者でも視えてしまうように思われる。

一方で、具現化系能力新たなモノの“創出”とも言えるだろうから、素材の性質に関わらず非能力者に視えないモノとして具現化することも出来るかと思われる。

 

つまり結論としては、どちらも出来得るのだろうが―特殊な具現化物がそうであった様に―原則から離れる分だけ余計にエネルギーを用いるであろうことから、実際に各々の能力者がそうするかしないかはその能力の目的能力者のレベルによって変わってくるのではなかろうか。

 

最後に。

変化系と具現化の可視性・可聴性は意外と難しいと思います。

そもそもの能力者がどう考えているかによっても答えは変わってしまうでしょう。

(無知の不知が原因であったり、既知だが使い勝手や汎用性のための恣意的に過不足させている可能性もありえる)

また、漫画の描写故に読者目線では判断が付きにくかったり、場合によっては作者側の認識違いでチグハグになってしまっている様に感じることもあるかもしれません。

しかし、“念”は想像以上に上手く出来ており、各描写も繋がることの方が多い様に感じます。

作者ミスありきで考えるのではなく、どう繋がるか、どう繋げるかで考え始めると、ハンターハンターはより一層楽しい作品になると思います。

 

それにしても休載も長いので書くネタに困るかと思いきや、意外とたくさんあるので不思議です。

今はコロナ禍もあって時間に余裕があるから、早い内に再開してくれたら嬉しいんだけどなぁ…。


「七色弓箭(レインボウ)」について

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◆「七色弓箭」について

幻獣ハンター・ポックルさんの能力「七色弓箭(レインボウ)

19巻(No.190)で1度しか登場しておらず、描写も少なく全容もわかってはいないのだが、今回はこの能力について考えてみたいと思う。

結論から言えばポックルの念系統は「変化系」で、「七色弓箭(レインボウ)「変化系のみ」で構成されたAOP型の能力かと思われる。

 

それでは中身に入って行こう。

まず、「七色弓“箭”(レインボウ)「箭(や/セン)とは「矢」の事で「七色弓矢」とも表せるのだろう。

そうすると、“矢”“違う”能力の要、みたいな意味もあるのかもしれない。

能力の内容だが“七色の矢”の色ごとにその効果が異なる様だが―、

(火?)(速度上昇?)紫 (※一般的な虹の七色)

―判明しているのはその内の2つのみである。

 

何本か矢の能力が出来ていないのならば“七色の矢の中で最速の橙の矢を…”という考えには至らないだろうから、“へなちょこでも型は完成=あの時点で7種類の矢がある”のかと思われる。

ポックルは念能力者になる前から弓矢(短弓)を用いており、しびれ薬を塗った矢も用いてたことから黄=痺れ青は―赤の反対で―なんていう効果があったのかもしれないが、(火?)が色から連想する効果である一方、(速度上昇?)がそうでないことを考えるとやや推測が立てにくいのかもしれない。

 

さて、そろそろ本題に入ろう。

「七色弓箭(レインボウ)の核心部分、即ちポックルの主系統は何だろうか。

能力の内容から探る必要があるのだが、その内訳は大きく―
1:「放出(主系統)のみ

2:「放出(主系統)変化

3:「放出変化 (※主系統は強化)

4:「放出変化(主系統)

5:「変化(主系統)のみ

―という5パターンだろうか。

 

まず、「七色弓箭(レインボウ)の「弓」と「矢」はその輪郭線の描かれ方がオーラの形状を呈していることから「変化系」の様に思われる。

赤の矢がオケラ(?)の蟻に刺さった際、

“ボッ”という効果音と共に、刺さった箇所が燃え上がっているような描写があることから、“赤は火矢”で、

“矢尻”部分のオーラ“火の性質”を付加しているのだろう。

(“熱の性質”の方がにも繋がりそうではあるが、の能力も不明なためひとまず適当に火”とした)

 

そして、橙の矢七色の矢の中で“最速”とのことだが、これは矢尻ではなく羽根の方に仕掛けがあって、この羽根に“風切羽(簡単に言えば鳥が推進力を得るための羽)の性質”を付加していると考えれば実現できるのかもしれない。

(つまり“橙”は、単体での使用はもとより、将来的には他の色と合わせて使うことも考えていたのかもしれない)

 

さて、判断しかねている描写があるのだが、

手が塞がったパイクをポックルが素手で殴り

その後、再度(何色かは不明だが)矢を放とうとしたシーンである。

 

もしポックルが実は強化系で、手が塞がったところに勝機を見出し一番威力の高い攻撃方法(強化)を選んだとするなら、右手で殴っている際に左手にもオーラを纏っている理由がわからないし(左手のオーラも右手に込めた方が威力は高まる)、その後やっぱりと言わんばかりに「七色弓箭(レインボウ)を放とうとした理由は何だろうか。

 

パニック状態に陥っており手が塞がったパイクを見て思わず殴りかかったが、ダメージをあまり与えられていないことで返って冷静さを取り戻り、再度「七色弓箭(レインボウ)を放とうとした―というのは否定はできないが、それならば殴打から弓矢に切り替える前にハッと我に返る様な描写等がその根拠として欲しいところではある。

 

不必要にポックル下げをしたい訳でもないため、“焦ってはいるものの必死に生き残ろうと可能性を手繰り寄せようとしていた”と採るならば、手の塞がっているパイクに放とうとした矢はではなく“最も威力の高い矢”で、かつ“溜め”に時間が掛かる矢だと考える事も出来、その時間稼ぎのための殴打とも採れる。

 

殴打の時に左右の手にオーラを込めたままだったのは、

ポックルにはまだツェズゲラの様な超高速でのオーラ移動はできず、“溜め”つつ、それが終わったらすぐさま放てる様に右手のオーラ(矢)左手のオーラ(弓)を変にイジらなかったのではないだろうか。

どちらの考えだとしても、最終的にポックルは「七色弓箭(レインボウ)を選んだことからも―もしあの殴打が通常攻撃(「凝」)ではなく強化系を伴ったものだったとしても―威力的に「強化系変化系」なのかと思われる(主系統=変化系?)

 

そして最後に検討するのが、「七色弓箭(レインボウ)放出系の力が用いられているかどうかである。

通常、念弾などはAOPから切り離して(EOP化して)用いるのが普通であろう。

しかし、上記検討からポックルの主系統は変化系と推定され、理論値で考えても放出系は60%の威力・精度でしか使用できない。

ビスケの教えを受けつつGIでの修行や死線を越えてきたゴンでさえも、ナックル戦での放出系の威力(理論値は80%)“4000オーラを用いても500オーラ程度”しか保てなかったことを考えると―少なくともこの時のポックルでは―主系統から2つも離れた放出系を用いた場合、およそ主戦力足りえないレベルかと思われる。

(これは放出系が主系統で、変化系との併用の場合も同様の事が言えよう)

 

また、ザザンから“あいかわらず戦い方がお粗末ね。持ってるモノを放せばいいでしょ?”と指摘を受けた際、

ようやくパイクは下2本の腕からバルダ(ポックルの仲間)を放したが、上2本腕で持っていた矢は既になくなっていた”

(バルダには落下の効果線があるため、言われて初めて手を放している描写と採れる)

 

この時のポックルはザザンから神経毒を打たれており、

カストロやレオルが心身状態が非常に不安定な状態では具現化物の維持ができなかった様に、ポックルの矢も毒の影響で維持出来なかったのではなかろうか。

遠隔操作(リモート)の念獣が術者の気絶で消える様に、恐らくAOP型の能力の中でも術者に集中力が求められる様な能力は、術者が異常な状態に陥った時はその維持が難しいのかと思われる。

(モラウの能力の様に必ずしも自動型=EOP型遠隔操作=AOP型というわけではないのだろうが、原則的にはEOP型の能力放出系の能力は能力者が気絶しても消えないのかと思われる。)

 

よって、「七色弓箭(レインボウ)」はAOP型の能力でその内訳は「変化系のみ」なのかと思われる。

赤の矢がオケラの蟻に刺さった時に一緒に燃えている様子から、用いる矢の能力によっては一般的な「放出系能力」「一握りの火薬(リトルフラワー)等と似た様なオーラの消費感なのだろう。

ex.1 赤の矢{AP(赤の矢)SP(APと同量)}×MP(制約と誓約)

赤の矢は敵と共に燃えるため(燃やすための燃料?)、その矢のオーラは回収できないだろう=消費オーラはAPの2倍分(APSP)

ex.2 橙の矢{AP(橙の矢)SP(APと同量)}×MP(制約と誓約)

橙の矢に用いたオーラは回収可能?=消費オーラはSP分のみ

 

以上でぇぇす。

ジートへの攻撃方法について

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◆ジートへの攻撃方法について

ハンターマニアなら「ジート」という名前だけで、“アントキバで腹を吹き飛ばされて死んだ奴”だってすーぐわかるよね。

まぁ私は知らんかったけど。

 

さて、今回取り扱うのはこのジート君が“誰に”“どのように攻撃されたのか”を考えてみる小ネタ(?)です。

不確定要素も多く作中根拠もないので明確な答えではありませんが、個人的にはサブかバラの能力だと考えています。

 

まず状況確認。

・腹部の損傷の状態について

ジートの腹部の損傷状態だが、最初のコマは血で隠れていたことも相俟ってかなり大きそうにも見えたが、最後の描写を見ると思っていたより大きな損傷ではないの“かも”しれない(死に至っているので損傷程度は大きいのでしょうけど、後の比較対象と比べると小さい)

 

・NPCについて

まずNPCとはノンプレイヤーキャラクター=“正規の方法でGIをやっているプレイヤー以外”の人物のことで、GIにいる人間達は全て具現化されたNPCなのかもしれないし、一部は何らかの理由や方法でGM(ゲームマスター)に雇われた様な現実に存在する人間の可能性も否定は出来ない。

しかし、ボポボら囚人の様にGMの監視下に置かれるなら違反→即罰則と移行できるだろうが、街中のNPCの様にある程度の自由があった場合、想定してない様な行為(例えば、プレイヤーがその者をゲーム内で雇用するなどして、他のプレイヤーより有利にゲームを進行させる等)に発展する可能性もあるため、居たとしても恐らく“ある行為をする様に、あるいはしない様に”操作(要請型)されている状態なのかと思われる。

そのため、「具現化された人間」であろうとも(操作された)人間」であろうとも、この記事では特に区別せず同じNPCとして扱う。

 

そしてNPCに対して、

キルアがその性質に触れていたが、爆死したジートの様子を見ていた周囲の者達が、

“異国の者だ” “むごいのォ”

と話していたことから、いわゆる“ゲームのNPC”よりは性能が高そうである。

 

・爆破の状況について

ゴンとキルアが店から出て数十秒程度(20秒程度?)会話をした後、

“どよォ” “キャアアア!!” “ウワァァ” “ヒイッ” 

という叫び声で事件に気づいている。

 

通常、爆破事件が起きたらその爆破音の“後”に悲鳴が聞こえてきそうなものだが、以前の記事(→参照:念の可視性と可聴性について)で触れた様に、例えば「隠」された爆弾(具現物)だった様な場合、NPC(非能力者)には聴こえず、力量的にもゴンやキルアには聴こえなかったという“可能性”もあろう。

 

また、キルアが―NPCなのかプレイヤーかは定かではないが―目撃者に何があったか尋ねた際、

“突然体が爆発したんだ 内からボーンとよ!”

と話していたが、何故この男は“内から”爆発したと言えるのか。

(=本当に内側、例えば腹の中で爆発し、その結果として爆破音は小さくなりゴンやキルア達にはそれが聴こえなかったという可能性もある)

 

恐らくジートの服装が「Tシャツ+ジーンズ(?)」という単純な服装であったことから、この男がジートを見た時は一見して腹部に何か異物が取り付けられていた様には見えなかったためだろう。

「隠」もしくは特殊な具現化物などの可能性もあるだろうが、「外」に異常がなければ「内」に異常があったと考えるのも妥当だろう。

 

そして、注目すべきは“突然…爆発した”という部分だろう。

もしジートが誰かを探すように街中を走り回っていたり“おい、どこにいやがる!?” “くっそぉぉぉッ”等と大声を上げていた後に爆発したならば爆弾を仕掛けられていたのかもしれない等と推測できるだろうが、証言内容からするとその様な素振りはなかった様に思われる。

つまり、ジートは街中を走り回っていた訳でも、大声を上げていた訳でもないのだろう。

 

◇犯人とその方法について

さて本題。

不確定要素も多いため消去法で考えてみる。

 

犯人=ゲンスルー 方法=一握りの火薬

恐らく違うかと思われる。

 

そもそも、「一握りの火薬(リトルフラワー)(※以下、リトフラと省略)は、

“手でつかんだものを爆破できる”能力で、その限界は“バルケットボール”(直径25cm弱)程度のため、発動自体出来ない様に思われる。

トンパやニコルあたりのお腹なら掴めそうだが、ジートは体格が良いため“触る”ことは出来でも“掴む”ことは出来ないのではなかろうか。

 

素材が木や鉄だったとしてもバランスボール(直径約55~75cm)程度の大きさでも念能力者ならば“無理やり”掴むことも出来そうなため、無理矢理ジートの腹を掴むことも出来るのかもしれないが、制約と誓約による“制限”であることを鑑みると、念や特別強い握力などを考慮せずに掴めるサイズが能力発動の限界の様に思われる。

“ジートのTシャツ(腹部)を掴み爆破した”とも言えそうだが、それでいいなら予め何か小さい布等を持っておけば本来掴めないものも爆破することもできてしまう訳で、制約と誓約が形骸化してしまう様に思われる。

 

また仮にリトフラだとしたら、“突然…爆発した”との証言から、“「隠」した状態でジートとすれ違いざまに腹を掴んで爆破した”となるのだろうか。

NPCは「隠」で存在感が薄くなったゲンスルーは記憶に残らず“突然…爆発した”と考えた、と採ることになるのだろう。

 

しかし、大分リスクが高い様に思われるのだ。

あくまで自身への「隠」は存在感が薄くなるだけなので、気づかれる恐れもある。

確かに人混みの多い街中であれば、犯行には気づかれにくいとは思われる。

しかしながら、ゲンスルーは少なくとも5年もの歳月を計画に費やしており、

能力が不明でシングルハンターでもあるツェズゲラを警戒し、

ツェズゲラ組のカードデータが5分後には消えるという時にも、“ツェズゲラ組がゲーム外に出たのは10日前の3時5分”だと全員確認して居たにも関わらず“念のため、3時10分まで待とう”と提案したことからも、慎重な人物の様に思われる。

 

そうすると、確かにGIでは上位の念能力者であっただろうことや、街中での「隠」した状態での犯行ならば、十中八九バレないとは思われる。

しかし、ハメられ組から「爆弾魔(ボマー)」だと少しでも疑われたら計画は破綻してしまう可能性もある。

他に方法がないならまだしも、他に方法があるのならば採らない方法の様に思われるのだ。

 

犯人=ゲンスルー 方法=命の音

恐らくこれも違うかと思われる。

 

ゲンスルーの「命の音(カウントダウン)(※以下、CDと省略)は、“対象者の爆破させたい箇所に「爆弾魔(ボマー)」と言いながら触れることで設置が可能”で、“ゲンスルーの体に触れながら「爆弾魔(ボマー)捕まえた」と言う”ことで解除ができ、なおかつ“自分の能力について対象者に話す”ことで初めて発動出来る能力である。

 

ハメられ組に仕掛けたCDの発動が、“もう1つの能力であるリトフラで解除を阻止する”“告げてから”だったことからも、持っている能力も全て伝える必要があるのかと思われる。

そうでなければ、わざわざリトフラの能力を告げる必要もないし、阻止する能力が“もう1つ”だと限定する必要もないだろう(“他の能力で阻止するがな”、と匂わすことも可能だったハズ)

 

能力暴露リスクによるバネ(制約と誓約)であるからして、その説明で嘘を交えていいのならばリスクになりえず、正直に話さなければならないのだろう。

「もう1つの“解除”法」があるとを付いてはいるが、それは能力発動後であり、「能力暴露を相手にとって利益になる原則」に留め、「必ずしも相手にとって利益になるとは限らない例外」を告げることも制約と誓約とするかどうかは能力者が決めることであろう。

 

むしろ逆にアベンガネが“一斉解除が一斉爆破だとしたら…ヤバイな”と考えていた様に、能力暴露を制約と誓約にしながら、取り付けた相手にとって利益となる一斉解除なるルールを告げずに能力発動させたことから、それが(ブラフ)の可能性を想定しうるのかもしれない。

 

しかし、CDでのジート殺害は無理がある様に思われるのだ。

すれ違いざまにジートの腹部にCDを取り付けるまでは出来るかもしれないが、能力暴露はどの様にするのか。

まず、その場で直接説明するのは無理があろう。

説明には一定時間かかるだろうし、初対面のゲンスルーから突然話しかけられて、爆弾を仕掛けたと言われたならば立ち止まるし、警戒・臨戦態勢にも入られてしまうだろう。

街中で立ち止まって話をすれば周囲の者にも聞かれ、もしプレイヤーが居た場合は疑いを持たれる危険性もある。

(ブログ上はジートのみに伝える“呪言”という裏技も採りえるかもしれないのだが、やはりジートが騒ぎ立てないことに違和感)

 

交信(コンタクト)のカードで説明し発動することも出来るの“かも”しれないが(途中切断は掛けた者側のみ可能)、それだとジートが街中で騒ぎ立てていないのがおかしいだろう。

(それ以前にそもそも遠隔からの説明では発動しない様に思われる。ゲームに入ってきたばかりの者は「離脱(リーブ)」を持っておらず、「遠隔地から説明→CD発動→離脱(リーブ)」では相手は実質的に解除が出来ないことから、説明は対面状態でないと効果がないのではなかろうか)

“格下”に設置→説明→発動と同時に爆弾に「隠」も可能かもしれないがジートの能力が除念だった場合、あるいは除念じゃなかったとしても街中で爆弾魔(ボマー)の情報を漏らされる可能性もあり、リスクが高い様に思われる(そもそも、恐らく能力の性質的に「隠」は無理だと思われる)

 

そして一番の問題点は威力の低さである。

恐らくジートは“格下”のターゲットとして選ばれたのだろうが、損傷が小さいのである。

CDの殺傷力は―

[V(速度)×{AP(ゲンスルーのAOP20%分)SP(APと同量)MP(制約と誓約) ] ×10

―といった具合にリトフラの10倍だとゲンスルー自身が話しており、爆破されたハメられ組の損傷程度はジートよりも遥かに大きかったのだ。

 

もし―

―CDに「隠」が有効だとすると、ジートは「纏」状態だろうから、やはり損傷程度が小さい。

―CDに「隠」がされていなかったとすると、ジートが街中で騒ぎ立てていないのはおかしいだろう。

―CDが「解放(リリース)で爆破されたならば、爆破のタイミングはジートにが分からないハズのため、やはり損傷の程度が小さい。

仮に、爆破されるまでの間ずっと「堅」や「硬」をしていたとしても騒ぎ立てていないのがやはりおかしいのではなかろうか。

以上のことから、CDでの殺害でもないと思われる。

 

犯人=ゲンスルー以外 方法=?

恐らくこれが正解かと思われる。

ゲンスルー以外と考えた場合、それはバラかサブのどちらかであろう。

金のために何十人と爆殺する冷酷さを見せる一方で、仲間思いの側面も持ち、

“ヤバイ橋を渡る時は3人いっしょだ”

とまで言うゲンスルーが、臨時で雇った様な者にこのような重要な任務を与えるとは考えづらい。

サブにニッケスの指輪をはめる様に指示した際のやり取りから、サブやバラは自身の指輪は持っていないのかともこの描写の際は思ったものだが、5年もの計画の中でゲンスルー以外がGIに入らない理由がない上、バラがプーハットの首を持ってGIに入った際の対応離脱(リープ)の使い方や入手方法が面倒(時間が掛かる)ことを把握していたことからバラはGIへの入島経験(プレイ経験)があるだろう。

その後のGIでのサブの発言からも、サブも当然プレイ経験がある様に思われた。

(ゲンスルーがこの時説明したのは―読者含め―裏ルールまでは知らないためだろう)

 

バラ曰く、

“ゲンスルーが本体なら、自分達は備品みたいなもの”

だが、サブとバラも「爆弾魔(ボマー)」だと言う。

 

CDは、

アベンガネ曰く具現化物で、放出・操作・具現という3つの系統をバランス良く使いこなした「発」とのことだが、バラの発言からも「相互協力型(ジョイントタイプ)で、ゲンスルーが具現化系サブとバラのいずれかが操作系あるいは放出系を担当しているのかと思われる。

 

そして思えばゲンスルーは「爆弾魔(ボマー)」について、

“わかってるのはそいつがおそらく放出系か操作系の念能力者だということ”

と、気になる発言をしている。

 

人の上手い騙し方として、よく「虚実を織り交ぜる」方法が挙げられる。

全てを嘘で塗り固めるより要所要所で真実を混ぜる方が嘘に奥行きが出る等と言われるが、この時のゲンスルーの発言も真実なのではなかろうか。

これまでもCDの設置を容易にするためにも―「爆弾魔(ボマー)」の話題を振り易い様に―大量にプレイヤーがGIが入島してきた時(=バッテラ経由のため勧誘しやすい)には手ごろな者を爆破して来たのだろうが、毎回その時にゲンスルーが単独行動を取っていたら怪しまれる可能性もあろう。

そこで自身はハメられ組の誰かと必ず一緒に行動し、その間に“バラかサブ”(=放出系or操作系)が犯行に及んでいたのではなかろうか。

「爆弾魔(ボマー)」を名乗る以上、ゲンスルーの様に相手を爆破する能力を持っていてもおかしくはない様に思われる。

 

まぁ、GIに武器の持ち込みが禁止されているわけでもなく「貧者の薔薇」の様な小型の化学兵器がある世界ですから、相手に取り付けられるような小型爆弾を仕掛けたとかでも成立しそうな感じはします。

 

ただ、証言から恐らくジートは爆弾を仕掛けられた事に気づいていなかった様子で、設置された箇所は恐らく白(?)Tシャツ部分のため、かなり小型の爆弾(実物)か、“隠”された爆弾の様に思われます。

後者の場合、恐らく遠隔操作で起爆か、時限機能付きでしょうから、サブとバラ間での「相互協力型(ジョイントタイプ)の能力という可能性もあるかもしれない。

あるいは、“突然体が爆発したんだ 内からボーンとよ!”という証言を重視するならば、

カキンのマフィア・ヒリンギの「てのひらを太陽に(バイオハザード)の様に元の機能の残したまま一部を作り変える様な能力で、白雪姫の毒リンゴならぬ爆弾リンゴに作り変え、それを食べたジートを本当に“内側から爆発した”のかもしれない。

 

サブもしくはバラの能力、あるいは実物の爆弾

―そのどちらにせよ確証も、それを推測させる作中根拠も乏しいですが、少なくとも“ゲンスルー以外の犯行”の方が個人的にはしっくり来ています。

 

以上です~。

蟻の王 メルエムについて

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◆蟻の王 メルエムについて

恐らく単独では作中最強のキャラクター、蟻の王メルエム。

その名は“全てを照らす光”という意味を持つという。

 

以前に比べ、特質系能力にアタリが付いた部分もあるため再考してみました。

(正直あまり大きな変化はなかったため、焼き直しに近いかもしれないが、複数の記事に跨っているメルエム関連の記事を1つに纏めてみました。)

 

◆目次

┣能力について-1 (食事:MOPの増加と肉体の回復)

┣能力について-2 (食事:食べた相手の発も奪える?)

┣メルエムがコムギと出会わなかった場合
┣誰の言葉か(貴様は…!!そう……貴様は…詰んでいたのだ 初めから)

┗薔薇毒は治せなかったのか

 

◇能力について-1

メルエムの能力は、食べた生物のオーラの“何割か”を自分のモノにできるものかと思われる。

ピトーの所見によれば“食べた獲物(レアモノ)のオーラを食べることで自分のものにできる”というものであったが、若干疑問もある。

 

まずそもそもだが、メルエムが増やしたオーラとは実質的に最大容量(MOP)かと思われる。

イズナビがクラピカのAOPから、オーラの絶対量(=オーラの総量)がかなり増えていることを指摘していたが、念に目覚めたばかりの蟻達がいくらオーラの総量が多くとも、修行不足により体外に出せるオーラ(AOP)が少なかったならば、討伐隊に苦労はなかったハズだ。

 

そのため恐らく、MOP最低AOPは比例関係にあるのかと思われる。

クラピカのケースは、

“緋の目になるとさ…特に怒って緋の目になると理性を失ってすごい力がでちゃう

とパイロが話していた様に、クラピカだけの性質ではなく恐らくクルタ族という種族の特性が関係しているのかと思われる。

クルタ族は特質系のオーラを生まれ持つ血統だが、その強すぎる力に肉体がセーブを掛けて、より近い念系統に変わるだけではなく、使用できるオーラ量にも制限が掛かっているのではなかろうか。

 

クラピカの例では、緋の目になったことにより、MOPの最大値が増し(制限が外れ使用できるオーラ量が増え)、それによって最低AOPが比例して増えたため、「纏」状態のクラピカを見てイズナビは気づいたのだろう。

そしてメルエムの例では、食事によりMOPの最大値が増え最低AOPも増えたため、ピトーはその能力に気づけたのであろう。

 

次に、オーラの獲得割合について。

恐らく、100オーラ分食べたら、100オーラ分増えるということではないと思われます(獲得割合は不明)

と、いうのも生まれた直後のメルエムは腹を空かせていたが、不味いモノは口に入れても吐き出していた

しかし、農村の親子を襲った際には“腹はそこそこ満ちておるしな”と言っていたことから、亀爺やペギー(ペンギン型の蟻)を食べたのは、

パンダの口ぶりからも、メルエムかと思われる。

(食べ跡が汚かっため、農村でユピーががっついていた様にメルエムが食べた後に“余りを”ユピーが食べた?)

 

亀爺やペギーも恐らく師団長で、ペギーには元々ラモットのオーラが視えていたが、亀爺はどちらにせよ授与式で念を使える様になっていただろうから、メルエムはこの時既にレアモノ=念能力者を食べていたことになる。

そして、護衛軍の性質上メルエムが食事中に近くから離れることもないだろうが、ピトーは―その時の様子も視ていたハズにも関わらず―王の能力には気づかなかった様である。

 

亀爺もペギーも一見して戦闘型の蟻ではない様子であるし、さほどオーラ量も多くなかったのではなかろうか。

もし、メルエムの能力が食べた分をそのまま増やせるならば、その時に気づいてもおかしくないため「食べたオーラの一定割合を自分の物とし(MOPの最大値増加+POPの回復)、かつ「MOPと最低AOPの比例関係」という2つの要素がそれを分かりづらくさせていたのではなかろうか。

 

そして、もう1つの性質として肉体にダメージがあった場合は「肉体の回復(再生)も可能な能力なのかと思われる。

これは、爆心地で瀕死の状態のメルエムを発見した際、

“ピトー(宮殿)までは王がもたねぇよ!!”

と叫ぶユピーに対し、

“大丈夫……!!” “私が王を救う!!” “私を召し上がっていただく”

とプフは言葉にしたところからもそう採れるかと思われる。

 

蟻が全般的に食事を取れば肉体のダメージ(損傷)を回復する様な描写はなく、プフは何かに気づいた(思い出した)かの様な表情を見せていた。

恐らく、メルエムが自ら腕を引きちぎりピトーの治療を受けていた際に何らかの食事を取って(一定以上のオーラを持っていた者でないと“不味い”と吐き出すため、供された食事はいわゆるレアモノ)、その時に一定以上の回復を見せたのではなかろうか。

一分一秒を争うような状況で、プフも一か八かの賭けには出ないであろうことから、プフはそれを思い出し“私を召し上がっていただく”という選択を取ったのだろう。

 

そして、これはキメラアントの持つ摂食交配の“王版”とも言える能力かと思われる。

以前、摂食交配について考えたことがあるが、女王の摂食交配は、自らの生殖機能と念を掛け合わせたものと考えられる。

(参照:→摂食交配について)

厳密に言うと、気に入った種(人)を改造する(自分の子として作り変える)能力なのだろうが、女王はその能力を“子に適用”させていたが、王は“自らに適用”させているのであろう。

女王が“より強い王を産むため”にと、1日250体分の肉団子を食していたことから、これは上図でいうところの「+栄養素体(オーラ)の部分で、この部分が食べれば食べる分だけ強くなる=MOPの最大値を増やすという部分に当たるのかと思われる。

 

恐らく蟻は血統的に特質系が多く、特に摂食交配を引き継ぐ様な者は特質系かと思われる。

“食べれば食べる程強くなる”なんていうと、強化系の様にも考えてしまうかもしれないが、継続型のBP強化(爆肉鋼体)や、基本的に使い切りの様子であるAP強化(ジャジャン拳グー)等はそれを使用中は常に強化分のメモリを割いている事になってしまうだろう。

あるいは“食べれば食べる程(一時的に)強くなる”なんていうと、ナックルの「天上不知我独損(ハコワレ)オーラを相手に貸し与えていた様に―タイソンの霊獣が放出系で徴収型の能力を持つことから―相手から奪ったオーラの一部を自らのAOPとして一時的に利用して強くなっていると考えるならば放出系の様にも思われる。

 

しかし、いずれも制限付きの強さだったり、一時的な強さだったりとやや想像から外れてしまっている様に思われ、同様の理由から具現、操作も除外、変化も当てはまらないことから、メルエムは特質系で良いかと思われる。

加えて、クラピカの発言から特質系の念習得パターンが1つではないということが判明したが、後述のユピーのサイコガン(仮)を十分に使いこなし、食事の際の“回復”は強化系に属する力かと思われるため、

メルエムは放出と強化の間に位置する特質系の様にも思われる。

 

◇能力について-2

“我の能力…我の為にあらず!!”

“王にお渡しする為のものだったのだ!!”

“ユピーの翼や砲撃のみならず、私の鱗粉乃愛泉(スピリチュアルメッセージ)も…!!”

“より高い次元の能力として見事に昇華されている…!!!”

と、ユピーとプフは考えていたが、「めだかボックス」の黒神めだかの「完成(ジ エンド)(※認識した能力・才能・技術の完成度をさらに高めた上で使える能力)の様な性質も、果たして王の食事には含まれるのか

 

私は否定派です。

恐らく“能力”というより、

“経験によるスキル”に近いもので、精神の共有状態と、軍儀で養った理解力の高さに基づく再構築―いわばジンの“マネ”に近いものかと考えています。

 

順番に考えていくが、まずはについて。

見た目は確かにユピーの翼とそっくりではあるが、

そもそも、元々女王もメルエムも翼が生えそうな部位が存在している。

 

現実世界の蟻に「有翅蟻(いわゆる羽アリ)「無翅蟻(いわゆる普通のアリ)がいるが、これは別種の蟻ではなく、繁殖期に羽を生やしそれが終わると羽を落としているという。

キメラアントという作中通りの蟻は現実世界にはいないものの、現実世界の蟻の性質を作中に落とし込んでいるであろうことを思うと、特に元々繁殖を行うキメラアントは潜在的に羽を生やすことが可能であったのではなかろうか。

そう考えると“生まれた時から我が身の一部だったかの様な自然さ”という言葉や、ユピーが自由自在に飛ぶまでに時間を要したにも関わらず、メルエムは最初から飛行可能だったことにも繋がる様に思われるのだ。

“無尽蔵に…感じられたユピーのオーラも度重なる…変形によって確実に消費され続けており…”

という神の声(ナレーション)から、変形は魔獣の性質ではなく念の作用だと判明しており、

(強いて言うならユピーの素材となった魔獣はその変形を得意とする魔獣であったのかも?)

変化系(自らの肉体にオーラの性質を付加=形状変化を可能にする)具現化系(ツボネ式具現)、あるいは元から生やすことができるならば蟻はいわゆる万能細胞のようなものを持っていて強化系(細胞の活性化)、はたまたイルミが針を使って変身していることから操作系(ルールの創出と強制?)など複数系統でもって可能と思われる。

 

次にユピーの砲撃だが、

上腕部分に関しては、確かにユピーの“ソレ”と言わざるを得ないだろう。

オーラを飛ばす際には体内のオーラの流れを操作する必要があるらしいが(ビスケ談)、ユピーやメルエムの砲撃は体内のオーラを物理的に腕ごとポンプの様に変形させ圧縮し打ち出しているのだろう。

 

しかし、クロロの「盗賊の極意(スキルハンター)が盗むまでに厄介な段階を踏む必要があり、

ゼノの見解からも―女王の摂食交配のルールから見るに―条件が死後24時間以内にその者を食べるだけ(それも自分で殺した相手でなくともよい)、というのは能力の効果に対して緩すぎる様に思われるのだ。

 

そもそもこの時のメルエムの状態は、かなり特殊な様に思われる。

この時のメルエムはプフやユピーと肉体も精神も繋がってしまったと話していたが、元々それも能力の仕様なのか。

ともすれば、ジャイロの様に色の強い者を食べた時は―幽白のグルメじゃあないが―内から食い破られてしまう危険性もあったのだろうか。

 

また、もしユピーの変形が魔獣特有の細胞(変形を可能とする万能細胞の様なもの?)に由来するとしたら、メルエムは食事の度に相手の細胞を新たに自らの肉体に取り入れているのだろうか。.

そうだとすれば、メルエムは食事の度に精神的にも肉体的にも影響を受け、むしろ生物的な不安定さを逆にもたらす様に思われる。

恐らくそれは基本構造の作り変え部分に相当し、薔薇の爆発から生還した際に肉体的な見た目の変化が起きていないことからも、新たな細胞を取り入れて新たな肉体を得たのではなく女王の摂食交配によって完成した最終構造=“王”という固有種に回帰(回復)していたのかと思われる。

 

そのため、メルエムが意識混濁下に発動したため正しく発動しなかった(エラーが生じた)という可能性もあるのだろうが、食べた相手(プフとユピー)が分身の様な能力を有しており、本体と食べられた部分(分身)でそれぞれで“個”を保つことができ、食べられた後もその本体が生きている点が大きかったのかと考えています。

加えて、まだメルエムが完全に消化しきれていない=まだメルエムの体内でプフとユピーの細胞が生きていることが、共有状態に繋がったのではないでしょうか。

 

砲撃の再現も、

追ってくるポットクリンと、ユピーの“敵本体にダメージを与えなければ…消えませぬ”という言葉を受け、メルエムは攻撃しようと“間接攻撃”を想像し、精神が繋がっているユピーが砲撃を連想し、それを無意識に構築した結果なのではなかろうか。

 

そうして最後のプフの「鱗粉乃愛泉(スピリチュアルメッセージ)について。

“「円」で触れた者の感情を読み取れる様になった”

“此奴の余へ向けられたただならぬ敵意もな”

“一度余の円にさらされた者の心は目をこらすだけでよく視えるわ”

―などとメルエムは話していたが、果たしてこれは「発」と言えるのか。

 

そもそもプフの能力は、

相手の周囲を鱗粉で覆い、オーラの流れを鮮明にすることで相手の精神状態を知ることができるものである。

恐らく自らの鱗粉を媒介にした操作系に属する能力かと思われるが、オーラにはその者のありとあらゆる心の動きが作用し、オーラにはその者の心が表れる。

そしてプフの能力は元々オーラに表れる感情を鱗粉を用いて“鮮明”にしているだけで、

その精度は相手のオーラの強弱や個人の資質や経験等によって大きく異なるだろうが、本来的には誰もが感じうるものかと思われる。

 

オーラの持つ知覚能力で術者から離れたモノを探ることが出来る技術が「円」(≠系統別の技術)、その範囲が広いほど大量の情報処理を迫られ神経を削るためか、これまでの術者は対象の形や位置や動きを探る程度ではあったもの、

「円」が得意だったピトーはメルエムの発しているオーラからその精神状態を「円」で把握することも可能であった。

王の「円」はオーラを無数の光子に変えて周囲に放っているという。

恐らくこの“光子”は、メルエムが感知することを意識した際に精神共有状態のプフが連想した「鱗粉乃愛泉(スピリチュアルメッセージ)に潜在的に影響を受けた結果として、メルエムがオーラで鱗粉を模したのかと思われる。

そして、その光子は“消える事なくあり続け、一粒一粒は極微小ながらオーラ出し続けて”おり、メルエムは“光子が付着した物の形態や性質、感情等の情報を読み取ることが出来る”という。

そして、“最初の「円」で全身に光子を浴びた者の探索は至極容易”というが、逆に言えば最初の「円」で浴びた光子だけでそれは出来ず、新たに光子を飛散させなければそれは出来ないのだろう。

恐らくここからメルエムの「円」の性質が読み取れるのかと思われる。

 

まず、通常の「円」はAOP型かと思われる。

遠隔操作(リモート)の「発」が術者の気絶で消えたり、AOP型の「発」を解除すればその「発」に用いたオーラを回収・再利用できることから(=AOPを共有をしている)AOP型の能力は例え術者と肉体的オーラ的に離れていたとしても(=単純乖離)目に見えない繋がりがあるかと思われる。

そして、それがあるからこそAOP型はオーラの知覚能力も共有できるのかと思われる(コルトピのコピーが「円」の役割が果たせるのもこれが理由だろう)

 

しかし、光子は“極微小ながらオーラ出し続けている”のだとしたら、なぜパームの場所を探す時に新たに光子を撒く必要があったのか。AOP型ならば感知できる様に思われるのだ。

つまり、“消える事なくあり続け…極微小ながらオーラ出し続けて”いる光子は、EOP(放出系の力によってAOPから切り離されたオーラ)なのではなかろうか。

最初の「円」で“何かに接触した光子”は切り離し(EOP化し)“何にも接触することのなかった光子”はそのまま回収(AOPのまま)したから、パーム探索時に既にパームに付着している光子を感知できなかった(EOP化によって術者との共有が切れている)のかと思われる。

 

そして、新たに撒いた光子(AOP型)で感知が出来た理由は、スタンドアローン状態の切り離された光子(最初の円でパームに付着したオーラ)が蓄えてた情報と―まるでシナプスの様に―繋がって情報を得たためかと思われる。

(新たに撒いたAOP型の光子と、最初の「円」で付着したEOP型の光子が接続して情報を得た)

恐らく、パームに付着した光子もずっとパームに付着しているのではなく、振動や摩擦などの“刺激”によって剥がれ落ち、新たなに撒いた光子がそれと結びついて―ヘンゼルの撒いたパン屑の様に―道しるべになっていたのではなかろうか。

 

以上のことから、メルエムの「円」とプフの「鱗粉乃愛泉(スピリチュアルメッセージ)は別物で、精神共有によって影響を受けている可能性はあろうが、メルエムは食べた者の能力を自分のモノと出来るわけではないと思われる。

 

まとめると、メルエムの食事は摂食交配の王版とも言えるもので―

食べた生物のオーラの“何割か”を自分のモノにでき(MOPの最大値の増加とPOPの回復)肉体の再生も可能な特質系の能力食べた者の能力を獲得できる能力ではない

―かと思われます。

そして、メルエム自身は放出と強化の間に位置する特質系能力者かと思われます。

 

◇コムギと出会わなかった場合

メルエムはコムギと出会いと軍儀を経て、“蟻”から“人”になり、予知のごとき先見を得た。

しかしもし、メルエムがコムギと出会っていなければどうなっていたのか。

 

そもそもの戦況が大きく変わっていたと思われる。

まず、コムギがいなければメルエムは「龍星群(ドラゴンダイヴ)が落ちた際も西塔2階の迎賓の間には向かわず、玉座の間に居たであろう。

そして、コムギとの出会いがなければ、

“人間に家畜以上の感情を持ち得ず”、豚や牛の“戦う場所を変えたい”という思惑に耳を貸すこともなかったでしょう。

 

つまり玉座の間で戦闘は開始され、玉座の間にはすぐさまプフとピトーが駆け付け、遅れてモラウが、それからゴン・キルアが到着し、

ネテロ・ゼノ・モラウ・ゴン・キルア VS メルエム・ピトー・プフ

という大混戦が展開されたのかもしれない。

(百式観音の攻撃スピードを考慮すれば、ネテロ・ゼノ VS メルエムが開始し、それから順々に加わる感じだろうが―)

 

メルエムは予知のごとき先見もなく、

柱を使った跳躍(次撃までの短縮)も使えず、ゼノからの横槍も入る事から多少苦戦する様にも思われるが、恐らく逆に早期に戦闘は終了したのではなかろうか。

何故なら、ネテロがメルエムに対し善戦でき、戦闘が長期化したのは(といっても恐らく長くても3分程度だろうが)、メルエムが自らの名前を聞くためにネテロ不殺と、ネテロの正確無比で超速の攻撃を軍儀や将棋等の盤上の遊戯に見立て、ネテロの出せる手(百式観音の掌)の型を出し尽くさせ、その組み合わせを読み切り、無数にそそり立つ針の穴から正解を導くをことを自身に強いたため、とも言える。

 

盤上遊戯の種類によって駒の能力は異なるものの、基本的に各々の駒の“強さ”は同一である。

例えば将棋ならば、自分の歩が進む先に相手の歩がある場合、問答無用で相手の歩を取ることが出来る。

当然、相手は手番を無視してその攻撃を防ぐことも躱すことも反撃して勝つ様なことは出来ない。

 

つまり、その戦いを盤上の遊戯に見立てたメルエムはネテロの放った手に対し、取られる駒同様に抵抗をしていないのである。

しかし、メルエムがコムギに出会わなかった場合、容易に勝てる盤上の遊戯に魅力を感じるハズもなく、無抵抗に攻撃を受ける理由もないことから、ネテロの繰り出す掌に対して反撃をするかと思われる。

 

メルエムの攻撃力がどれほどかはわからないものの、“メルエムは百式観音で殆どダメージを受けず”、掌よりも威力の高い“零でさえも大したダメージを与えられなかった”状況から、ネテロ<攻防力<メルエムなのは明らかであり、その力を攻撃に転じさせれば百式観音の掌を弾くどころか破壊すら可能の様に思われ、

それは戸愚呂弟VS玄海の様に、早すぎる決着に行き着くのではなかろうか。

 

もちろん、ネテロの死は薔薇の開花を意味するから、ネテロとメルエムだけではなく、近くのゼノ、ゴンやキルアを始めとした討伐隊や護衛軍、上空にいるシルバ、王宮前に居た東ゴルドーの国民ら全員が死ぬという最悪の結末になったのだろう。

 

…まぁもっと最悪なのは、ネテロが死に薔薇が開花する際にメルエムやピトーが爆発(ネテロの死体から高まるエネルギー)に気づき、全力で遠方(薔薇の毒が届かない距離)まで、跳ばれることだったのかもしれないのだが…(恐らくそうされないために、わざわざネテロはより狭く不利になりうるにも関わらず地下に潜ったのだろう)

 

◇誰の言葉か

ネテロが自爆する直前の言葉―

“貴様は…!!” “そう……貴様は…” “詰んでいたのだ” “初めから”

―は果たして誰の言葉なのか。

1:ネテロの言葉なのか、2:二人の言葉(会話)なのか、それとも3:メルエムの言葉なのか。

アニメは3ですが、アニメ制作陣の解釈が必ずしも正しいとは思っていない。

(1~2cm程度のキメラアントが普通に“内”の世界に居て、カイトがその巣の近くで普通に釣りをしていて、さらには「気狂いピエロ(クレイジースロット)」の銃が普通にマシンガンの様な爆音を出して、銃のピエロが“もっと派手にやろーぜぇ”等と言っちゃう様なオリジナル要素から蟻編のアニメは始まっており、恐らくアニメ制作陣は“独自解釈”で制作していたのではなかろうか)

 

私は2:二人の言葉(会話=心滴拳聴)だと考えています。

まず、“詰む”という言葉は(自分が相手を)詰んだ”際も、(相手から)詰まれた”際も使い得る。

実際に作中でも、

メルエムは相手を詰んだ時相手から詰まれた時“詰み”と表現し、

プフも後者の意義で用いていた。

つまり、ベクトルの方向に関係なく物事が立ち行かなくなり、もう解決方法などが見つからない状況を指す言葉として使われているのだろう。

 

次に、ネテロがメルエムを“貴様”と呼ぶことに対して若干の違和感はあるのかもしれないが―、

内心:奴、産まれたての餓鬼、貴様”、お前、虫、蟻の王

言葉:王、お主、蟻の王、メルエム、お前さん

―と、ネテロが用いたメルエムの呼称は1つではなく、内心ではあるがネテロもメルエムを貴様と呼んでいる。

恐らく、ネテロの一人称も“ワシ”のイメージがありますが、“オレが求めた武の極みは…”と顧みていた様に、精神統一の業を経た結果、「心」も全盛期(若かりし頃)に近づいていることもその要因かと思われます。

 

メルエムは無論のこと、ネテロも、

“正確無比に最善手を打ち続けるしかない根気の勝負…!! 「それが尽きた時が貴様の潮時!!」だと思ってんだろ……?蟻の王よ 詰めるもんなら詰んでみな”

“そりゃ悪手だろ 蟻んコ”

と、内心や実際に口にしていることからネテロの口から“詰む”という言葉が出て来ることにも特段おかしさはない。

 

そして、虚栄の類ではないネテロの様子や、わざわざ人気のないところに場所を移し、敗れた後に自ら命を絶った状況からメルエムはネテロが“敗れた際の手を予め打っていた”ことに初めて気づいたのだろう。

 

つまり―、

(ネテロの予め打っていた手に気づいたメルエムが)“貴様は…!!”

(やっと気づいたメルエムに対し、ネテロが)“そう……貴様は…”

メルエム:(ネテロは)詰んでいたのだ 初めから”(自分は詰まれていた)

ネテロ:(メルエムは)詰んでいたのだ 初めから”(どう転んでもメルエムに勝ち目はなかった) 

―という様な二人の会話(心滴拳聴)かと思われます。

 

メルエムだけの言葉だとすると、ネテロの手に気づいて“貴様は…!!”の後に、“そう……貴様は…”と落ち着いて再確認する部分に違和感を覚える。その再確認する余裕があるならば、全力でそこから離れる行動に移すべきなのではないだろうか。

 

また、ネテロが腹に入れていた薔薇は心臓の鼓動と連動しているというから、1秒に1回程度の鼓動の連続性が止まった時に作動する仕掛けだったのだろう。

全オーラを使い果たし、オーラ(=生命エネルギー)を全く伴わない元の120歳超の高齢の老人に戻り、最期の搾りかすの力をさらに振り絞って自らの心臓を突いた。

それによって完全に力を使い果たし体勢を維持することも出来なくなり、前のめりに姿勢を崩そうとしていたが―心臓が止まった後も長いと3~5分ほどは意識が続いている可能性があると言われているから―この段階ではまだネテロの意識はあるかと思われる。

加えて、右足を失った不安定な状態で前のめりになってしまったらそのまま地面に倒れ込むと思われる。

つまり、薔薇はネテロが前のめりになってから、地面に倒れ込むまでの間に起爆していると考えられ、“そう…貴様は…”と一拍置くような言葉もしくは思考を巡らすことは難しいと思われる(=心滴拳聴の可能性)

“そう……貴様は…”と、肯定もしくは確認、そして一拍置くような様子があったのは、“メルエムの言葉”を受けての肯定と、ネテロが正に今際の際で果てる寸前だったためかと思われる。

 

そして、両者の“貴様は…”には言葉が終わってない様子があり、なおかつ漫画ならではの描写かと思われるが“詰んでいたのだ 初めから”を両者の間に置くことにより、1ページの右半分をメルエム左半分をネテロという対比になっている表現なのではないだろうか。

 

―ただ、強いて言うならば両者が想像していた“初めから”はそれぞれで異なるのかもしれません。

恐らく、メルエムが思い浮かべた“初めから”は、

“ネテロ達と出会った時”かと思われる。

殺そうと思えば殺せた状況で、敢えてメルエムはそれをしなかったものの、もしその時にネテロを殺していても自分は死んでいた(“初めから”自分は詰んでいた=詰まれていた)

 

対してネテロが思い浮かべた“初めから”は、

(上図をネテロは見てはいないが)“メルエムがこの世に生を受けた時”から、かと思われる。

メルエムの中身が「人」であろうと「蟻」であろうとも、外見が「蟻」である以上、

その二つは絶対に交わらない。

遅かれ早かれ方法はどうあれ、その蟻の王・メルエムは人に敗れる運命にあり、それを分かっているネテロが思い浮かべる“初めから”“この世に生を受けた時から”だったのではなかろうか(“初めから”メルエムの生は詰んでいた)

 

◇薔薇毒は治せなかったのか

メルエムは特質系能力者と推定され、特質系を“願望の成就・現実化が可能な念系統”と考えれば、薔薇の毒に冒されている者を治療する様な能力を生み出すことも可能だったのではないだろうか、と思ってしまうというよりも願ってしまったのだが、それは無理だったのだろうか。

(→参照:特質系能力について)

 

個人的にはメルエムは「千夜一夜物語(アラビアンナイト)の様に、日毎夜毎と軍儀を打ち続けるもコムギに勝つことができず、結果として死ぬまで隠居する様な流れを期待していた。

(※アラビアンナイト…王妃が王に殺されないために毎夜面白い話を語り、佳境に入ったところで「続きはまた明日」と話を止めるということを続け最後には王の凶行を止める、という説話集)

 

クラピカの「律する小指の薬(ジャッジメントチェーン)に類する能力でメルエムを縛る必要はあるかもしれないが、テンプレ好きとしては、幽白のラストの様に暗黒大陸編後少し時間が飛んで、ジャイロが―幽白の正聖神党によるテロ事件の様に―世界で同時多発的に事件を起こし、各地でこれまで登場したキャラが制圧していく中、メルエムらが隠居している地域(恐らく協会の管轄となったNGL)でも事件が起きるも、メルエムは「ふんっ」とか言いつつサクっと処理して(コムギに対して)続きを打つぞ」と呼びかけ、事情を飲み込めていなかったコムギが「ハイ!!」と答えるシーンがあったら「さすとが!さすとが!」とニッコリするのだが、最早色々な意味でそれは適わないだろう。

(メルエムが部屋に入る際に「今度は守れたな…」とちょこっと口角を上げるシーンが入ると尚マル)

 

妄想はさておき、結果的としてメルエムとコムギは助かっていない

その理由はなんだろうか。

 

1:そもそも薔薇毒の解毒は無理

通常、毒を用いた兵器を使用する時、その解毒薬も用意するのが普通である。

(むしろ解毒ができるからこそ交渉にも使え、兵器たりえる)

しかし、もしこの薔薇毒は感染しないことこそがその唯一の回避手段で、一度感染したら誰にも解毒できないものなのもしれない。

もし薔薇毒が五大厄災の1つ、双尾の蛇ヘルベルの毒を弱毒化したものだったりしたら、その可能性もありそうだが、ジン曰く五大厄災の中で、“内”の世界でも犠牲者が見つかっているのはアイとパプの2つと言われているため、この読みは詰んでいたのだ。初めから。

 

ひとまず、“一度感染したら解毒が極めて難しい”ならば―メルエムが特質系であることを思えば―その力の全てをコムギを治療することに注げばその能力が生まれていてもおかしくない様に個人的には感じられるため、その理由はわからないが解毒自体が不可能な毒としたパティーン。

 

2:メルエムの“願い”故

特質系の核心部分は術者の“願望の現実化”かと考えている。

そして、1で少し触れているのが、メルエムの願いが“コムギの治療”だったため―ネオンが自分自身の未来は占えなかった様に―自分の治療が出来ない能力だったのではなかろうか。

ネオンは銀河の祖母に影響を受け、

“今生きている人を幸せにしたい”

“占い師になりたい”

という願いを無意識に現実化させたのが「天使の自動筆記(ラブリーゴーストライター)かと思われるが、その願いの“元”から、その能力の対象は生者かつ自分以外(憧れたのは“占い師”で、あくまで“自分以外を占う存在”)になったのかと思われる。

 

メルエムの願いは、

コムギに会いたい

最期をコムギと打って過ごしたかった

というもので、自らの死を享受してしまったことがその理由なのかもしれない。

 

―ともすれば、連鎖被毒して苦しむコムギを見て、メルエムは薔薇の毒を治療する能力を生み出していたかもしれない。

しかしその効果は自分には及ばず、かつ回復したコムギは離れようとせず、治療と連鎖被毒を繰り返し、その能力を使えない程にメルエムは衰弱し最期を迎えたのかもしれない。

 

3:メルエムの念系統が治療に向かなかった

願望を成就させるのが特質系の核心だとしても、特質系の念習得度は1パターンではないことがわかった。

強化系が得意な特質系もいれば、反対に苦手な特質系もいる。

 

そして、メルエムは恐らく強化系と放出系の間に位置する特質系かと思われるが、“被毒前”に免疫力を「強化」して感染を防ぐことは出来ても、既に“被毒”して肉体が毒化してきていると、細胞の活性化をその核心とするであろう「正強化」は若い方がガン細胞をより早く増やしてしまう様にむしろ悪化させてしまい、逆に細胞の不活性化を核心とするであろう「負強化」は、毒化した細胞の量や臓器によってはそれを不活性化させることで逆に命に関わってしまうのかもしれない。

 

ただ、強化系と言えども、操作系や具現化系の能力を習得可能で、クラピカでさえも「“覚えた能力”であれば、いかなる系統のものでも100%の精度・威力で使用」可能だったことから、

メルエムの圧倒的な力の全てをかなぐり捨てる覚悟を持ってさえすれば、可能だったのではないかと“感じて”しまうのだ。

 

薔薇毒の解毒が、Lv9やLv10の強化系能力などを例に、メルエムが理論上習得できない高位の能力でないと不可能だったのだろうか。

しかし、空間を区切り遮断する能力を放出系と具現化系という相反する能力者が得意とする様に、実現しようとする能力が特定の系統でしか出来ない訳ではない。

例えば、切った相手を麻痺状態にさせる刀を考えた時―

刀に具現した神経毒を散布するという方法もあれば(具現)

オーラに毒の性質を付加し、それを刀身に纏って切りつけたり(変化)

愛用の刀で切った相手を操作し体を動けなくさせたり(操作)

切った相手を弱体化させ体を動かせない状態まで衰弱させたり(負強化)

切った相手を神経性の毒ガスが充満している空間に飛ばしたり(放出)

―と、それに近い能力は様々な方法で実現可能かと思われる。

 

そのため、ある系統では理論上習得できない「発」だとしても、複数の系統を合わせたり、制約と誓約による底上げを前提に、メルエムが見せた比類無き力の一端と、予知のごとき先見を可能せしめたその頭脳をもってすれば、やはり解毒の能力の創出が不可能とは思えないというのが素直なところ。

 

―結局のところその答えは分からないが、2やその派生だとちょこっと嬉しいかもしれない。

最後は「蟻」ではなく「人」に成ったメルエムだが、「人」ほど“強欲”にはなれなかったというのがある意味で蟻編の答えなのかもしれないですね。

 

…ハンターハンターで個人的に一番好きなキャラクターってこともあって、どうもしんみりしてしまいますね。

と、そんな感じで元々は2記事に跨るものだったんですが、色々削って1記事に収めてみました。

以上です。

0:もくじ(系統分類)

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◆もくじ

0:詳細目次(この記事の下部)

1:強化・放出・変化・操作

2:具現・特質

3:不明 (※判断できなかったり、敢えて保留にした者)

4:番外 (※他と比べて長文気味になった者)

5:ナックル・シュート・パーム (※4以上に長文になった者)

6:ノヴ・モラウ (※4以上に長文になった者と諸事情)

 

 今回の「系統分類」の一連の記事はブログの目次や自己紹介を兼ねたものです。

 

 創作物を読み、それをどう読み取ったかは人それぞれです。

 このブログは基本的にハンターハンター関連を扱っていますが、ハンタも千差万別の読み方があり、何が正解不正解かは明らかになっていない描写は多々あります。

 作中で明確に〇〇と表現されているものを理由もなく××とするのは違うにしても、それをどう読み解くかは読み手の性質が現れやすいと思うので、この記事でブログの空気感を感じ取って貰えれば幸いです。

 

 前提として、判断の根拠に用いて良いのは原作(単行本)のみとし、未発刊の37巻に関しては本誌掲載分(2018年43号~52号掲載分:No.381~390)を暫定的に使用しています。

 作外情報(アニメ、副読本、ソシャゲ等の情報)に関しては―原作を読んでいれば通常取りえない解釈やミスが多々見受けられるため信ずるに値せず―判断の根拠に用いておりません。

(※作外情報を用いるのがダメというわけではありませんが、原作のみを根拠とする読み手と作外情報を可とする読み手の考えは交わりづらいと思われます)

 

 加えて当ブログでは恐らく一般的なハンタの解釈とは異なる部分が多々あるかと思われます。代表例としては、ただオーラを手元から離すだけでは放出系の力は必要なく(単純乖離放出乖離)特質系能力の念習得度は1パターンではない等ですが、それに加えてアメブロはあまりブログの容量が多くないこともあって、ブログ容量節約のため当ブログ独自の解釈上の造語も用いておりますのでご承知おきくださいませ。

(→参照:各種用語等放出系能力について特質系能力について)

 

 そして今回は、ブログの目次的役割も持った総括が出来ればと思いキャラごとの主系統分類を―本当に軽い気持ちで―始めたのですが、キャラによって既に別記事で取扱い済のため誘導で済ませたり、明らかな作中根拠があったりして短文で終わる者がいる一方、余談が長くなったり、系統を判断する明確な根拠がなかったり、以前別の記事で取り扱っているが複数の記事に跨っていたり、事情があって誘導しづらく長文になる者が出て来てしまった。

 短文と長文が入り混じっているのもバランスが悪く、かつ今回の記事は最初から分割が目に見えていたため、できるだけhtmlタグを入れたくないこともあって、文字の装飾もできるだけしない様にしてしまっている。

 ただ、長文だと見づらく感じる部分もあり、極端な短文と極端な長文が入り混じっているのはバランスが悪かったため、長文になるキャラクターは「番外」である程度、ちゃんと書くことにしました。

※いつかブログで書こうと思っている箇所を多少は残しておきたいので、敢えてあまり突っ込んでいない部分もあります。

 

 ちなみにですが、あくまでブログ主が思った念系統であり、絶対的に正しいものという訳ではありませんのであしからず。

 

◆詳細もくじ

強化:15名

放出:13名

変化:7名

操作:15名

具現:12名

特質:27名

不明:32名

┣◆1:強化・放出・変化・操作

強化系

┃┣01:ゴン=フリークス (→強化能力について)
┃┣02:ウイング
┃┣03:カストロ(故)
┃┣04:ギド
┃┣05:蚯蚓(故)
┃┣06:ウボォーギン(故)
┃┣07:ジスパー(故)
┃┣08:ゼホ(故)
┃┣09:ボポボ(故)
┃┣10:ラモット(故)
┃┣11:フィンクス=マグカブ
┃┣12:ビホーン
┃┣13:パーム=シベリア (→特殊2)
┃┣14:モントゥトゥユピー(故) (→蟻の王 メルエムについて)
┃┗15:ビル

放出系

┃┣01:リールベルト
┃┣02:シャッチモーノトチーノ(故) (→縁の下の11人について)
┃┣03:センリツ
┃┣04:フランクリン=ボルドー
┃┣05:アベンガネ (特殊1)
┃┣06:モントール?
┃┣07:海賊ボクサー
┃┣08:レイザー (特殊1)  
┃┣09:アイザック=ネテロ(故) (→放出系能力について)
┃┣10:ブロヴーダ
┃┣11:レオリオ=パラディナイト
┃┣12:サイールド
┃┗13:リンチ=フルボッコ

変化系

┃┣01:キルア=ゾルディック
┃┣02:ヒソカ=モロウ (→変化系能力について1変化系能力について2
┃┣03:サダソ
┃┣04:マチ=コマチネ?
┃┣05:ゼノ=ゾルディック (→念の可視性と可聴性について
┃┣06:ビスケット=クルーガー
┃┗07:ポックル(故) (→七色弓箭について)

操作系

┃┣01:ズシ
┃┣02:ヴェーゼ(故)
┃┣03:スクワラ(故)
┃┣04:イルミ=ゾルディック
┃┣05:豪猪(故)
┃┣06:蛭(故)
┃┣07:病犬(故)
┃┣08:シャナーク=リュウセイ(故)
┃┣09:ノブナガ=ハザマ (→操作系能力について
┃┣10:カルト=ゾルディック
┃┣11:円谷キメラ(仮)(故)
┃┣12:パイク(故)
┃┣13:モラウ=マッカーナーシ (→別項目3)

┃┣14:シカク(故)
┃┗15:ザクロ=カスタード

┣◆2:具現・特質

具現化系

┃┣01:クラピカ
┃┣02:梟
┃┣03:シズク=ムラサキ
┃┣04:コルトピ=トゥノメイル?(故) (具現化系能力について)
┃┣05:ゲンスルー (一握りの火薬について)
┃┣06:カイト (別項目1)
┃┣07:ツボネ
┃┣08:ゴレム
┃┣09:カートン(故)
┃┣10:タフディー(故) (別項目1)
┃┣11:リハン (具現化系能力について)
┃┗12:ヒンリギ=ビガンダフノ

特質系

┃┣01:クラピカ(緋の眼時)
┃┣02:バショウ
┃┣03:ネオン=ノストラード(故)
┃┣04:クロロ=ルシルフル
┃┣05:パクノダ(故)
┃┣06:ビノールト
┃┣07:蟻の女王(故) (→:摂食交配についてプフの授翼についてなど)
┃┣08:ボノレノフ=ンドンゴ (→別項目1)
┃┣09:フェイタン=ポートオ (→特質系能力について3
┃┣10:ザザン(故) (→特質系能力について3
┃┣11:フラッタ(故)
┃┣12:オロソ兄妹(故)
┃┣13:メレオロン
┃┣14:ヂートゥ(故)
┃┣15:レオル(故)
┃┣16:ヒナ
┃┣17:ウェルフィン
┃┣18:イカルゴ
┃┣19:シャウアプフ(故)
┃┣20:ネフェルピトー(故)
┃┣21:メルエム(故) (→蟻の王 メルエムについて)

┃┣22:アルカ(ナニカ)
┃┣23:カミーラ=ホイコーロ (→特質系能力について2)
┃┣24:ベンジャミン=ホイコーロ
┃┣25:モレナ=プルード
┃┣26:ツェリードニヒ=ホイコーロ (→No.381-390 part.1)
┃┗27:ハルケンブルグ=ホイコーロ (→No.381-390 part2-3ほか)

┣◆3:不明 (※判断できなかったり、敢えて保留にした者)

不明

┃┣01:無限四刀流の人(名前不明)(故)
┃┣02:ゼブロ
┃┣03:シルバ=ゾルディック
┃┣04:ゴレイヌ (別項目1)
┃┣05:バリー
┃┣06:ボードム=ロドリオット?
┃┣07:ドッブル=ケスー?
┃┣08:サブ
┃┣09:バラ
┃┣10:ナックル=バイン(→別項目2)
┃┣11:シュート=マクマホン(→別項目2)
┃┣12:コウモリ蟻
┃┣13:ミミズク蟻
┃┣14:ノヴ (→別項目3)
┃┣15:コムギ(故)

┃┣16:チードル=ヨークシャー
┃┣17:ゲル
┃┣18:クックル
┃┣19:ギンタ
┃┣20:ミザイストム=ナナ
┃┣21:サイユウ
┃┣22:ジン=フリークス
┃┣23:ゴトー(故)
┃┣24:キキョウ=ゾルディック
┃┣25:ミルキ=ゾルディック
┃┣26:ビンセント(故)
┃┣27:ムッセ(故)
┃┣28:ハンゾー (別項目1)
┃┣29:???? (サイマジョについて)
┃┣30:ルイーニー
┃┣31:ウショウヒ
┗┻32:ビクト

1:強化・放出・変化・操作(系統分類)

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→(前) ■0:目次

→(次) ■2:具現・特質

 

◆強化系能力者

01:ゴン=フリークス

主人公であり第287期のハンター。現在、誓約破りのためか念が使えなくなっている。

■能力:ジャジャン拳

→ジャンケンに見立て、「最初はグー」で全オーラを拳に集め、その後、状況に合わせ「グー(強化)」「チー(変化)」「パー(放出)」を繰り出す。

★系統の決め手:水見式/7巻No.060

(→参照:強化能力について)

 

02:ウイング

■能力:未出

プロハンターで心源流拳法師範代。

ゴンやキルアに念を教えた人物でビスケの弟子。

★系統の決め手:水見式/7巻No.060

 

03:カストロ(故)

天空闘技場200階クラスの闘士。

■能力:分身(ダブル)、虎咬真拳

→ダブルは具現化系の能力で、それを操るには操作系の能力も求められる複雑高等能力だが、天性の資質は強化系に属していたはずというウイングの所見。

★系統の決め手:ウイングの所見/7巻No.060

 

04:ギド

一本足の義足をした天空闘技場200階クラスの闘士。

■能力:戦闘円舞曲(戦いのワルツ)ほか

→独楽と自身の回転力を強めているので強化系、手元から離れているたくさんの独楽を用いるには操作系の能力も要求されるため相性が悪く性能はいま一つとのウイングの評価。

 ノーヒントだったら恐らく決め手に欠け、不明(強化?)に分類したのだろうが、さすがに心源流拳法師範代の見立てに文句を言えるハズもない。

★系統の決め手:ウイングの所見から/7巻No.060

 

05:蚯蚓(故)

陰獣の一人。読みは「ミミズ」。

■能力:名称不明

→名前(通り名?)の通り土中を自由自在に移動できる能力。

 その能力は「土」に作用しているため操作系能力者の様にも感じる部分もあるが、実際の攻撃方法は素手(パンチ)であり、ウボォーはそれに対して「効いたぜ」と話していることから強化系能力者とした。

★系統の決め手:ウボォーの発言から/9巻No.075

 

06:ウボォーギン(故)

幻影旅団の11番。旧旅団腕相撲ランキング1位。

■能力:超破壊拳(ビックバンインパクト)

→拳に渾身のオーラを集中し全力で打ち抜く。最終目標は核ミサイルと同等の破壊力を出すことであった。

 ちなみに「ビッ“グ”バン」ではなく「ビッ“ク”バン」である。「ビックカ〇ラ」という大手家電量販店があるが、それも「BIG」ではなく「BIC」であり、バリ島の俗語で「外見だけでなく中身も大きい」「偉大な」という意味が社名の由来らしい―が、現地にそのような言葉はないという話もある。

 ウボォーもその様に考え名付けたかどうかは…不明である。

★系統の決め手:扉絵から/9巻No.079

 

07:ジスパー(故)

GIのプレイヤーの1人。名前は「ジスパ」だったり「ジスパ」だったりする。

■能力:不明

→戦闘能力に欠けていたハメられ組の中で最も戦闘技術に長けていたと言われ、ゲンスルーの背後から襲い掛かった際、自らの肉体のみで攻撃した状況から強化系能力者とした。

 恐らくあの時の技は独特な手の形から「虎咬拳」かと思われるが詳細不明。

★系統の決め手:状況から/15巻No.142

 

08:ゼホ(故)

GIのプレイヤーの1人。ハンゼ組の男。

■能力:不明

→BP強化系の能力を用いた。キルア曰く「念なしでも楽勝」らしく、能力発動までに時間を要している状況からひょっとするとゼブロ以下なのかもしれない。

★系統の決め手:自身の発言から/16巻No.156

 

09:ボポボ(故)

GIのソウフラビを占拠する海賊の1人。

■能力:不明

→念系統は明言はされていないが、各囚人が己の得意スポーツを担当しており、想定していた対戦相手は強化系かと思われる。

 大して参考にもならないが、強化系のゼホのぶちかましを余裕で受け止める様子から強化系とした。

★系統の決め手:状況から/16巻No.156

 

10:ラモット(故)

キメラアントの兵隊?蟻。コルト隊所属。

■能力:未出

★系統の決め手:水見式から/19巻No.198

 

11:フィンクス=マグカブ

幻影旅団の5番。旧旅団腕相撲ランキング2位。BW号搭乗中。

■能力:廻天(リッパー・サイクロトロン)

→腕を回す程パンチ力が増大する能力。

 腕を回す程に一時的にメモリ(AOP)が増大し、その結果としてAPとそれに応じたSPが増え、その効果としてパンチ力が増しているのかと思われる。この時のオーラを殴ること以外に使えるかどうかは不明。

 ちなみに「リッパーサイクロン(切り裂く旋風)」ではなく、「リッパー“サイクロトロン”(切り裂く“加速器”)」である。

 イギリスの殺人鬼の影響からか“切り裂く”イメージが強いですが、ブルドーザー等の建設重機の装備で「巨大な爪」のことも“リッパー”と呼ぶらしい。重機のリッパーはその巨大な爪で引き裂くのではなく、地面や岩盤やコンクリートを“破砕”するのに用いる様だ。

 フィンクスの技も「切り裂く」のではなく「破砕」することになるだろうから、恐らく「リッパーサイクロトロン(破砕加速器)」の方が合致していると思われる。

★系統の決め手:能力の性質および腕相撲ランキングから

 

12:ビホーン

キメラントの師団長の1人。

■能力:未出

→蟻は特質系が多い種かとは思われるがラモットの様に特質以外の念系統の者もおり、パイクの発言とウボォーの考えを受け強化系とした。詳細はパイク(操作系)の項目を参照。

★系統の決め手:パイクの発言とウボォーの考えから/22巻No.227、9巻No.82

 

13:パーム=シベリア

ハンターでノヴの弟子。ピトーらに捕まりプフの力によってキメラアント化した。

■能力:寂しい深海魚(ウィンクブルー)、暗黒の鬼婦神(ブラックウィドウ)

→省略。(→参照:ナックル・シュート・パームについて)

★系統の決め手:水見式から/20巻No.200

 

14:モントゥトゥユピー(故)

キメラアントの王直属護衛軍の1人。

■能力:オ〇ニービックバン(仮)、サイコガン(仮)、変形

→変形がどの系統に属するのか(恐らく複数系統で可)、またユピーがどの系統の力でそれを成しているのかは不明だが、27巻No.287の神の声(ナレーション)にて「“変形”も念の作用」と判明している。

 魔獣もしくは蟻自体が万能細胞の様なものを持っていて「細胞の活性化(強化)」もしくは「万能細胞にオーラの性質付加=肉体の形状変化が可能になる?(変化)」で処理出来る様に思われるが、実際のところは不明。

 蟻という種族からまず特質系を検討したが、ユピーはシュートやナックルとの戦い中、急速に成長し、爆発の感覚からその力を“自力で構築している”ため「願望の現実化」とは異なる様に思われた。

 思わぬ苦戦(思い通りに行かない現実)を経て学び構築する前、ユピーは本能のままに自らの体のみで力を振るっていたが、無意識に行う攻撃の中にこそ生まれ持った念系統が現れるだろうことから強化系能力者とした。

★系統の決め手:各所の能力の性質から

(→参照:蟻の王 メルエムについて)

 

15:ビル

ビヨンド一派の協専ハンター。

■能力:球根(ハルジオン)

→対象物の成長を促すことができる能力。

 人にもその効果は及ぶ様だが、未修練者に対しては効果が弱いらしく、能力の詳細は不明。

★系統の決め手:水見式から/暫定37巻No.388

 

◆放出系能力者

01:リールベルト

車椅子に乗った天空闘技場200階クラスの闘士。

■能力:爆発的推進力(オーラバースト)

→車椅子の後方の噴出口から、“ためた”オーラを一気に噴出することで得た推進力を利用し自在に車椅子を操る能力(実況解説より)。

 恐らくLv5の放出系修行の「浮き手」の様な能力かと思われる。

★系統の決め手:能力の性質から/7巻No.059

 

02:シャッチモーノトチーノ(故)

ノストラード組に所属していたハンター。

■能力:縁の下の11人(イレブンブラックチルドレン)

→能力発動時と解除時の様子と、バショウの証言(殴った感触が“人の形をしたオーラの塊”)から、風船黒子は実物で、それにオーラを注入しただけの簡易な操り人形(≠念獣)かと思われる。(→参照:縁の下の11人について)

★系統の決め手:自身の独白から/8巻No.073

 

03:センリツ

ノストラード組に所属しているハンター。

クラピカの依頼を受け、現在カキン第10王子カチョウの警護でBW号に乗船中である。

■能力:名称不明

→楽器の演奏と共に自分のオーラを飛ばし、他人の疲労を癒したりすることができ、本気で演奏すれば聴く者の意識を3分間、音の世界へ誘える。

 しかし、カチョウ・フウゲツがその間にBW号から逃げようとした際の様子から、イヤホン(+爆音?or別の音楽?)で簡単に防げてしまう模様。

 センリツの全ての技がそうなのか(聴力を封じても関係なく効果を及ぼせる技があるか)は不明。

★系統の決め手:扉絵から/13巻No.121

 

04:フランクリン=ボルドー

幻影旅団の7番。旧旅団腕相撲ランキング4位。BW号搭乗中。

■能力:俺の両手は機関銃(ダブルマシンガン)

→両手の指を銃口の様に改造し、そこから念弾を飛ばして攻撃する能力。

 「より威力が出る気がするから」という理由で自身で指先を切り落とし、飛躍的に上昇したという。

★系統の決め手:扉絵/9巻No.076

 

05:アベンガネ

GIのプレイヤーの1人。クロロの除念を行った人物。

■能力:除念(名称不明)

→森の精霊の力を借り(=森に棲む生物の生命エネルギーを集め)、自らの具現化能力と合わせ、他人の放った念能力を喰う(払う)念獣を創り出すことができる。

★系統の決め手:能力の性質から/15巻No.147

(→参照:系統分類の番外)

 

06:モントール?

GIのプレイヤーの1人。ヤビヒ組の男。

■能力:不明

→16巻p84での連射砲はグローブの色…もといスクリーントーンが使われているため、まるで拳を飛ばしているかの描写にも見えるが、対戦相手の拳だけの瞬間移動に対する反応や、同p82-83の描写から拳の先から念弾を飛ばしているだけかと思われる。

★系統の決め手:自身の発言と能力の性質から/16巻No.157

 

07:海賊ボクサー(名前不明)

GIのソウフラビを占拠する海賊の1人。ボクシング担当。

■能力:拳のみの瞬間移動(名称不明)

→ショートアッパーの拳のみを瞬間移動させたが、それは長時間かけて自身で念を込めながらリング上に描いた「神字」の補助を借りたものであった。

★系統の決め手:自身の発言から/16巻No.157

 

08:レイザー

GIのゲームマスターの1人で、呪文での移動や外敵対策といった放出系システム担当。

■能力:14人の悪魔?(正式名称不明)

→恐らく最大で計14体の念獣を同時に出せる能力かと思われ、その念獣は合体することで、より強くなる。(→参照:系統分類の番外)

★系統の決め手:GIの放出系のシステム担当という発言や各所の描写から/15巻No.145

 

09:アイザック=ネテロ(故)

ハンター協会第12代会長。

生前は心源流拳法師範で、半世紀以上前は念使いで最強と謳われていた。

■能力:百式観音(ひゃくしきかんのん)

→一見、具現化した観音像の掌で相手を攻撃するという単純な能力であるが、恐らくそれは副産物に過ぎず、その真なる姿はネテロの全オーラを受けそれを圧縮して放つ砲台としての姿かと思われる。

 観音像の攻撃はオーラの流れから次の攻撃を読むことは出来ず、凄まじい速度で繰り出されるため「不可避の速攻」と評された。

★系統の決め手:「零の掌」の性質から放出以外ありえないと思われる/28巻No.297

(→参照:放出系能力について)

 

10:ブロヴーダ

ザリガニ型のキメラアントで師団長の一人。

前世はコルト(クルト)やレイナと同じ村の出身だった模様。

■能力:念弾(名称不明)

→開いたハサミの間から念弾を撃つ能力だが、イマイチその威力はわからずにいる。

 防弾扉を易々と撃ち破る一方で、装甲車には手も足も出なかったが、現実世界では一般的に「装甲車<戦車」の様だ。

 そうすると、マフィアが放った“戦車も一発でオシャカにしちまうスーパーバズーカ砲”を、ウボォーは痛みは伴ったものの片手で防いでいることから、「ブロヴーダの念弾<スーパーバズーカ<ウボォー」の様な力関係の様にも思われる。

 しかしその一方で、ハンタの世界は「貧者の薔薇」を例に、兵器のレベルが現実世界よりも高い様に思われ、その世界の“装甲車”も現実世界のそれよりも防御力が高い様に思われる。

 かつ“装甲車”というのはあくまでブロヴーダやイカルゴがそう呼んだに過ぎず(正式名称ではないだろうことが想像され)、現実世界の装甲車と比較してもかなり大型であることから“○○装甲車”という様に特殊仕様である可能性も考えられる。そのため上記の不等式が正しいかは不明である。

 念系統であるが蟻であるため特質系を最初に疑うが、その能力はピンチの際も通常の念弾のみであったことから特質系ではなく、純粋な放出系能力者だったのではないかと思われた。

★系統の決め手:ピンチの際も念弾以外の能力を見せなかったところから/27巻No.283

 

11:レオリオ=パラディナイト

医大生で新生・十二支ん「亥」。第287期のハンター。

現在、チードル率いる精鋭医療チームの一員としてBW号に乗船中。

■能力:空間ロケットパンチ(仮)

→離れた場所にいる相手を念の拳で殴ることが出来る能力?(わざわざ手の形をとっていたことから、皮膚や筋肉を切らずに肉体をすり抜け手術をしたり、病巣のみを切り取る様なことも考えているのだろうか。そうだとすると今後AOP型とEOP型の混合か、リモートのEOP型など成長させていくのかもしれない)

★系統の決め手:能力の性質から/31巻No.325

 

12:サイールド

ビヨンド一派の協専ハンター。モモゼの霊獣に操作された結果殺人事件を起こし、現在カキン軍に拘束中されている。

■能力:裏窓(リトルアイ)

→ボール状のオーラを飛ばし捕らえた実際の小動物や虫を操作する能力で(具現化生物は不可)、術者は操作している生物の視覚や聴覚もジャックすることが可能である。

 念系統分類において、この手の能力者が一番厄介である。能力の核は生物操作で遠隔からの視認もこなすことから、ビルの説明がなければ操作系能力者と分類していた。ビルによれば“放出系能力者だが、使う能力は操作系寄り”とのこと。

★系統の決め手:ビルの説明から/35巻No.361

 

13:リンチ=フルボッコ

カキンマフィア・シュウ=ウ一家の構成員。

能力:体は全部知っている(ボディアンドソウル)

→標的に質問してから殴る事で標的の心の声を聞くことが出来る能力で、発せられた“心の声”は周りの人間には聞こえないという(標的自身には聞こえているため、“周囲=標的とリンチ以外”のことかと思われる)。

 サイールド同様、“放出系能力者だが、使う能力は操作系寄り”の能力者なのかと思われる。

  「標的が気を失っていると聞けない」能力で、“心の声を聞く”ということからパクノダの能力を連想する。

 個人的には、リンチの能力は質問で標的の記憶を刺激し、それによって呼び起こされた記憶を相手自身に(呪言化して)強制的には話させる能力(記憶の棚を開けているのは標的自身)で、パクノダの能力は質問で探り易くしているだけで、主導権を持っているのはパクノダ(記憶の棚を開けているのもパクノダ)という違いがあるのかと思われる。

 そして、ちょっと珍しい神の声(ナレーション)で、最近ではその「能力自体が〇〇系」と説明されるだけで、「能力者自身の念系統」は明かされないことが多くなってきた様に思われる。

 しかし、リンチ、ザクロ、ヒンリギは「名前(○○系)」と書かれていることから、その通りの念系統で良いかと思われる。

★系統の決め手:神の声から/暫定37巻No..390

(→参照:呪言について、念の可視性と可聴性について)

 

◆変化系能力者

01:キルア=ゾルディック

ゾルディック家の三男で、第288期のハンター。

■能力:雷掌(イズツシ)、落雷(ナルカミ)、神速(カンムル)など

→自らのオーラに電気の性質を加え、攻撃や補助に用いることが出来る能力。

★系統の決め手:水見式/7巻No.060

 

02:ヒソカ=モロウ

元・幻影旅団の4番(偽)で、第287期のハンター。旧旅団腕相撲ランキング3位。

現在BW号内にいると思われるが所在は不明。

■能力:伸縮自在の愛(バンジーガム)、薄っぺらな愛(ドッキリテクスチャー)

→前者は自らのオーラにゴムとガムの両方の性質を付加した能力であるが、後者はストレートに採れば具現化系能力かと思われる。

★系統の決め手:扉絵から/9巻No.080

(→参照:変化系能力について1変化系能力について2

 

03:サダソ

左腕のない天空闘技場200階クラスの闘士。

■能力:見えない左腕(仮)

→恐らく念能力者から洗礼を受けた際に失った左腕をオーラで再現した能力なのだろう(=オーラに“手”の性質を付加)。

 オーラの様相を呈しており観客達からは“見えない”という性質からも変化系に属する発かと思われた。

★系統の決め手:能力の性質から/7巻No.057

 

04:マチ=コマチネ?

幻影旅団の3番。家名の正式な読み方は不明。旧旅団腕相撲ランキング6位。BW号搭乗中。

■能力:念糸縫合ほか

→オーラに“糸”の性質を付加して使用することが出来る能力。

 切断された腕の血管・骨・神経・筋肉をほぼ100%繋いだり、ピアノ線の様に使って攻撃に転じることも可能。

★系統の決め手:扉絵/9巻No.078

 

05:ゼノ=ゾルディック

ゾルディック家・前当主。キルアの祖父で、シルバの父。

■能力:龍頭戯画(ドラゴンヘッド)ほか

→龍頭戯画で描いた龍のオーラに様々な性質を付加する能力。(→参照:念の可視性と可聴性について

★系統の決め手:各所の能力の性質から/9巻No.078

 

06:ビスケット=クルーガー

愛称はビスケ。二ツ星のハンター。ゴン・キルアの実質的師匠であり、ウイングの師匠。

流派は心源流拳法だが、その地位は明確ではない。ネテロが師範(トップ)である以上、恐らくウイングと同じ師範代かとは思われるが、年齢やウイングについて触れた口振りからするに、同じ師範代であったとしてもビスケの方が位は高いかと思われる。

■能力:魔法美容師(マジカルエステ)

→オーラに“ローション”の性質を付加し、若返りや美肌、休息効果の向上など様々な効果をもたらす。恐らく、ローションに強化系の力を加えているのかと思われる。真の姿はウボォー級の巨躯だがゴツイの自分はイヤらしい。

 今のところ戦闘用の能力は見せていないが―“切り札は隠すもの”との考えを持つため―既出の能力以外も持っているかと思われる。

★系統の決め手:能力の性質等から/17巻No.171

 

07:ポックル(故)

第287期のハンター。

■能力:七色弓箭(レインボウ)

→手が塞がったパイクを殴ったが、その後選んだ攻撃方法が七色弓箭であったことから「パンチ<弓矢」であり、能力の核心部分は性質の付加であるため変化系能力者とした。(→参照:七色弓箭について)

★系統の決め手:能力の性質から/19巻No.190

 

◆操作系能力者

01:ズシ

心源流拳法の門下生でウイングの弟子。

■能力:未出

★系統の決め手:水見式/7巻No.060

 

02:ヴェーゼ(故)

ノストラード組で競売担当をしていた構成員。

■能力:180分の恋奴隷(インスタントラヴァー)

→唇を奪った相手を180分間、自身の下僕とすることができる能力(強制型)。

 恐らく能力発動の際にはそれなりのオーラを要すると思われるため、格下の能力者や、身動き出来ない相手、油断している相手、あるいは非能力者の様に無警戒の相手でないと通用しない能力かと思われる。

★系統の決め手:自身の発言から/8巻No.68

 

03:スクワラ(故)

ノストラード組でネオンの護衛についていた構成員。

■能力:名称不明

→全面的に世話をするという条件で飼い犬を操作する。番犬やお使い、スパイなども可能で、鳴き声をモールス信号の様に駆使して複雑な会話も可能。

 生物操作はその対象を無慈悲に支配する能力が多い中、彼の能力はその対象を全面的に世話するという条件を持っている。

 制約と誓約にもなっているのだろうが、彼の心優しさが現れた結果なのかもしれない。

★系統の決め手:扉絵から/12巻No.112

 

04:イルミ=ゾルディック

ゾルディック家の長男で、第287期のハンター。現・幻影旅団の11番(刺青を入れているかは不明)。

ヒソカ自身から“ヒソカ殺害”依頼を受け、現在BW号に乗船中。

■能力:針を用いた生物操作(名称不明)。

→これまで見せた能力は「針」という愛用品を用いた生物操作(強制型、要請型など)が多く、その威力・精度も高い様に思われたため操作系能力者とした。

★系統の決め手:各所の能力の性質から

 

05:豪猪(故)

陰獣の一人。読みはヤマアラシ。

■能力:名称不明

→自らの体毛を操ることができ、強靭な針の様にも、衝撃を和らげる羊の毛の様にもできる。

 その体毛はウボォーの拳に力負けしない強度を誇ることから「強化系」を意識するが、衝撃を完全に打ち消すほどの柔軟性は「毛髪の持つ“柔軟性”の強化」なのか「操作」なのか明確に判断できない様に思われた。

 しかし、ウボォーの腕に“ザワザワザワザワ”と這い寄る様子からも髪の毛を操作しており、“物体にそれだけの念を込めることが出来るのは物体を操る操作系かオーラを物体化する具現化系”とウボォーが話していたことからも―複合の場合も考えられるが―単純に「体毛」を能力の核とする操作系能力者とした。

★系統の決め手:能力の性質から/9巻No.076

 

06:蛭(故)

陰獣の一人。読みはヒル。

■能力:名称不明

→名前(通り名?)の通り体内で飼う大小無数のヒル(実物)を操る。攻撃だけでなく治療に用いるタイプも飼っているという。

★系統の決め手:能力の性質から/9巻No.076

 

07:病犬(故)

陰獣の一人。読みはヤマイヌ。

※本当はサッカーボール以外の物を持っていたがAmebaからBAN食らうだろうから差し替えました。

■能力:名称不明

→鋭いキバで相手を攻撃する能力?

 「毛や歯で鋼鉄を誇るウボォーギンの肉」を易々と噛み切る様子から強化系を意識するが、ウボォーに対して「筋肉バカが、手玉だぜ」と話す様子や、スリムな体、ウボォーの反撃(蛭の頭蓋骨飛ばし)に対しほぼ無力である様子、キバで相手を咬み殺すよりも牙に仕込んだ神経毒の方が通り名に入る程、これまでの仕事は神経毒で捕縛することが多かったのかと思われる(その後拷問することを好む?)。

 そのため、「自らの歯」を能力の核にした操作系能力者とした。

 ちなみ歯に仕込んだ神経毒はシズクが吸えたことから能力によるものではなく実物。

★系統の決め手:能力の性質から/9巻No.076

 

08:シャナーク=リュウセイ(故)

旧・幻影旅団の6番でハンター。旧旅団腕相撲ランキング10位。

能力:携帯する他人の運命ち(ブラックボイス))

→携帯のアンテナを刺した相手を操作できるが、自らに刺して敵を迎撃する自動操作も可能(どちらも強制型)。

 自動操作中は通常以上のオーラを行使できるが“秒単位の使用”でも2~3日筋肉痛でまともに動けなくなる様子のため、恐らく強制的な肉体のリミッター外しの様な効果なのかと思われる。

★系統の決め手:扉絵/11巻No.102

 

09:ノブナガ=ハザマ

幻影旅団の1番。旧旅団腕相撲ランキング9位。BW号搭乗中。

能力:未出

→ウボォーへの発言、BW号に実物の刀を持ち込むこと、攻撃の前に口頭での命令を挟むこと、腕相撲ランキング9位であることから、操作系能力者とした。(→参照:操作系能力について

★系統の決め手:各所の描写から

 

10:カルト=ゾルディック

現・幻影旅団の4番(刺青の有無は不明)。ゾルディック家の5男(次女?)。BW号搭乗中。

アルカの子供時代に与えられていた遊具やキルアの発言から、アルカは女の子(長女)かと思われる。

カキンと同じ様に実際の性別に関わらず、男子と呼ばれるのではなかろうか。

ゾル家は稼業は異常なれど、意外と人情的な部分も多く、恐らくカルトの着物も無理矢理着せられているのではなく、カルト自身が好んで着ているのかと思われ、カルトも女の子なのではないだろうか。

そして、取り戻そうとしている兄さんとはアルカの事かと考えている。(→参照:ゾルディック家絡み

能力:蛇咬の舞ほか

→「紙」や「紙製の道具」を武器にした物体操作や、「紙製の形代(かたしろ)」を用いて情報収集ができる様子。

 実際に発せられた音を聞くほか、GIで除念師を探し出した状況から、何らかの条件を満たすと“心の声”も聴くことができるのかもしれない(もちろん、形代以外の能力の可能性もあり)。

 どうやら操作系能力は、対象を実際に「見る」「触る」等が能力の条件になっていることが多い様だが(パームやムッセやクラピカ等)カルトの能力の条件は不明。

★系統の決め手:能力の性質から

 

11:円谷キメラ(仮)(故)

キメラントの兵隊蟻の1人。ザザン隊所属。

能力:名称不明

→ペルという名の甲虫型の蟻をリモコンで操作していたことから、生物操作系(強制型)の能力かと思われる。

★系統の決め手:シャルとの会話から/22巻No.226

 

12:パイク(故)

キメラアントの兵隊長(?)の1人。ザザン隊所属。

能力:愛の放射線(ラブシャワー)

→「怪力No.1のビホーン様でさえ、この糸(愛の放射線で出した糸)だけは引きちぎれなかった」という発言と、ウボォーが「鎖にあれだけの念を込めることが出来るのは…操作系か…具現化系」と考えていたことを受けて、「パイクの糸とビホーンの力」の関係は、「クラピカの鎖とウボォーの力」の関係の様に考えられ、パイクの糸は実際に自分の体から出したもの(実物)であるため操作系能力者とした。

★系統の決め手:自身の発言とウボォーの考えから、/22巻No.227、9巻No.82

 

13:モラウ=マッカーナーシ

キメラアント討伐隊の一ツ星ハンター(当時)。ナックルとシュートの師匠。

■能力:紫煙拳(ディープ・パープル)

→省略。(→参照:ノヴ・モラウについて

★系統の決め手:能力の性質から

 

14:シカク(故)

カキン第一王子ベンジャミンの私設兵の1人。

能力:遊戯王(カルドセプト)

→“奴の能力を入手せよ!!”というベンジャミンの指示と、シカクの“カード化すら…”という言葉から、相手の能力を奪ってカード化する能力かと思われる。自分の能力の様に“使う”のは特質系の様だが、カードはコレクション以外の用途を持つため(むしろ、そちらが本来の使い道)、“逆操作”なる能力なのかもしれないが詳細は不明。

 詳細は分かっておらず、現在はベンジャミンがこの能力を持っているためお披露目の機会がない訳でない。

★系統の決め手:バルサミルコの発言(シカクは操作系能力者)から/暫定37巻No..389

 

15:ザクロ=カスタード

カキンマフィア・シュウ=ウ一家の構成員。

能力:血いさな世界(ブラッディメアリー)

→自分の血液を自在に操る能力で、点滴は実用と制約を兼ねているという(“輸血”ではなく“点滴”らしい)。

★系統の決め手:神の声から/暫定37巻No..390

 

→(次) ■2:具現・特質に続く。

2:具現・特質(系統分類)

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→(前) ■1:強化・放出・変化・操作

→(次) ■3:不明

 

◆具現化系能力者

01:クラピカ

ノストラード組所属の第287期のハンターで新生・十二支ん「子」、仲間の眼を取り戻すためBW号に乗船しており、その所有者である第4王子ツェリードニヒに接触を図ろうと14王子ワブルを警護に就いたが、カキンの王位継承戦に巻き込まれることとなる。

「通常時(具現化系)」と「緋の眼時(特質系)」で念系統が変わる稀有な一例でもある。

■能力:効果の異なる5本の鎖と絶対時間(エンペラータイム)(特質系)

→基本的にはその目的である対・幻影旅団捕縛に特化してはいるものの、旅団以外とも戦い得る力を持つ。

★系統の決め手:水見式と回想から/9巻No.083(具現・特質)

 

02:梟

陰獣の一人。読みはフクロウ。

■能力:名称不明

→風呂敷で包んだものを―風呂敷含め―小さく収納できる能力

 現在はクロロにその能力を奪われている。クロロも何もないところから風呂敷を出したところから、風呂敷は具現化物、「拡大⇔縮小」は恐らく強化系、そしてルールを相手に強いることから操作の3系統に跨る能力かと思われる。

 クロロが用いた時よりも、旅団員5名が乗る車を包んだ際に出した時は大きく、さらに25平方メール程の金庫にギッシリと置いてあった競売品を包んでいたため、その際はもっと大きかったと思われる。通常の具現化物は同一の物体しか具現できないハズであるため、高位もしくは特殊な具現化系能力もしくは、強化系能力との併用なのではなかろうか。

 変化寄りの強化系能力者の可能性も考えられるが、それならば風呂敷を具現する必要がない(容器を用意したり、オーラを風呂敷の様に使えばよい)ため、具現化系能力者とした。

★系統の決め手:各所の能力の性質から

 

03:シズク=ムラサキ

幻影旅団の8番。旧旅団腕相撲ランキング12位(※左利きであるが、左でやった腕相撲かは明確ではない)。BW号搭乗中。

■能力:掃除機・デメちゃん(正式名称不明)

→シズクが「生き物」だと認識している物以外は“何でも”吸い込む能力(※具現化物だった場合には無生物であっても吸えない)。

 “最後に吸い込んだもの”なら吐き出すこともできるが、それ以前の吸い込まれたものが何処へ行ったかはシズク本人にもわからないという。

★系統の決め手:扉絵/9巻No.077

 

04:コルトピ=トゥノメイル?(故)

旧・幻影旅団の12番。旧旅団腕相撲ランキング13位(最下位)。家名の正式な読み方は不明。

■能力:神の左手悪魔の右手(ギャラリーフェイク)

→左手で触った物体の複製(コピー)を右手で創り出す能力。

 生命体をコピーすることは不可能だが、動かない物体としてなら生物も複製可能(物体に付与された念能力はコピー不可)。

 またコピーはその大きさに関係なく24時間で消滅する。

★系統の決め手:扉絵/11巻No.103

(→参照:具現化系能力について

 

05:ゲンスルー

GIのプレイヤーの1人。爆弾魔の主犯格。

■能力:命の音(カウントダウン)、一握りの火薬(リトルフラワー)

→アベンガネの所見や、バラの発言から恐らく具現化系能力者かと思われる。

 一握りの火薬が具体的に何を具現しているかは不明瞭だが、「指向性を持った“爆発”」という“現象の具現”が個人的にはしっくり来ている。

★系統の決め手:各所の描写から

(→参照:一握りの火薬について

 

06:カイト

ハンターでジンの弟子。そしてゴンの命の恩人と目標を与えてくれた人物。

■能力:気狂いピエロ(クレイジースロット)

→ピエロの口の中にルーレットの番号が表示され出目(1~9)によって武器が変わる能力で、出た武器は“ちゃんと使わない限り”代えられないし、消せないという。(→参照:番外

★系統の決め手:能力の性質とジンの発言から

 

07:ツボネ

ゾルディック家の執事でシルバ直属。シルバには忠誠を誓っているが、その妻であるキキョウはあまり好きではない様子。

ゴトーがツボネのことを先生と呼ぶことから、執事養成所で教鞭を執っていた(or現在も執っている)のかと思われる。

■能力:大和撫子七変化(ライダーズハイ)

→自らの体を元に(衣服含め)、様々な乗り物を具現化する能力。

 原動力は乗り手のオーラなので自力では操作できないという、相互協力(ジョイント)前提の能力。

 私がよく「ツボネ式具現」と書いているのは、具現化系能力が「オーラ以外も材料に出来る」ことを知ったきっかけであり、よくよく考えればそれは水見式で既に示されていたことを見逃していたことへの戒めと警鐘の意味を込めている、とでも書いておけばカッコ良さげだが、単純にこの手の具現化系能力の呼び名がなく、絆創膏の呼び名(サビオ、リバテープ等)がそのコミュニティで最も普及した、あるいは最初に普及した商標名であることに似ている。

 

 話を戻すがツボネの念系統について。

 当初は神の声(ナレーション)や扉絵などで“術者の念系統”も明かしていたが、いつからか、「その能力がどの系統に属しているか」は明かされるも、「術者の念系統」は明かされなくなった様に思われる。その方が読者の読み代が増えるためか、作品として“あそび”があった方が描きやすいかは不明。

 そのためツボネは「乗り物を具現化する」と明かされているものの、その術者の念系統を考えるには注意が必要である。

 しかし、自らが操作できないことから「操作×」、オーラの様相を呈しておらず明確に具現と言われているため「変化×」であろう。

 

 注目したのは“原動力は乗り手のオーラ”という点。

 ツボネが乗り手から奪っているのか(徴収=放出)、それとも乗り手が与えているのか(譲与=恐らく放出)、それとも乗り手は念を込めているだけなのか(放出系である必要はなく、乗り手はオーラをガソリン?変わりに消費しているだけ)。

 ツボネ自身は自力で操作できないと言っている以上、恐らくオーラを与えているのも(込めている)のも運転しているのも乗り手であろう。

 また、ツボネはシルバの直属であることからも、シルバに“使われる”ことも当然想定しているかと思われる(むしろそれが本懐だろう)。

 シルバとツボネが主従関係にあることを思えば、主人のオーラを奪うor借りる様な事は是とせず、かつ、主人に“使われる”ことを思えば、「自身の全力をもってそれに臨むこと」が恐らく執事たる矜持であろうことから、「ツボネ=具現化系」でないと主人に最高の道具を差し出すことは出来ないだろう。

 またゾル家の稼業的に不意の当主の死などによって、乗り手が代わることは想定され、もし放出系の力が必要だとすると「当主の念系統に左右される道具」など良しとしないかと思われる(オーラをガソリン代わりにしているだけで、放出系は必要なし?)。

 “最高の道具”を差し出すため、自力操作や、オーラを借りる奪うといった他系統の能力を一切用いず、あの能力は自系統一点集中型かと思われ、ツボネは具現化系能力者とした。

 ちなみにその乗り物のパワー(速度)が「“理力の杖”型=誰が乗り手でも同一」なのか、「“光魔の杖”型=乗り手のオーラ量や質に応じて向上する」かは不明。個人的には、複数人搭乗できる乗り物もあることから後者の様にも思われる。

★系統の決め手:能力の性質から/31巻No.329

 

08:ゴレム

ビヨンド一派。暗黒大陸探検の実行部隊の1人でミュヘルの部下の模様。

■能力:ゴレム(名称)

→強力な銃火器を具現化し、「弾」として放出系能力者を搭載する事で単体攻撃よりはるかに威力を増すという相互協力型(ジョイントタイプ)の能力。自身で使う銃火器の他、兵隊が用いる武器も具現可能。

 ツボネに似た得意系統極振りの相互協力(ジョイント)前提の能力かと思われる。

 具現化系能力者は放出系を苦手とするため、基本的にAOP型の能力であるが具現化物にオーラを割く分、術者の防御力に難が出てしまう弱点を持つが、術者自身が強固な具現化物の中で戦うことによってその弱点を上手く補っていると言えよう。

 ちなみにゴレムは仲間が用いる呼称のため(=恐らく見た目の印象から)、術者の本当の名前ではないと思われる。

★系統の決め手:能力の性質から/33巻No.347

 

09:カートン(故)

ビヨンド一派の協専ハンター。

■能力:船や車に変身する能力(名称不明)

→最大5名搭乗可能な船か車に「変身」が可能だが、相互協力型(ジョイントタイプ)で他人のオーラが必要だという。

★系統の決め手:能力の性質から/35巻No.361

 

10:タフディー(故)

スィンコスィンコ王妃所属で、第12王子モモゼ付きの警護兵(監視兵)でモモゼ暗殺の実行犯。

■能力:幽体離脱(ザ・タッチ)

→半径20m限定だが、本体が目を閉じて横になっていれば分身の方は自在に動くことができる分身能力。(→参照:番外

★系統の決め手:能力の性質から/36巻No.372

 

11:リハン

カキン第一王子ベンジャミンの私設兵の1人。

■能力:異邦人(プレデター)

→省略。(→参照:具現化能力について

★系統の決め手:能力の性質から

 

12:ヒンリギ=ビガンダフノ

カキンマフィア・シュウ=ウ一家の若頭。

能力:てのひらを太陽に(バイオハザード)

→触れた機械や武器等を元の機能を有したまま生き物に変えて操作する能力。

★系統の決め手:神の声から/暫定37巻No..390

 

◆特質系能力者

01:クラピカ

※具現化系能力者の項目に置いたため省略。

 

02:バショウ

ノストラード組所属のプロハンター。クラピカの依頼を受けてカキン第7王子ルズールスの護衛のため、現在BW号に乗船中。

■能力:流離の大俳人(グレイトハイカー)

→詠み誌した俳句を実現する能力。

 作中の使用例は―、

1つ目は「オレ様が 殴ったモノは みな燃える」
2つ目は「我が問いに 空言人が 焼かれ死ぬ」

―という2回(2つ目は実際には効果を発動していない)のみで、1つ目の句を詠んだ時は「くそったれ 燃えがイマイチ 駄作だぜ」と話していることから、効果は“句の出来”によって変わってしまう様だ。

 そして1つ目の句は、これから質問をする者達へ向けた警告の意味でのデモンストレーションに過ぎず、当然「炎系の句しか詠めない」訳ではないだろう。

 椅子を殴った際、“吹っ飛んだ椅子の周囲”にオーラ描写はなく、次の瞬間に突然燃えている。

 そして詠んだ句の内容に応じて、具現(具象)化する内容も異なってくるため、アルカ(ナニカ)等と同系統の「現実化」の能力、即ちバショウも特質系能力者とした。

★系統の決め手:能力の性質から/8巻No.068

 

03:ネオン=ノストラード(故)

 父親であるライト=ノストラードを予言の能力でのし上がらせたが、クロロにその能力を盗まれてしまった人体収集家の少女。

 36巻No.377でシズクが再度占って欲しいと乞うた際、クロロは「残念だが…無理だな。いつの間にか本から消えていた」と答えていたことから、恐らくネオンは死亡していると思われる。

 その時期が具体的にいつかは不明だが、それがBW号乗船直前にしてはノストラード組の構成員がその事に触れないことに違和感があり、クラピカもBW号にバショウやセンリツを引き抜いていることからも、少なくとも死亡してから一定程度の期間が経っているのかと思われる。

 15巻No.149時点で父親のライトは非常に精神が不安定な状態だっためライトが勢い余って殺してしまったのではないかと思われる。

 対抗で自殺、大穴で除念だろうが、クロロの能力が盗んだ相手に何かを憑けている訳ではないため、“除念”で取り戻せるかは謎。

■能力:天使の自動書記(ラブリーゴーストライター)」

→自動書記による4(or5)行詩で予知行い、悪い予言には必ず警告が示され、その警告を守れば回避可能。術者自身の未来は占えない。

★系統の決め手:扉絵/12巻No.110

 

04:クロロ=ルシルフル

幻影旅団の0番。ハンター証を持つが、盗んだものか自ら取得したものかは不明。旧旅団腕相撲ランキング7位。BW号搭乗中。

■能力:盗賊の極意(スキルハンター)、栞のテーマ(ダブルフェイス)

→元々、4つの条件を満たすことで他者の念能力を盗んで使うことができたが、両手を空けないと発動しない能力を盗んだことで調整を余儀無くされた結果として厄介な制約が増えたという(詳細不明)。

 盗んだ能力は、盗まれた相手が死んだ時点で本から削除され使用できなくなるのが原則ではあるが、死者の念として本に遺ることもあることがあると判明した。

★系統の決め手:扉絵/13巻No.123

 

05:パクノダ(故)

旧・幻影旅団の9番。旧旅団腕相撲ランキング11位。

■能力:記憶を読む能力(名称不明)、記憶弾(メモリーボム)

→人や物体に触れることで、そこに残された記憶を読み取ることができる能力。

 引き出した記憶を具現化した弾に込めて人を撃つと、撃たれた者はその記憶を植え付けられ、引き出した本人を撃つとその者は記憶を失うという。

 ちなみに引き出している記憶はもっと純粋な原記憶で、質問で対象の記憶を刺激し探りやすくしているというが、物体から記憶を読み取ることができるため、対象が気絶していても可能なのかと思われる(質問で刺激ができない分、多少骨を折るとは思われるが)。

 (魂がない)死体からも読めるかどうか、どこまで読めるか、でその仕組みを探れたかもしれない。

★系統の決め手:扉絵/12巻No.105

 

06:ビノールト

GIのプレイヤーの1人。賞金首ハンターであるが自身も賞金首(第一級殺人犯)。

GIを出たら自首するとの約束の下見逃されたが、本当に自首したかどうか、そもそも無事にGIから出られたかも不明。

貧民街(スラム)出身で幼少期のトラウマから歪んでしまった様子。

「まともに生きたかっただけ」という思いがずっと尾を引いている様だが、下記能力があればまともに生きることも、人から感謝される人生も歩めたのかと思われる。

ただ皮肉なことに、恐らくこの能力に目覚めたのは道を踏み外し、もう後戻りが出来ない精神状態に陥った後だったのだろう。

■能力:切り裂き美容師(シザーハンズ)

→愛用のハサミで切った人間の髪の毛を食べることで、本人さえ知り得ない肉体の情報(肉質、病気の有無、遺伝的資質、強さ等)を知ることができる。

★系統の決め手:能力の性質から/14巻No.137

 

07:蟻の女王(故)

キメラアントの女王。通常のキメラントが女王蟻で10cm程度であるのに対し、女王は2m以上の個体で人型でもあった。

果たしてこの女王は本当に“外”から流れ着いたのだろうか。それとも“内”で繁殖していた者達でも居たのだろうか。

もし後者だとすれば、旺盛な食欲で自重の数倍の食糧を1日で消費することを考慮すれば、目立った種の乱獲を表立たせずに数世代~十数世代に渡って繁殖させていたことになり、その組織の規模が小さくないことが想像に容易い。

■能力:摂食交配

→対象(女王が気に入った種)と、組み合わせたい特徴と、自らの生殖能力を組み合わせ、自分の子として改造する能力。

 基本的にその子供達は「一定の行動をするように、あるいはしない」様に操作状態(要請型操作)にあるかと思われる。

 そして接触交配は「この女王だけが有している能力」ではなく、“種として有している能力”であるため、恐らく特質系の典型例である“血統”かと思われる。

 ただキメラアントは特質系が多いと思われるが、全ての者が特質系という訳ではない点に注意が必要。

★系統の決め手:能力の性質から

(→参照:摂食交配についてプフの授翼についてなど)


08:ボノレノフ=ンドンゴ

幻影旅団の10番。旧旅団腕相撲ランキング8位。BW号搭乗中。

■能力:戦闘演武曲(バト=レ・カンタービレ)、序曲(プロローグ)、木星(ジュピター)、変容(メタモルフォーゼ)など

→“奏でた音(メロディ)を戦闘力に変える”能力。(→参照:番外

★系統の決め手:能力の性質と腕相撲ランキングと様々な曲の具現化から

 

09:フェイタン=ポートオ

幻影旅団の2番。旧旅団腕相撲ランキング5位。BW号搭乗中。

■能力:許されざる者(ペインパッカー)、太陽に灼かれて(ライジングサン)

→ストレートに解釈すれば変化系能力者となろうが、性格と能力の性質(迎撃型)の不一致から強化系と変化系の間の特質系(変化寄り)とした。(→参照:特質系能力について3

★系統の決め手:能力の性質と性格からの違和感、腕相撲ランキングから

 

10:ザザン(故)

サソリ型のキメラアントで師団長の1人。

■能力:審美的転生注射(クイーンショット)、狂化(仮)

→ザザン版の摂食交配(体外受精型?)。フェイタンとの戦いから、恐らく強化と放出の間の特質系(強化寄り)かと思われた。

★系統の決め手:接触交配の継承、能力の性質から

(→参照:特質系能力について3で多少触れている)

 

11:フラッタ(故)

トンボ型のキメラアントの兵隊長。レオル隊所属。

■能力:衛星蜻蛉(サテライトンボ)、超複眼(スーパーアイ)

→無数のトンボ型の念獣の視覚を通して遠隔からの視認・指令が可能な能力。

 具現化系と操作系(遠隔からの視認・指令)に跨る能力だが、通常具現化系は大変なイメージ修行が必要なハズである。

 馴染みのあるものならその修行を大幅に短縮可能かと思われるが、仮に「サテライトンボ=前世のトンボの姿」だったため早期の具現が可能だったとすると、我々人間は自らの分身を具現化するのは容易となりうるのではなかろうか。

 やはり複雑な“生物”の具現は、学者レベルやよっぽどの物好きや特殊な事情を持っていない限りはある程度の時間を要するかと思われる。 そのため「現実化の能力」かと思われ、特質系能力者とした。

 そもそも、ノヴが“街中を平井していた見慣れぬ蜻蛉…この国の特有種”かと考えていたことからも、恐らく前世のトンボの方の姿でもないかと思われる。

★系統の決め手:能力の性質とノヴの発言から/23巻No.237・No.246

 

12:オロソ兄妹(故)

半魚?型のキメラアントの兵隊長兄妹?レオル隊所属。

■能力:死亡遊戯(ダツDEダーツ)

→兄と妹の相互協力型(ジョイントタイプ)の能力。

 妹が念で創ったバッジを敵の体に付着することで発動し、敵の体は兄の創ったダーツゲーム(の的)とリンクする。

 的にダーツが刺さると「敵の体にダツ(念魚)が先端が刺さった状態」から具現されるため、この攻撃を回避する方法はない(“箱庭”で起こしたことを現実化する能力?)。

 発動すれば無敵であるものの、決着の一投をバースト(ミス)すると、それまで敵に与えてきたダメージが全て兄妹に跳ね返ってしまう。

★系統の決め手:能力の性質から/23巻No.239

 

13:メレオロン

カメレオン型のキメラアントで師団長の1人。

恐らく前世の名前がメレオロンで、キメラになってからの名前がジェイルかと思われる。

■能力:1.透明能力、2.神の不在証明(パーフェクトプラン)、3.神の共犯者

→1の能力は姿が見えないだけで匂いは残るのに対し、2の能力はメレオロンが呼吸を止めている間は何人たりともメレオロンの存在に気づくことが出来ない。3は2発動中メレオロンが手を触れている者にも2を連動する能力。

 ウショウヒの言う「不可知型」の能力の1種かと思われるが、イメージが難しい具現であり(認識できないとイメージすることは、逆に認識していることになる)、特質以外の系統だった場合には能力の構築が余りにも早すぎる様に思われた。

 カメレオンが保護色を用いることからも、その記憶を持つ蟻としての「願望の現実化」として、特質系能力者に分類した。

 3は他者との念のコンボも可能であるが、ハコワレが事前にコンボ可能かどうかを事前に検証していることから、全ての能力とコンボが可能な能力ではないという意味であろう(全ての能力がコンボ可能ならば、事前に検証をする必要がないため)。

★系統の決め手:能力の性質から/23巻No.242-243

 

14:ヂートゥ(故)

チーター型のキメラアントで師団長の一人。

■能力:1.サバンナ鬼ごっこ(仮)、2.ボーガンクロウ、3.紋露戦苦(モンローウォーク)

→1は攻撃した相手を野球のグラウンド程のサバンナの様な草原の異空間に自分ごと相手を閉じ込め、相手はその異空間の中で8時間以内にヂートゥをタッチしなければいけない能力。恐らく時間制限内にヂートゥに触れないと、一定期間念を使えなくなる能力かと思われるが不明。

 2は1の能力使用中に敵を直接攻撃すると1が解除されてしまうため、逆境で産み出した具現化物。

 通常、具現化物は大変なイメージ修行を経る必要があるが、ヂートゥは瞬時にそれを産み出した。キルアが早期に電気を練れた様に、術者がそれに馴染みがあり、ヂートゥが(前世で)常に愛用していた様な道具ならば瞬時に具現することも不可能ではないかもしれないが、その様な素振りもないため、「現実化」の能力によるものと判断し、特質系能力者とした。

 ボーガンはヂートゥが全速力のスピードを乗せて撃って当てられるならば実は有用な武器になりえたのかもしれないが、既にモラウのロープで全速力を出すことは適わず、かつモラウが上手く“自分の脚より遅い武器”と印象づけたこともあってヂートゥは二度と使うことはなかったと思われる。

★系統の決め手:能力の発現のさせ方から/24巻No.248

 

15:レオル(故)

獅子型のキメラアントで師団長の一人。恐らく前世名はハギャ。

■能力:謝債発行機(レンタルポッド)

→相手の能力を実際に見るか能力名を知り、その後相手に恩を売り「これは貸しだからな」等と確認し、相手が同意した場合に限り、その者の能力を1回1時間借りることができる能力(レオルが使用中、元の能力者はその能力のみ使用できなくなり、死亡すると発行機からデータが消える)。

★系統の決め手:能力の性質から/24巻No.248

 

16:ヒナ

(尻尾から)兎?型のキメラアントで兵隊長の一人。レオル軍所属。前世名はヒリン?

■能力:除念(名称不明)

→詳細は不明だが、恐らくヒナ版の「摂食交配」の能力かと思われる。

 相手の念と何か(自身のオーラや他の生物?)と自らの生殖機能を合わせ、掛けられた念を食べ「産み直す」ことで除念が可能な能力だったのではなかろうか。

 産まれたモノが実物の生物なのか、念獣なのかも不明。除念相手(念を掛けられた者)が死ぬとお腹のモノは消えてしまうため、恐らくその念を掛けた者が死んでも同様かと思われる。

 接触交配を継承しているため、特質系能力者とした。

★系統の決め手:接触交配を継承から/25巻No.261

 

17:ウェルフィン

狼型のキメラアントで師団長の一人。前世名はザイカハル。

■能力:卵男(ミサイルマン)

→対象者を定め、「質問・命令」を込め(「口頭で質問・命令」をして?)、偽った者や逆らった者がいた場合、攻撃が開始され対象者の体内に反抗心を糧に成長する念獣・黒百足を植え付ける。

 ウェルフィンの命令に背いたり、危害を加えようとすれば、黒百足は急速に成長し、最後は対象者の体を突き破り命を奪う、という迎撃型(カウンタータイプ)の能力。

 イカルゴの銃がどれほどの威力を誇るのかは不明であるが、蟻の固い外骨格と潤沢なオーラがあれば多少は防ぐことも出来たであろうが、全弾十分過ぎるほどのダメージを負っている様子のため、ウェルフィンの能力はAOP型かと思われる(黒百足にAOPを割いた結果、自身の防御力に難が出ている)。

 そして、本人は「解除条件は定めていなかった」にも関わらず、“弱気になったり術者から対象者に情報を伝えたりすると解除されてしまう”様であった(術者が「一方的に相手の情報を奪う能力」であり、術者が「相手に情報を渡す」とNG?)。

 短期間で背中の発射装置、ミサイル、黒百足と複雑なものを具現化し、かつ術者が考えてもいなかった「解除条件」が組み込まれていたことから、本人が言っていた様に“性格そのまんま反映”した能力、「願望の成就・現実化」が為した能力であろうから、特質系能力者とした。

★系統の決め手:能力の性質から/26巻No.276

 

18:イカルゴ

タコ型のキメラアントの兵隊長。元レオル隊所属。

■能力:1.寄生能力、2.蚤弾(フリーダム)、3.死体と遊ぶな子供達(リビングデッドドールズ)

→3の印象が強いため、“死体に寄生できる能力”のみを持っている様にも思われるが、キルアの狙撃した際には―水の中に落ちて食べられている際に大量の血が広がっているため―“生きている者にも寄生”できるのかと思われる。

 しかし、“ブロヴーダに寄生した方がずっと安全に地上に戻れる”と考えながらもブロヴーダを殺せず、寄生を諦めたことから、生者と死者では寄生の制約と誓約が異なるかもしれない。

 あるいは、効果が異なるのかもしれないが詳細は不明(例えば、“死者の場合は完全に寄生が出来る上、能力も使用可能になる”が、“生者の場合は完全には寄生できずイカルゴの体の一部が露出し、かつ能力の使用は出来ない”など)。

 ユウレイイカに憧れたタコの記憶を有しており、「寄生能力」は“タコであるがイカになりたい”という願望から生まれていると思われ、「死体に寄生する能力」は、ユウレイイカは生きた状態で捕獲されることは稀で捕獲できたとしてもすぐに死んでしまうため、“ユウレイイカの死体であっても憧れた”ため生まれた能力の様に思われる。

 クロロの能力についてゼノが「特質」と触れ、クラピカが他人の能力を奪うことには特質系能力を使用せず可能としていることから「他人の能力を使用すること」には特質系の力が必要なのかと思われるため、特質系能力者とした。

 

19:シャウアプフ(故)

蝶型のキメラアントの王直属護衛軍の1人。

■能力:催眠?、鱗粉乃愛泉(スピリチュアルメッセージ)、蠅の王(ベルゼブブ)、授翼(仮)

→能力は操作系や具現化系の様に思われる能力が多いが、レオルやヂートゥに能力を授け、かつパームの様にキメラ化も行っていた能力はプフ版の摂食交配かと思われ、特質系能力者とした。

★系統の決め手:水見式から/28巻No.294

(→参照:プフの授翼について

 

20:ネフェルピトー(故)

猫型のキメラアントの王直属護衛軍の1人。

■能力:操り人形(仮)、玩具修理者(ドクターブライス)、黒子舞想(テレプシコーラ)

→テレプシコーラ(合唱詩と“舞踏”を司る女神)の意味からすれば、最初から「黒子舞想」で良いと思われるが、初使用時は「黒子無想」であった。

 恐らくピトーは操作系と具現化系の間に位置する特質系能力者で、放出系は元々そこまで得意な系統ではないと思われる。

 そのため、元々考えていたテレプシコーラはAOP型の「黒子無想」で、 “王にも届き得る”ゴンに対し、“死しても舞い続ける覚悟”を決めたピトーが改良を加えたのがEOP型の「黒子舞想」だったのかと思われる。

 理由は単純で、ピトーが死者の念について知っているかどうかは分からないが、死を前にして“殺されるのがボクで良かった”と安堵していたが、そこで臨戦態勢状態で高まっている意識を下げることはAOP型ならばあり得ないと思われるのだ。

 EOP型=ピトーが気絶しようが死のうが、込められたエネルギーを使い切るか、目的を果たすまでは消えない能力だから、ピトーは死の際に安堵したのであろう。

 ピトーの系統的に恐らく放出系は得意ではないハズだが、そのEOP型の念獣が直接敵と戦うわけでもないため“強度”が低い分にはさほど影響はないだろうが、EOP型にすることでリミッター外しの様な操作系能力が入っていたとしてもその威力・精度は下がってしまうだろう。

 しかし、ゴンがそうしている様にピトーも命を賭していることを思えば、多少の底上げを図れていたのではなかろうか(「+死者の念」は望外のことだったと思われる)。 

★系統の決め手:水見式から/19巻No.198

 

21:メルエム(故)

キメラアントの王。

■能力:摂食交配の王版(仮)

→食べれば食べる程強くなる能力。

★系統の決め手:能力の性質から/21巻No.217

(→参照:蟻の王 メルエムについて)

 

22:アルカ(ナニカ)

ゾルディック家の4男(長女?)。制御できない力ゆえに長らく幽閉されていた。

子供時代に与えられていた遊具やキルアの発言から、アルカは女の子(長女)かと思われる。

カキンと同じ様に、実際の性別に関わらず「男子」とされているのではなかろうか。

■能力:欲望の共依存(名称不明)

→アルカの能力というより、正確にはアルカに寄生した霧状生物アイの能力かと思われるが、アルカに寄生することで生まれた特異な性質もあるかと思われるため、ひとまずアルカ(ナニカ)の能力とした。

 個人的にはゼノの父親がミンボ共和国の暗黒大陸探検に(依頼を受けて)同行し、正気を失っていた生還者3名かつ日常生活に戻れた3名の内の1名(既に死亡済)であり、そこから感染したのではないかと考えている。

★系統の決め手:能力の性質から

 

23:カミーラ=ホイコーロ

カキン帝国の第2王子。

■能力:百万回生きた猫(ネコノナマエ)

→死後発動し攻撃した来た者の命を以て蘇生する能力。

★系統の決め手:性格と迎撃型の不一致から/36巻No.373

(→参照:特質系能力について2)

 

24:ベンジャミン=ホイコーロ

カキン帝国の第1王子。

■能力:星を継ぐもの(ベンジャミンバトン)

→ベンジャミンに忠誠を誓った念能力者が死ぬとその能力を継承出来る能力で、継承すると掌に星が浮かび上がる(※譲渡資格を有するのはカキン国王軍学校を卒業し、かつベンジャミンの私設兵団に属している者に限られる)。

 継承した能力が“死者の念”として強まっている状態かは現状不明。

★系統の決め手:能力の性質から/36巻No.373

 

25:モレナ=プルード

カキン帝国のマフィア・エイ=イ一家の組長。

ナスビの愛人の娘(婚外子)であり、産まれると同時に“二線者”として二枚刃で顔を割かれ、一生表舞台に姿を見せない事を条件に存在を許されている。

■能力:恋のエチュード(サイキンオセン)

→メンバー0(モレナ)の唾液を通じて発症者(メンバー)が増殖していき(モレナ含め最大23名)、発症者は人を殺すとレベルが上がり、オーラの総量、威力が増していく。レベル20を超えると独自の能力が発現し、レベル100に達するとその発症者も0患者(メンバー0)となり、独自の感染集団(コミュニティ)を形成出来る様になる。

 殺した対象に応じて上がるレベルは変わり、一般はレベル1、念能力者はレベル10、(カキンの)王子は50レベル上昇するという。

 

 キメラアントの摂食交配や、プフの授翼(仮)や、ビルの球根(ハルジオン)を足して割った様な能力かと思われるが、その能力の根底には強い恨みや憎しみの感情や破壊衝動があるため、その本質は似て非なるものであろう。

 「オーラの総量、威力」が増していくというのは「威力・精度」の様な意味合いで、自分のコミュニティの発症者は「人を素に作った念獣」の様なモノなのかもしれないが詳細は不明。

★系統の決め手:能力の性質から/36巻No.378

 

26:ツェリードニヒ=ホイコーロ

カキン帝国の第4王子。人体収集家であり猟奇殺人鬼。複数の緋の眼を所持しておりBW号搭乗中。

■能力:刹那の10秒(名称不明)、お腹ナンバーオブビースト(仮)

→前者は目を閉じて絶を行うと未来予知と未来改変が可能な能力。後者は自らがケツモチを務めるマフィアの組長・モレナ=プルードの造反が露見した際にツェリードニヒが無自覚に具現化した特質系の念獣だが能力は不明である。

 個人的に前者の能力は実はお馬さんのものなのではないかと疑っている部分もある。

★系統の決め手:水見式から/36巻No.376

(→参照:No.381-390 part.1)

 

27:ハルケンブルグ=ホイコーロ

カキン帝国の第9王子。

■能力:能力名不明

→霊獣の力で強く束ねられた臣下のオーラを強力無比な鎧と矢と化し、自らのオーラは弩に変え、矢に意思を込め放つ能力。

 その矢の破壊力を単純に破壊力「音速を超える直径5メートルの火球級」と推定されるが、実際にその能力で相手を肉体的に傷つけることはない。

 覚悟の刻印を持つ臣下の魂(?)を相手の肉体に宿らせることが出来るようだが、その詳細は具体的には分かっていない。

 放出系能力を想像するが、矢はEOP型ではなくAOP型と思われる。

 

 ハルケンブルグの念系統を考えるにあたり一つ気掛かりだったのは、霊獣のような寄生型は宿主と同じ念系統になるか、より興味を持った念系統になるのか、宿主の念系統と興味の中間等にズレるのか、それとも術者(初代カキン王)の念系統になるのか、という点である。

 霊獣の能力紹介の際に「○○系の能力」等と明かされているものの必ずしも霊獣自身の念系統は明らかになっておらず、カミーラ自身の念系統は特質系かと思われるが、カミーラの霊獣の能力は「操作系 強制型の能力」となっている。

 そのためハルケンブルグの念系統が特質以外で、特質系の霊獣がプフの授翼(仮)の様に王子に願望や念系統に合う能力を授けている可能性もあろう。

 しかしそうだった場合、カチョウの様に強い願いを持つ者に霊獣が能力を授けないことに疑問もあるが、カチョウの場合は継承戦が意図しない願いを想っていたため、霊獣はルールに則り手を貸さなかっただけなのかもしれない。

 霊獣が宿主に能力を授けるのは、継承戦に「積極的に参加する意思」を持ち、かつ「明確な願いを持った時」で、後者だけだった場合は「霊獣がその能力を発現するだけ」なのかもしれないが、イマイチ現時点ではピースが足りない様に思われた。

 ひとまず王家の内、ベンジャミン、カミーラ、ツェリードニヒ、モレナ等と特質系能力者が多いため、キメラアントの様に血統的に特質系が多い様に思われ、ハルケンブルグの能力発現の状況からひとまず特質系能力者とした。 

★系統の決め手:能力発現の状況から/暫定37巻No.382

(→参照:No.381-390 part2-3ほか)

 

→(次) ■3:不明に続く。

3:不明(系統分類)

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→(前) ■2:具現・特質

→(次) ■4:番外

 

◆判断の決め手がない能力者

主系統におおよその見当は付くが決め手がなく明確に分類できない者や、情報が少なく判断できない者を「不明」とした。

※基本的に念描写すらない者は除外しているが、個人的に気になっていたり関連記事を上げている者は取り上げている。

 

01:無限四刀流の人(故)(名前不明)

ハンター試験でヒソカに半殺しにされたというハンター。

■能力:四本の曲刀を自由自在に操り敵を切り刻む能力?

→試験官を任されるくらいであるからハンター歴はそれなりにあって、念も当然習得しているかと思われる。

 しかし「4本の曲刀」を操る操作系能力者であれば、ヒソカに攻撃を当てた際に特殊効果が出ないのは不思議であり、操作している曲刀を受け止められる様になるまで半年以上も掛からないだろうから、曲刀に「周(+強化)」しているだけの強化系能力者の様にも感じられる(操作系能力が苦手なため、曲刀を受け止めるまでに半年以上掛かった?)。

 しかし、恐らく彼はカストロの様に“才能にあふれた使い手になる”と見込まれ生かされたのではなく、ヒソカがハンターという“強者”を期待して来たのにあまりに弱すぎて“毒気を抜かれて”萎えてしまって凶行が中断されただけの様に思われるところもある。

 加えてヒソカは相手と力(オーラ量)をある程度合わせた上で遊ぶ様な悪癖もあると思われるため、判断が難しい。

 作中で念登場前の念能力者&どうでもいい人物であったため色々省略されてしまったのかもしれない。

(→ヒソカに関して、参照:変化系能力について2

 

02:ゼブロ

ゾルディック家の「試しの門」近くに駐在している掃除夫。

■能力:不明

→特段念能力の扱いに秀でた人物ではない様に思われ、恐らく使用したBP強化能力が主系統かと思われるが根拠に欠けるため保留。

 

03:シルバ=ゾルディック

ゾルディク家の現当主。

■能力:不明。

→対クロロでは両手に巨大な念弾を用い、対ヂートゥでは上空からの奇襲を仕掛けヂートゥを一撃で叩き潰し地面に大きな穴ができていた。

 通常念弾はEOP化して放つかと思われ(クロロが効果不明の具現化物を出しているため尚更)、クロロをゼノごと倒しうる威力・精度で扱えることから放出系からそう遠くない能力者であるかと思われる。

 その一方でシルバの念弾は他の念弾の描写と異なり、“何らかの性質”を持っている様にも思われる(炎?の様な描写=性質付加?=変化系)。

 またヂートゥへの攻撃に関しても「100%殺れると確信した時だけ実行し、それ以外は待て」という鉄則からすれば、仮にヂートゥが影などで気づいて防御したとしても躱そうとしても殺せたということだろう。

 「相手が強化系だとしても殺せる攻撃力を持つ」のか、あるいは「(まだ自分が空中にいる時に)相手がそれを躱そうとしても空中でそれを追撃できる(空中オーラバースト?=放出系?)」ということなのか、「落下攻撃に使うオーラを着地後の跳躍に用いて追撃できる」ということなのかはわからない。

 あくまでキルアに言っていた鉄則は“仕事の鉄則”であり、ヂートゥを殺す依頼は受けていないから関係がないのか、上空から見たヂートゥのレベルがシルバからすると「相手が何をしようが殺せる」程度だったのかもわからない。

 クロロに放った念弾?が何らかの性質付加したオーラならば恐らくAOP型だろうが、予め敵が“空間を隔てる能力を用いる可能性”を覚悟していれば、相手がその様な能力を使用しようとした際に“取り込まれるより早く放出乖離(EOP化)することが可能”なのかもわからず、不明とした。

 

[ジート(故)]

GIプレイヤーの1人。例の“アントキバで腹を吹き飛ばされて死んだ奴”。

■能力:不明。

(→参照:ジートへの攻撃方法について

 

04:ゴレイヌ

GIのプレイヤーの1人でプロハンター(選挙に来ていたため)。

■能力:白の賢人(ホワイトゴレイヌ)、黒の賢人(ブラックゴレイヌ)

→白は自分との入れ替え、黒は他人(ターゲット)との入れ替えが可能な能力。

(→参照:番外

 

05:バリー

GIのプレイヤーの1人でプロハンター(選挙に来ていたため)。ツェズゲラ組の男。

■能力:不明

→事前に各々が担当するスポーツを決める際に、“ボクシングならオレに任せておいてくれ。相手の念への対応策もある”と話してた。

 ロドリオットと違い“想像がつく”のではなく、“対応策もある”との発言から相手が拳を瞬間移動させることを聞いていたのかと思われる。

 またゴンが、どのスポーツも経験がないためビーチバレー担当になったことから、念系統的にそのスポーツに適しているか、そのスポーツの経験がある者が名乗りを上げていたのだろう。

 聞いていた敵の能力や状況から“基本的な戦闘能力は高くない”と判断している点から、少なくとも“自分の肉体の部分的な瞬間移動”はそこまでレベルの高い能力ではないと思われる。

 そして、その能力の属する系統の能力者が神字で底上げをしている状況からも、念使いとしてのレベルも高くなく、恐らくバリーも通常攻撃(纏~硬)のみで戦っていたのかと思われる(バリーがAP強化をしていた場合、恐らく連打する必要もないかと思われる)。

 そのため、開始のゴングと同時に華麗なステップで相手の懐に入り込みインファイトを繰り広げた様子から、攻撃力が高い系統ということではなく、ボクシング経験者に過ぎず、「発」は用いていないと思われる様子から念系統を導くのは困難かと思われ保留とした。

 

06:ボードム=ロドリオット?

GIのプレイヤーの1人でプロハンター(選挙に来ていたため)。ツェズゲラ組の男。

GIの登録名はボードムだが、レイザーからはロドリオットと呼ばれていたため、登録名が本名でレイザーに伝えていたのは偽名という可能性もあろうが、ひとまずボードム=ロドリオットとした。

■能力:未出

→No.160にて各自の担当競技を決める際に“ボウリングはオレが最適だろう。念を使えばパーフェクトもたやすいし…”と話していた。恐らく「物体操作」のことを指しているとは思われるものの、強制型の様な強い操作ならまだしも、簡単な物体操作ができるのは当然操作系能力者だけではないため、保留とした。

 

07:ドッブル=ケスー?

GIのプレイヤーの1人でプロハンター(選挙に来ていたため)。ツェズゲラ組の男。

GIの登録名はドッブルだが、レイザーからはケスーと呼ばれ、ツェズゲラからはドッブルと呼ばれていた。

詳細は不明だが、ボードムと同じ扱いでドッブル=ケスーとした。

■能力:蝿の仕事(サイレントワーカー)

→具現化したレーダーの様な機械で対象の位置を探ることが出来る能力。

 ストレートに解釈すれば具現化系かとは思われるが、具現化物を用いる他系統の能力者は作中に多数いるため判断できず保留した(能力の中身は実質的には操作系の色合いが強いかと思われる)。

 

08-09:サブ&バラ

GIのプレイヤーの2人。爆弾魔一味。

釣り目がサブ、黒髪長髪がバラ。

■能力:未出

→アベンガネの所見や、バラの「ゲンスルーが本体ならオレ達は備品みたいなもん」発言から、どちらかが放出でどちらかが操作だと思われる。

 真・ビスケのパンチに耐えられた(死ななかった)バラを、より強化に近い放出にしたいところではあるが、恐らくビスケのパンチに反応出来ておらず―DP強化やBP強化をして何とか生存したのではなく―ビスケが通常攻撃(纏~硬)に留めたためかと思われ、明確に判断ができる描写がないため保留とした。

 

10:ナックル=バイン

ハンター。モラウの弟子。

■能力:天上不知唯我独損(ハコワレ)

→恐らく放出系か操作系のいずれかかと思われるが、判断できず保留とした。

(→参照:ナックル・シュート・パームについて

 

11:シュート=マクマホン

ハンター。モラウの弟子。

■能力:暗い宿(ホテル・ラフレシア)

→放出・操作・具現のいずれかかと思われるが、明確に判断ができる描写がないため保留とした。

(→参照:ナックル・シュート・パームについて

 

12:コウモリ蟻

キメラントの兵隊。ジェイル(メレイオロン)隊所属。

■能力:超不協輪怨(シークレットノイズ)

→コウモリの使う超音波のエネルギーを強めた能力の模様。

 ゴンに対し「ツバで湿らせた布を耳栓に使うとは考えたわね。水は音波のエネルギーのエネルギーを著しく弱める!」と考えていたことから、強化・放出・操作の3系統のどれかに感じられた。

 しかし、このコウモリと次のミミズクと戦っている様子を監視していたメレオロンは、ミミズクを倒すのに使ったジャジャン拳グーの威力に驚いていたことから、壁面にめり込んだコウモリを倒すのにはグー(強化)を用いていない様子のため、少なくとも強化系が主系統ではないと思われる。

 そうすると放出か操作のどちらかなのかと思われたが、それを判断するには情報が少なく、キメラアントの雌=摂食交配できるのではないかと思われるが(=特質系)、さすがにそれで確定するのは違う様に思われ保留とした。

 

13:ミミズク蟻

キメラントの兵隊。ジェイル(メレイオロン)隊所属。

■能力:不明(ゴリラモード)

→ゴンがミミズクにはグーを用いたところからも、ゴリラモードはBP強化系に類する発に思われた。

 しかし、変形・変身に属する能力は複数系統で可能かと思われ、かつ血統的に特質系が多い蟻ということもあり保留とした。
 

14:ノヴ

キメラアント討伐隊のハンター。パームの師匠。

■能力:4次元マンション(ハイドアンドシーク)、窓を開く者(スクリーム)

→放出系かと思われるが、操作系の選択肢もある様に思われた。(→参照:ノヴ・モラウについて

 

15:コムギ(故)

軍儀の世界チャンプであった盲目の少女。

軍儀に関してはメルエムも勝ち得ず、プロを志したその日から生涯無敗を誇った。

■能力:不明

→軍儀の最中に無意識の内に覚醒した能力で、メルエム曰く「軍議のみの話だが飛躍的強くなるだろう」とのこと。 

 打った駒から繋がる様に球状にオーラが象られ、頭部の周囲でも無数の球状のオーラが生まれていた。

 コムギ自身は「素晴らすい手が次々と洪水みたいに頭に傾れ込んできて…」と話していることから、浮かんだ球状のオーラは文字通り「浮かんだ“手”」かと思われる。

 オーラの様相からも“思考能力の強化”の様な能力ではないだろうから、次の手を考える中、霞みの如く浮かんだ本人すら明確に認識できなかった“違和感”を象った様なもので、球体のオーラの中にはその違和感を基に構築された棋譜が並んでいる様な能力だろうか。

 本人の自覚なく能力が体を成しているため、恐らく特質系かとは思われるが能力の内容が不明確な中、断定してしまうのは違うと思われれ、不明の項目に置いた。

 

16:チードル=ヨークシャー

第14代ハンター協会会長。三ツ星の難病ハンター。十二支ん「戌」。

医者であり、法律学者でもある

■能力:不明

→若干、順番は前後するが十二支んから7名を不明とした。

 十二支ん達はジンとパリストンを除き、ネテロから渡されたコードネーム(十二支名)に合わせ、改名したりキャラ変したり、“涙ぐましい努力”をしているという。

 チードルの場合は改名と見た目なのだろうが、その見た目がよくわからない。ツボネ式具現(自らの肉体を素に具現)をしているのか、獣人族の様な種族なのかは断定は出来ない。

 今のところ獣人族の様な種族は登場していないため恐らくツボネ式具現かとは思われるが、もしかすると特殊メイク(≠念能力)なのかもしれない。また、ツボネ式具現だとしてもコードネームを貰った後にした“涙ぐましい努力”の可能性は高く、主系統の能力かは判断ができない。

 ただ選挙演説の中で、会長に必要な三つの条件は「戦闘力(武力)」「経験(知恵)」「器」だと言うパリストンから、レオリオは「経験」が、チードルは「武力」が足りていないと評されており、レオリオでさえも「戦闘力(武力)」はあるという意味であろうから、チードルの能力は「治療系全振り」の様な能力なのかもしれない。また、変化や放出であれば強化系能力もそこそこ使えるだろうから、操作か具現の能力者の様にも思われる。

 

17:ゲル

ポイズンハンター(ランク不明)。十二支ん「巳」。検死官であり、薬剤師でもある。

■能力:不明

→これもよく分からない描写である。衣服ごと蛇の体になっているため、これもツボネ式具現の様に思われる(ヘビの描写にオーラの様相なし)。

 ヘビの頭は大分かわいらしく、トキャリーヌに対する反応からも“かわいいもの好き”なのはわかるが、No.318の最後のページ(後ろ姿での初当時)の左手が妙に長いのである。

 ヘビの鍋掴みのようなパペットを付けていてその舌が伸びていて初登場時、左手が妙に長く見えるのであれば、衣服+腕+パペットをまとめて蛇に具現しているのかと思われる。

 ただ、やはり主系統は判断が付かない。腕の蛇は後付けの“涙ぐましい努力”に過ぎず、薬剤師でもありポイズンハンターでもあるから、毒の性質付加も、毒の具現も、自らが調合した毒(実物)を操作する能力のいずれも可能性はありえる様に思われる。

 

18:クックル

プラントハンター(ランク不明)。十二支ん「酉」。音楽家であり、ダンサーでもある。

■能力:不明

→まず、そもそもだが協会が消息不明のハンターの数を把握していることからハンター証に何らかの仕掛けがあり、かつジンが2年に1度は消息不明に含まれることから、一定の条件もしくは範囲内で探知をしている機械もしくは念能力者、あるいはその両方があると思われる。

 クックルは伝書鳩に全ハンターへ投票用紙を届けさせていたが、それは探知系能力者自体がクックルの可能性、探知系能力とのコンボの可能性、あるいはそれとは全く別のパームの“人探しの能力”に似た操作系能力をクックルが用いている可能性もある。

 また、クックルが使役してた鳩が実物か具現化物でも、その能力の見え方は変わって来て、どちらかも判断は付かない。

 “涙ぐましい努力”で鳥に寄せた能力を使ってはいるものの、その実クックルは“プラント(植物)”ハンターであるため、コードネームが与えらえれる前の主な能力とは大きく異なる可能性がある。

 鳩が実物・具現化物問わず物体操作であること、コンボでなければ“人探し”の能力も用いていることから操作系に近い能力者かとは思われるものの、それだけで断定は出来ない。

 

19:ギンタ

密猟ハンター(ランク不明)。十二支ん「未」。レンジャーでもある。

■能力:不明

→No.321でパリストンがカンザイを煽り、カンザイがパリストンに襲い掛かろうとした際、並びや位置関係的に不利であるにも関わらず、机や椅子をひっくり返すこともなく(少なくともその様な描写なし)、あの巨体でカンザイの前に座っていた。

 そのためよっぽど特殊な能力でない限りは、空間移動系の能力を使った様に思われ、主系統は放出系から遠くはないと思われるが、やはり断定は難しい。

 

20:ミザイストム=ナナ

二ツ星のクライムハンター。十二支ん「丑」。民間警備会社を経営しており、弁護士でもある。

■能力:密室裁判(クロスゲーム)

→3色のカードを相手に提示して行動を制限する能力。青で入廷させ、黄で拘束し、赤で退席させるというが、具体的には不明。

 3色のカードが実物か具現化物かは不明だが、操作系能力者が多くの場合用いると言われる「口頭での命令」をしており、拘束状態に関しては非常に分かりにくいが「格子=檻?」が対象の周囲に現れ、相手(複数可)は短時間身動きができなくなる。

 「口頭での命令」「半強制型?の拘束(肉体のみ動かず口や思考は自由なため)」から操作系の様にも思われるが、格子が何なのかがよくわからない。現実空間に念空間を重ねる様に具現して、その念空間にルールを組み込んでいるのかもしれない。

 また、白黒なため不明瞭であるが(カラー版もあるが、その配色を全て作者に確認しているとは思えないため考慮せず)、ミザイは青で入廷とは言うものの、ノストラード組のチンピラ達に使っているカードは1枚で(発動も提示した1枚をひっくり返している)、No.348での3色の並びと使われているスクリーントーンから恐らく“黄色”かと思われる。

 「青」で入廷させた上で、口頭での命令に違反した場合は「黄」で拘束しているなら合致している様にも感じるが、実際の使われ方から「青の入廷」と「赤の退席」の意味も想像と異なっている可能性があろう。

 そもそも「青:入廷⇔退席:赤」の様に赤と青は反対の能力という印象を持つが、恐らく対義語だったらば「青:入廷⇔退“廷”:赤」であり、それぞれ相反する能力ではない可能性もあるのかもしれない。そしてその能力の内容によって答えも変わり得るため保留とした、

 ちなみに「格子」が「子牛」と掛けているのか、「丑」の形を模しているのか、全く関係がないのかは謎である。

 

21:サイユウ

賞金首ハンター(ランク不明)。十二支ん「申」。

格闘家であり、ビヨンドからのスパイと目されている。

■能力:如意棒、三猿

→どちらも正式名称は不明だが、本人曰く―

「3匹の念獣(サル)を使う。ミザル・キカザル・イワザルって言や馬鹿でも大体わかるだろ」

「それぞれ敵への攻撃が成功すると視覚・聴覚・言語を奪えるって能力」

「健常者がいきなり三つも機能を奪われたら、まず能力を発動するのも維持するのも不可能だね」

「面白いのは強化系が一番影響なさそうなクセにパニくるか、オーラの流れで動きがモロバレになる」

「そうして無力化したカスを如意棒でフルボッコがオレ流な」

―という能力らしい。

 具現(如意棒と念獣)とルールの強制(三感奪取)、“強化系が一番影響なさそうなクセに…”という発言から、恐らく主系統は強化系ではなく、具現か操作に近い能力者かと思われる。

 念獣使いというと、作中の使われ方から放出系能力者を疑うが、三感奪取した後の攻撃方法に「如意棒(具現化物)」を用いている点から具現化系に近い様に感じられる。放出系ならば三感奪取後、三猿をトリタテンの様にEOP型にして自らのAOPを回復させ、100%のAOP状態で、モロバレなオーラの動きの裏をかいて攻撃するのが良さそうだが、そこでも敢えて如意棒を用いることからAOP型の能力で、三猿の具現でAOPが削られているため、防御面で脆く、相手が全包囲攻撃や広範囲攻撃をされたり、背水の陣で思わぬ反撃を受ける可能性があることから、如意棒(恐らく伸縮機能を持った具現物)で中距離からの攻撃を仕掛けるのだろう。

 

 しかし、サイユウがスパイであることから、他の十二支んの“涙ぐましい努力”とは少々毛色が異なってくる。

 サイユウもネテロに惹かれた部分はあり、好きなネテロの遊びに付き合うつもりで“キャラ変”や“能力を構築”をしたのかと思われる。

 そしてそもそもだが、果たして他の十二支ん達は使用できる“全能力”を開示したのであろうか。十二支んになる前に使用していた能力で、キャラに合わないから使用していない様な能力もあり、それは告げていないのではなかろうか。

 他の十二支んが“十二支ん任命後から構築した能力を主戦力としていて、それ以前の能力を開示していない”のであれば、サイユウが“「申」任命後から使って来た能力だけを開示”していたとしても“嘘”とはならず、クラピカの言う“安堵していて能力に関しては偽りはない”という判定の通りになるだろう。

 他の十二支んは自分の主系統に合った“キャラ変(能力構築)”をするだろうが、元々スパイならば、それを明かす時のために自らの念系統すら偽っている可能性もあろう。

 個人的には、両肩の入れ墨(?)が気になっている。右肩が「“月”の囲いの中に“星”」で、左肩が「“月”の囲いの中に●、“太陽”」だろうか。能力に関係するかどうかは謎であるが、現時点でサイユウの念系統を絞るのはむしろ危険な気がしている。

 

22:ジン=フリークス

ゴンの父親で二ツ星の遺跡ハンター(267期)。旧・十二支ん「亥」。

カイト曰く、面倒くさがって申請していないが、三ツ星ハンターと比較してもなんら遜色のない実績があるという。

現在は同じ夢を持つビヨンドへの協力と、旧・十二支ん「子」であるパリストンの抑止のため、ビヨンド勢力に所属している。

■能力:不明

→レオリオと同様の能力を用いた際にトレースの様な大層なものではなく、“打撃系の能力は一回くらうと大体マネ出来ちまうんだ。ま、ただの才能だな”と話していた。

 過去にネテロをして「念能力者としては間違いなく世界の5本指に入る」と言わしめたことからも、念の扱いに卓越した人物であることが想像される。

 そして、「打撃系の能力は…マネ出来る」というが、「壱~九十九」の百式観音もマネできるかと言えば恐らくそうではないことから(ジンが特質系だった場合は可能かもしれないが、基本的に具現化にはイメージ修行が必要なため)、「打撃系の能力=“単純な能力”」という意味かと思われる。

 仮に具現と操作の間の特質系能力者だとしても、LV4までの強化系の能力は習得可能であるため、念の扱いに卓越した人物なら見ただけで「打撃系の能力=“単純な能力”」ならばマネする様なことも容易いのではなかろうか。

 ちなみに、ゴンが「同行(アカンパニー)」と使ったらカイトの方に飛ぶ様にしていた事やミュヘルとのやり取り等から、ジンは妙なところで“照れ屋”で“カッコつけ”な部分があるため、“本当に息子の心配をしてくれた奴の拳だから受けてやった”なんて言うのが恥ずかしく、あるいはパリストンに“打撃系の技だったらくらってやるからいつでも来い”という誘いだったのかは不明だが(個人的には前者派)、敢えて“その攻撃を喰らわないとマネ出来ない”訳ではないかと思われる。

 

23:ゴトー(故)

ゾルディク家の執事(長?)。

■能力:コインを弾丸以上の威力で連射できる能力(名称不明)

→ゴトー自身が“無傷で受け止められる程、オレのコインはヌルくねェ”と考えていることから、威力にはそれなりの自信がある様子。

 また、二度目の射撃の際には速度は遅くなる代わりに“「回転」にパワーを使った”と話しており、“回転するコインの働き”を強化している様に思われた。

 その一方で、ヒソカに飛ばし返されるコインに対して、そのオーラを回収するでもなく、新たなコインで撃ち落とそうとしていた。

 単純に強化系のみの力ならば「BP強化」に属する能力で、“コインを周(+強化)して飛ばしているだけ(=単純乖離)”となろうが、もしそうならば、コインに纏わせているオーラを回収すれば弾丸の威力や速度を落とすことができ、かつ自らのAOPもその分回復するため、あの状況ならば真っ先に取る手段かと思われる。

 しかし、それをしなかったことから恐らくコインに纏わせたオーラは回収ができないタイプで、EOP型(放出系)の能力の様に思われた。

 また、実物のコインを用いていることから、“コイン=愛用品=能力の核”として考えられ操作系も関わっているとも考えられる(ややギドと似たような能力?ただ弾道の操作はできない)。

 

 威力の計算式も(制約の係数不明のため単純な2点式で考え、適当に1枚のコインに込めているオーラ量を100とする)―

 強化系:AP(100*0.8:放出)+SP(100*1:強化)+SP(100*0.8:放出)=80+100+80=260オーラ相当

 放出系:AP(100*1:放出)+SP(100*0.8:強化)+SP(100*1:放出)=100+80+100=280オーラ相当

―と大して差が出ないのである。

 あくまで理論値MAXの威力・精度で計算しており、恐らく2系統を理論値まで極めているわけではないだろうから「核のある“念弾”」と考えれば放出系の威力・精度が高くないと主戦力足りえないと思われるため、個人的にゴトーの主系統は放出系の方がしっくり来るものの明確な根拠は持てずにいる。恐らく強化寄りの放出系か、放出寄りの強化系のいずれかかとは思われる。

 

24:キキョウ=ゾルディック

現ゾルディック家・当主であるシルバの妻。

能力:不明

→恐らく、レンズを核とした操作系能力者かとは思われる。

 しかし、パームを例にキキョウも家族(特にキルア?)への執着が強いことから系統に合わない能力を創出していた可能性もあり、日和って系統不明とした。

 

25:ミルキ=ゾルディック

ゾルディック家の次男。ゼノからは“頭はいいがバカなとこが玉にキズ”と評されている。

能力:不明

→ツボネのスコープ(丸眼鏡)を通して見える映像に、ミルキが手を加えてイルミに飛ばしていた様だが、これがキキョウの“覗き見”の能力とのコンボなのか、キキョウの能力がその映像を特定の機械などに映すことが可能で、ミルキはお得意のパソコンを使ってスイッチングしていただけ(≠念能力)なのかは判断できない。

 キルアはイルミの針で念の記憶を封じられていただけで、元々は天空闘技場以前に念を習得していた様子から、5兄弟中ミルキだけ念未収得ということもないだろう。

 操作系の様な印象があるため、大好きなフィギュアを核にした能力ならばさぞや強力な能力を生みそうだが、汚れたり傷が付いたりするのを良しとしないだろうから絵に描いた餅の様な妄想なのかもしれない。

 能力描写が明確にはないため、念系統も不明とした。

 

26:ビンセント(故)

カキン第一王子ベンジャミンの私設兵の1人。

能力:虚空拳(エアブロウ)

→ビルを銃で止められないと考えて発動させたことから、威力が銃より上か、何らかの特殊能力を持つ能力かと思われる。

 ものの持つ働きや力を強くする様なものではなく間接攻撃の様子のため「強化×」

 愛用品の様な核や、口頭での命令もないため「操作×」

 “出な…(い)?”という考えから、ひょっとすると何か具現化物を出そうとしていた?「具現△」

 具現同様、ムッセのオーラの様相を持った念獣?の様なモノを出そうとしていた?「変化△」

 間接攻撃の様子があるため、念弾、レオリオの空間ロケットパンチの様な掌底飛ばし等?「放出〇」

 

 ナックルがゴンの低レベルな念弾を見て“この程度のレベルなら球に仕掛けがあるはずもねェ”と考えていたことからも「仕掛け付きの念弾」は存在し、能力名の「虚空」が何もない空間や空中、大空などを指す言葉でもあることから、念弾が当たった者を“どこか”に飛ばす(瞬間移動させる)様な能力にも感じられるが、断定はできず保留とした。

 現在もクラピカが保有しているため、その能力の効果は判明する可能性もある…のかもしれない。

 

27:ムッセ(故)

カキン第一王子ベンジャミンの私設兵の1人。

能力:裏窓の鳥(シークレットウインドウ)

→3種の念獣(トリ)を諜報用に操る能力。

 明確に判明しているトリはミミズクのみで、対象に触れる事で発動し対象の言動全てを術者にテレパシーで送信するという(トリは術者にしか視えない)。

 ミミズクは体の輪郭線にオーラの様相がないことから具現化物、対して最初にカミーラに憑けていたトリはオーラの様相があるため変化系の様に思われるが、“念獣”と示されているため「変化系の念獣」なのかと思われる。

 ゴンがジャジャン拳で短・中・長距離を、主系統と隣り合った強化・変化・放出の3系統で再現した様に、ムッセの主系統も変化か具現に近いのかと思われる。

 触ったことで発動した、より制約の重いミミズクが具現で、遠隔からの視認(=操作系)を用いているため、間の具現化系が主系統かと思われるが、断定は難しい。

 ちなみに3種の鳥の1種がミミズクであり、判明しているもう1種にも羽角(頭の両端に耳のように見える飾り羽)があるためコノハズクなのかもしれない(最小のミミズク=最も小さい条件で憑けることのできるトリ?)。

 コノハズク(変化)、ミミズク(具現)と来たら、最後1種はフクロウか、ワシミミズク(最大種のフクロウ)だろうか(根拠なし)。

 そして3種のトリは諜報用で、(恐らく)音声のみ、言動の全て、と来たら最後の1種は対象の「心の声」を聴けるような能力の様にも感じられるが不明である。

 

28:ハンゾー

第287期のハンター。現在BW号乗船中。

クラピカの依頼を受けてカキン第12王子モモゼの護衛の任に就いていたが、その母親であるセヴァンチ王妃の命令でモモゼの下から離れた結果、モモゼは暗殺されてしまった。

能力:分身の術(ハンゾースキル4)

→能力の詳細は分かっていない部分も多いが、分身中に本体に触れられたり、声を掛けられると強制解除になる能力。

 しかし、この能力以外に最低でも3つ能力を有していると思われ、その能力の内容次第では結論も変わるため保留とした。

(→参照:番外

 

29:????

能力:11人いる!(サイレントマジョリティー)

→「座敷人形(黒ぼっこ)」という人型の念獣の胸元から放たれる4匹の「呪唇白蛇(ツチボッコ)」という白蛇が特定の相手に吸血攻撃できる能力。

 操作系か具現化系の能力者かと思われるが断定はできず。個人的には“型にハマれば勝ち”というような強制力が弱い様に思われるため、具現化系能力者の様に感じられるがサイールドの例もあるため保留とした。

(→参照:サイマジョについて

 

30:ルイーニー

エイ=イ一家の組員で、現在モレナのコミュニティの発症者の1人。36巻時点でLv.21。

能力:空間移動系の能力(名称不明)

→扉が1つ、そしてあとは出入りが出来ない壁に覆われた個室で発動可能。

 発動するとその部屋の壁や床から別の場所に移動出来、元の部屋にはいつでもどこでも戻れるが、元の部屋の扉が空いて密室でなくなると能力(恐らくマーキング)がリセットされて二度とその部屋で能力は使用できない。

 移動先は術者が一度行った事のある場所に限定される(=マーキングした場所のみ)。

 素直に放出系能力者でもいいかと思われたが、ルイーニーはモレナの能力の影響を受けており、レベル100になればメンバー0として自らのコミュニティを形成出来る様になると言われている。

 そのためメンバー0時点では“特質系”になっているかと思われるが、そもそもレベル1(感染)時点で強制的に“特質系”に変えられている可能性もあろう。

 元々の念系統は放出系で、より近い系統の間の特質系―放出と強化の間の特質、もしくは放出と操作の間の特質―に変わったのだろうが、現時点では不明である。

 

31:ウショウヒ

カキン第一王子ベンジャミンの私設兵の1人。

能力:虫射球(ニードルボール)、殺人を無罪にする方法

→前者の能力は、耳元で羽音がしたのに無反応でいられる人間はほぼ皆無であるため簡易念能力者判別装置としても使うことが出来、見つかって直接標的から取り除かれた場合にはその標的には二度と効かない制約と誓約を持つ。しかし能力者でない者に使う場合、容易な分、効果が出るまでの時間が大幅に増えるという。

 後者の能力は標的が術者の半径20mから出ると強制解除されてしまうというが、詳細は判明していない。

 “効果が出るまでの時間が”というのは、既に毒な様なものを標的に注射しており、その効果が出るまで時間がかかってしまうのか、一定時間を過ぎると虫射球が“殺人を無罪にする方法”を発動出来る様になるという意味かは不明。

 個人的には虫射球は能力名や形状の通り「虫を注射できる球」で、“殺人を無罪に出来る”ことから、その虫はハンタの世界に実際にいる毒や病気を持った寄生虫かそれの卵―それも一定の潜伏期間を持つ―で、それを操作して強制的に標的を襲わせ、司法解剖等した時に体内からその虫や卵の残骸などが見つかる様な能力かと考えているが詳細は分かっておらず、能力の核心部分を見ずして系統の判断できないため保留とした。

(→参照:念の可視性と可聴性について

  

32:ビクト

カキン第一王子ベンジャミンの私設兵の1人。

能力:表裏一体(タックルシールド)

→ベンジャミン曰く、“攻防相俟った技”とのこと。

 ビクトは弓を構えた状態のハルケンブルグを攻撃している様子があり、ベンジャミンが“来るのがわかっていて守る事も避ける事も攻撃すらも出来ぬのか”と話しているため、恐らく非常に単純な強化系能力、ぶっちゃければ“念を込めただけの速いタックル”の様に思われるが、実際の描写もなしに系統の断定はすべきではないだろう。

 

→(次) ■4:番外に続く。


4:番外(系統分類)

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→(前) ■3:不明

→(次) ■5:ナックル・シュート・パーム

 

◆番外

┣◇アベンガネ

┣◇ゴレイヌ

┣◇レイザー

┣◇カイト

┣◇ボノレノフ=ンドンゴ

┣◇タフディー(故)

┗◇ハンゾー

※アメブロはページ内ジャンプが上手く出来ないみたい^^;(アメーバヘッダーが邪魔する)

 

◇アベンガネ

放出系能力者に分類した。

■能力:除念(名称不明)

森の精霊の力を借り(=森に棲む生物の生命エネルギーを集め)自らの具現化能力と合わせ、他人の放った念能力を喰う(払う)念獣を創り出すことができる能力

 念獣の大きさ・風貌は対象の能力によって異なるが、能力の強さ・性質に準じる形態を取る。この生物は術者が死ぬか、アベンガネがその能力の解除条件を満たすまでは消えないという(※但し、死者の念は除念できない)

 ストレートに解釈すれば具現化系能力者かと思われるが、“森の精霊の力を借りる”という部分は恐らく放出系に分類される徴収型に近しい力かと思われる。

 また術者が死ぬか、解除条件を満たすまでは自身の念獣に憑かれるのだろうが、AOP型だとすればアベンガネが気絶したり、意図的にAOPを抑えてしまえばその呪縛から容易に逃れられてしまうのではなかろうか。

 念は効果が高い程その条件が厳しくなることを考慮すれば、術者が気絶しようが絶状態になろうが条件を満たすまでは消えない念獣なのかと思われる。

 つまり、この除念の念獣はEOP型で、アベンガネは徴収型の能力も用いているため放出系能力者とした。

 

 余談ではあるが、クロロが除念というレアな能力を盗まずにいるとも思えないため、恐らくアベンガネは除念後、自身の念獣に取り憑かれた状態で、クロロに除念の能力を奪われているのかと思われる。

 そして、クロロとしても除念の能力は保有しておきたいだろうから―生きていて貰うためにも―

元々の約束の報酬(大金)は渡してオサラバしているのではなかろうか。

 

◇ゴレイヌ

主系統不明の能力者に分類した。

■能力:白の賢人(ホワイトゴレイヌ)、黒の賢人(ブラックゴレイヌ)

→白は自分との入れ替え、黒は他人(ターゲット)との入れ替えが可能な能力。

 周囲から見た目でゴリラ(森の賢人)と呼ばれる様な幼少期を送っていたとか、ゴリラに育てられたなど、適当なカバーストーリーは浮かぶが何故ゴリラを能力にしたかは不明。

 ゴリラを「放出系の念獣(≠具現化物)と考える方も居る様ですが、輪郭線や歯や体毛の描写にはオーラの様相はなく、ゴリラを出した時にはその周囲にオーラ描写があり(具現化物に非常に多い表現)、色があり(=黒いゴリラ)、ボールに触ることができ、「ウホ」と言葉を発する様子から具現化物でよいと思われる。

 さて、その念獣の核たる能力が瞬間移動であるため、ゴレイヌは放出系能力者の様に感じられるが、その一方で確信が持てずにいる

 というのも「瞬間移動」がLV8以下で習得可能ならば、操作系能力者(放出寄り)も選択肢に入ってくる。

 ボクシング海賊がリング上限定で瞬間移動能力を使っていたが、まさかLV9~10の放出系能力を習得しているほど高位の能力者が神字の補助を借りたり、通常攻撃(「纏」~「硬」)でのされたりしないだろうから「瞬間移動」はLV8以下の能力の様に感じる(=主系統が操作系でも使用可能)

 また、ゴレイヌ「入れ替え」の範囲や条件等も分かっていないため、例えば「術者から20m以内が対象」だったり、「マーキングした相手(ex.目にした相手)となら数百km単位で可能」なのかによって、大分印象も変わって来てしまうだろう。

 未熟な能力者ならまだしも、少なくとも「放出系」「具現化系」という対極の能力を用いていることからもかなり高いレベルで念を修めており、相手を強制的に瞬間移動させていることから恐らく操作系の能力も必要で、正に放・操・具の3系統をバランス良く使いこなしている能力者と言えよう。

 恐らく放出操作のどちらかかとは思われるが放出系能力者ならば、投げるボールにオーラを込めて念弾の様に投げて威力を向上させるだろうが、レイザーはゴンの「ジャジャン拳グー打ち」にはレシーブで応えたにも関わらず、ゴレイヌの投げた球は片手で易々と受け止めていた。

 不意打ちで決めたレイザーへの投球では軽い打撲程度のダメージしか与えられていないのに対し、逆にレイザーの13番の念獣から不意打ちで投球を受けて死なないことから、2体の念獣にAOPを割きすぎて十分な念弾を創れないレベルまでAOPが減っているという訳ではなさそうである(それともレイザーが死なない程度には遠隔操作で一応加減した?)

 そのため投球には放出系を使っていない様に思われ、個人的には操作系能力者の様に感じられるが明確な根拠はなく、保留とした。 

 

◇レイザー

放出系能力者に分類した。

※分類には何の疑いもないが、余談で長くなったパティーン。

 

 GIのゲームマスターの1人で、呪文での移動や外敵対策といった放出系システム担当。

 まず、ユーザーが一斉に移動系のスペルを使いまくればレイザーのオーラ量を削ることができるかと言えば、「一坪の海岸線」イベントも担当していることから、それをこなせないレベルまで弱体化できる穴を作っているとは考えづらい

 放出系の中核はメモリ(AOP)の外在化にあろうことからも、恐らくGIのシステムに毎日一定量ずつオーラを注いで貯め込み、自動的に呪文の使用に応答しているのだろう(ユーザーが移動系スペルを使う度にレイザーが応答しなければいけないのならば邪魔過ぎるため)

 

■能力:14人の悪魔?(正式名称不明)

→恐らく最大で計14体の念獣を同時に出せる能力かと思われ、

その念獣は合体することで、より強くなる

(ちなみにこちらも「放出系の念獣」と考える方がいるが、念獣自体の輪郭線にオーラの描写がなく、No.0以外も「ギ!?」「ギ…」等と言葉?を発しているため、具現化物でよいかと思われる)

 また、レイザーが本気でスパイクを打つ際に、

分散していたオーラを回収していたことから、この時の念獣はAOP型かと思われるが、恐らくこの能力の真髄は念獣をEOP化した時かと思われる。

 AOP型として用いる場合はAOPの最大量分までしか念獣を出せないが、EOP化すればそれを超えて出すことが可能になり、合体させるほど強く、(操作プログラムが増えるため?)賢くなっているであろうこの能力は、本来、放出系能力者は具現化系能力が苦手最大でもLV4までの能力を40%の強度・精度でしか扱うことができないことをカバーしうるのかもしれない。

 この念獣の合体の最大値がどれ程かは不明だが、No.1・4・5レベルでもツェズゲラを戦闘不能状態に追い込む投球を中継出来ることを考えれば相当な脅威となろう。

 ちなみにドッジボールで念獣をAOP型で扱っていたのは、久しぶりの来客のため遊びたかったためか、念獣と十分な連携を取るため(レイザーの考えていた遠隔操作タイプの特徴)、あるいはいくらジンから「手加減するな」とは言われているもののレイザーがその能力の本領を発揮すれば異常にこのイベントだけ難易度が上がってしまいゲーム設計上のイベント難易度の上限がある程度設定されているため等ではないかと思われる。

 

◇カイト

具現化系能力者に分類した。

 

■能力:気狂いピエロ(クレイジースロット)

→ピエロの口の中にルーレットの番号が表示され出目(1~9)によって“武器”が変わる能力で、出た武器は“ちゃんと使わない限り”代えられないし、消せないという。

(出している武器はその輪郭線の描写からも具現化物で良いかと思われる)

 そして、判明している出目は「2:鎌=死神の円舞曲(サイレントワルツ)、3:杖、4:銃」の3つのみで、「1・5~9」の6つは不明なのだが、念や技を教えたジン曰く「ゼッテー死んでたまるか」と本気で思わないと出ない番号があるとのことだ。

 その出目を“転生のような能力”と考える人もいる様だが(1~9で武器が出るとピエロが話しているため恐らく010)、さすがに違うと思われる。

 ゴンがジンに「オレのせいでカイトが!!女の子なっちゃったんだ!!」と話した際、

ジンは意味が分からなかった様であったし、

「アイツが生きてんならたぶんそーいう事だ!アイツはお前の代わりに犠牲になるなんてノミのクソほど思ってねーからな!!謝り方間違えんなよ!!またぶっとばされっぞ!!」とも話していた。

 

 もし転生の能力だとすると本来「性別は固定(=男)で転生可能な能力」でかつ、ジンは「カイトは次の体を夢見て期待に胸を膨らませていたのに、もし犠牲になったなんて言ったらぶっとばされるぞ!!」という謎の助言をゴンにしていたことになってしまう。

 そのためストレートに読んで「クレイジースロットにはゼッテー死んでたまるかって本気で思わないと出ない“強力な武器”があり、どういう経緯だろうが生きてるってことは、最後の最後まで生きようとあがいたんだ。そんなカイトに“自分の代わりに犠牲になった”なんて言ったらぶっ飛ばされるぞ!!」という助言だったのかと思われる。

 

 カイト自身、ゴンと再会時に、

“オレが倒せなかった敵を倒したのは事実だ”

―と話していたが、それもカイトは“最後までピトーを倒そうとしていた”という意味で、“オレが倒せないと考え、転生の番号を出した様な相手を倒した”という意味ではないだろう。

 

 そもそも転生の様な能力があったとしても、ピンチの時に“確定的”に出るならばスロットの体を成していない

 通常時スロットに出ない“大当たり”の目が加わっているか、通常時もスロットに出ているがその出目が異常に少ないがピンチの時にはその出目が増えているのかは不明だが、能力がスロットの体を成している以上、それを当てなければ意味がなく勝てないと思った相手に外れが出たら1度使って消して、再度当たり(転生)が出るまで引くなんて余裕が果たしてあるのだろうか、甚だ疑問である。

 

 個人的には―

 1:転生はカイトの死者の念により、魂が執着の対象である女王の体に取り憑いていた(殺されたのはピトーだが、気がかりだったのは女王の状態)

 2:女王が食べた赤毛の少女は本来、王に注がれるハズの栄養に過ぎなかったが、

 3:女王が突然死に瀕したことで生物としての生存本能が働いて、体内に残った素材をより集めた結果、赤毛の少女を核として蟻が誕生

 4:しかし、核素材の赤毛の少女は死後24時間をゆうに超えており魂がない状態だった(能力の条件外?)

 5:魂のない“不完全な子”に対して、むりやり帳尻を合わせようとして取り憑いていたカイトの魂を合成した(特質系に現れがちな、帳尻合わせ?)

 ―というようなカラクリだったのかと考えている。

 ※時期的に女王の腹の中に赤毛の少女の素材が残っているのはおかしく、コアラが“逃がすために”どこか―恐らく冷凍庫―に隠していたのが、籠城作戦で食料が減ったため、以前の様にレアモノが息を潜めていたこともあって巣の中を徹底的に捜索され見つかり献上されたのかと思われる。

 

 話を念系統の模索に戻すが、

鎌の技にしても攻撃範囲が鎌の大きさに対して異常に広く(刃先からオーラを飛ばしている?)

銃も何を飛ばしているかは不明瞭で(念弾?)、かつ最後に出した杖の効果は不明だがカイトを倒した後のピトーの衣服(?)はザザンの念弾を受けた時のフェイタンの様に

一部吹っ飛んでいた様子があった(衝撃破の様な攻撃を受けた?)ことから、放出系の可能性もあるのかと感じた。

 

 しかし、カイトに念や技を教えたというジンが

No.347で「放出系なのに銃を具現化する様な連中だ。楽勝だ。」と言っていたにも関わらず、能力開発も指導したその弟子の能力でわざわざ銃を具現して念弾を撃っているなんていうオチはないだろうから、クラピカが「絶対にちぎれない鎖」は無理だが限りになくそれに近づけようとした様に制約と誓約でより強い武器を具現しようとしていたのだろう。

 以上のことからカイトは具現化系能力者とした。

 ただ、生まれ変わった後は―注がれた栄養的にも少ないものの―蟻の雌には違いないため、現在は特質系能力者になっている可能性もあろう。

 

◇ボノレノフ=ンドンゴ

特質系能力者に分類した。

開発によって住み処を追われた少数部族・ギュドンドンド族の末裔。

彼の一族の男子は3歳の割礼と同時に体の至る所に針を通し、それを徐々に太い棒と取り換えて行き、最後には竹筒や木石等で固定するという。

その穴からは大きさ・形状・動きの強弱で多様な音を出すことができ、祭祀・祈祷などで彼らは霊媒と奏者両方の役目を兼ね、敵と戦う前には自らの体で戦士の歌を奏で、勇ましく戦い“踊る戦士”・バプ(舞闘士)と呼ばれる。

鳴らす音色が美しい程、より高位精霊が降りてくると信じられ、熟練したバプは神と同格化される。

 

■能力:戦闘演武曲(バト=レ・カンタービレ):序曲(プロローグ)・木星(ジュピター)・変容(メタモルフォーゼ)など

“奏でた音(メロディ)を戦闘力に変える”能力だという。

 序曲で出した部族風の戦士の輪郭線にオーラの様相はなく具現化物でよいかと思われる。

 センリツの能力とは異なり、相手がメロディを聴くことを必要とはせず、定められた曲を奏でればその効果を生じさせ、敵への「逃げ足は中々早いな。だが音速程じゃ無い」との発言から少なくとも木星の攻撃速度は音速級なのかと思われる。

 あの木星がどれほどの大きさ(質量)なのかは具体的にはわからないが、あの大きさの物体が音速で襲い掛かってくるのは脅威であろう。

 しかしその一方で、音速級もしくは音速を超える速度の攻撃を繰り出す者は作中におり、「音速の攻撃を放つ」までに一定のメロディを奏でる必要があることを思うと、やや冗長的な能力にも思われる。

 

 さて、注目するのは「木星」と「変容」の2つである。

 まず「木星」について。

 発動前にボノの全身にぼやける様な描写があり、

そして相手の遺体の前で「“踏み”潰されて息絶える。虫螻の死に様に相応しいだろ?」と発言があるが、どの様な状況なのだろうか。

 木星を具現化して、その後それに圧し潰された相手の側まで行ってしゃがんで、相手の遺体に囁いているのだろうか。

 

 恐らく、木星はツボネ式具現自分の体も材料にして具現(ボノの一族風に表現すると降霊)―をしているのではないだろうか。

 具現した木星はボノ自身でもあるから木星で相手を圧し潰す=踏み潰す様なもので、わざわざ相手の遺体の近くまで行ってしゃがんで遺体に囁いているのではなく、木星の具現化を解いて木星の核?の様になっていたボノは中心部から着地した(=しゃがんだ)体勢のまま、相手に囁く様に告げていたのではなかろうか。

 

 続いて「変容」。具体的には未出ではあるものの、

「条件次第で色々化けられる……が使う頭がないから団長頼む」という発言がまさか「オデ アタマ ワルイ ダンチョー ウマイ ヤリカタ カンガエテ」という意味ではないだろうから、「誰かの頭部」があれば「その誰かに化けられる」能力と考えるのが妥当だろう。

※敢えて誰かの頭部の用意をクロロに頼んだことから、制約と誓約(自分が殺した者の頭部ではNG)の関係かもしれないが不明。

 恐らくこれも降霊術の一種なのかと思われるが、その「誰かの頭部」と「自身の肉体」を材料にした具現(=頭部の持ち主を自分の肉体に降霊)かと思われた。

 

 以上のことと、腕相撲の順位から具現化能力者―としようしたが、敢えて特質系能力者とした。

 まず、通常の具現化系能力者は具現化した能力を持続的に用いることが非常に多く攻防力のバランスは悪いもののコスパよく使用することも可能な系統かと思われる。

 その一方でボノの能力はAOPをある一曲に用いたら、次の曲を奏でるために一度具現化したものを“完全に”解除してまた自らのAOPに戻す必要があろう。SOCは最初の具現時に発生していることから、通常の具現化系とはオーラの使用感が大きく異なり―使用能力によっても異なるがが―恐らくクロロ(特質系)の能力に近い使い様に思われた。

 また演奏家がたくさんの曲を弾けるように、ボノも多くの曲を奏でることができると思われる。演奏家はメロディからその世界観を想像するとは言うものの、1つの曲から得たイメージを具現するのにはそれなりの時間を要するだろう。

 しかし新たに曲を作ることも突然思いつくこともあろう。そう考えると“特定の概念や形式や物を介して「願望の現実化」の力”を持つ特質系能力者の方が妥当の様に思われ、特質系能力者に分類した。 

 

◇タフディー(故)

スィンコスィンコ王妃所属で、第12王子モモゼ付きの警護兵(監視兵)でモモゼ暗殺の実行犯。

■能力:幽体離脱(ザ タッチ)

→半径20m限定だが、本体が目を閉じて横になっていれば分身の方は自在に動くことができる分身能力。

 ハンゾースキル4に極めて似ている能力。

 まず気になったのは、タフディーにしてもハンゾーにしても能力構築時点で身に着けていなかったであろう黒服も含めて具現していた点である。

 基本的に具現化物は大変な修行を経て具現可能で、出し入れ出来るとは言え、原則として“同一のモノ”しか具現できないハズである。

 特にハンゾーはスーツに左胸に付けていたバッジも具現しており、壁の透過や、強制解除された際のことを考慮すれば、「裸の自分」を具現して、“実物のスーツ”を着ているということではなく、スーツやバッジも具現していると思われる。

 しかし能力構築時、“身に着けている服も固定”で具現してしまえば、任務によって身に着けている服も異なるだろうし(キレイな服であったり、逆にひどく汚れた服)、状況によっては使えない能力になってしまうだろう。

 そのため、クラピカがヒソカから「旅団員の死体は偽物」と知らされた際に“具現化系能力者なら可能だ”と話していた様に、具現化系能力の中に一定の限定条件下で“実物のコピー”ができる様な能力があるのではなかろうか。

 強化系のカストロは「通常の自分」を再現するため戦闘中に付いた汚れまでは具現できなかったが、

 カストロはヒソカ戦前から分身(ダブル)を具現していたため、その後は「完全解除⇔再具現」ではなく「アクティブ化⇔非アクティブ化」の出し入れだろうから、戦闘中に付いた汚れまでは再現されていなかったのかと思われる。

 ちなみに、強化系のカストロ衣服チェンジが出来るか(コピーが可能なのか)は不明であるため、その能力がLV6より下か上かは判断できない。

 タフディーのバックグラウンドは不明だが、分身のハンゾーの首絞めに本体のタフディーは抵抗できずに死んでおり、かつ能力の範囲が半径20mとかなり狭いことからも(念能力者のレベルとしてはノストラード組のトチーノに近い?)複数系統をバランスよくは鍛えていないと思われ、能力の核心部分から考えて、無難に具現化系能力者で良いかと思われた。

 

 ただ、ちょっと気になっているのはどの様にタフディーが分身を操作しているか、である。

 シャルナークのGI解釈から、肉体から魂を分離させる様なことも念で可能と思われるが、それが何系に属している能力なのかは判明していない。恐らく操作系能力かと思われるが、特質系能力の様にも感じられるのだ。

 タフディーの場合は、“本体が目を閉じて横になっていれば”という条件があり、魂を分身の方に宿らせている様な能力ならば本体が動くハズがないため、普通に遠隔操作(リモート)AOP型の念獣の様な能力なのではなかろうか。

 

◇ハンゾー

能力:分身の術(ハンゾースキル4)

→能力の詳細は分かっていない部分も多いが、分身中に本体に触れられたり、声を掛けられると強制解除になる能力で、分身中に封鎖中の1012号室前の警備兵と普通に話しており、「じゃな」と手を挙げるハンゾーに対しクラピカも手を挙げて応え、その直後サカタが1013号室の「念による影響下」についてすぐに尋ねていることから非・能力者にも視える具現化系の能力で良いかと思われる。

 その一方で良くわからない描写もあり、分身状態のハンゾーの頭がトゲの様な、あるいは妖気を察知した鬼太郎の様に「ピン」と立っているのは何なのか。

モモゼを殺したタフディーへの復讐を果たした時に「2本」

クラピカに対し「何か調べてほしい事はないか?」と尋ねた際に「私の方は大丈夫だ」とむしろハンゾーの方を気遣う様子に“損な性格だな”と考えた際に「1本」立っていたことから、“冷静で居られなかった”時や、“思わず気が緩んでしまった(和んでしまった)時の様な「冷静さを失っていたり、緊張(集中力)が若干途切れかけた状態」だとすれば、具現が解けそうまでは行かないにしても「やや不安定」になった状態なのかもしれないが、これまで他の能力者ではその様な現象は起きていない。能力の性質によるものなのだろうか。

 また分身能力を発動させた際、ビスケにサムズアップしながら天井に向かって行った様子は、一般的に思い浮かべる日本の幽霊の様に足がない様に見受けられる。物質透過をする際は幽霊モードになる必要があるのだろうか。

 タフディー殺害後、1013号室に戻った際は足の様子が上手く隠れていて分からないが、足がない幽霊モードだったのかもしれない。念獣など物質を透過する具現化物は存在し、わざわざモードを分ける必要があるのかは疑問が残るが不明である。

 

 また分身中のハンゾーの状態も明確になっておらず、タフディーの項目で予め触れたが、分身の操作方法もこちらは本当に魂を分離させて分身(具現化物)に宿らせて自分の体の様に動いているのかもしれない(魂を具現化物に宿らせることによって死者の念の様な状態になり強まっている?)

(あるいは本来は自分の魂を分離させ、ムッセの様な諜報用的なことにしか使えない能力に、実体:自分の肉体のコピーを加えた様な能力で、気を抜くと直ぐに基本状態=幽霊状態に戻ってしまう様な能力だろうか。)

 それ以上に念系統不明とした理由は、ハンゾーは念習得前の時点で雲隠流の上忍であったため、念を用いない忍術はいくつも習得していたと思われ、その忍術を能力としたのだろうが想像される忍術は多岐に渡る。

 実際いくつの能力を持っているかはわからないが(最低でも4つ?)、その内容によっては具現以外の属性の可能性もありうるため保留とした。

 特質系の可能性も考慮したが、逆に実際の忍術は不自由な部分が多いため無意識含め「もっと漫画やアニメの様に忍術を使えたらいいのになぁ」等と考えてしまっていたら、ハンター試験前から習得していた様に思われるため特質は除外した。

  念を習得した忍のみが飲める秘薬の様なものがあり、それによって後天的に念系統が特質系に変わった、なんていうのも面白そうな気がするが妄想でしかない。

 

→(次) ■5:ナックル・シュート・パームに続く。

5:ナックル・シュート・パーム(系統分類)

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→(前) ■4:番外

→(次) ■6:ノヴ・モウラ

 

◇ナックル=バイン

主系統不明の能力者に分類した。

■能力:天上不知唯我独損(ハコワレ)

強制的に相手にオーラを貸し付け、相手の借り入れオーラ(利息含む)残POPを超えた時、30日間絶状態にする能力(トリタテンが相手に憑く)。ちなみに利息はトイチ(10秒につき1割)かつ複利なため雪ダルマ式に増えて行く

 ナックルはハコワレで殴る時(オーラを貸し付ける時)は相手にダメージを与えられないが、相手も借り入れオーラ(利息含む)が残っている内はナックルにダメージを与えられない。

 10秒に1回、利息がついたことを告知するマスコット・ポットクリンは無害故に無敵であると端的に作中では説明されているが、正確には制約と誓約のためかと思われる(ポットクリンは常時「隠」型である可能性はあるかもしれないが、輪郭線から具現化物でよいだろう)

 相手に利息がついたことや利息の数値(攻撃されれば増え、ナックルに攻撃を当てれば減ること)を告知することは相手に自らの能力のヒントを与える行為であり、相手にとっては利益になり、術者にとっては不利益にしかならない。

 しかしそれはリスク故のバネとして能力の底上げになりうる。しかしながら、もしポットクリンが簡単に壊れてしまった場合はリスク足りえない。そのため相手が仮にポットクリンに攻撃しても、あるいはポットクリンに攻撃したわけではないが攻撃に巻き込んでしまった場合でも壊れないという性質それ自体が制約と誓約になっているためかと思われる。

 

 つまり、ハコワレは放・操・具の3系統に跨る能力かと思われるが、能力の核心部分は具現の特殊性(不壊性)ではなく、「相手にオーラを貸し付ける」点か、相手を「強制絶状態」にする点のどちらかかと考えられる。

 前者は―徴収型(オーラを奪う)が放出系であることを考えれば、その反対の貸与や譲与も放出系であろうことから―放出系に属する力であろう。

 後者は―“ポットクリン”はAOP型(ナックルの気絶で消えたため)だが、30日間もその相手に念獣を付け続けることを考えれば“トリタテン”は恐らくEOP型(AOP型だとナックル気絶時など相手は開放されることになるため)で、かつ相手にルールを強いることを考えれば、クラピカの小指の鎖と同様に―放出系操作系の力が必要となろう。

 

 どちらも放出系の力を要するならナックルは放出系でよいかとも思うのだが、操作系であっても放出系能力は80%の威力・精度で使用可能であり、かつ重要な点としてナックルの貸し付オーラが低い点が気になっている。

 メレオロンとのコンボ中は―効果が高くなればその条件も厳しくする必要があるだろうから―効果範囲が半径100mから50mに減少しただけでなく、貸付率も下がっていた可能性があるためユピー戦以降は除くにしても、どうも全体的に低い様に思われるのだ。

 

 まずゴンのケースだが、あの時のゴンはAOP1800(POP21500)であり、

ナックルは「改めて見ると見るとすげェオーラだぜ。総量だけでいったらプロの中堅クラスと遜色ねェ…!!!」と、冷や汗をかきながらも評価していたが、“念を習得してからの年月やゴンの年齢を考えればすごい”程度で、さすがにナックルのオーラの総量はゴンよりは上だろう。

 注目したのは相打ちのシーンである。

 状況的にお互いに通常攻撃(纏~硬)で戦っており、ゴンのAOPは特段、発を用いていたいないから100%(=AOP1,800オーラ程)だが、ナックルはAOP型のハコワレを起動させているから、ナックルのAOPは100%ではない(100%-ハコワレ分)

ハコワレにどれほどのAOPを割いているかは不明であるが、この相打ちシーンで「ゴン→(150)→ナックル」なのに対して、「ナックル→(180)→ゴン」である。

 ゴンがオーラの操縦がまだ下手だという点があるにしても、「ゴン<オーラの総量<ナックル」なのは伺える。

 大まかだが「ゴンAOP1,800(POP21,500) < ナックル < モラウ(POP70,000程度)」という関係なのかと思われる。

※ちなみにハコワレは相手にダメージを与えられないため、ゴンは防御無視で全オーラを攻撃に回すこともできたかもしれないが、ナックルがハコワレ中、“ハコワレ以外で殴ることが出来ない”とも言われていないため、「ゴンが攻撃に込めたオーラ量」と「ナックルのゴンへの貸付オーラ量(利息含む)」によっては、むしろ逆にナックルが防御無視で攻撃にオーラを回すことも可能かと思われる。

 

 そしてゴンへの貸付率が低いのは「本気でやる」とは言いつつも“どこか本気を出せずにいた”等の理由でも処理出来そうだが、

ヂートゥへの奇襲は、相手がギョッとして硬直してしまうことからも「凝」以上(少なく見積もっても50%以上?)で殴れる状況かと思われるのだが、貸付オーラは310である。

 

 もちろん、どのような計算でオーラを貸し付けているかはわからないが(ダメージ量、オーラ量、防御と相殺したダメージ量、防御と相殺したオーラ量etc...) 「天上不知唯我独損=オレ一人が損していることを誰も知らねぇという能力名の通り、ナックルが相手に貸し付けるオーラのみ“マイナス補正が掛かっている”のかとは思われるが、一番得意な系統でマイナス補正を敢えて入れているのか(ナックル=放出系の場合)能力の効果が強くなりすぎるために主系統以外でマイナス補正を入れることになったのか(ナックル=操作系の場合)は判断が付かない。

 

 ちなみにアニメでは、

「天上“天知”唯我独損=神様だけが自分が損していることを知っている」となっていた。

「天上不知唯我独損=オレ一人が損していることを―神様含めて―誰も知らねぇでは、“神様は万能じゃない”と神を否定することになるからダメだったんですかねぇ。誰の判断でこうなったの^q^?

(個人的にはアニメスタッフを信用も評価もさほどしていないため、単純に“確か天上天下唯我独尊ではなかったよなぁ”程度の認識で原作を確認もせず作ったか、編集が渡した設定集の中には作者の“初期プロット”も含まれていて、それでは“天上天知”だったのではないかと思われる。)

 

 話を戻すが、ではNo.203でナックルがゴンのグーを受けるシーンを引き合いに出した場合はどうか。

 緊張と緩和(=ギャグ)のシーンで使われてしまっている要素もあり、目が覚めた後のナックルの様子から重症を負っている様な様子はなかったものの、恐らく「ナックルの防御力<ゴンの攻撃力」なのは事実かとは思われる。

 

 しかし単純な3点式で考えるが―、

 ナックル=放出系:AP+SP(強化=80%) < (1,800+1,800)×1.12=4,000:ゴン

 ナックル=操作系:AP+SP(強化=60%) < (1,800+1,800)×1.12=4,000:ゴン

 ―となってしまうが、もしナックルが80%の威力・精度で強化系を使えたなら、耐えられてしまう様に感じるのだ(それとも強化は苦手?)

 そう考えると、ナックル=操作系の方がしっくり来る部分もあるのだが、その一方でゴンが怒りを引き金に眠れる力を引き出す描写は多々あり、この時のゴンも怒りを必死に抑えている描写が挟み込まれているため、上記計算式の参照値自体が異なる可能性もあり、ナックルを明確に放出系操作系のどちらかだと断定するのは難しい様に思われた。

 

◇シュート=マクマホン

主系統不明の能力者に分類した。

■能力:浮き手×3、暗い宿(ホテル・ラフレシア)

→相手に一定以上のダメージを与えると―全身でも一部でも―籠に閉じ込めることができる能力。

 ダメージを与えるのはシュート自身でも浮き手でも良い模様。

 キルアは3つの浮き手の様子だけで“操作系能力者!!”と断定したが、正直これが良く分からない。

 浮いていた3つの手から、ヒソカの様に何かを「隠」していて、それが浮かせている様に見せているのではないかと疑うまでは良い。

 そしてし何かを「隠」している様子はなかったことから、「手」の周りにある“オーラで操縦している”と考えるのもわかる。

 

 もし、“3本の手がそれぞれ異なり(男性の手、女性の手等の様に)、手首から骨や肉が覗いているような状態”なら、浮いている3本の手は“実物”で、殺した相手大切な誰かの手能力の核(=愛用品)とした操作系能力者と判断するのもわかる。

 だが、写真ではなく“漫画の描写”のため分からない部分もあるものの、3つの手は“同一”に見えることから“実物ではなく具現化物”の様にも思われる。

 

 次に籠が実物具現化物か、だがその判断は難しい。

 書き忘れなのか、この時点では中に誰もいないため籠の開け口が存在しないのかは不明のため敢えてそこは考慮しないが、正面のカーテンが空いているところの手前に階段が見えるため、条件を満たすと何かが出て来るか反対に―鳥かごから受ける印象から―閉じ込められるか、のどちらかのように感じる。

どちらにせよ、籠が具現化物だとしたら具現化系は空間内に様々な法則やルールを作り込む事に長けているから、あり得るだろう。

 

 浮き手に関しては、

左腕の袖を取るまでは浮き手を通常の左手の様に使用している様子があり、

袖を取った後も、1本で右腕の袖をたくし上げ1本は腰につけ、もう1本は宙に浮いている様子から―サダソの「見えない左手」の様に―3つの浮き手を自らの手の様に使用することが出来る能力かと想定され、籠との関係を考えると浮き手の攻撃が何らかの条件を満たす可能性が高い様に思われる。

 

 左袖が異常に大きかったことを思えば籠は実物の可能性もあるが、それを装っている可能性もあり、ウボォーがクラピカを操作系か具現化系か判断できなかった様に、この2系統は見分けが難しい。

 個人的には浮き手は具現化物で、籠は実物具現化物か判断が付かない(=どちらもありうる)といった印象で、籠がネックになって操作系具現化系かは出来ずにいるのだ。

 

 キルアの判断は“十中八九”合っているとは思われるが、裏を返せば“十中一二”は間違えている可能性もある。

 一例として「アルカを巡る家族の相関図がわかった」と言っていた際も、恐らくカルトがアルカに抱いている感情は“現在”のものではなく、“過去”のものかと思われるのだ(そうでないと、カルトが幻影旅団に入る理由として繋がらないし、キルアは“現在”のカルトの思惑を知る由がない)

 実際、レオリオをヒソカの性格診断を受けて“レオリオも強化系かな”と考えていたが、

能力を見た後には“放出系くせーな”と話していたからも、キルアの印象や考えが必ずしも正しいとは限らないということだろう。

(“変化”を加えやすいオーラの性質から、変化系能力者は周囲の影響を受けやすい性質を持つのかも?と思うところはあるが、それは別の話)

 

 そしてシュートの能力はある一定以上のダメージを敵に与えるとそいつを籠に―全身でも一部でも―閉じ込める能力で、籠から出ると元の大きさに戻る能力だとわかっているが、

取られた側の状態がイマイチわからない。

しかし、拳だけ瞬間移動させた時の手首の断面(=恐らく骨や肉が露出している様な状態ではない)の様子と、似ている様に思われる(放出要素もあり?)

 

 また籠に囚われると、

奪ったモノが籠の大きさに合わせて小さくなる様であり(強化要素もあり?)、梟の「不思議で便利な大風呂敷(ファンファンクロス)にも似ている様に思われた。

 

 ちなみに割符や携帯を、籠の中ではなく自分の体の中に入れていた能力が、別の能力なのか、暗い宿(ホテル・ラフレシア)なのかは不明。

 個人的には籠が具現化物であろうと実物だろうとも、それを材料にツボネ式具現をすれば―籠を取り込む様に具現、例えば籠と浮き手を取り込んで左腕を具現しているなら―“自らの体を籠”と同様に使え、割符や携帯を体に取り込んでいる様にも思われるが詳細は不明。

 以上のことから、籠が実物なら操作系の様にも思われるし、具現化物なら具現化系…むしろ放出系もありうるのではないかと思われ、判断ができず保留とした。

 

◇パーム=シベリア

系統は水見式で明らかなため異存ないが、余談が長くなった。

■能力:寂しい深海魚(ウィンクブルー)、暗黒の鬼婦神(ブラックウィドウ)

 まず、ウィンクブルーについて。

 右眼だけで見た者は水晶に記憶され、左目だけで「視」ればその水晶には記憶された者の現在が映る(“音声なし”の映像のみ)という能力で、視る事ができるリストは3人までで、もし右眼だけで別の者を見てしまったら古い順から削除されるという能力である。

 

 またこの能力には少なくとも、もう1つの使い方があり、

 ゴンやキルアの師匠であるビスケを探した様に、人魚像に血を捧げることで白雪姫の魔法の鏡が如く探し物を見つけることが可能な様だ。

 

 パームのこの能力は、念とは異なる第6感(霊感のようなもの?)をパームは元々持っていてそれを強化しているとも採れなくはないのだろうが、

念でも魂とやらに効果を及ぼすことができ、いわゆるこちらの世界で言われる様な“霊感”のようなものも“念の一部”の様に思われ、

恐らくクラピカの「導く薬指の鎖(ダウジングチェーン)と同じ類型の能力なのかと考えられる。

 

 そして恐らくだが、パームが“人魚さん”と呼んでいた“水晶を持った人魚のミイラ”っぽいものは、

 

“本物の人魚”のミイラ(死骸)を用いたものだったのではなかろうか。

プフの羽化の能力(恐らく摂食交配のプフ版)でキメラアント化したパームだが、手足に魚の鱗やヒレが生え、額に水晶が埋め込まれた様な姿だった。

 もし、件の“人魚さん”が本物の人魚のミイラだったならば、そのミイラ(人魚)+水晶+パーム=魚系が合成されたパーム(キメラ)という結果にも頷ける(硬い外骨格を持っていないのは、プフは“女王”ではないため、使用できるのは“劣化・摂食交配”だったためだろうか)

 

 そして注目すべきはブラックウィドウ発動時のパームとキルアの言葉である。

 “あたしは間違っていた、能力(チカラ)の使い方を…”

 “能力がツボにハマるとこんなにも変わるのか…!!”

―という2つの言葉から、恐らくパームのウィンクブルーは強化系ではない力(恐らく操作系)に振った能力だったのかと思われる。

強化系に属する能力者なのに、“誰かさん”のことをもっと知りたいと強い興味を持った結果、生まれた操作系の能力だったのではなかろうか。

本題である、念系統に関しては水見式で「強化系」と明かされているため特段触れるべきことはない。

 

→(次) ■6:ノヴ・モウラに続く。

6:ノヴ・モラウ(系統分類)

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→(前) ■5:ナックル・シュート・パーム

→(次) ■なし

 

◇ノヴ

主系統不明の能力者に分類した。

 

■能力:4次元マンション(ハイドアンドシーク)、窓を開く者(スクリーム)

4次元マンション(ハイドアンドシーク)は4階立て全21室の念空間である。

 その内の一室は物専用ロッカールームとなっていて、

どこぞやの猫型ロボットのポケットの様に使うことが出来る様だ。

 

 各々の部屋は完全に独立していて、入口は部屋に入ったと同時に閉じるため、現実世界に戻るためには残ったもう1つの扉から出るしかない。

 入口を複数創ることもでき、部屋の大きさによって上限が異なるが、一番大きい1階の部屋で最大32個創ることが出来る様だ。

 そして、“原則、4次元マンション(ハイドアンドシーク)は一方通行の移動(特定の入口に入ったら、特定の出口へと出るしかない)しかできないが、“例外として、ノヴの持つマスターキーならば部屋の出口をどの場所の出入り口とも繋ぐことができる能力”である。

 説明のされ方として、そのマスターキーを使えば誰でも、どの場所の出入り口を使用出来る様にも思われるが、

シュートが“その入り口から部屋に入ったらもう、オレ達は宮殿内部の出口からしか出られないんだよな…”と話しているため、例外的な“どこでもドア”使えるのはノヴのみ”なのかと思われる。

 

 さて、今回の本題であるノヴの念系統についてだが、これも良く分からないのだ。

 「念空間を具現」しているため、単純に具現化系能力者と判断できなくもないのだが、ノヴの具現化物(念空間)には特殊効果がない様に思われる。

 むしろノヴの能力の核心部分「空間移動」にあることを思えば放出系能力者の様にも感じられる。

 クラピカ大先生曰く、空間を区切り遮断する能力は、放出具現という相反する能力者が得意としていて、放出は空間そのものを移動させる力に、具現は空間内に様々な法則・ルールを作り込む事に長けているという。

 そしてフィンクス先生曰く、空間移動する能力の発動条件の1つに“マーキング”というものがあり、実際に訪れた場所でないと移動(ジャンプ)出来ない様であり、

恐らくノヴの出入り口の設置は正にそのマーキングであろう。

 

 どうやら、ノヴはそれ神字を用いている様であるが、

ノヴの能力の範囲は“内”から仮想新大陸まで届くという驚異的な広さを誇っており、同レベルの類似の能力者は協会内で探すも難航しており、

他の輸送係としてトキャリーヌ(おかずクラブのオカリナさん)に白羽の矢が立ったものの、(話の流れ的に)仮想新大陸から中継基地まで、ノヴとの比較で短距離な能力で搭載能力も高くなく、(ノヴも厳密には違うが)瞬間移動でもないと言う。

(「内→仮想新大陸まで」:ノヴ、「仮想新大陸→中継基地まで」:トキャリーヌ、ノヴは出入口設置後は中継基地で物資と人材の流通を管理、探検実行部隊は新大陸からモウラの船で門番の持つ門へ向かう)

 

 ボクシング海賊が神字を用いたことから“未熟な者が使う”というイメージがあるかもしれないが、得意な系統でさらに高みを目指すために用いているケースもあろうかと思われる。

 ノヴは精神が折れかけた状態で、

“どうする?もう一度オレが来れるとは限らないぞ”

と話していたが、念空間がAOP型で精神耗弱状態で具現できないためか、出入口もAOP型で維持できず消えてしまうのか(マーキングが全リセット?)、念空間を維持できないだけで、出入口はEOP型で維持されているのかは読み取れない。

 

 個人的に気になっているのは、能力の有効範囲だ。

 

 なぜ、ノヴの能力は仮想新大陸までしか届かないのだろうか。

 もし、入口(始点)と出口(終点)の最大距離だとするならば、

“内”と仮想新大陸の間に小さな小島でも探して(なければ直径1mほどでもいいので作ればいいい)、そこを小・中継基地にでもして、「“内”⇔小・中継基地」「小・中継基地仮想新大陸」「仮想新大陸⇔中継基地」という具合に部屋と出入口を分割すれば、届くような気がするのだ。

(図では適当に中継基地から直線上のカキン近くに出入口を作ったが、人類領海域ギリギリの“内”側に設置すれば、より余裕が出るのではなかろうか)

 

 しかし非能力者である読者の考えなど当然能力者本人はとっくに把握・検討などしているだろうから、何か理由があるのかと思われる。

 ひょっとするとドラゴンボールの神龍の様に、

4次元マンション(ハイドアンドシーク)という念空間には“核”の様なものが、“内”の世界のどこかにあるのでないだろうか。

 例えば、マンションの模型(その内部に念空間を創出)だったり、自己所有の実際のマンション(内部空間ごと念空間に飛ばしている)を核としているなら、いくら出入口や部屋を分けてようとも、“内”→“内”の核→「小・中継基地」→“内”の核→「仮想新大陸」という具合に、結局のところ“内”の核からどこまで移動するかということになり、仮想新大陸までが限界となってしまっているのだろう(核は制約と誓約等で動かせず、限界も自然と決まる)

 

 ちなみに前者マンションの模型の様なタイプ(内部に念空間創出?)だとしたら、

シュートの籠が近いのかもしれない(この籠が実物か具現化物かは定かでないが)

 

 後者実際のマンションの様なタイプ(内部空間ごと異空間に飛ばしている)だったら、

カキンのマラヤーム王子の霊獣の能力に近いのかもしれない(まぁマラヤームのは、霊獣が外に出ていること、仮想空間が現実世界と同一?のコピーであることを考えると、霊獣の腹の中に具現された念空間なのかもしれないが)

 

 繋げた空間“総合計距離”かとも思ったが、その場合まさか“往復”をノヴの能力で担っているのだろうか。

 輸送で荷物を大量に持って行く“往路”ならばノヴの能力の方がいいかもしれないが、“復路”は荷物がないため、積載能力が低くても短距離の空間移動系の能力者が数人でも居れば十分な様に思われる。しかし、その様な話は出て来ていないためノヴの限界は「繋げた空間“総合計距離”」でもないだろう。

 

 能力に(特に実物)があるとすると、途端に操作系能力者のかほりがしてくるが、

操作系の原則からは外れている様にも思われる。

 ただし原則には例外が付き物で、もし愛着のあるモノがマンションだった場合は持ち歩くことは当然できないし、ノヴの能力は「物体操作」の能力でもない上、当然何らかの災害等でそのマンションが壊れてしまった場合などは能力が使えなくなってしまうことは考えられる。

 

 以上のことから、恐らく能力の中核が空間移動であることからノヴは放出系能力者かとは思われるが、放出寄りの操作系能力者の可能性も否定出来ずにいる。

 念空間の創出は具現化系の能力かとは思われるが、具現化系が得意とするという空間内に様々な法則・ルールを作り込む事はノヴの能力には見られない様に感じられ―むしろ制約と誓約も“空間移動”の方法に関わるものだったため―具現化系能力者ではない様に思われた。

 

◇ノヴのメンタルは弱い?

 ノヴのメンタルが弱いという旨の感想がSNS等で散見されるが、むしろ強いと思われる。

 高い集中力が求められる様な能力は、心身状態が非常に不安定な状態に陥るとその使用が出来なくなることが明らかになっている。

 

 ピトーの広範囲の「円」や「人形」が居たため討伐隊は宮殿に近寄ることさえ不可能であったが、その両方が消えるという千載一遇のチャンスにノヴは宮殿内部に出口を作るべく侵入を試みており、その作戦開始時は雨で視界が悪かったものの、そろそろ日が沈もうとしており、暗闇ではオーラが見やすくなるためノヴは「絶」状態での潜入を強いられていると考えられる。

 

 ピトーのオーラは“超不気味”だとか“凶々しい”と評され、

“覚悟”を持った作戦に臨んだ討伐隊メンバーを一瞬強張らせるに十分な圧力を持つが、その「円」の中で非・能力者であったコムギは普通に生活を送っていた。

 つまり「円」の様に薄く延ばしたオーラだけでは通常そこまでの圧力はなく、「円」でピトーが“侵入者に気づき意識した”ことで、“ピトーのオーラがその侵入者の周囲に濃く集まり、ピトーの害意や警戒心が相手に伝わる”のかと思われる。

 

 ノヴの潜入作戦時、宮殿周辺にピトーのオーラはないもののオーラを引っ込めた瞬間にその全てが完全に消える訳でなく、

“オーラの残り香”とも言える、幽かなオーラのカケラが残ることが言われている。

ピトーの発言から討伐隊の様に短時間であっても―「絶」でもしない限りは―ソレが残る様であるが、ピトーの円は長時間そこにあり続けており、ピトーもただ円を引っ込めただけに過ぎない(「絶」や「隠」をしたわけではない)

 

恐らくそれは、通常の「円」でさえもコムギが通常の生活に強い影響を及ぼさなかったことから―非・能力者であってもオーラはあるから―さほど強い力は持たないのだろうが、

害意を持ったオーラに対して非・能力者(「纏」が出来ない者)が、極寒の地で全裸で凍えながら何故つらいのかわかっていないかの様に心身に負担を掛け過ぎれば死にかねないことを考えれば、残り香のような幽かなオーラであったとしても「絶」状態のノヴには十分過ぎる程の脅威足りえたのかと思われる。

 そして、「円」はその範囲に「“均一”に薄くオーラを伸ばしている」かと思っていたが、キルア曰く「円の中心部(=術者)」に近づくほど“濃く”なるとのことであるから、当然“オーラの残り香”宮殿の周囲よりも宮殿内部の方が濃くなることも想像に難くない

“ピトーのオーラ(実際にはプフ)を視ただけで精神が折れてしまった”

とノヴは考えていたが、恐らく通常の状態であればピトーのオーラと見間違えることもなかったであろうし、「オーラを視た」ことが“最後の後押し”になってしまっただけで、そこに至るまでに精神が壊れる程に十分過ぎる程のダメージを負ってしまっていたのではなかろうか。

 

加えて、

“オレはもうそこ(宮殿)へ行けない…!!”

―と考えていたノヴが、あんな姿になってまで宮殿に戻って来られたのは、仲間や弟子たちへの強い想いからであり、あの状態でさえも4次元マンション(ハイドアンドシーク)の念空間を維持できたのはむしろノヴの強靭な精神が基礎にあったからではなかろうか。

 

◇窓を開く者(スクリーム)について

 作中で一度しか使われていないため、詳細は不明なところも多いが窓を開く者(スクリーム)について。

 果たして“何でも切れる”様な能力なのか

 まずこの能力は21室ある念空間の内、物専用ロッカールームと繋ぎ、開いた空間を無理やり閉めることにより、対象の“一部”を物理的に削り取るような能力かと思われる。

 空間の断裂には、対象の硬さ等は関係なく、“何でも切れる”様な印象を受けるが、「何でも切れる刀」は具現不可能なのに、空間移動能力の副産物だとは言え、「何でも切れる空間」は具現可能なのだろうか。

 ノブナガの能力を考えるにあたり触れた箇所ではるが、恐らく“何でも”の解釈が間違っているのかと思われる。

 No.077での扉絵の中で、

シズクの能力も“何でも吸い込む”とは言われているものの、実際には生物や、無生物であっても具現化物は吸えないという制限がついている。

 

 “何でも切れる刀”を考えた際、刀の持つイメージから切るものも物質的なものを想像するかもしれないが、本当に“何でも”切れるならばそのような制限はないハズである。

 物質的なものも非物質的なものも当然切ることができ、相手の念を切ることもできるし(≒除念)、特定の相手との縁を切ることも、特定の者の病だけを切ることもできるだろう。

 そして、そもそもその刀を創出時、想像すらしていなかったモノが後に現れても、当然切ることが出来よう

 恐らくそれが“何でも切る刀”の意味するところであり、その対象や条件を一切定めていないモノを具現することは、具現物は術者の思念を元に生まれていることからも不可能であろう。

 

 では、ノブの能力はどうであろうか。

1:空間を開き、

2:1で開いた空間を相手を取り込み(当て)

3:2を維持した状態で空間を閉じる

―という3工程を踏む必要があり、相手もそれを回避する可能性が残されている

 

 つまり、無条件に相手を切る様な能力ではなく明確な条件が付されているため、条件を満たしていれば“何でも切る”能力である可能性もあるかと思われる。

 ちなみに、もしその様な能力だった場合、メレオロンの神の共犯者とのコンボは―絶対的ルール=相手に不可能を強いることになり―成立しえないかと思われる。(→参照:操作系能力について)

 

 しかし、その一方で本当に一定の条件下で“何でも切れる”能力かどうかは不明である。

 例えば、能力名からノヴの能力を「上げ下げ窓(正式名称不明)の様に考えれば、

窓を閉めようとした時に障害物を内側に入れること出来たとしたならば、

「障害物の固さ < 窓の固さ+窓を閉める力」

という不等式が成立した場合かと思われる。そして、それを念に当てはめれば―

窓の固さ=念空間の強度

窓を閉める力=「空間を区切り遮断する能力」であり、具現もしくは放出系

具現放出、もしくは具現のみが関わっていると思われ(操作も必要な可能性があるが、ルールを強いている訳ではなく、念空間を用いた物理攻撃?に近いため、その割合は少ないかと思われる)、前述の検討の通り恐らくノヴ≠具現化系能力者であろうことから、(条件下であっても)何でも切れる能力ではない”可能性もあろう。

 

 詳細は不明ではあるものの、前者であるならば「神の共犯者」とのコンボは不可能であるし、後者ならば「神の共犯者」とのコンボが可能であったとしても、メルエムには通用しなかったであろう。

 

◇マーキングについて

 ちょっとだけ余談。

 放出系の水見式の結果は“水の色が変わる”で、イマイチ何故それが放出系なのか分からずにいた。

 この記事を書きながら、ふと思ったのだが、

放出系の基本性質はひょっとすると“マーキング”なのではなかろうか。

 

 これまで放出系の基本性質は“切り離し”にあるかと考えていたのだが、ひょっとするとその前段階の“マーキング”なのかもしれない。

 マーキングに関しては色々な表現があるだろうが、他との区別を明確化するために目印を付けることであり、放出系能力はそのマーキングを元に能力を使役しているのかもしれない(マーキングした特定のオーラをAOPから切り離したり(EOP化)、マーキングした人や物や場所を能力の始点や終点にしたり、対象としている?仮にマーキングが放出系にまつわる力だとしても、水見式に現れるほど基礎的な力のため、全系統の能力者がそこまで苦労することなく使えるのかと思われる)

―と、現時点ではマーキングに関する情報も多くないため、解釈の種程度に捉えて置く。

 

◇モラウ=マッカーナーシ

 操作系能力者に分類した。

 実はモラウについては、過去記事で扱っているのだが、某アフィリエイトサイトに丸々コピーされて使われてしまっており、その記事は一応来る時に備えてとある調査に用いているため、他の能力者の様にその過去記事への誘導がしづらい状況なのだ。

 また私のブログは感想であることを大前提に大きく、問題提起型(結論を出さない)模索型(書きながら結論を導く=余計な部分も多い)結論提示型(結論に向けた説明が目的=比較的余計な部分は少ない)の、情報整理型(基本的にはまとめが目的だが、+αの感想が長いことも)の4タイプに分かれており、モラウの記事は模索型で余計な情報も多いため、結論提示型として作り直してみました。

 

■能力:紫煙拳(ディープ・パープル)

→煙人形も紫煙機兵隊(ディープパープル)と表記されており、恐らく紫煙を再構成して作った能力全般が紫煙拳(ディープ・パープル)と言えるが、一部の特殊な能力が監獄ロック(スモーキージェイル)などの様に呼び名が異なるのかと思われる(恐らく制約と誓約が加わったり、+αで「発」を要するケースが呼び名が変わるのではなかろうか)

 

 まず、モラウの用いる「煙」について。

 “まだお目にかかったことはねェ オレの紫煙拳(ディープ・パープル)より対応力のある能力の持ち主にはな!!”

―と自負する様に、“切断不可能な綱”や、乗れる船や、“出られない檻”や、「円」では人か人形か区別し切れない高性能な自律型の煙人形や、煙人形を他の者の姿に化けさせたりと、様々なことができるが、そもそも実物なのか、オーラ由来なのか

 

 作中で終始キセルの火皿に種を入れる様な描写がなく、レオル戦の様にそれが難しい状況もあり、

紫煙機兵隊(ディープパープル)の説明の際に、核のオーラを“煙のオーラ”で覆うとあるため、オーラ由来のものでよいだろう。

 

 またオーラ由来とは言うものの、「念の可視性と可聴性」でも触れた様に変化系なのか具現化系なのか、系統が判断が付きにくい部分もある。

 しかし、突入直前にヤニ切れで貧乏ゆすりをするメレオロンに対して、タバコを吸って気持ちを落ち着かせることを優先させようとしたナックルと、敵を警戒するメレオロンの会話の中で、

“ボスが突入と同時に煙幕張るから大丈夫だって” “だとは思うが…”

というやり取りがあった。

 

 もし、モラウの煙が「視覚的障壁」のみしか果たせないならばこの様な発言にはならず、「視覚的、嗅覚的障壁」になることを示していると言え、モラウの煙には“匂い”もあるのかと思われる。

 そのためモラウの煙は具現化されたもので、プフにキセルを奪われ煙を新た出すことが出来なくなったことから、愛用のキセルで燻らせたオーラを煙に具現出来るといった限定条件が付された具現化能力かと思われる。

 

 その一方で、

 

ピトーをして、数は自分より少ないが精度はかなり上と言わしめる操作レベルや、物体操作(煙の操作)が能力の中核を為し、愛用品を失くしたら能力自体が使えない(煙を具現できない)という致命的リスクを負っていることから、モラウは操作系能力者でよいかと思われた。

 

◇“切断不可能な綱”や監獄ロックについて

 余談がてらにモラウの気になった能力2つについて。

 まず、ヂートゥ戦で見せた“切断不可能な綱”について。

 

 個人的に“馬鹿”に向けた“嘘”かと思っています。

 “嘘”というと少しニュアンスが違うかもしれないが、“絶対に切断不可能”ではないと思っています。

 恐らく、“隠れて相手に取り付けていた時間と同じ時間分(あるいは制約と誓約でその半分の時間)壊せない綱”等ではないかと考えています。

 あるいは、ヂートゥが飽きている時間、隠れてモラウはやりたい放題ですから、何らかの条件を満たしてヂートゥに憑けた念(壊すには除念が必要?)なのではないかと思います。こちらの場合は明確に何らかの解除条件があるのでしょうけど、色々ヂートゥに試されたら面倒ですから、ブラフで“切断不可能な綱”と言った、程度な気がしています。

 当然、作中根拠はありません。

 

 続いて、監獄ロック(スモーキージェイル)について。

 こちらは脱出しようとしたプフを“ボムッ”弾いていた様ですが、どの様な能力なんでしょうね。

 まず、気になっているのは地面。

 “監獄”には脱獄が付き物で、地面を破壊してしまえば実は簡単に逃げられた―なんていうのはモラウがちょっとマヌケになってしまう気もするため、具現化物は物質の透過も出来るため床で見えないだけで自分と相手を球状の監獄で覆っていたのであろう。

 ただ、プフが蠅の王(ベルゼブブ)で物理的に抜けられたことから空間を区切り遮断する能力ではなく、空間移動系の能力でも容易に抜けることもできたのかもしれない(あるいは煙で隔てた空間内は、空間移動系の能力を使用禁止にする様なルールが組み込まれていた?)

 ひとまず床がどうなっているかはわからないが、事前に得ていた情報からプフが“力自慢系”ではないことや、現に王から離れてしまっていることから“空間移動系”の能力も持っていないことは分かっていたかと思われるため問題はなさそうである。

 

 とりあえず監獄の中からは出られず、外からも中に物理的干渉できない能力だが、その制約と誓約は術者自身が対象と同じ監獄の中に入ることかと思われる。

 そして、この時のモラウは絶好調を100とするなら35程の状態であったことから、護衛軍の1体とのタイマンでは敗れる可能性もあるだろうし、自らが死んだ際に都合よく“死者の念”として残るとも限らないため、恐らくこの監獄ロック(スモーキージェイル)EOP型かと思われる。

 基本的に放出系の能力は掛け捨て型(=再利用不可)であろうから、残りオーラも少ない状況下でオーラを無駄にすることは出来ず、余計に監獄を解くか解かないかで迷っていた部分もあるのだろう。

 

 ただ、内外から―少なくとも単純な殴打では―破壊できないことから消費エネルギーは多いと思われ、維持できる時間はそう長くはないと思われる(モラウがしたかったことは“時間稼ぎ”)

 もし、例えば数ヶ月以上の期間に渡って維持できる能力だった場合、ピトーの円が消えた時(ノヴが宮殿内部に出口設置できた時)、モラウが一人突入してプフの円ごと煙で覆って監獄で閉ざしてしまえば―モラウは恐らく死ぬが―王や護衛軍を餓死させることも出来たのかもしれない。

 まぁ、モラウやネテロの性格的に最初からその手段は取らないでしょうし、空間移動系の能力を開発されたらそれで終わりの可能性もあるため、およそ現実的ではないんでしょうけどね…w

 

 とそんなところでノヴとモラウの補助記事と、今回の更新は終わりです。

 また、コロナ禍が一旦落ち着いたことに加え、年末も迫ってきて少しずつ忙しくなってきているため、この記事で一旦ブログの更新は休止です。

 また時間が空いたり、ハンタが再開したりしたらブログも再開してるかもしれませんが未定です。

 機会があればその時はまたよろしくお願いします~。

ELDEN RING 感想1

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先日、エルデンリングを約2ヵ月弱掛けて1周目クリアしました!

そして、フラッシュメモリを使ってクリア前のセーブデータをコピーすることで全エンディングを見ることも出来ました!(この方法は途中で知った)

 

ただ1周目だけでは良く分からなかった部分がいくつかあり、見逃したイベントや択一イベントの選ばなかった方を見るためにに2周目を始め―、やっとそれも終える事が出来た。

それでもイマイチよく分からないことや、気になったことがあったので感想として残しておきたいと思う。

 

ソウル系は「元々余白があるパッチワークパズル形式」で、物語への理解は「如何にアイテムを入手したか(そのテキストを読んだか)」「如何にイベントを見たか」が基礎に置かれると思う。

当然私は全てのアイテムやイベントを見尽くしたとも思っておらず、今後のアプデでイベント追加あるいは文言の修正が入る可能性もゼロではないので、あくまで「ver.1.07」時点での1プレイヤーとしての感想程度に捉えて貰えれば幸いです。

 

■もくじ
◆感想1 →本記事

┃┣ローデリカ
┃┣セレン
┃┣セルブス
┃┣ラニ
┃┣ミリセントとゴーリー
┃┗神について
◆感想2 →次記事

 ┣マリカとラダゴンについて

 ┣火の巨人について

 ┗メリナについて

(※Amebaはヘッダーが邪魔して、うまくページ内ジャンプができないみたい)

 

■調霊師ローデリカ

独身中老の星、ローデリカ。

何気に良く分からなかった彼女が円卓に来れた理由

円卓は現実世界にあった円卓とは異なる場所、それも他と大きく隔絶された場所にあり、通常であれば指の巫女の導きによって訪れる場所になっていた様である(しかしローデリカに指巫女はいない)

 

ローデリカ自身は、

“褪せ人の導きが、このような場所に通じるものだったなんて”

と話していたが、

そもそも“導きが見えていなかった”という。

どういうことなのか。

 

回答1:メリナの導き

エルデの王を目指す道は険しく、ローデリカの持つ調霊という特殊な才は褪せ人の大きな助けとなる。

主人公に憑いているメリナが「蛹たちの形見」を渡された時のローデリカの反応を見て(霊が視えている様子を見て)、ローデリカを円卓に勧誘したという解釈。

 

しかし、その一方でローデリカの発言に新たな疑問も湧く。

ローデリカは嘘をつくタイプでもないだろうし、そんな様子にも見えなかった。

この回答だとメリナには人の記憶を改ざんするような力、あるいはもうちょっと弱く認識をぼやかす様な力を持っているということになるのかもしれない。

 

回答2:幻視の導き

ローデリカ自身の認識としてそれは導きであり、実際は導きではないとするならば―。

作中で幻視という言葉があるが、それは複数種類あるのかと思われた。

“女王マリカはエルデンリングの宿主、その幻視を宿す者(すなわち神さね)”

恐らく「神の導き」を幻視と言い、二本指信仰のあの世界では特に“二本指由来の幻視”“導き”と表現するのかと思われる。

しかし、あの世界では二本指以外にも“外なる神”なる存在がおり、その導きとして“火の幻視”だとか、“蛇の幻視”等が挙げられるのかと思われる。

つまり、二本指以外の神による“導き”を受けた(しかし、ローデリカの認識ではその違いが分からかった)―という意味なら通りそうである。

(恐らくラーヤが主人公を火山館に招くことができたのは、ラーヤの素体になったは指巫女で、“忌まわしい生誕の儀式”により「黄金樹=円卓」との繋がりが切れ、代わりに「大蛇=火山館」と深く繋がったためかと思われる)

 

回答1でも2でも通りそう気はしているが、明確な根拠はない。

ただ、ローデリカに二本指以外の派閥との絡みが全くないため、個人的には1の方が好み。これはメリナの項目に続く。

 

■塊の魔女セレン

「ソウル系初見プレイ時は脳筋」と決めているため、1周目は「良い報酬貰えないだろうな」と思いつつもイベントを進めていたところ、突然セレンに協力するか敵対するかの選択を迫られることとなる。

 

途中セレンにやばそうな雰囲気を感じたものの、ぽっと出のジェーレンに協力するハズもなくセレンに協力したところ、

“…ジェーレン、私の死よ”

“礼を言うぞ。お前のおかげで、制約はもう私を縛ることはない”

“…お前はもう、用なしだ”

“我が教室の一部となれ。自身の愚かさを悔いながらな…”

―と言うものだから後半は主人公への言葉かと思い、

「あ、(セレンに)裏切られた?どっちを選んでも主人公&ジェーレンVSセレンになる感じだった?」

と一瞬思ったものの、セレンはこちらに一切攻撃して来ず、戦闘後の会話からもセレンが主人公を裏切っている様な様子はまるでなかった。

 

すると、研究の過程で学院(レアルカリア)に目を付けられていたが、それ以上にカーリア王家の客人であった「魔女狩りジェーレン」に目を付けられ実際に襲撃されていた(すんでのところで逃げおおせた)

そして、このままでは本当にジェーレンに殺されると危惧したセレンは、

セルブスの力を借り保険(次の体)を用意していたものの、学院に捕縛され制約を受ける様になってしまった。

 

しかしそんなある日のこと主人公に出会い、ジェーレンの“おかげ”で予め用意しておけた保険を使うことが出来た。

つまり、ジェーレンが居なければセレンは制約から逃れることはできなかった

それがジェーレン戦でのセレンの言葉の意味で「中途半端に追い詰め、敵に切り札を作らせる時間を与えた自身の愚かさを悔いろ」ということだったのだろうか。

 

エルデンのNPCイベントで残念だと思う点は、対決する一方のNPCの側だけイベントが多いため、突然ぽっと出の相手方に組する理由が沸かず、かつ、その相手方に組した時にイベントが厚い方が大抵無言であることなのだ。

セレンを裏切った時も彼女は最期の時まで無言を貫き、罵られるかと思っていただけに逆に寂しかった。

 

またセレン師匠で残念だったことはもう1つあって、ルーサット、アズール両名が伝説の魔術を見出した一方、セレンは結果的に見いだせていないんですよね。

ジェーレン戦で「創星雨」を用いているものの、それは師2名の体を渡す前でも習得しており(それも何故か教えてくれない)、源流に見えた後はあの状態になってしまい、かつ教えてくれる魔術も増えない(ジェーレン戦後、「渦巻くつぶて」を教えてくれるようにはなるが、源流魔術ではない)

 

アズールが暗黒の深淵を垣間見て、心奪われた一方で恐怖した(1歩退いてしまった)のに対し、恐らくセレンはそこからさらにもう1歩踏みだしてしまった結果なのかもしれないが、あんな状態にまでなって「何の成果も得られませんでした!!」は正直つらかった。

魔術としては“強くはない”にしても、師匠が覗き込んだ暗黒の先を、後の第4の伝説の源流魔術を弟子に繋いで欲しかったところではあった。

 

■魔術教授セルブス

1周目、気づいたら突然死んでいたおっさん。

そして、その後にカーリアの城館の「召使いピディ」のところに向かうと、

“やめておくれ、やめておくれ…”

と誰かが何かに襲われている音が聞こえ、ちょうどピディのところに着いた時には断末魔がして、彼の亡骸の周囲に3体のレアルカリア兵の傀儡が立ち尽くしている、という状況で1周目の時点ではセルブスの本体=ピディ?という印象はあったものの確信は持てずに居た。

 

そして2周目をやってみて、セルブスの本体=ピディということで良いかと思われた。

まず、初対面時にピディは主人公のことを「きみ」と言っている。

ピディは種族的に虐げられている「しろがね人」であり、身分も「カーリア家の召使い」であることから初対面の相手に「きみ」と言うことには違和感があり、本人もそれに気づいたかの様に「貴方様」と言い直している。

 

そして、セルブスのお気に入りという

「眠りのドローレスの傀儡」をセルブスではなく、ピディが所持していた。

 

加えてドローレスの次に見つけた“お気に入り”、

「ネフェリ・ルーの傀儡」を入手した際は、1つ前のお気に入りのドローレスはセルブスのショップに並び、ネフェリ・ルーはピディが所持していたことからも、やはりセルブスの本体はピディということで良いのかと思われた。

(※ちなみに「糞喰いの傀儡」は“お気に入り”ではないため、セルブスのショップに並ぶ)

しろがね人であるピディの亡骸から流れる血が赤いのは、彼自身がしろがね人の宿痾から逃れるために様々な人体実験を経て自分にも試した結果かと思われるが詳細は不明。

 

そしてセルブスとラニの関係だが、琥珀の星光を使った「琥珀色の精薬」を飲ませようとすると、

“セルブスごとき”に唆され、のこのこと卑劣な薬を持ち込んで私をどうかできると、本気で思ったのか?

激おこされるため、セルブスの裏の部分(様々な悪行)は知っていて本来は真っ先に殺すべき輩とは知りつつも、自らの目的のためには必要な人材として最後までは使っていただけではなかろうか。

(“目的のためにはどんな手段も行為も厭わない”という覚悟を持っていたハズだが、ノクステラでブライヴの姿を持った災いの影に行く手を阻まれ、“二本指に心の奥底を見破られていた”=“辱められた”と感じてたのだろう。)

 

ちなみに、ラニが遥かなる目的のために旅立つ際にセルブスとピディを殺したのもラニかと思われる。

セルブスが「指巫女サロリナの傀儡」を持っていたが、サロリナはラダーン祭りに参加していた。

そのため「傀儡」とは、対象の生物の肉体的な部分を支配する技術に過ぎず、「魂」には作用出来ないのではなかろうか(魂と肉体の接続を強制的に断絶する?)

ラニはデミゴットの―肉体だけの―最初の死者であり、ラニは魂がない傀儡に乗り移ることでその傀儡を我が物の様に操る技術を持っているのかと思われる(その技術の確立の段階でもセルブスの力を借りた?)

つまり「小さいラニ」人形にも宿っていた様に、ピディが持っていた傀儡に乗り移れば犯行も容易だったのかと思われる。

 

「魔術教授セルブス」なる人物が、本当に元々居て傀儡にしたのか、それとも元々傀儡でそこから魔術教授の地位まで上り詰めたのかも不明(個人的には前者)ではあるものの、“事切れ方”が正にセルブスの地下室にいくつもあった傀儡のソレであったため「セルブス=傀儡」であろうが、本体が襲われることで傀儡を操る余裕がなくなって放置状態になったか、先にセルブスの操作権限をラニが奪ったため、糸が切れた人形の様に事切れていたのかは不明。

 

ちなみにラニに「琥珀色の精薬」が効かなかったのは、その薬が肉体部分に作用させる薬でラニの肉体は人形だからか、ラニの顔が人形の右手側に見える様にセルブスの謀を事前に察知していたため、あるいは人形自体に良からぬ仕掛けがしてあったために完全には人形に憑依していなかったため―というのが理由かと思われた。

 

■雪の魔女ラニ

1周目は何でラニ姐さんの腕は2対(4本)なのかと思いつつ物語を進め、

「自らの肉体を捨て、依り代に―来るべき日のために―“戦闘用”の人形兵を用いたから?」

程度に捉えていたけど2周目やってみた結果としては、それとはまた別の理由もあるのかもしれないと感じた。

 

まず「雪魔女の尖り帽」によれば、

ラニが魂を宿す人形のモデルは、ラニの秘密の師であったという。

そのモデルとなったのは「人形の顔のみ」なのか、「(腕が2対ある)体も含めて」なのか。

 

気になった存在として、リエーニエ湖のラスカー廃墟等に登場する王族の幽鬼の“お供達”である。

腕2対(4本)あるんですよね。

ゲロ吐くイカれた方は腕3対(6本)もあるのですが、1周目は接ぎ木のゴドリックの後に出会ったこともあって「接ぎの実験体なのかな?接ぎ木の貴公子のプロト型?」と軽く思っていたのだが、果たしてそうなのだろうか。

 

儀仗の直剣のテキストによれば、

接ぎ木のゴドリックら―黄金の一族の末裔たちは没落の後、古きに力と縁を求めたとある。

これにはいくつかの読み方があるだろうが、ゴドリックらが「元々あった(居た)古い存在」に力を求めたとも読めよう。

 

そもそもリエーニエの「王族領の廃墟」の地下に「王族の幽鬼」が登場するが、

“どこ”の王族なのか。

王族の幽鬼はいくつかの場所で登場するが、狭間の地での王族は限られ、リエーニエで言えばカーリア家しかないだろう。

 

そして、この腕が何対もある子達はラニイベントの終盤で行ける様になる「月の貴族の廃墟」にも登場する。

「月の民の廃墟」には登場せず「月の“貴族”の廃墟」の方に登場することから、「王族の幽鬼>月の“貴族”>月の民」という力関係がある存在で、古いカーリア家=月の一族の一定以上の位にある者達腕の数が多かったのではなかろうか。

それは限られた一族内での近親交配の結果なのか、魔術の技によるもなのか、接ぎのような技術によるものなのかは不明であるが、ラニの秘密の師=ラニに様々な冷たい魔術を教えた人物=一定以上の地位にあった月の貴族=腕2対(4本)の人物と繋がりそうな気もする。

 

ラニが幼少の頃、母レナラに手を引かれ出会った月は冷たく暗い神秘の月であったという。

巨人たちの山嶺で入手できる絵画「魔術師」の報酬、「グレードフード」は死んでいくための装束で、幼きレナラもこの月を見上げたという。

 

つまり、古きカーリア、月の一族は死者を月に送っていたのではなかろうか。

ラニは月に亡き師を重ねて思うからこそ、暗く冷たいのであろう。

見ることも、感じることも、信じることも、触れることも出来なかったとしても、遥か遠くにある師を思う。

それが正しい姿なのだから。

 

■ミリセントとゴーリー

エルデンNPCの中でもトップクラスの良心・仁義に厚いミリセントだが―、1周目はその背景が正直よくわからなかった。

 

ゴーリー曰くミリセントは“マレニアの子”とも表現でき得る存在だが、

“まだほんの幼い赤子の頃、エオニアの沼で(ゴーリーが)拾い上げ”

“まだ硬く未熟ではあるが―姉妹たちもミリセントの前では色を失うレベルの―いずれ艶やかに花開く最上の蕾”だという。

姉妹とは、ミリセントに敵対すると出て来る、長姉メアリー、次姉モーリーン、三姉エイミー、末妹ポリアンナの4人のことで、恐らくミリセントはエイミーとポリアンナの間に拾い上げられたのかと思われる。

 

そして、ゴーリーは出会った直後などに殺そうとすると、

“またお会いしましょう。蟲は何匹もいるのですから”

と霧の様に消えて蟲が現れるものの、ある程度イベントが進むと普通に殺せることから―シャブリリがユラの体に憑依していた様に―「朱い腐敗の女神」の使徒の様な存在で、腐敗の律・爛熟輪廻の理に魅せられた者だと思われる。

ちなみに「ゴーリー」という異端の賢者が本当に魅入られてしまったのかゴーリーの死体に使徒が憑依しているだけ、なのかは明確ではない(恐らく後者。後述)

 

ミリセント本人曰く、

“マレニアの子なのか、妹なのか、あるいは分け身なのか、それは分からない”

とのことだが、恐らく分け身の様な存在なのかと思われる。

 

その“分け身”なる存在もイマイチ分かっていないものの、本体と同時に存在し―

「忌み王モーゴット」討伐後もローデイル「外郭戦場跡」南に登場する「忌み鬼マルギット」や、

「血の君主モーグ」討伐後も「忌み捨ての大聖堂」に登場する「忌み子モーグ」

(死の根を全て献上しなければ)「黒き剣のマリケス」討伐後も「獣の神殿」に「獣の司祭グラング」が登場する様に

―本体が死んでも存在しえる者で、またグラングが自らの意思で本体に戻った際には主人公を認識していたことから、“分け身”が本体に戻るとその途中で経験した記憶なども本体にフィードバックされるのかと思われる(NARUTOの影分身的に近い存在?)

 

1周目は当然の如くミリセントに協力したものの、

“私はマレニアに、返したい”

“かつてマレニアのものだった意思を”

“朱い腐敗の呼び声に、人として抗う矜持を”

“あのラダーンに伍するために、彼女が打ち捨てた戒めを”

等と言っていた彼女が、4姉妹戦後、

“ありがとう。君がいてくれて、一時とて、私は私として生きることができた”

“…けれど、私はもう、ここまでのようだ”

と、既に朱い腐敗を抑えていた「無垢金の針」を抜いており、

“…悪意の主に伝えてくれ”

“私は、私でない何かとして咲くくらいなら、私のまま腐りゆくことを選ぶとな”

と言い、主人公を朱い腐敗で傷つけたくないと距離を置いた後、死んでしまうのだ。

 

そしてゴーリーは、

“…なぜ、針を抜いたのですか”

“もう少し、ほんの少しで…、最上の花と咲いたものを”

“…拒絶するのですか?マレニア様と同じように”

“我ら、朱い腐敗の子らを”

“…ミリセント、…マレニア様、…そんなにも、我らがお嫌いですか…”

と、円卓の二本指の様に、全く反応しない様になってしまう(この時ゴーリーは殺しても蟲にはならない)

 

そして2周目、気は乗らないまでもミリセントを裏切る気満々でイベントを消化して行ったのだが、エブレフェールの聖樹最下層前で共闘か敵対を選ぶ前にゴーリーのところに行ってみたところ、わざとらしく涙を流しており、その理由を尋ねると、

“ミリセントと、もうすぐお別れかと思いましたら何故か涙が零れましてな”

“あの娘は、もうすぐ出会うのですよ。彼女の姉妹に”

“そうすれば、きっと敗れ、花になってしまうのです”

と意味不明の供述をしていたが、

“もし、あの娘と姉妹たちの戦いに、居合わせたなら姉妹たちに味方し、ミリセントを殺しては頂けませんか”

“他ならぬ、貴方様の手で”

“ミリセントは、貴方様を信頼しているようですからな”

“裏切りの絶望こそが、蕾を、色めく花とするでしょう”

“そしてマレニア様が女神となった時、あの娘は再誕するのです”

“朱い戦乙女としてね”

“…貴女様も、見てみたくはありませんかな”

“最上の蕾であるあの娘が、最上の花と咲く様を”

とミリセント殺害の依頼を持ちかけてくる。

 

頭がギデオン=オーフニール状態の私は急いでミリセントの下へ向かい敵対したところ、ミリセントは死の際に

“…ああ、君が、何故…”

“ずっと、そうだったのか?”

“ずっと私を、ただ、この時の、ために…”

と言葉を残し花を咲かせた。

 

そうしてウキウキ気分で急いでゴーリーの所に戻ると、

.

まさかの死亡状態という結末。どういうことなのか。

 

回答1:ゴーリーは目的達成した

マレニアはラダーンに伍するために、一度咲いた。

そして、主人公からミケラを守るために、もう一度咲いた。

(主人公は別にミケラに何かをしに来た訳ではないが、領域への侵入者であり、ミケラの抜け殻に近づいた時にマレニアは再度戒めを解いたことから、そう判断されたのだろう)

恐らく、ケイリッドが腐敗に冒された様にエブレフェールも長い時間を掛け朱い腐敗に冒されることだろう。

 

そして、マレニアはいずれ再誕する。

その時にまたゴーリーが謀を巡らせて咲かせれば、マレニアは女神となりミリセントは朱い戦乙女となる。

しかし、それは「今すぐに」というわけではなくそれなりの時間を要するため、ゴーリーに憑依していた存在は今回の依り代を離れ待つことをにしたのではなかろうか。

 

と、いうのも主人公に狂い火受領の勧誘してくるユラ(中身シャブリリ)の目的達成時の状態と同じなんですよね。

シャブリリに狂い火受領したことを報告したら何か情報をくれるかと思い、受領後直行したところ、あったのはユラの遺体だけで、中の人はいなくなっていたのだ。

実際はミケラの針を所持していたため狂い火を鎮めることも出来たものの、恐らくそれは知られておらずシャブリリからすれば、目的達成状態だったのかと思われる。

ゴーリーも同じ様な状態だとすれば、来るべき時に備えて力を蓄えるために一時の眠りについたのかもしれない。

 

回答2:ゴーリー目的不達成

ミリセントは今際の際に主人公への不信を口にしたものの、そこから死にゆくまでの間に心を持ち直し、“真に絶望はせずに死んだ(咲いた)”とすれば、ゴーリーの目的は達成されていないことになろう。

 

ただ、ゴーリーは絶望や後悔などを口にもせず、既に死んでいたんですよね。

ミリセント共闘時は泣き言を言っていたことからも、もしミリセント敵対しても絶望たらしめるにはまだ足りなかっただけならば、

“惜しかった…しかし次こそは…”

くらいは口にしそうな気がするのだ。

 

そのため、ミリセント敵対時、ゴーリーは腐敗の律の確立に一歩前進していた(リーチ状態)ということかと思われた。

 

■神について

主人公が目覚めた時点での狭間の地の神はぼんやりと「二本指」の交信先(大いなる意志)で良さそうだ。

 

しかし、作中では様々な神の存在が示されており、

それは“外なる神々”と表現されている。

 

“どこ(何)”の外なのか言えば、当然“狭間の地の外”ではなく“現在の神の定める律の外”という意味であろう。

過去の“律”であったり、律から外された“理”であったり、まだ覇権を取ったことのない“律”“理”など様々なものがある様だが、狭間の地では長い歴史の中で何度も入れ替わっている(神の座を争い合っている)様に思われる。

古くは黄金樹の前史に居たが去ってしまったという神であったり(当時は“五本指”の模様)、

巨人戦争でもって排斥された火の巨人の内に隠れている悪神等がいる様に、

宵眼の女王がマリカの影従の獣である「黒き剣のマリケス」に敗れ去った様に、神の代行者たる指達は異なる「律」を持つ神人同士を争わせている様だ。

(今の時代の)デミゴッドの中でミケラとマレニア、そして私だけがそれぞれの二本指に見出され、女王マリカを継ぐ、次代の神の候補=神人となった”

とラニが言う様に、あるいはエンヤが言う様にマリカも「神」と言えるのだろうが、

大いなる意志の眷獣(=影従の獣?)であるエルデの獣に体を巣食われ自由を失くしている状態であるから、マリカは結局のところ“形だけの神”に過ぎず、

「エルデの追憶(=エルデの獣の追憶)」から“神の遺剣(神の遺体から生まれる剣)が作れる様に、律たる概念の具現であるエルデの獣こそが狭間の地の神であり、それより上位の存在(大いなる意志)がいるというのが正しいのかと思われる。

 

黄金史の前史、神の寵愛を受けたファルムアズラも理由は不明だが見棄てられた結果、

隕石によって滅ぼされ、

永遠の都ノクローンは(恐らく)“神殺し”という大逆を犯した結果、アステールメテオで地中深くに滅ぼされ、

(「指殺しの刃」が神の体から生まれた故、神やその“大元”を傷付けられるであろうこと、また刃の小ささから、神に成ってから間もない幼い神を殺した?)

マリカという優れた神人を見出した故か、一気に攻勢に転じ、マリカに与えられた「律」以外を全てを敵として、宵眼の女王を倒し、火の巨人を追いやり、現在の黄金律は完成した様だ。

 

黒き剣のマリケスが居た神殿(?)に、古い時代のエルデンリングが掲げられていた。

この紋章の下に一人の「女性と3匹の狼」が居たため(=マリカ?)、これがファルムアズラ時代のエルデンリングなのか、マリカが神人として見出された当初のエルデンリングなのかは不明だが、現在のソレと比べいくつかの「律」もしくは「理」を排除したことが伺える。

 

3本指によれば、

“すべては、大きなひとつから、分かたれた”

“分かたれ、生まれ、心を持った”

“けれどそれは、大いなる意志の過ちだった”

“苦痛、絶望、そして呪い。あらゆる罪と苦しみ”

“それらはみな、過ちにより生じた”

という。

 

“大きなひとつ”がいくつに分かたれたのかは不明だが、二本指や三本指の依り代になっていると思われる

ユビムシの指の数は12本(向かって右から5本目、左手で言えば親指にあたる部分は内側に生えているため見えづらい)

ルーサットが見出した「滅びの流星」も12本(「彗星アズール」が“分かたれる前”?)

火の巨人の瞳の虹彩に現れる8つの黒点(暗い星)、各地の神授塔の頂上の周囲にある柱も8本

ライカードの指の数が7本

―といった具合に、各々に関係性があるのかは不明だが、分かたれたものが少しずつ減って行っているのかもしれない。

 

物語の終盤、“起こるべきでないことが起き、迷われ、(二本指が)大いなる意志と交信し止まって”しまい、その交信が終わるのは“数千、数万の日が経った先になる”とエンヤは言った。

今も本当の神、大いなる意志は存在しているのだろうか。

―しかし、それを知る者はおらず、確かめる方法もないのである。

 

 

全部は文字数オーバーで入り切らなかったため、ここで分割。

→感想2に続く

ELDEN RING 感想2

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ELDEN RING 感想のその2

文字数制限オーバーのため分割しました。

 

■もくじ

◆感想1 →前記事

┃┣ローデリカ
┃┣セレン
┃┣セルブス
┃┣ラニ
┃┣ミリセントとゴーリー
┃┗神について
◆感想2 →本記事

 ┣マリカとラダゴンについて

 ┣火の巨人について

 ┗メリナについて

 

※以下「感想1」の続きです。

 

■マリカとラダゴンについて

これも1周目では良く分からなかったこと。

 

亀爺からラダゴンには何らかの秘密があることは聞いていたがローデイルにて、

“ラダゴンとはマリカである”

と、示された。

 

ダクソ1の地下墓地で「暗月の司祭の指輪」を入手できるところの壊せる壁の真下に公式メッセージがあって当時激萎えしたが、今回も石像前で―公式メッセージで隠すことなく―“秘密を明かす方法”をネタバレされ激萎えしたものだが、今作はちょっと様子が違ったかもしれない。

 

これをきっかけに新たな謎が生まれたのだ。ラダゴンが実はマリカだったとすると―

エルデンリングを壊そうとしたかと思えば、それを修復しようとしたり、エルデリングを壊した後に誰かがエルデの王になれない様に刺で拒絶したり、わざわざレナラと婚姻して、その後自分自身と結婚したりと

―マリカは何をしたかったのかと。

 

1周目クリア後、旅の記憶(各所でのスクショや動画やアイテム情報)を見返し大まかな見当はつけたものの、まだ見ていないイベントやアイテムがあったので2周目は情報収集に中心に行ってみた。

 

まずそもそもマリカとは、かつて狭間の外からやってきた稀人であり、

マリケスから死のルーンの一部を盗んだ(マリケスに運命の死の封印たるを望み、後にそれを裏切った)ことから、

「陰謀の夜」の真の黒幕であり、ゴッドウィンを殺害した実行犯である黒き刃の刺客たちに“近しい”存在であるという。

そしてロジェールによれば、黒き刃の刺客たちは永遠の都の末裔と言われており、

恐らく“神殺し”の末裔かと思われる。

 

そして、ローデイルの「小黄金樹教会」に残されたマリカの言霊―

“黄金律の探究を、ここに宣言する”

“あるべき正しさを知ることが、我らの信仰を、祝福を強くする”

“幸せな幼き日々、盲信の時代は終わる”

“同志よ、何の躊躇が必要だろうか!”

(ジェスチャー「外なる律」を入手)

―から、マリカの変化が見て取れる。

 

当初は自らの律を信じていたのだろう。

何がきっかけとなったかは不明であるものの、それは幼さ故の盲信に過ぎず―排斥した律あるいはまだ見ぬ律―「外なる律」を求め彼女なりに新たな黄金律を探究しようとしたのかと思われる。

 

しかし、そんなマリカに大きな異変が生じ始めたのかと思われる。

ゴッドウィンの友たるフォルサクスの姉、ランサクスは人の姿に化け、古竜信仰の司祭として騎士たちと交わったというが、「擬態のヴェール」が「マリカの戯れ」と呼ばれる様に、マリカ自身も変化の術(魔術?祈祷?)を自由自在に扱っていたのかと思われる。

マリカのラダゴンへの変化が、幻術的な見た目だけの変化なのか、上述のミリセントの分け身の様なものなのかは明らかになっていないが、

“ラダゴンは、自らの赤髪に絶望した”

ということから、恐らく後者に近しい変化なのかと思われる。

 

つまり、黄金律に変化を求め本体は二本指に従順なフリをしつつも外なる律を探究させようと、あるいはそれを為しうる新たな王を探すために、自らの分け身たるラダゴンを生み出したのだろうが、その髪が赤く染まっていたことで初めて異変に気づき絶望した―ということなのではなかろうか。

マリカを磔にしていた刺が赤かった様に、古竜の雷や、マリケスの黒き剣、原初の黄金がより生命に近く赤味を帯びていた様に、(大いなる意志)に近しいものは赤いのではなかろうか。

 

つまり見た目だけ変化ではなく、分け身の様な存在であるが故、自らの内に神に近しい存在が巣食っていることに気付き、既に首輪が付けられていることに絶望した、という意味合いだったのではないかと思われた。

 

ここで1つ疑問が沸いたのだが―

マリカ(金髪)とゴッドフレイ(白髪)の子は、ゴッドウィン(金髪:OPから)、モーゴット(白髪?)、モーグ(不明)や、その子孫あたるゴドリック(白髪)。

ラダゴン(赤髪)とレナラ(黒髪?青髪?)の子は、ラダーン(赤髪)、ライカード(赤髪?)、ラニ(不明)。

そして、マリカ(金髪)とラダゴン(赤髪)の子は、ミケラ(金髪?)、マレニア(赤髪)であるが

―「マリカとラダゴン」は如何に子を成したのか。

 

本体とは別に存在しうる分け身ならば通常の人間と同じ様に子を成すことも可能だろうが、ひょっとすると神の子の成し方は別の方法もあるのかもしれないと思わせるものがある。

ラダゴンがレナラに贈り、産まれなかったというデミゴッドの大ルーンが宿っていた「琥珀のタマゴ」である。

というのは、

“神々の運命を司る”とされる琥珀の星光があった場所に、何故か右手のない女性と幼い子どもの石像があるのだ。

この石像はミケラの聖樹にもあることからミケラとマレニアの像かと思われ、新たな黄金律を探究しようとしたが自らの体が神に巣食われ、それでも未来へ希望を残すためレナラに琥珀のタマゴを送り、自身も琥珀のタマゴ(琥珀の星光?)を用いてミケラとマレニアを産み出したのではなかろうか。

 

しかし、レナラのタマゴは孵らぬどころかレナラの心は壊れ、

神の子供であるハズのミケラとマレニアが脆弱で永遠の幼さと腐敗という宿痾を背負って産まれたのは、ラダゴン(体の内に巣食う神)から何らかの妨害があったのではないかと私は考える。

 

―マリカは槌でエルデンリングを砕こうとし、ラダゴンは同じ槌でそれを修復しようとしたというが、

オープニングの破砕しようとしするマリカの姿と、修復しようとしている(?)ラダゴンの姿は、右方の影でぴったりを重ねることが出来ることから、最期の力を振り絞って砕こうとしてマリカを、内から飛び出て来たラダゴンに寸でところで止められたのではなかろうか(完全に振り下ろす直前で止められたため、砕き切れなかった?)

 

そして、その後ラダゴンは修復しようしたのだろうが修復することは出来ず、これ以上破壊されぬ様に石舞台を拒絶の刺で閉じたのではないだろうか。

また、鍛冶師事は古くは巨人の技であったというが、

ラダゴンは「黄金律の大剣」を手ずから鍛え上げている。

 

マリカの内に巣食っている神は本当に黄金律なのか。

ひょっとすると巨人戦争の折りに、火の巨人の内に隠れている悪神に呪いを受けて冒された黄金律なのか。

それとも黄金律の2つの力の1つである「回帰」が、一度は排除した「律」に戻ろうとしているのだろうか。

 

■火の巨人について

元々この火の巨人については書く予定はなかったんですが、1つ前の項目でちょこっと触れて気になってしまった。

 

「釜の火が不滅」と分かり山嶺に人が立ち入らぬようにしたものの、何らかの方法で禁域に入り“滅びの火”を使い良からぬことをされては困るから、巨人戦争を生き残った小さき巨人に永遠に火を守る様にさせた―様だ。

そして、それは“刻印の呪い”による結果だと言うが、どの様な意味なのだろうか。

 

ラダゴンの刻印は、

「金糸」で、カーリアの魔術教授に秘匿を強いたり、レアルカリアの門やルーサットへの場所に施されていたことから“封印”の類の効果を持つのかと思われる。

そして、これはラダゴンというよりは内に巣食う神―エルデのルーンである。

 

さて、それではマリカの刻印とは何か。

これも同じくエルデのルーンと言われおり、形状から“磔にされたマリカ”かと思われる。

しかし、マリカが磔にされたのは巨人戦争のずっと後のことであり、巨人戦争の終結時に刻印したとされるルーンとは異なる様に思われた。

 

すると、マリカの刻印とは神人であるマリカが二本指から与えられた使命=「律」―即ち黄金律なのではなかろうか。

黄金律は「因果」と「回帰」という二つの力で説明できるという。

「因果」とは「万物を関係性の連環となす、“意味間”の引力」であり、「回帰」とは「万物が不易に収斂しようとする、“意味”の引力」だといい、それは言うなれば「永遠」である。

 

永遠の火守りを任じられた者=不死の者を、結果的に主人公が特殊なルーンの力を用いずに殺せたが、その前に火の巨人は折れた自身の左脚を引きちぎっている

すると、マリカが打った“刻印はその左脚にあり”、そのルーンを左脚ごと自分の体から取り除いたことで火の巨人の永遠性も取り除かれ、主人公は火の巨人を殺し得たのかもしれない。

 

もう少し補足すると、恐らく「“滅びの火”の不滅性」と「火の巨人」を因果で結び、かつその体の中に隠れている悪神を「体の内側」に「回帰」させていたから、左脚をもぎ取った事により内側から悪神が現れ、不死性も同時に失ったのではなかろうか。

(黄金律の永遠性は、恐らく「黄金樹」と因果で結び「狭間の地」の中で回帰させているのかと思われる)

 

―神は、見出した者に生涯の使命を与え、強き使命は逃れ得ぬ呪いのようにその者を蝕むという。

マリカは「神」である。しかし、それは“内に神が宿っている”からであり、ある意味でハリボテの「偽神」とも言える。

さりとて「神」には違いない。

本家本元の「神」に及ばないにしても、見出した者に生涯の使命を与えることが出来るのだろう。

そして、それはマリカの永遠性と同じで少しずつ壊れていくのかもしれない。

永遠などないのだから。

つまり、壊れつつもその使命を全うせんとするのは、その者自身の意思なのではなかろうか。

 

■メリナについて

そうして最後の項目。

ソウルシリーズ通して火防女的ポジションのキャラは大抵ヒロイン的存在だった様に思われるが、今作ではまるで空気の様な存在で、今作はラニ、ラーヤ、ミリセント、セレン、ローデリカ、クララ、エンヤ、そしてトープスと魅力的なNPCが多いため、ヒロイン決定戦でも勝ち上がるのは難しい様に思われる。

 

メリナは“祝福で休む”と場所やタイミングによっては「メリナと話す」という項目が増え、どこからともなく現れるものの、1周目は祝福を灯すものの休まないことも多く、かなり見逃してしまっていた。

それも1周目はメリナの力を借りて拒絶の刺を焼いたため「狂い火END」も不完全なものになってしまい、2周目はほとんどメリナのために回ったと言っても過言ではないかもしれない。

そうして、2周目を終えた率直な感想としてはメリナ=ミケラなんじゃない?というものでした。

 

まず、最初の疑問はメリナが黄金樹の禁忌たる滅びの炎へと繋がる「ロルドの割符」を持っていることだった。

燃え続ける釜の火が不滅である以上、小さき巨人を火守りとして残しているとは言え、そこへ繋がる割符は他の大昇降機の割符よりも遥かに厳重に封印などされてしかるべきものだと思われる。

 

しかし、それがマリカから託されたもの(それがローデイルのどこに隠しているなどの情報でもよい)ならば、メリナはマリカと何らかの関係がある様に思われた。

そもそもマリカの子の中で、赤い髪を有していないと思われるのは、

ゴッドウィン(金髪)、ラニ(不明)、ミケラ(金髪)の3名で、ゴッドウィンは実質的に自ら殺している様なものだが、彼の性格や思想や律はほとんど描かれておらず、その理由は不明。

(ただ黄金律に属するデミゴットが、古竜信仰=排斥された「律」を掲げていることから、恐らく二本指には目を付けられており、逆にそのゴッドウィンを殺すことで二本指の信用を得ようとした?)

 

しかし、ラニの計画には手を貸していたことから、黄金律原理主義の父・ラダゴンに反発しマレニアを救うべく新たな律を模索していたミケラにも何らかの手助けをしているのではないかと思われるのだ。

その1つが「ロルドの割符」。そして、もう1つが「死のルーン」なのではなかろうか。

 

主人公が狂い火を受領した際、

“狂い火の王―即ち混沌の王になったなら…私は貴方を、殺すだろう”

“それが、貴方にルーンの力を与えた、責任だから”

と去ってしまい、

実際に混沌の王となると、メリナは主人公を殺しに向かう。

これまで閉じていた左目が開いており、閉じている状態であった獣の爪の様な刻印、そして瞳の色から「獣の瞳」を連想するが、混沌の王となった主人公は恐らくもう「神」であるから、「神殺し」の力が必要になろう

 

作中で「死のルーン」にまつわる力はいくつか登場しているが、

“古い死の呪術”と呼ばれる霊炎は、発動時の紋章からラニの体に刻まれていた「死の呪痕」に近しいものと思われ、実際にラニがある程度自由にしていることからも“神を殺すには不十分”であろう。

 

マリカと獣の刻印とも関連がある「神を殺しうる力」と言えば、

「神狩りの黒炎」を振るったという「宵眼の女王」の力なのではなかろうか。

 

もし、マリケスから盗んだ「死のルーン」の“一部”に、その力を封じた「宵眼」があったのならば、それをミケラに間違いを正す力も託していた、と繋がる様に思われた。

 

ミケラの聖樹があったのも割符は違えど同じロルドの大昇降機で至れる場所の先にあり、巨人戦争よりも後に陰謀の夜(ゴッドウィン殺害)が起きているため、恐らく陰謀の夜時点で「巨人たちへの山嶺」への道は断たれているかと思われるが、少なくともミケラはそれ以降も山嶺に足を踏み入れている様だ。

 

「ソール城」の屋上に、

ミケラが友・ゴッドウィンを助けようとしていたが、成功しなかったことを詫びる霊が居り、

エブレフェールに各地の霊廟にあった“魂なきデミゴッド”(マリカの醜い落とし子=忌み子のデミゴッドが素体?)と極めて似たものがあっため、自らの信徒(?)達にも研究を願い、自らも研究をしていたのかと思われる(霊廟内にある調度品から、恐らく永遠の都由来の技術)

 

もしミケラがマリカから「巨人たちの山嶺」へ至る割符を託されていたのなら、メリナが所持していることに疑問があるが、ミケラとメリナには何らかの関係があったのかもしれない。

この時点で“黄金樹でメリナに使命を授けた母”が、ミケラもしくはマリカ(即ちメリナ=ミケラ)の様に感じ始める。

 

次に気になったのが、

メリナが“黄金樹で母から授かった”という使命を忘れている(探している)点である。

不測の事態があって記憶喪失になったのだろうが、自らがそれを“忘れている”と認識できる程にメリナの奥深くに刻まれている様で、母がマリカであれば“使命の刻印”を連想する。

 

ただ、メリナ自身が

“焼け爛れ、霊の身体となってまで、生き続けている理由を探している”

と言っていたが、その身を焼いた火が“滅びの火”ならば―黄金樹が焼ける様に―マリカの使命の刻印も焼けて壊れてしまっていてもおかしくはないだろう。

そのため初めて出会った際、指の巫女のことを「指の巫女“”」と呼んでいたことから、元々身分の低い者なのかとも思ったが、記憶喪失のため=滅びかかったためとも採れるかもしれない(マリカの刻印は黄金樹由来のためひどく火に弱いが、“ミケラの無垢金”は溶けても残り得ることが、滅びの火に焼かれてもまだ生き続けられている?)

 

また1周目で偶然見れたイベントだったのが、何故かメリナはボックのことをやたらと気に掛けているのだ。

“メリナは身分が低い?”という疑問もあったため、当初はメリナがボックと同じ亜人故に気に掛けているのかとも思ったのだが、

“…貴方のお針子、ボックさん”

“時々、泣いているの”

“お母様が恋しいみたい”

“美しいと、言って欲しいって”

“…母とは、母から産まれるとは”

“皆、そういうものだろうか”

―2度目のボックへの言及の際の言葉は、まるで“自身が母から産まれていない”様にも感じられた。

母から授かった使命が思い出せない中、母への深い愛慕を覗かせるボックに興味を持っただけではこの言葉は出てこない様に思われ、メリナは記憶喪失で母との記憶を失っているのではなく、母との思い出がほとんどないのではなかろうか。

 

もしマレニアとミケラが琥珀のタマゴ(星光)から誕生していたのであれば、ミケラが黄金律原理主義者のラダゴン(大分蝕まれている状態?)との祈祷で語り合う一方でマリカとの関係性が見えてこない状況とも合わせ、メリナとミケラの近似性が見えてくる。

 

そうして「巨人の火の釜」での出来事である。

大罪を犯そうという直前、何故か主人公は気を失うのである。

メリナが主人公の体に触れた後のことであるから、眠らされた様に感じられた。

 

何故、メリナが主人公を眠らせたのかと言えば、“過去の失敗”を繰り返さないためかと思われる。

そうすると、火に身を投げたというベルナールの巫女はメリナだったのではないだろうか。

 

ベルナールは王に相応しい器であったが―優し過ぎた故に―自らがその身を焼いたことでエルデの王を目指すことを止めてしまった。

接し過ぎたために情を沸かせてしまったから、主人公とは出来得る限り距離を置いた

自らが炎に焼かれゆく姿を見せたことでベルナールの心を折ってしまったから、主人公には見せない様にした

 

しかし、そもそも狭間の地では“眠りの力”は非常に希少である。

その使い手では聖女トリーナという、忽然と現れ忽然と消えていくという謎めいた人物と、眠りのドローレスという、かつての円卓の一員で百智卿ギデオン批判者であり友であったという男装の麗人で、セルブスが何らかの理由でひどく気に入っていた人物くらいであろうか。

 

まず眠りのドローレスはトリーナの矢の使い手と言われているが、狭間の地を回り尽くしても入手出来るトリーナの矢は限られており、眠り効果を持つ矢は作れるものの、“トリーナの矢の製法書”はない。

そのためトリーナの矢を常時使用するような戦闘は難しく、トリーナを矢を大量に持っているだとか、製法を独占しているのではなく、ドローレス自身が眠りの力を持っていたと考えることもできるのではないだろうか。


そして、聖女トリーナと言えば「儚い少女とも少年」とも言われるハズだが、

その聖女トリーナの意匠が彫られている「トリーナの灯火」では“大人びてどこか恐ろしい”という。

“薄紫の火”に“単眼”―まるで混沌の王となった主人公を殺しに向かった薄紫色の左目を開いたメリナの様である。

 

もし、聖女トリーナ=眠りのドローレス=メリナ=ミケラだとすれば見えてくるものもある。

ミケラのスイレンと、トリーナのスイレンは極めて似ているが、

永遠に幼い宿痾を持つと言われるミケラは“愛するを強いることができた”という。

それは言うなれば“洗脳”の様な力で、“強い催眠能力”とも表現できる様に思われる。

 

ただ、洗脳と考えると2つの疑問に応え得る。

まず1つ目が、「朱い腐敗」は記憶を壊すといいラダーンは完全に自我を失っているが、何故マレニアはミケラのことだけは覚えており守り続けていられるのか。

 

もちろん、「ミケラの針」でそれを抑えているのも理由の1つだろうが、

“兄さまが、約束を違えるはずがない”

“神の知恵、神の誘惑。ミケラこそ”

“もっとも恐ろしい神人なのだから”

という、マレニアの防具に秘められた言葉には違和感があった。

 

ミケラは母への愛に飢えてか、あるいは力を使い方を分からずにマレニアに自分を愛することを強いてしまったのではなかろうか。

「朱い腐敗」という外なる神の力であっても、同じく神の力ならば抗し得る様に感じられた。

 

そしてもう1つが、

血の君主モーグである。

彼の持つ聖槍が「外なる神との交信の祭具」であることから、血の底で見えた「傷を望む真実の母」とやらも外なる神なのであろう。

神と出会ったことで初めて生まれついた穢れを愛せる様になり、「“名も無き者、弱き者(=黄金樹から祝福されていない者達)”をこそ祝福する」というミケラに惹かれ伴侶として王となろうとするまでは分かるのだが、どの様に聖樹に辿り着き、聖樹と同化してるミケラを攫い得たのか(「典礼街オルディナの南東に「モーグウィン王朝」行きの転送門はあるが、逆はない)

 

また永遠に幼いというミケラが、

「左手で抱えられる程の大きさ」から遥かに大きく“成長している”ことに、何故疑問を持たないのか。

 

さらには、黄金樹を愛したモーゴット(マルギット)が、君主連合(恐らくゴドリックやゴドフロア達)からローデイルを防衛しようとすることは理解できるが、

何故モーグが自らを忌み子として排斥したローデイルを防衛することに手を貸すのか。

(“君主連合、内から瓦解し敗軍となる。血の陰謀、その痕跡あり”)

 

もちろん、その理由を想像で埋めることは可能であるが、その相手が“愛するを強いることができた、もっとも恐ろしい神人・ミケラ”であることを思うと、ローデイル防衛に力を貸して貰う代わりに“身”を捧げることを約束したのではなかろうか(恐らく本当の目的はモーグに攫って貰い、二本指の監視から逃れ隠れること)

ミケラはマレニアの宿痾に無力であった黄金律を見限り、聖樹に宿ることでマレニアを救い得る新たな「律」を産み出そうとしていた様だが、

“聖樹は醜く育ち、美しい聖樹は見果てぬ幻想となった”という。

 

しかしながら、聖樹に宿るミケラがモーグに攫われたことが原因ならば「大きく育たなかった」だとか「枯れてしまった」というような“上手く育たなかった”に近い結果になりそうなものである。

そのため、聖樹が醜く育ってしまった近くに居たマレニアの「赤い腐敗」か、モーグが攫う際に「傷を望む真実の母」の影響を受けてしまったか、ミケラの内に「醜い“何か”」があったからなのではなかろうか。

 

モーグがマレニアの様に翼を生やすのは、血の閨を共にしたことでミケラの“肉体”に残る神性を宿したからかと思われる(ミケラと双子のミレニアは翼を生やす)

同様にミケラが同化した聖樹も、ミケラの肉体の神性を宿した(吸い取った)からこそ―赤い腐敗に冒されつつも―あれ程の大きさに育ったのではなかろうか。

つまり「ミケラのスイレン」と「トリーナのスイレン」が極めて似ているのは、ミケラが取り除きたかった「律(=神性)」が抜けた結果―黄金樹に見捨てられ祝福が褪せた(瞳に金色の光が宿らなくなった)者達の様に―「ミケラのスイレン」が色褪せ「トリーナのスイレン」となったのではないだろうか。

 

結果として、“愛するを強いることができた”という“神の誘惑―強い催眠能力”は、“弱い催眠能力―安らかな眠りをもたらす程度の力”になった様に考えられる。

すなわち、メリナは“褪せたミケラ”であり、マリカの娘という結論に至った。

 

“…貴方がもし、狂い火に向かっているのなら、それだけはやめて欲しい”

“あれは触れざるもの―全ての生を、その思いを喰らう混沌”

“この世界がいかに壊れ、苦痛と絶望があろうとも、生があること、産まれることは…きっと、素晴らしい”

 

“…もう一度だけ、言わせてほしい”

“狂い火に向かうのは、やめて欲しい”

“貴方に、王を目指す貴方に、生があること、産まれることを、否定してほしくない”

“…そんなものは、王ではない”

“生なき世界に、王などいるものか”

 

“お願いだ。もう、やめてくれないか”

“狂い火の王など、王ではない”

“生なき世界に、王などいるものか”

 

続・再開まだかえ(雑談)

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この記事を挙げている時点で、前回の連載からおよそ3年と9ヵ月程が経つのでしょうか。

長かったですなぁ。

 

今の原稿完成の速度的にも、展覧会の日程的にも今年の10月に再開しそうな予感がする(それも今回は10話以上掲載の可能性あり)ものの正確な再開日は未定です。


しかし以前よりは光明が見えてきた現状にハンタファンとしては喜ばしい…反面、落ち込んでいる部分もあったりします。

 

※追記 8/12

…再開日の予測、もう難しいかもですね

 

■ハンタの今後について(≠内容)

先日ベルセルクの作者である三浦さんが亡くなったが、現在、弟子や漫画家の友人達の手によって続きが描かれている。

その肝心の絵に関してだが、思った程の違和感がなく見事なものであったのだが、それは三浦さんが生前からキャラのペン入れを弟子や漫画家仲間にも手伝わせていたことが大きいだろう。

 

しかし、冨樫さんの場合は現在の状態ですらもキャラは自身でペン入れされているため、今後描くのが本当に厳しくなった時に続きを描ける人はいない。

 

描ける今だからこそ後進を育てるべきなんじゃないか、と思うものの各所で語られる漫画家たる信念や、アシさんにはアシさん.自身の漫画を描いて欲しいでしょうし、後進=自分の漫画の続きを描く人という発想自体がズレている様にも感じられた。

 

だからこそ「アニメと原作は別物」と考えていらっしゃるご様子のため、逆にアニメこそ道があるのではなかろうか。

ハンタのアニメは新・旧あるようだが、個人的にはどちらも不十分に感じるため(旧はほぼ見ていないためわからないが、新の方は原作無視が多い様に感じた)、無職転生の作者が自身の作品のアニメを作るために会社を作り高品質なものを世に出したが、冨樫さんも自身の会社を立ち上げれば自身で監督を務めることが出来、ご自身でもある程度の満足度に達する作品を作れるのではないだろうか。

 

―などとハンタの今後を憂いてしまっているのだが、作者と無関係な者がこのような辺境のブログに書いてもさして意味もないのである。

11~20話分も同時進行しているため正確な速度はわからないが、5月頃から作業を開始し現在2話完成済。

つまり、ネームがある状態で10話分の原稿が完成するのにおおよそ半年程度掛かるのかと予想される。

 

今後あと何巻出せるのかな、どこまで進むのかな、ブログはいつまでやってるのかな、それまで自分は生きているのかな、なんて思いながら、ただ静かに待つしか出来ないのである。

 

■作者の腰の状態と現在の執筆体勢について

"2年ほど椅子に座れない状態"だったことや、"(上図が添えられたご報告を書く2週間前まで)排泄の度にお尻をふく姿勢が取れずに毎回シャワーを浴びていた"ことが語られたものの、今現在の正確な腰の状態症状病名どのような治療(手術含む)を行った(ている)かは不明です。

 

ハンタファンとしては心配の気持ちから「〇〇したら良い(体験談)」とか「××が良いと聞いた」とか伝えたくなる気持ちはわかるんですが、SNSやファンレター含め控えた方が良いんじゃないかと個人的に思います。

 

大病を患った人やその家族ならご存じだと思うのですが、大抵病気が発覚した時に専門医に聞いたり"症状や状況に合わせて自分自身でも調べている"と思うのです。

その上で資産状況等や各々のリスクを鑑みて、あるいは思想信条を下に、どの治療を受けるか、あるいは受けないかを判断していきます。

 

もし冨樫さんがご自身の病気のことをほとんど何にも調べておらず、かつ治療を受ける資金もない"馬鹿で金もない人"―なら意味があるんでしょうけど、そうではない。

そもそも詳しい病状がわからない以上、読者側のお節介にも似た情報や助言は的外れになりがちだし、既知もしくは耳タコの情報のことが多い様に思われます。

かと言って、自分の心配して情報をくれた人を無碍にも出来ずお礼を言ったりするんですが、そのやりとりってめちゃめちゃストレスになると思うんですよね。

 

もちろん、実際に冨樫さんがどう感じているかはわからないんですが、体調を気遣う様な言葉とかは逆に文の結び程度の定型文程度のあってもおかしくない感じに抑えた方がいいんじゃないかな…と私は思いました。

 

現状の"寝ながら描く姿勢"では、首をおかしくしてもっと状況が悪くなるんじゃないかとか、外科医や介護士が使うような下半身のパワードスーツを使って"立って描いた"方が良いんじゃないかなど、私も思うところはあるものの、作者の体調に関しては今回を最後に口をつぐみたいと思う。

 

 

―それでは、静かに連載の再開を待とうじゃないか。

ちなみにまさかとは思うが、再開がそう遠くないであろう今、これまでのところで疑問は残してはおるまいな。

実際にあっているかどうか別にしても、作中の疑問に対して各々答えや仮説は出しておこうね。

おぢさんとの約束だ。

5-2:具現化系能力(その2:番外)【H×H感想 3rd版】

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←(前) ■4-3:特質系能力(その3:番外)
→(次) ■6-1:変化系能力(その1)

 

今回のテーマは具現化系能力の"威力・精度"について。

※上記のリンクは一連の記事のフォーマットに合わせただけで、直接の関係はありません。

 

作中で明確になっている性質ではないものの、各所の描写から恐らくそうであろうと思われる部分の追記。

ただ情報不足が否めない部分もあり、一応番外としました。

 

とは言っても以前の■6-2:変化系能力(その2:番外)でそれとなく触れてはいる内容ではあるんですが、

単行本作業に入っていることや、

スタッフを増員したことから(恐らく予定通りの)今年中の再開もありえ、ヒソカおぢさんの再登場も否定できないため一応事前に扱うことにした。

(いつも通り、"絶対に合ってる"というスタンスではなく、"こうじゃないかな"という一読者の感想です)

 

それにしても展覧会に合わせて10月再開かと思っていたんだけど、9/5時点でまだ37巻作業は終わっていない(見開き1枚が残っているとのこと)

どうも編集さんや裏方さんの作業(カバーや表紙デザインや各種編集)や、印刷(製本)やら物流の準備が10/4に間に合わない様に感じるんだけど、どうなんだろう。11月の再開なのかなぁ。

まぁ、その業界の人じゃないので詳細は分からず。

 

今回扱いたいのはとりあえず具現化系だけなのだが、それだけだとかなりアッサリしてしまうのと触れられない部分があるため、文字稼ぎも兼ねて改めて全体的に"威力・精度"についても触れたいと思う。

 

◆発の威力・精度

通常、「発」の強さを考える際、

上図のSP部分に掛かる倍率、即ち"威力・精度"も重要になってくる。

 

ただ、その威力・精度の掛かり方は念系統によって異なる様に思われた。

まず、通常の念への威力・精度の掛かり方は、

イズナビのクラピカへの説明から「×威力×精度」ではなく「×威力・精度」ということの様だ。

 

しかし、

ゴンのパー(放出)を評価したナックルの発言と従来の計算式だけでは、
ゴンのパー=2000(AP)2000(SP)×威力・精度(理論値は80%だが修行不足でもっと下)

     =2000(不明)

     =500オーラ程度???

―となってしまい、どうも違う様に思われた。

 

しかし、これは放出系の特殊性が現れた結果なのではなかろうか。

通常、念はAOPの範囲内(=メモリ)で扱われるが、

ゴンのパー(放出)であいこからのグー(強化)は、その法則から外れている。

ゴンのパー(放出)手に集めた全オーラ(2000程度)を放つ技であるから、これまでの考えではパー(放出)がある内は何も出来ない様に思われる。

しかしながらもしそうだとすると、相手がどんな能力を持っているかわからない中、放った念弾を念空間にでも取り込まれてしまう可能性もあろう。

異空間に閉じ込められたオーラに命令ができるか、回収ができるかも分からないとモラウは考えていたことから(恐らく相手の能力の性質次第)「放出系能力者はうかつに念弾を放てない」というそもそも的な矛盾にぶつかってしまう。

 

つまり、放出系能力はオーラをAOP(=メモリ)から切り離す性質を持っていると考えるのが妥当であり、当ブログではその切り離されたオーラを、AOPに対してEOPと表現している。

 

要はゴンのパー(放出)手に集めた全オーラ(2000程度)EOP化して放っている技であり、

2000(手に集めた全オーラ=AP)×威力・精度(EOP化のため) } + { 2000(SP)×威力・精度 }

=500オーラ程度

―ということなのではないだろうか。

 

クラピカの放出系能力の図式は、上記2段式で威力・精度が掛かるとすると両者の差はもっと開くため、恐らく「SPに掛かる威力・精度」のみに着目した簡略図だったのかと思われる。

 

 

次に強化系

これはイズナビの説明の中でも示された様に、AP威力・精度が掛からない念系統なのかもしれない。

 

同様にゴンのグー(強化)で考えてみよう。

ゴンのグー(強化)肉体部分の強化(BP強化)ではなく念攻撃力の強化(AP強化)に属する技と推測され、グー(強化)を放った際にSP(2000オーラ)分は消費されてしまうもののAP(2000オーラ=AOP)はそのまま残った状態である(ナックルの計算式でも減っていない)

 

そのため、

2000(AP)2000(SP)×威力・精度(ゴンの理論値は100%)=4000オーラ相当の強さを持ち、消費はSP分の2000オーラのみとなるのだろう。

 

 

続いて変化系

これも同様にゴンのチー(変化)で考えてみる。

チー(変化)は、一点に集めた全オーラ(硬)(?)に性質変化させるものだ。

 

そして、"作り変え"ならば放出系AOPからEOPへの変換(?)の際と同様に考えたくなるものだが、変化系能力は正確に言えば性質変化というよりは、恐らく性質"一部"変化あるいは性質付加という力かと思われる。

というのも、ゴンのチーはオーラを"剣に作り変えてる"訳ではなく、オーラに"剣"の性質、もしくは"斬属性"付与しているだけであくまで性質の増えた"オーラ"に過ぎないのだ(変化系全体に言える)

 

しかしそれを踏まえても、

1:2000(AP)2000(SP=性質付与)×威力・精度80%=3600オーラ相当

(元のオーラ=APに、新しい性質=SPを混ぜた様な感じ)

なのか、

2:2000(AP)×威力・精度80%2000(SP=性質付与)×威力・精度80%=3200オーラ相当

(APも、SPも共に性質付与を行っている)

なのかは明確には分からずにいる。

 

ただしAOP型の発の場合、

発を解除すれば、AP部分のオーラ再利用(回収)可能である。

 

しかし、その一方でAP部分のオーラ100%を回収出来ているかは不明であるため、一定のロスがあった場合それがAP部分に精度・威力が掛かっているためなのかどうかは現状判断できないのかもしれない。

 

ちなみにオーラの使用感は能力によって異なると思われる。

例えば、ゴンのチーの場合は、

2000(AP)2000(SP)

と4000オーラ相当の一時的に使用してはいるものの、AP部分は回収可能なため、消費しているのはSP部分の2000オーラのみなのかもしれない。

 

その一方で、例えばキルアの落雷(ナルカミ)の場合は、APSPの両方を消費している可能性がある。

というのも通常、電気は使えば消費されるものであるため、その性質付与も無意識に行っているのであれば、APSP全部もしくはAPの一部SP消費されているのかもしれない(回収不能)

ただ現時点では、その答えを探るのは難しいと思われる。

 

 

そして特質系

―と行きたいところではあるが、現状作中では操作具現の間に位置する特質系能力者が多い様に見受けられるが、以前特質系の項目で触れた通り、特質系の念の習得度は1パターンではないことが示されたため―

位置する場所(=使用する能力)によって異なる様に思われた。

 

操作具現の間に位置する特質系能力者ならば、その能力は基本的にAOP型操作系もしくは具現系のどちらかに近いと思われるが、特質系独特の性質があるのかもしれず、詳細は不明である。

 

 

お次は操作系

操作系能力者はルールの強制を基礎におきつつ、作中では物体操作生物操作に注目されていることが多い様に思われる。

通常、操作するものが大きいほ必要なオーラ量は多く、その命令(ルール)の強さに応じて「誘導型<要請型<半強制型<強制型」といった具合に必要なオーラ量は多くなると言う。

 

ただ、例えば暗黒大陸に居る様な巨大な生物の操作の場合、「体全体」に応じたオーラ量なのか、「操作箇所(脳の全体もしくは脳の一部)に応じたオーラ量が必要なのかは明らかになっていない。

 

そして、

物体操作の場合、愛用品(呪具)を媒介して能力を発動させることが多く、それに込めたオーラ量がAPとなり、それと同量のSPが消費される、という感じなのだろうが、

操作系放出系が隣り合っていることもあってか、自動型(オート)遠隔操作型(リモート)という2つのタイプ(恐らく基本的には前者がEOP型で、後者がAOP型)が示されており、オーラの使用感はAOP型なのかEOP型の命令なのかによって異なると思われる。

 

AOP型ならば、威力・精度はSP部分のみに掛かり、オーラの消費もSP部分のみとなろうが、

EOP型ならば―

AP×放出系の威力・精度SP×操作系の威力・精度 ×放出系の威力精度

―といった具合に威力・精度は両方に、それも3つ掛かってしまうのかもしれない(オーラ消費はAP3倍分)

そのため、オーラの消費量を抑えるために、あるいは放出系の不得手を補うために「寄生型」などの工夫を凝らすのだろう。

 

 

そうして漸く本題の具現化系

具現化系「思念(頭で思い浮かべたモノ)「オーラ」で物質化(現象化)する方法(通常の具現)の他に、「思念」「オーラの力」で「実際の他の物質を元」に再物質化(作り変え)する方法(ツボネ式具現)の2つが示されているが、そもそも具現化系の"威力・精度"とは何なのか。

 

1:「イメージの再現」に習得度に応じた補正が掛かってしまうのか、

2:「物質化(現象化)に補正がかかるのか、それとも

3:「両方」なのか。

作中で明確には説明されていないものの、恐らく2なのかと思われる。

 

まず「イメージの再現」に補正が掛かるとすれば、「直剣」を思い浮かべていたとしても具現化系以外の能力者はその習得度に応じて「刀身がぐにゃぐにゃ」になるかと言えば、そうではなさそうだ。

 

作中で具現化以外の念系統の者具現化系能力を用いる例はいくつかあるが、

カストロの「分身(ダブル:仮)が今回のテーマを考えるにあたり役立ちそうだ。

カストロはウイングの所見によれば強化系能力者であり、具現化系能力は最大でも60%の補正が掛かってしまう。

 

しかし―当時の原稿は荒れに荒れてはいるものの―本体と分身は汚れなどが付かない限りは見分けが付かないレベルで再現されていた。

つまり「イメージの再現」に補正は入っていない様に思われる。

 

ひょっとすると、不足分のオーラを更に注ぎ込むことでその下がった再現率を上昇させているという可能性もあるが、

もしそうだとすると、カストロが容量不足に陥ってしまった理由の中には、当然「再現率向上のためにより力を割いている」ことも入ってくるように思われる。

そもそもピトー(特質系)レイザー(放出系)ゴレイヌ(放出操作?)の念獣など、必ずしも正確なイメージの再現をする必要のない能力でさえも、その具現物の造形は崩れていない様に思われた。

そのため、クラピカが自身の鎖について触れた際「"威力"・精度」ではなく「"強度"も精度」と表現していたことがあったが、鉄のナイフと木のナイフに"強度の違い"があるが、強度が違えば威力(切れ味)も変わることから単純に「威力・精度」の言い換えかと当時は考えていた。

しかし、これは具現化系の補正の掛かり方「威力・"精度(イメージの再現性)"」ではなく、「威力・"強度(物質化の精度)"という意味だった様にも考えられるのではなかろうか。

※クラピカの発言は鎖をEOP化することによって強度(具現化系)精度(操作系)も落ちてしまう」、ということを言っていたのではなかろうか。

 

この解釈によれば、ヒソカの「薄っぺらな嘘(ドッキリテクスチャー)100%具現化系の能力でも問題なくなるのかもしれない。

具現化物(絵具やインク)の"強度"が80%に落ちたとしても、あくまで"騙し絵"に過ぎず、触られてしまえばわかる程度のものであり、元々さほど強度も必要ないためである。

※ヒソカはドキテク使用時、オーラをシート状(=形状変化)にしているが当ブログでは「形状変化≠変化系能力、=基本(もしくは応用)技術」と考えている。

→参照:変化系1

一応これで、ドキテク=具現化系という一番ストレートな解釈への疑問は解消された様に思われるので、変態おぢさんが再登場して仮に能力の説明や示唆があった時の備えにはなるだろうか。

 

 

―それでは他系統と同じ様に具現化系能力にも触れて行こう。

まず具現化系能力者放出系と対極に位置するため、基本的にはその能力のほとんどがAOP型と言えよう。

ただし、具現化系能力を用いる能力者が具現化系に属するとは限らず、

むしろ具現化系対極に位置する能力者が使うケースも作中で見られるため、特に読者視点では見分けが難しい。

※キャラクター視点で言えば、AOP型能力の場合はその能力を使用した際はAOPが減るため、"目の前でその能力を使われた時"はAOP型EOP型かすぐ判別可能。しかし、恐らくレイザーがそのタイプかと思われるのだが、AOP型の念獣を後からEOP型に(放出)することもあるため、やはり念での戦いは奥が深い。

 

基本的なAOP型であれば、

2000(AP=物質化)×威力・強度2000(SP)×威力・強度

という感じで一番の基本形のオーラ消費はSP分のみ、かと思われる。

 

しかし、具現を"完全に解除"すればAP分のオーラが戻ってくるが、それが100%分戻ってくるかは明確ではない

ただもし、具現化系の威力・強度に応じてAOPの一部が消費されてしまっているなら、具現化系能力者以外が何かを具現した際にその分AOPを元に戻せるハズなのだが、当然その様な細かい描写はない。

 

ex.)AOP2000で、具現物に1000オーラを用いた場合(具現化系の習得度は80%)

1:AOP2000

2:具現AOP1000具現物(1000オーラ分)

3:AOP1200(200オーラ分を体内から出している)具現物(1000オーラ用いて200オーラ消費して、800オーラ分)

※もしAPが習得度に応じて消費されているならAOP(メモリ)は1000+800となり、200オーラ分を体内から出せることになる?

 

ただ蟻編でペイジンを「紫煙機兵隊(ディープパープル)」で長時間包囲していたモラウが使用したAOPの40%もオーラを浪費しているとは考えづらく、具現化物の強度は減る具現によってAP部分のオーラが消費されることはなく、遠隔操作型(リモート)ではなく自律型(セミオート?)にすることで、臨戦態勢時のオーラ消費量(ROC)を抑えていたのではないだろう。

※当ブログではモラウは操作系、煙の能力は具現化系と解釈している。→参照

 

続いて消費型の具現化物の場合。

基本形では消費されるオーラはSPのみかと思われるが、それは常時使用ができる具現化物であり、元から消費前提の具現化物もある。

作中の例だとゲンスルーの「一握りの火薬(リトルフラワー)等であろう。

20%AOP(AP=物質化)×威力・強度20%AOP(SP)×威力・強度

となり、通常であればAP分の20%AOPは戻ってくるが、

破壊された具現化物のオーラが術者に戻ることがなかった様に、リトフラは爆発によってなくなってしまうため、発に用いたAPの2倍分を消費してしまうのかと思われる。

※リトフラが「爆発」の"具象"なのか、「爆弾」の具現なのかは明確ではない。

 

そしてEOP型の具現化物の場合。

まずAOP型の具現化物を作り、

2000(AP=物質化)×威力・強度2000(SP)×威力・強度

その後、EOP化するという行程を踏むから、

2000(AP=EOP化)×威力・精度2000(SP)×威力・強度

発に用いたAPの3倍分を消費してしまうのかと思われる。

 

 

◆具現化物の強度

具現化物の強度を100%保つことができる術者は具現化系能力者だけなのか、と言えば違うのだろう。

 

例えば、AOP2000強化系能力者(具現化系60%)の術者で考えた時、その半分のAOP具現化した場合、

1000(AP=物質化)×強度60%1000(SP)×60%1200オーラ相当

となるのだろうが、

念にはありとあらゆる心の動きが作用して念を加減するため、

心で負けてしまえば、具現化物の強度は落ちてしまう一方で、

揺るがぬ心を持っていれば、格上を相手でも打ち負けない強度を保つこともできる。

 

また、クラピカの鎖を代表例に、

 

AP×威力・強度SP×威力・強度 ) × MP(制約と誓約)

制約と誓約をもってして、「絶対にちぎれない鎖」に限りなく近くすることもできる。

 

中にはナックルのポットクリンや、恐らくヂートゥ砂時計の様に能力の一部暴露の様に相手にヒントを与えるために"壊れないこと"が制約と誓約になっている様な特殊な具現物もあるが、それは例外であろう。

 

そして、ここで疑問である。

制約と誓約や心の強さを除いて考えるが、具現化系能力者が100オーラを用いて1こっちん(強度)の物体を具現できるとした場合、強化系能力者は100オーラ用いて0.6こっちん(強度)の物体しか具現できない。

 

しかしもし、強度の減衰を考慮して過剰にオーラを込めることが出来たとしたらどうなのか。

例えば強化系能力者が約67オーラ程度を過剰に込めて(計167オーラを用いて)具現した場合、1こっちん(強度)の物体を得ることもできるのだろうか。

 

もちろんその過剰供給分のオーラを術者は自由に使えなくなるものの、強度面での憂いはなくなる。

作中ではレイザーの念獣の"合体"がその例に若干近しい様に思われるものの、"発使用時の過剰供給"の例は今のところ示されていない様に思われる。

 

クラピカの念講習会でちょっとでもそのヒントが出ると嬉しいなぁ爆  笑

―とそんなところで以上。

 

→(次) ■6-1:変化系能力(その1)


HUNTER×HUNTER No.391 感想

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約4年…長かったですなぁ…。

冨樫さんの体調の事情もあるのでアレコレと言いづらいのだが、「1年に1回(10週)」くらいのペースで連載してくれたらありがたいところです…( ´・ω・`)

そして、今回の連載はひとまず10週掲載になりそうですね。

本日10/24時点で今回掲載される10話の内6話(No.396)までは完成しているが、1話(No.397)は加筆が終わりリテイク返却待ち、残りの3話(No.398~400)に関してはキャラのペン入れやセリフの清書は終わったが、まだ完成には至っていない様だ。

 

また、次の10話の内4話目であるNo.404の11ページ目までキャラのペン入れが終わった様ですが、今回の10週分の最後の話(No.400)が掲載されるのが恐らく1/16発売のジャンプ(7号)だから1日1ページ完成させても間に合わないのだろう。

 

そもそもセルフリテイクや加筆も結構な頻度でやっていらっしゃるので、現時点でペース的に20週掲載は難しいだろう。

ペース的には10週掲載後1度休載し、その3~5ヵ月後くらいに再開しそうな感じがするが、次の再開時には今回の連載分である38巻の単行本作業もある上、8/12頃の様に腰の症状が再び悪化する可能性もあるため、予測はちょっと難しいかもしれないですね。

 

 

―それにしても、今回の再開(10/24)と前回連載分が収録された37巻発売(11/4)のスケジュールには疑問。

冨樫さんの意向ではなく編集部の意向なのだろうけど、何でこうなったんだろう。

1話完結型の作品だったらさほど影響ないのだろうけど、今の王位継承戦編(?)は登場人物も多いし各陣営の描写が散りばめられているから10話分も情報抜けたら付いて来れないと思うんだけどなぁ。

今回カラーページの裏面に“これまでのあらすじ”が書かれてはいたが、その説明の中の人物誰一人として今週出ていないというところでも編集のヤベー感が漂う

 

普通に「11/4(金)に37巻発売」して、その「翌週の11/7(月)発売の49号で再開」じゃダメだったのだろうか。

約4年も休載していたのだから再開が2週間くらいズレても大差ないし、一部の読者に置いてけぼりにせず再開できたのではないだろうか。

 

展覧会が10/28日から開催されるから、単純にそれより前の最短の号の発売日である10/24が選ばれたのか、

それとも本当は37巻の発売は10/4を予定していたが―8/12頃の症状悪化に伴って作業が遅れ―11/4に伸びただけなのか。

しかし後者だった場合「今回の連載分→単行本作業」じゃなくて「単行本作業→今回の連載分」の順番で作業するとか、症状悪化の時点で一旦締め切りの近い単行本作業を優先した様に思われるのだ。

 

それをしなかったことを思うと、単に展覧会のスケジュールに再開を合わせられただけな気がするけど、それなら単行本は10/4発売の予定でスケジュール組んでいた方が良かったんじゃないのかなぁ。

 

連載再開を素直に喜びたいのに、展覧会とかいう訳のわからないモノのせい―というより裏方の考えが足りないばかりに「100%嬉しい」とは言えない微妙な感情図だったりします。

あくまで「連載中の漫画」なのだから、その“漫画を追っている人達”を一番に優先すべきなんじゃなかろうか。

今週(No.391)と来週(No.392)の2話分、前回(No.381~390)までの内容わからなかったらまともに読めないでしょ。

 

一応私は前回分を切り抜いて保存はしてはいるものの、単行本で“大きな”修正が入っていた場合は解釈も変わってしまう可能性もあるから「単行本発売→再開」の順番にして欲しかった―と心から思う。
(※ひとまず37巻発売までは本誌連載分の情報に基づいた解釈で進める)

 

…あれ、もしかして未発刊の37巻分に関してはジャンプ本誌のバックナンバー(2018年43号~52号)を購入しろと暗に言ってる?
ゼブラック(ジャンプ+でのバックナンバー購入は終わったみたい。ゼブラックでのバックナンバー購入ページには下記URLで飛べる)

2018年分の項目をクリックして、

43号~52号を購入すれば、11/4を待たずして前回分を読めるんですか!?

(※加筆・修正を行う前なので単行本の内容とはちょっと異なる可能性あり)

 

でも、お高いんでしょう…(´・ω・`)?

何と!!!

ハンタファンの為に前回掲載分の本誌版をパックにして500ptで販売!!!!

(但し読める漫画はハンターハンターのみに限定されているので注意)

―なんてことはせず計2,500ptでバラバラで販売されています。

購入するにも1冊1冊で手間も掛かるし、正直ハンターだけが読みたい読者が買うだろうから他の漫画も必要ない。

せっかくのおめでたい日にも関わらず、汚い言葉が平気で出て来そうなので愚痴はこれくらいにして内容へ入る。

 

【No.391 ◆衝突②】

カラーに幽助さんが出て来ているけど、10/28から開催される展覧会の宣伝も兼ねたイラストの模様。


展覧会のキービジュアルでも、ゴンと幽助が並んではいるものの、このキービジュアルはあくまで各々別に描かれた一枚絵を編集ソフトで無理矢理縮尺等を合わせたものに過ぎず、今回のカラーは幽助がハンターの世界に居たらという感じで、ハンタの絵の感じにローカライズさせたものだろう。

 

ゴンとの色のバランスで赤色になったのだろうけど、幽助の学ランは緑の印象があるので少し新鮮だったかも。

また奥の化け物は頭の感じから、

初代の遺した壺を擬人化させたのだろうが、漫☆画太郎先生の画風っぽくてちょっと草。

 

ちなみに「壺」「ただのケンカしようぜ 国なんかぬきでよ」というキーワードだけで、巷を騒がせている社会情勢とリンクさせてハンタを語ろうとする人達が沸きそうなので初めに言っておくと、後者は「魔界統一トーナメントを黄泉に提案した時の幽助のセリフ」に過ぎないです。

 

■カキンマフィアの全面抗争

丸々1巻分の情報が抜けていると、なんのこっちゃ分からない人もいると思うので、蛇足かもしれないが今回の全面抗争までのカキンとマフィアの背景について触れたいと思う。

 

・マフィアとケツモチ(各王子達)の関係について

まず、普通は立場が逆だと思われる。

王子達がやらかした「粗相(問題ごと)」を、各王子達に付くマフィア達が暴力などで解決して、その代わりに王子達もしくは王家から金やら諸権利を得るのが普通だと思われる。

 

しかし、カキンの場合はそもそもマフィアのトップの存在が異質である。

各マフィアの現トップの3人は“二線者”という正当な後継者になれない国王の子孫(婚外子=愛人の子など)であり、産まれると同時に二枚刃で顔を割かれ、一生表舞台に姿を見せない事を条件に生存を許された特殊な存在である。

 

しかしながら、二線者達は“表舞台には立てない”ものの裏世界では十分な待遇が用意されており、今回の旅においても各王子達以上の積み荷の上限―王に次ぐ量―を許されている。

但し、その十分な待遇も“王権制度に従順である事”が絶対条件である。

 

つまり、形式的にはかなりの待遇を受けてはいるものの、実質的には何も権利を有していない存在がマフィアのトップに置かれているのである。

だからこそ、何の権利も持たない二線者達が何かの問題ごとの「ケツを持つ=尻ぬぐいをする」ことなど出来るハズもなく、権利を持つ各王子達が各マフィア達の行動の責任を持つ=ケツを持つ=ケツモチの役目を負っている、という構図なのだ。

そして各組ごとの“シノギ”を持ちつつ、これまでも組と組との抗争もしばしば起こっていたものの、カキンマフィアの喧嘩(カチコミ)の流儀に則ったものであった。

 

簡単に言えば、殴り込みや銃撃(ドンパチ)をやっても良いが、事前に組長に相談し組長同士で連絡を取り合い、金銭だったり命だったり体の一部だったり、基本的には被害者側の組長が「均衡」を考えて提示するという様なもので、“二線者達に与えられたごっご遊び”の様な側面を持っているとも言えるのかもしれない。

 

但し、二線者に与えられたごっご遊びにもルールがあり、組長連絡は事後承諾になる事が多いものの、“事”から24時間以内というのが暗黙のルールであり、「組長が縄張り(シマ)から離れた場所に居た」ことが絶対の流儀であるという。

“組長が縄張り(シマ)から離れた場所に居た際に起きてしまった”から、相手側の組長への連絡が“事後”になるのであって、もし組長が事件が起きた際に縄張り(シマ)に居た場合には、それはヨソの組長に銃弾(タマ)打ち込んだも同義―手打ちなしの―どちらかが潰れるまでの戦争となる。

 

これまでカキンのマフィア達は“二線者”たる立場を弁え、適度な“ごっこ遊び”に興じていたのだろうが、最近エイ=イ一家にて“とある掟やぶり”でモレナ=プルードが組長に就いたという(詳細は明かされていない)

 

「シャ=ア一家の組長」と「シュウ=ウ一家の組長」は当然それを良くは思ってはいなかった。

そんな時、今回の旅の船内に“流星街からもはみ出した異形の集団”である幻影旅団がいることが分かり―盗賊である彼らが船内にいる理由など聞くまでもなく―厄介な者同士、エイ=イ一家と幻影旅団はいつかは潰し合いをするだろうと思いつつ、その「いつか」を上手く調整しようとしていた

 

そして、旅団は裏の目的が透けていたものの、それよりもまず船内で「ヒソカ」という男の捜索を優先していることを知る。

旅団よりも先にヒソカを見つけ、その情報を貸しにしようと「シャ=ア一家」も「シュウ=ウ一家」もヒソカ探しを始めるのだが、そんなときに殺人事件―被害者には組員や一般人も含まれるテロが勃発する(当然、事後連絡もなければ事件を起こした組の長がどこにいるかも不明)

 

BW号は新大陸への旅立ちという世紀の大偉業の最中で、王位継承権を持つ王子達からすれば「20万を超える乗客らは“祝福の一人御子”となるまでの贄」にするのも王子の選択・自由なのだろうが、当然二線者達にはそのようなことは許されていない。

今回のテロを起こしたエイ=イ一家の組長・モレナ=プルードは、自分自身を含めこの世の全てがどうでもいいと考えていた。

 

“勝手に産み、疑い、怖れ忌み、傷付け、許す”

そんなバカげた自分の生を、それを強いるカキン王家を、そしてそれを許容する世界を恨んでいた。

 

モレナは事前に集めていた22名(=書類上は構成員ですらなく一般人)に念能力を授けテロを勃発させた。

それは他の組からすればルール無視の戦争であり、王権制度への反逆に他ならず、「シャ=ア一家」も「シュウ=ウ一家」もモレナ殺害を画策する。

そして、モレナの起こす行動のケツを持つべき王子・ツェリードニヒも今回のモレナの反逆を知り、モレナ殺害を指示・自身も念の修行が終わり次第動くと宣言をした。

 

それが現在起きている、BW号内でのマフィア達による全面抗争である。

マフィア達が戦争中は下部組織のチンピラ達はどの組にも協力しないのが流儀のため、情報収集としてチンピラを使っていた旅団員達はさっさと戦争を終わらせたい。

戦争を終わらせるにはエイ=イ一家の頭を殺るのが一番早く、その頭(モレナ)とケツモチの第4王子(ツェリードニヒ)の関係が良くないなら、モレナを殺せば感謝の1つも受けられるかもしれない(=未探索の3層以上への通行許可が出る可能性を期待?)

 

加えて、そもそもマフィアの管理区域はマフィアの許可を得た方が手間が少ないこともあり、旅団(特にノブナガ・フィンクス・フェイタンの3名)と第5層を管理していた「シャ=ア一家」は一時的に手を組むこととなる。

 

「シャ=ア一家」「シュウ=ウ一家」の構成員にも念能力者がおり、まだモレナから念能力を授けられたばかりの「エイ=イ一家」の者達よりも優位ではあろう。

しかし「エイ=イ一家」の者達は殺した相手(一般人=+1、能力者=+10、王子=+50)や、人数に応じてレベルが上がり、レベルが上がるとオーラの総力や威力を増していき、レベル20を超えると独自の能力が発現レベル100に達すると―モレナがそうした様に―更に能力者を増やすことも出来る様になってしまう。

 

―と、そんなところが未発刊の37巻情報を含めたマフィア抗争の概要でしょうか。

旅団員もそう簡単には負けないでしょうが、能力の相性や特化した性質によっては“本気を出させる=能力お披露目”の機会もあるかとちょっと期待しています。

 

■ヒンリギ=ビガンダフノは強いのか?

今回、拳銃を受けても無傷だったのでその強さが気になった。

 

非能力者よりは遥かに強いし能力も便利な部分も多いのだろうだろうけど、念能力者としてはさほど強くなさそうというのが個人的な印象。

エリンギだとかヒリンギだとか、ビガンダノフの方が言いやすくて未だに名前が覚えられないのは置いておくが、最近の神の声(ナレーション)にしては珍しく念系統が「具現化系」と明かされている。

 

能力は、オーラではなく実際の物体を大元の材料とするツボネ式具現と、それを強制する操作系の2系統に跨るものの様に思われる。

(当ブログでは「単純にオーラやオーラ物が体から離れた=放出系の力が必要」とは考えていない。→参照:放出系)

 

また「触れた“機械や武器等”を元の機能を有したまま生き物変えて操作する」とNo.390(37巻収録予定)で触れられていたが、今回は「“手錠”を鳩に変えて」いた。

機械や武器が“多い”程度の意味合いなのか、“手錠の様な拘束具”も武器の一種としてヒンリギが認識しているのか、はたまた大元の能力説明の文言が単行本では微妙に修正されているのかもしれない。

ひとまず2番目の考えでも通りそうな気がする。

 

―さて、今回の描写を考えるに際し「拳銃VS念能力者」についての既存の描写について確認する必要がある。

念での防御を考えるにあたって、

BP(生身の肉体の強さ)+(DP(纏~硬)SP(発)MP(制約と誓約)

4点式もしくはMPは除いて3点式で考えるのが良いのだろうが、実は難しい。

 

クラピカ大先生は、

“9mmパラレベルだと「凝」でガードしても無傷ですまない威力”

とは言っていたものの、

過去に―使われた拳銃が何かは明確ではないものの―鎖で完全に防いだ実績があるため、具現化系能力を用いる術者はAOPが具現化物に割かれてしまうため、「BPDP(凝←具現化物により使用可能なAOP減少状態)」だけでは無傷では済まない=自分に向けられた場合は鎖を使う必要があるヒュリコフらの前で能力の一端を晒す必要がある、という意味だったのかもしれない。

その一方で、戦車を一発でオシャカにするというスーパーバスーカ砲に耐える強化系能力者もいるかと思えば、怪我はしていない様だがかなり痛がっていた強化系能力者もいた。

 

あの時のウヴォーは恐らく「硬」ですらないが(股の間のオーラに隙間があることから恐らく「纏」)、さすがにDP強化の発を用いていると思われる(BPDP(纏)SP(DP強化))。

 

一方、同じ強化系能力者ではあるが、協専のビルは描写的には「纏」にも見えるが(股の間の隙間から)、クラピカ曰く彼は男性では珍しい「補助型の能力を持つ強化系能力者」であり、そもそも協専のハンター達は戦闘力を買われた存在ではなく過酷な未知の環境に必要な特殊技能を備えた暗黒大陸探検向きの専門家であるから、相手を殺傷する目的で念を修めた者そうではない者を比較するのは酷に思われる(BPDP(纏or凝?)SP(DP強化)もしくはBPDP(纏or凝?)だろうが判断が難しい点も多々ある)。

第1王子ベンジャミンの私設兵であるヒュリコフは、王子から「攻撃するな、カミーラを通せ」という恐らく予想外の指示に戸惑っていたところを狙われたことに加え、念系統は明かされていないが観察に長けた様子等から強化系ではない様に思われる(BPDP(纏)?)。

今回の描写について深く考えなければ「ヒュリコフ<ヒンリギ」の様な力関係がほんのり浮かぶが「ホンマでっか?」と私のゴーストが囁く。

 

カキン王族達は銃撃を受けても無傷ではあるものの―恐らく参考にならない

第9王子ハルケンブルグが自殺を図った際、ナスビーとハルケンブルグの視点では中空で弾丸は止まっていたが、それは「儀式の当事者は守護霊獣が視認出来ない」という制約で描かれた二人の視点に過ぎず、実際にはハルケンの霊獣によって防がれていた。

ナスビー国王の場合も、自身の守護霊獣によって護られていたのかもしれないが(それが視えていないだけ。また具現化物は特定の物体を透過しつつ、特定の物体に干渉できうる)

“ワシはもう儀式の一部ホ”

“役割があり、それが終わるまで死ぬ事もないホ”

と自身で話していた様に特殊な制約下にあるためという可能性もあろう。

 

上述のヒュリコフを傷つけたカミーラの拳銃に対し、

全くの無傷であった第1王子ベンジャミンも判断が難しい。

 

初登場時、ライオンと素手で戯れていたことからも「強化系に近い特質系能力者」の可能性もあれば、「(強化系は得意ではないが)AOPが多い特質系能力者」の可能性もあろう。

 

あるいは、ベンジャミンから反撃されて死ぬために「絶」状態だったカミーラ(=霊獣出せない状態)に対して、当然「絶状態ではない」ベンジャミン(=霊獣出ている状態)の対比のために、拳銃で撃たれた際に周囲にオーラ描写があるだけに過ぎないのかもしれない。

むしろ守護霊獣は「霊獣の憑いた人間を直接攻撃はしない」ものの、ハルケンの時の様に自分の憑く王子に危険が迫れば守る行動を取ることこそが役目であるため、恐らくこの時もお互いの視線で描かれているため視えないだけで、霊獣が弾を防いだという描写かと思われる。

 

―さて、拳銃と念能力者の各描写(一部)が確認できたところで今回の描写に戻るが、ヒンリギは明確に「具現化系」と神の声で言われているため強化系能力は最大でも60%の威力・精度でしか扱えず、具現化系能力を併用しているから、防御に使用できるオーラも少なくなっているハズである(具現化系は放出系と対極にあるため、基本的にはAOP型)

 

にも関わらずヒンリギは痛がる様子も、怪我を負った様子もないが、「この手の争いに慣れている(=強化系の威力・精度は理論値)」だとか、「痛みを感じない体質」といったような特殊な体質の可能性もあるのかもしれない。

 

ただ、“スーツ自体も一切傷が付いていない様子”で、銃弾が当たった際の音が「ギィンッギィンッ」と表現されていたことが個人的に気になった。

ビルもスーツ自体は傷ついた様子はなかったが、痛みは感じていた上(=銃弾の攻撃力の方が高い)、銃弾を防いでいた際の音は「ボッボッボッ(着弾時)「ギュウウ(銃弾の威力が次第に減衰している時?)というものだった。

また、銃弾は完全に防いだ一方でお手手ドリル相手には左手を貫通されている

 

銃弾VS手錠鳩は―

銃弾:V(速度)×BP(弾の固さ) < BP(手錠の固さ)AP(周?){具現:(AP(?)SP(APと同量)MP(?)}:手錠鳩

―片やオーラを帯びていない銃弾と具現化物(元の素材は手錠)のため、特段違和感は感じないが、

 

銃弾VSヒンリギでは―

銃弾:V×BP < BPAP(堅?):ヒンリギ

―クラピカの“凝でガードしても無傷ですまない威力”を言葉通りに採るとヒンリギが具現化物で使用できるAOPが減少しているということもあって、かなり強い様にも感じるが、

 

お手手ドリルVSヒンリギでは―

ドリル:V(回転速度)×{AP(凝?)+具現:BP(肉体の固さ)+(AP(?)SP(APと同量)MP(?)} BPAP:ヒンリギ

―容易に手を貫通されてしまっているが、ヒンリギはある程度強いならば多少の傷は負うものの貫通されるまでには至らずに、いなしたり、弾いたり出来る様に感じられたのだ。

 

最初のコマでは―クラピカが鎖で銃弾を防いだ様に―服の下に何か防刃・防弾の役目を果たす生物を巻いているのではないかと感じた。

しかし、スーツ自体に損傷がない様に描かれているため―そこまで細かく描写していないだけかもしれないが銃弾が当たっている時の音がギィンッギィンッであることからも―「元々が手錠の様に固い物体」を例えば「蚕(かいこ)に変え、その蚕が吐いた糸で作った「特別製のスーツ」なのではないか、というのが今のところの印象。

 

そうして、ヒンリギが“念能力者として強いかどうか”だが、“弱くもないが、決して強くはない”レベルかと思われた。

 

まず、ドリルの攻撃を普通に受けて左手貫通という重症を負っているのが頂けない。

エイ=イ一家の者達は“書類上は一般人”の様で、仮に義手部分の武器を闇物資に紛れて持ち込んでいたとしても腕にドリルを装着して公共の場を往来はできないだろうし、実物のドリルを装着したまま乗船できるハズもないだろうから、あの武器は「具現物=自身と近しいタイプの能力」と判断出来るだろう。

 

作中でも念能力者の強さの1つに“思考の瞬発力”が挙げられていたが、自分と似たタイプの能力者ならば、具現化できるものが“複数”ある可能性も想定できえ、“拳より小さい武器”に変えれば手錠も簡単に抜けられることも想像できよう。

 

また、円が半径5mほど使える様だがそれはどうも平時に限られる様に思われた。

円を展開中にあそこまで接近されてしまうまで気付けないのでは円の意味がなく、「ギュイ゛イ゛イ゛ッ」というドリルの回転音で気づき咄嗟に防いだのだろう。

 

念に目覚めたばかりの者の攻撃が、

各所で触れられてきた様な念での戦いでの速度があるとも思えず、ヒンリギの対応力は決して高くない様に思われた。

 

そもそも具現化物には何らかの能力(操作条件など)を付与しているケースが多く―ヒンリギは相手がモレナによって念を授与されたばかりということも知らない以上―無暗に受けないのが無難であろう。

もし、このドリル男が騒動の首謀者(ボス)ならば「肉を切らせて骨を断つ」作戦もありだったのかもしれないが、首謀者は別に居て、これから多くの戦闘を控えていることも分かっている中で「手に穴を空けられてしまうのは…」というのが素直なところ。

 

あくまで現時点での印象なので、今後、上記不安材料をひっくり返す情報が出て来る可能性もあるだろうから今後のヒンリギさんに注目。

これまで念能力者とのガチンコでの戦闘経験が少なかっただけで、モレナ一派との戦いの中で急激に成長するかもしれませんしね。

 

■念を込めた銃の存在(?)

現状では、

V(速度)×BP(弾の固さ)

という、こちらの世界と同じ使われ方をしているが、

念+銃V(速度)× {BP(弾の固さ)+(AP(周)SP(BP強化やAP強化、あるいはEOP化)MP(?)}

という、念を込めた銃の使い方はされないのだろうか。

以前、中長期の集団戦では“実物の銃を念弾用として携帯するよりも断然戦闘効率がいい”と触れていた様に、実物の弾にオーラを込めて使う銃の消耗率が高い(ex:念不使用時1万発撃てる耐久度→込めるオーラ量に応じて耐久度減少)だとか、

弾だけでなく銃にもオーラを込めると、

GIのドッヂボールの中で示されたように威力を殺してしまうのだろうか。

 

中長期の戦いでは実物の武器では使えなくなってしまう(武器が無くなる)可能性があるが、念の武器ならば再具現ですぐに補充可能なため断然戦闘効率が良いということは分かるが、“短期の戦い”ではどうなのだろうか。

 

すぐに銃がダメになってしまうかもしれないが、銃を念能力者相手でも殺しうる武器にできる様に思われるのだ。

今回登場したエイ=イ一派の中に放出系と強化系の能力者がいたが、弾にオーラを込めていたら―手錠が元の鳩が硬かった様に―威力を増すことが出来、ヒンリギを倒す…までは行かないかもしれないが、戦況は大きく違ったのではなかろうか。

 

もちろんのこと一定以上の念能力者相手の前にはその程度では無力なのでしょうが、マフィアの抗争レベルならば十分効果的に思われるのだが…積み荷の制限の影響で各組共にそこまで拳銃は多くはないのだろうか。

今のところ、明確には分からずにいる。

 

■モレナの能力について1

ちょこっと疑問に思っていたのだが、37巻の表紙を“単独”で飾るからにはカキン王族級のキーパーソンなのかな、と改めて感じた。

そしてモレナの能力の“概要”に関しては36巻(No.378)にて明かされたが、発症者(メンバー)が増えた際にモレナのメリットの様なモノはないのだろうか。

 

モレナは「自分自身を含めてこの世の全てがどうでもいい」とは言っているもののが、“糞溜めみたいな世界を壊すため”“カキン王家に復讐するため”にこの能力を作ったのだろう(恐らく能力の性質的に特質系だろうから“出現した”のかとは思われる)

もし、本当に“全てがどうでもいい”のなら「復讐」じみたことをする必要もないだろうし、カキンの様に「死後の念」が独自の発展(?)を遂げている国で生まれ育ち、二線者だとはしても王家の血を継ぐ者なら、能力授与後に自ら死ぬことで能力を強めることも出来たのではなかろうか。

 

モレナの言う“どうでもいい”は、“「復讐が果たせるなら」自分を含め周りがどうなったってどうでもいい”という意味合いに過ぎず、復讐は果たしたいし恐らくそれを見届けたい―“それが出来るなら”全てがどうでもいいという考えの方が近いと思われる。

 

モレナの能力は―、

食べた生物を掛け合わせ自分の子供の様に作り変えることが出来、与えた栄養に応じてより強くすることの出来たキメラアントの「摂食交配」、他者の能力者開発が出来たプフの「授翼(仮)や、対象者物の成長を促す事が出来るビルの「球根(ハルジオン)

―といった既出の能力に似た部分もあるが、個人的にはネズミ産式に念能力者が増える様子からネズミ講に近しい印象を受けている。

そしてネズミ講は下層は吸われ続ける一方で、基本的には大元や初期メンバーのみが利益を得られる構造となっているものが多い。

 

「摂食交配」は他の生物に比べ多様な個を持つハズの人間蟻が、女王生存中は「ある行動をする様に/あるいはしない様に」仕向けられていたことから恐らく要請型の操作が組み込まれていたのかと思われる。

但し、実際にジャイロが強靭な意思をもってして逃れることが出来た様に、「半強制型」や「強制型」に比べて操作強度が弱い「要請型」は失敗の可能性が残されている

 

モレナの能力においては、今のところ「要請型操作」が含まれていると確信を持たせる様な描写もなく、当然「半強制型」や「強制型」の様な強い操作状態に陥っている様子もない。

仮に「要請型操作」が含まれていた能力だったとしても強靭な意思でもって抵抗される可能性はある上、自分が念能力を授与した発症者(メンバー)が順調にレベルアップをしていきレベル100に達成した時には、その者もモレナと同様に独自の感染集団(コミュニティ)を形成出来る様になると言われており、気が大きくなった飼い犬に手を噛まれるどころか、噛み殺される可能性もあろう。

 

そうなった場合、モレナはカキン王家への復讐を見届けることなく死ぬことになる。

特質系能力は、恐らく術者の本質的願望を無視して成就することはなく、むしろ―とんでもない返しが付いて来る可能性はあるが―本質的願望が成就される様に思われる。

 

以上のことから、モレナの能力は発症者(メンバー)が増えれば増えるほど、レベルアップした発症者(メンバー)が独自の感染集団(コミュニティ)を形成すればするほどネズミ溝の様に“大元”への見返りがある様に思われるのだ。

 

カキン王家の王位継承の儀が「蟲毒」を模しており、

一度蟲毒で勝ち抜いた前王でさえも次王を選ぶ継承の儀の際には役目があること(中央のポッドにエネルギーが集まる様な装置で、周囲には14基の棺がある=中央に入る者を含め15人必要で現王子は14人)から、古代から続くカキンは王位継承の儀を経た王や王子達を何百、下手すると何千と折り重ね、“強い王”とそれを支える“霊獣”を造ってきたのかと思われる。

 

モレナが王位継承戦や壺中卵の儀についてどこまで知っているかは現状不明だが、BW号には約20万人の贄がおり、ハンター協会員や流星街のはみ出し者を含め、強い力を持っている者達もいる。

もし、モレナの「恋のエチュード(サイキンオセン)にネズミ講の様な性質―モレナ式の壺中卵の儀?―があるならば、最終的にモレナはカキンが古代から儀式を経て得た力超える可能性もあるのかもしれない。

 

一方でナスビー国王の“役割”なるものが―

今回の王位継承戦を勝ち抜いた最後の王子への“力の継承”なのか

実は王位継承戦が初代カキン王(自分自身)の魂を乗り移らせるための儀式で、勝ち抜いた最後の王子、“より強い器への乗り換え”なのか

―何なのか分かっていないが、ひょっとすると、

王位継承戦を妨害する外部の敵が現れた際にそれと対峙すること(それがなければ、“力の継承”をするだけ)

なのかもしれないと、ふと妄想を巡らせてしまう。

 

■モレナの能力について2

先日の系統分類の不明の項目で触れた部分なのだが、モレナの力で念能力に目覚めた者の念系統はどうなるのか。

 

レベル100になれば、メンバー0として独自の感染集団を形成出来る様になるというか、例えば生まれ付いた念系統が適当に「放出系」だとする。

そして、非能力者の念を目覚めさせるまでは―

―100歩譲って出来るにしても、念を目覚めさせた者殺した相手や数に応じてレベルアップして、特定レベルになると能力を開花し、MAXになるとさらに同じことが出来るようになるなんてマネが出来るのだろうか。

 

そのため今回の再開までは、

レナから念を授与された時点で、強制的に系統が特質系に変わる(元の系統から最も近い2系統の間の特質系)

あるいは

メンバー0になった時点で、強制的に系統が特質系に変わる(〃)

のではないかと考えていたのだが、今回のモレナ組の3名の念系統が―少なくとも現時点では―特質系以外であることが示されことに加え、

(モレナが)ゲームマスターとして、オレ達の動向を把握してても不思議ないっしょ”

という匂わせ発言があったこともあり、

モレナの「恋のエチュード(サイキンオセン)」は

―クラピカのステルスドルフィンと同じ「貸与型の特質系能力」で―

発症者(メンバー)に“自身の能力を貸しているだけ”

なのではないかと感じた。

 

キメラアントの種として能力「接触交配」を継承している蟻は恐らく特質系だと私は考えているのだが、

ザザン…審美的転生注射(クイーンショット)

ヒナ…除念

シャアプフ…授翼(仮)

潜在的に「接触交配」を“継承”していたとしても、思えばその者の願望に応じた変化が生じていたのだ。

 

そのためもし、発症者(メンバー)が特質系に後天的に変わって「恋のエチュード(サイキンオセン)」を望んで“継承”したとしても、全く同じ考えの者などいないのだから、その微妙な違いによって能力は変質していってしまうのではなかろうか。

しかし、それだと最悪の場合「モレナは22名の念能力者を産み出し多少の人を殺して終わってしまうだけ」なのではなかろうか。

 

そうして1つ上の項目(モレナの能力について1)に繋がるのだが、これがモレナの能力の本当の力なのではなかろうか。

恐らくほぼ「壺中卵の儀」と同質のものかと思われる。

 

壺に血の継承を証し(モレナに忠誠?を誓い)、王即位への思いを念ずることで(世界を、人を壊したいという思いを念ずることで)、壺の精?が初代カキン王の力のカケラ?(=卵)を授け(モレナが唾液を与え)、特別な能力が授けられる(念能力に目覚める)

 

王子達に与えられた卵はその者の人となりに影響を受けた形態・能力に変貌するが(レベル20になると独自の能力が発現するが)、霊獣は自身が創り出したものではないため、自分の意志で動かすことは出来ない(“サイキンオセン”は自身が創り出したものではないため、自分の意志で発動できない=モレナが発動させる)

 

霊獣が得た王子達は争い最後の1人になったところで王が誕生する=中央のポットの周囲に14基の棺があることから、最終的に前であるナスビーが持つ霊獣(初代カキン王の力のカケラ?)を含め、貸し出された力を再び1つにすることで、各王子のオーラや継承戦で霊獣が得た経験は“これまで以上の強い王”を生む。

 

恐らく最後をモレナに当てはめるなら発症者(メンバー)達が多くの人を殺し得た力や経験は、築いた独自のコミュニティの分も含めて最終的にモレナに集約される―となる様に思われる。

 

現時点では不明点も多く妄想でしかないのだが、ひょっとするとモレナさん「壺中卵の儀」に関してその全てを把握していたりして…。

 

■巻末コメントについて

巻末コメントは最初にサクっと触れる程度の予定なのですが、ちょっと内容が重くてこれに触れた後だと感想を書くテンションを保てなくなってしまうだろうなと思って最後に回しました。

・巻末コメント

作品名に関するジンクスで、「お互い入ってるね」と談笑した思い出。安らかに〈義博〉

 

恐らく、これは7月に亡くられた「遊☆戯☆王」の作者、高橋和希先生への言葉ですよね…。

時期や各々のヒット作から「遊☆戯☆王」と「幽☆遊☆白書」のことかと思われ、作品名に「☆」が入ってるヒット作品が当時はそこそこあったから、“☆がタイトルに入っていると売れる”みたいなジンクスがあったんですかね…。

 

高橋先生の訃報がニュースになった7/7時点では、

「シュノーケリングの器具を装着している状態でうつ伏せで漂流しているのが発見された」

「遺体発見の現場から12キロ程離れたビーチに近い農道で借りていたレンタカーが発見された」

「1人で沖縄を訪れていた」

などの情報しか流れておらず、1人でマリンレジャーをしている時に何かしらの事故が起きてしまったのか、と思ったんですが違ったんですよね。

 

その数日前に少女とその両親の3人が海に流され、結果的には両親は自力で助かり、少女は救助に向かった米兵に助けられたものの、その後「日本人風の男性が救助に向かうのを見た」という証言があって、当時の高橋先生の服装や特徴から、“高橋先生は人命救助に向かっている最中に何かしらの事故で亡くなった”と判明したのだ。

 

海上保安庁は経緯を把握していたものの少女の心のケアを優先して、高橋先生のご家族とも相談の上、事実の公表を控えていたのだとか。

子供達に夢を与え続けた先生が、子供を救う為に起こした行動の末に亡くなったというのは…誇らしくもあり、やるせない気持ちになってしまいます。

 

高橋和希先生のご冥福をお祈り申し上げます。

37巻本誌まとめ・補助

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端的に書くと―、

公式(作者ではなく周囲の裏方)がやる気ねぇから、未発刊の37巻(本誌)の“まとめ”記事を挙げるよ

・基本的には4年前に本誌で1度読んだ人向けで、単行本派の人は初体験を単行本まで取っておいた方が良いよ

・出来るだけ“まとめ”に徹するよ

・感想ブログの意図とは異なる記事のため、37巻の発売日(11/4)の夜にはお蔵入り(公開終了)予定

記事へ

―ということ。

 

以下、詳細。

今回のNo.381~390に関しては過去(2019年の3月)に“大雑把な振り返り+α”としてH×H No.381~390関連の記事を挙げてはいる。

ただ当ブログはあくまで“感想ブログ”であるため(=まとめサイトではない)、基本的に1度は本誌で読んだ人に向けており、ハンタ自体も休載が4年近く続く様なことは想定しておらず、各話の詳細には触れていない。

 

これまでも基本的には「単行本発刊(前回連載分を各自確認)→連載再開」という流れが作られていたこともあって、“詳細は各自で確認してね(単行本で確認してね!)という大前提を下に、読んだ人に向けて「ワテ、こんなこと思ったんやけど、どないでっか」感想ブログを挙げている

そのため、今回の単行本発刊前の連載再開―それも4年の空白期間がある―という状況に正直戸惑っている。

 

ただ、単行本発刊までの間に2週間もあるため(=2話分まともに読めない)、さすがに編集部側のフォローもあるだろうとタカを括っていたわけです。

本誌分の10話を500円程度でパック販売(単行本に替えて購入もいいだろうし、ハンタファンならそれとは別に単行本の加筆・修正等を楽しんでも良い)だとか、本誌掲載ページの前にある程度読んでいなくても済む様な“あらすじ”を用意してくれていると思っていたわけですよ。

 

一応後者のあらすじ関しては、カラーページの裏面にぎっしり書いてはあったものの、(ブログ主)は前回連載分を把握しているためちゃんと内容読んでなかったんですよね。

ただ今回のNo.391の切り抜きを終え、プラファイルに一旦保存する際にふと、なんとはなしに読んでみたら内容がひどすぎることに気が付いた訳です。

まず、このあらすじで登場しているキャラクターが今回のNo.391で1人として出て来ていない点。

名前だけは出ているキャラはいるものの、当たり障りのない全体的なあらすじということもあり、今回の再開分第1話の内容を知らされずに書いてる様に思われた(=外注?)。

 

まぁ、そこまでは仕方がないかと思う部分もあった。

しかし、このあらすじを書いた人物はハンタをちゃんと読んでいない節があるのだ。

まず、カミーラは霊獣の力で蘇生したわけではない

この時点で、このあらすじを書いているのは担当編集さんではなく外部発注なのだろうなとほぼ確信した

(事実如何に関わらず、みなし事項という意。もし本当に担当編集が書いたなら辞めてどうぞ。)

ルズールスも別に“合成麻薬”を意図的に選び好んでいるわけではない

バショウから得た葉っぱが“効く”割に合法なモノだったから驚き、不思議とヘビィーなスモーカーほどキマって(バショウの)友人らは皆健康になったという話を聞いたから、ルズールスの知り合いが先日ぶっ壊れたこともあって麻薬中毒者の更生に使えそうだと考えたに過ぎない。

ベンジャミンの紹介に至っては、これだとただのバカじゃないですか…。

書いたの小学生かてっ!!?

いや、小学生なら最後の一文でクスっと出来るからマルあげるけどさ…。

 

私ならNo.363(35巻)のベルサミルコの言葉、

“直情型で最短の道を好むため誤解されやすいが…こちらが臆せず理詰めで話し情報を提供すれば的確な判断をされる御方”

を多少まとめて文字数少なくして使うけどね。

 

2013年に公開されたハンタ映画の第2弾の各種情報が出始めた時に、

“クラピカと同じスーツ姿ということは、同じ職場かも!?”

という怪文がセンリツの絵に付された時も“やべぇ外注使ってるなぁ”と思ったものだが、所詮芳醇に香り立つ映画関連だからどうでもいいと思っていたこともあり、当時は少しイジる程度に留めた。

 

しかし、今回は4年振りの連載再開ということもあって

こっちは遊びじゃねーんだわ!!!

(ネタをマジに受け取られても困るので一応補足するが―別にハンタ感想で収入を得ているわけでもないが―気持ち的にはハンタファンが“ガチな遊び”として真剣に臨んでいる程度の意)

 

そこで公式(作者ではなく周囲の裏方)がやる気ねぇなら、リアルな仕事やネトゲ等で超絶忙しいし感想ブログとしての意図としては反するけど、37巻(本誌)の“まとめ”記事を挙げよう、というのが今回の一連の記事の意図

 

できるだけ私個人の余計な感想は除く予定。

そして、今回の一連の記事は感想ブログとしては意図に反するため、37巻の発売日を迎えたらその夜にはお蔵入り(公開終了)予定です。

必要な人達のお役に立てれば幸いだけど、ゼブラックでバックナンバー(2018年43号~52号)を購入した方が絶対楽しめるとは思ってる。

 

このような辺境のブログでやってもあまり意味はないのでしょうけど、4年前にジャンプ本誌で読んだけどあんまり覚えていなくて、イマイチハンタの内容がわからないって人の助けになれれば幸い。

 

そしてhtmlの装飾タグ使わなかったら10話分を1記事で納められたんだけど、結果容量ミチミチで他のことを何も書けなかったので、この説明用のページも作りました。

HUNTER×HUNTER 37巻(No.381~390) 本誌版まとめ

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※既刊の36巻までは各自読んでね。

36巻時点での王子達の生存状況一覧。

・モモゼはNo.368(35巻)にて暗殺される。

→No.372(36巻)にて、第5王妃スィンコスィンコ所属でモモゼ付きの警護兵タフディ(上位王妃からすると監視兵の役目を持つ)による念能力を用いた犯行だと判明。

 

■No.381◆捕食

BW号の3層という、本来カキン王族が居ない場所にて第11王子フウゲツが発見される。

ハンタ協会側に発見・保護され、12支んのミザイストムに尋問を受けるも黙秘を貫いたため、元の場所に戻されることとなる。

フウゲツは突如現れた扉(霊獣の念能力)の効果を試して居たのだが、第3層から戻れなくなったことで自身だけでは「目的地に行く扉」しか出せず、No.374(36巻)で姉である第10王子カチョウの寝室に移動した際には自分の部屋に戻れたことから「帰りの扉」はカチョウにしか出せないことを学ぶ。

 

しかし、今回のことでフウゲツの能力が空間移動系の能力であることが一部の者に感付かれてしまうだろう。

緘口令を敷いたとしても人の口に戸は立てられぬことは世の常。

そして戦闘に不向きの能力だと分かれば敵側から暗殺の手立てが立てられてしまう。

 

ミザイストムは、カチョウの警護兵であるハンター・センリツに、

“カチョウ・フウゲツ両王子の言動には不自然な点が多く、何らかの方法で逃走を画策している可能性が高いこと”

“警護と並行し逃亡防止にあたるように”

と指示をしたが、実はカキン側からの盗聴の可能性を考慮した符丁(暗号)によるメッセージで、“カチョウ・フウゲツの逃走をサポートしろ”というものだった(読者にはNo.383で明かされる)。

センリツは、キーニと共に次の晩餐会の時に、カチョウ・フウゲツを船から逃がすことを画策することとなる。

 

その一方。

第8王子サレサレの部屋で警護という名の下、暗殺を目論んでいた第1王子ベンジャミンの私設兵リハンは、サレサレの守護霊獣の能力を読み切ったと判断し「異邦人(プレデター)」を発動。

※相手の能力を自力で理解すればするほど、相手を凌駕しやすい念獣を創り出せる能力

 

結果―サレサレの霊獣は仕留められることとなった。

リハンは能力使用後の48時間念能力を一切使えなくなるため、ベンジャミン私設兵14名の中で最も暗殺向きの能力を持つウショウヒと警護を交代。

■ウショウヒの能力「殺人を無罪にする方法」

まだ明確にはなっていないが、蜂ほどの大きさ(?)の「虫射球(ニードルボール)」を用いる能力の様で、標的がウショウヒから半径20m以上離れると強制解除される。

また「虫射球(ニードルボール)」の羽音は非能力者には聴こえないため(=簡易的な“念能力者判別装置”としても使える)、非能力者を標的にする場合は容易な分、効果が出るまでの時間が大幅に増えるという(具体的な時間は不明)

しかし「虫射球(ニードルボール)」が見つかって、“直接標的から取り除かれた場合”には二度とその標的には能力が効かない縛りがある。

 

■No.382◆覚醒

第9王子ハルケンブルグ(以降ハルケンと表記)は父親でもある国王ナスビーに継承戦という名の殺し合いの中止を求めるべく、嘆願書を渡しに行っていた。

国王に直談判という訳には行かず国王の部屋の前にいる護衛達に渡すだけなのだが、ハルケンは護衛の国王軍を油断させるために平和裏にことを進めていた。

そして4日目にして、ついに国王の護衛達の銃を下ろさせることに成功し、その隙を狙い護衛達に銃を突付け国王の部屋へと進入した。

 

ハルケンは革命を起こす覚悟であった。

父親が継承戦中止を宣言すればよし、しなければナスビーを殺して自身が王になることで継承戦を止めようとしていた。

しかし案の定ナスビーは中止を拒否し、ハルケンは銃の引き金を引いたのだが―

銃弾は届かず、

自殺も自らの霊獣によって阻まれた。

 

ハルケンはナスビーから「トロッコ問題」を知っているかと問われる。

「線路上にいるのは兄弟王子と国民…その2択とでも言いたいのか?」

と憤るハルケンに対し、

「残すべきは国であり国民の命に決まっており、問題は“誰が”レバーを引くか」

で、ハルケンらしくもなく正常に頭が働いていないとナスビーは冷静に叱責する。

 

これまでハルケンは長きに渡るカキンの王族政治を根本から変えようとしており、王不要論を唱えていた。

そのため―父親である国王の顔を立てるため乗船しセレモニーには参加したものの―王位継承戦は辞退する予定であった。

しかし王位継承戦は兄弟同士の殺し合いだと分かり、それを止めようとした。

しかしながら最早中止は不可能だと悟り、腹を括ったハルケンに応えるように霊獣は新たな力を与えた。

 

■ハルケンの霊獣の能力

1:羽の刻印(36巻時点判明)

羽を相手に打ち込み、一定時間昏倒させてしまうが、ハルケンと志を同じくする者には力を与える。

志を同じくする者の左手甲にハルケンが元々説いていた「覚悟の刻印」そのものと言える羽の刻印が付き、その者を念の半覚醒状態とする。

半覚醒状態の者は自分ではそれを操作できないものの、部分的・限定的に念を使える状態となり、

羽の刻印を持つ者達が互いに意思を統一した際―電池を並列に繋いだ時の様に―莫大オーラを生み出す相互協力型(ジョイントタイプ)の集団行動形式(パーティーフォーム)の力を発揮する。

 

場面は変わり、第1王子ベンジャミンの私設兵のシカクは現在ハルケンの護衛という名の監視任務に当たっていたハズが、

ベンジャミンの無線の呼びかけによってハルケンの自室で目を覚ました。

手に刻印はないものの、ハルケンが外出しているのも関わらずハルケンの自室で昏倒していたことからハルケンの霊獣の攻撃を受けたと理解する。

 

そして、ベンジャミンからハルケンが革命を起こそうとして失敗したこと、そして一転全力で継承戦に臨むことが示唆され「ハルケンの能力を入手せよ」と指示を受けたその時だった。

ハルケンとその護衛達がただならぬオーラを携えて戻ってくると同時に、シカクに攻撃体勢を取る。

 

シカクは「遊戯王(カルドセプト)」(能力内容は明かされていない)でもって対抗しようとするが、ハルケンの新たな能力―

霊獣の力で束ねた臣下のオーラを強力無比なオーラの鎧と矢と化し、自らのオーラは弩に変え矢を放つ。

放たれた矢は敵のあらゆる防御を貫きその肉体から、臣下1名の肉体と引き換えに「意志」を奪う能力

―を前に為す術なく敗れ去る。

 

矢で貫かれたシカクの肉体には何の損傷もなく、ムクリと起き上がりと

ハルケンに敬礼と共に「御命令を」と言葉を発する。

 

ハルケンの能力は鳴動と共に強大なオーラのうねりが生じ、一定以上の念能力者であればある程度どの場所で起きたかも察知出来るようだ。

念講習会中のクラピカはこの“二度目”の現象に警戒感を強めるものの、警戒することしか出来ない現状に無力感を募らせる。

 

場面は変わり、守護霊獣を失った第8王子サレサレが、第1王子の私設兵・ウショウヒにより暗殺されてしまう。

そうして出港8日目、夜8時。晩餐会が開始された。

 

■No.383◆脱出

第1回日曜晩餐会が開催される。

第8王子サレサレが体調不良のために欠席となったと知らせが挟まれる。

(VIP達に王子達が殺し合いをしていることはもちろん秘密にしているため)

 

晩餐会ではラップバトルやダンスや演奏等の様々なパフォーマンスが用意されていたが、カチョウ・フウゲツの両王子はセンリツやキーニらの協力の下、救命艇でBW号から逃がす計画を立てており、

本気で吹けば聞く者の意識を3分間音の世界へ誘えるという、センリツが最も得意とするフルート演奏の開始と共に計画は実行された。

この音楽は館内放送で流れていたため警備の者達もセンリツの音楽で意識を飛ばしており、一方でカチョウ・フウゲツ・協会員のキーニはイヤホンでその音楽を聴かない様に対策をした上で救命艇の発射場を目指す。

 

救命艇に乗り、脱出口の出口が見え「作戦成功」を喜ぶ二人であった。

しかし、BW号の外に出ようとするの間際のkとだった。

カチョウが“嫌な感じ”がして後方を振り返ると―

謎の無数の手が二人に迫っていた。

 

センリツから扉の能力は最後の切り札で、本当危ない時だけ使うのだと事前に説明を受けていた。

そして、この迫りくる手を前に船から出ると「死ぬ」のではないかと考え、カチョウはフウゲツに扉を出して船に戻ることを急いで指示する。

 

扉を開き、中に寸でところで入り込んだフウゲツであったが(フウゲツには無数の手が視えていない様子であった)、その後ろにカチョウの姿なく、嫌な予感に駆られるのだが閉まった扉がもう1度開きカチョウがウインクをして現れた。

 

一体何があったのかと尋ねるフウゲツに、カチョウは思った以上に厄介な儀式で勝手に船から出たら罰があること、しばらくは大人しくするが作戦を立て直して再挑戦をすることを宣言する。

フウゲツは「カーちんとなら平気!!」だと、空間移動の能力の帰りの道を進む。

 

―場面は一転。

大海を彷徨う一艘(いっそう)の救命艇が映し出される。

中には果てたカチョウの遺体が転がっていた。

 

■第10王子、第11王子の守護霊獣

共に、相互協力型でフウゲツはワーム状、カチョウは無形。

 

・フウゲツの守護霊獣の能力

「秘密の扉(マジカルワーム)

幼い頃二人が遊んだアスレチック遊具「魔法の抜け道(マジックワーム)」に由来し、空間移動が可能な能力で往路(行き)をフウゲツが、復路(帰り)をカチョウが操ることが出来る。

 

・カチョウの守護霊獣の能力

「2人ゼゾン(キミガイナイ)

カチョウフウゲツの2人の内、どちらかが死ぬとその者の姿となり、もう一方が死ぬまで側で護る。

 

■No.384◆抗争

多少話が前後するが、ここでカキンとマフィアと今回の抗争の背景に触れる。

 

現実世界にもヤクザものが居る様に、カキンにも多くのマフィアが存在する様だが、

第3王子チョウライがケツモチを務める「シュウ=ウ一家」

第4王子ツェリードニヒがケツモチを務める「エイ=イ一家」

第7王子ルズールスがケツモチを務める「シャ=ア一家」

―という3大マフィアがカキンの裏社会を仕切っている。

 

今回の表向きは「暗黒大陸への移住」という世紀の偉業の1便目ということもあり

(※実際にはBW号のゴールは暗黒大陸ではない)

また20万人という乗船客達が今後築く社会を仕切る必要もあり、各組長を含め多くのマフィア達もBW号に乗船している。

 

そして各マフィアのトップの異質さが、本来ケツを拭かれるハズの王子達が、逆にマフィアのケツを拭く存在(=ケツモチ)として置かれている理由でもある。

各マフィアの現トップの3人は“二線者”という正当な後継者になれない国王の子孫(婚外子=愛人の子など)であり、産まれると同時に二枚刃で顔を割かれ、一生表舞台に姿を見せない事を条件に生存を許された特殊な存在である。

 

しかしながら、二線者達は“表舞台には立てない”ものの裏世界では十分な待遇が用意されており、今回の旅においても各王子達以上の積み荷の上限―王に次ぐ量―を許されている。

但し、その十分な待遇も“王権制度に従順である事”が絶対条件に置かれている。

 

つまり形式的にはかなりの待遇を受けてはいるものの、実質的には何も権利を有していない存在がマフィアのトップに置かれているのである。

だからこそ、何の権利も持たない二線者達が何かの問題ごとの「ケツを持つ=尻ぬぐいをする」ことなど出来るハズもなく、権利を持つ各王子達が各マフィア達の行動の責任を持つ=ケツモチの役目を負っている、という構図なのだ。

 

各組ごとの“シノギ”を持ちつつ、これまでも組と組との抗争もしばしば起こっていたものの、カキンマフィアの喧嘩(カチコミ)の流儀に則ったものであった。

 

簡単に言えば、殴り込みや銃撃(ドンパチ)をやっても良いが、事前に組長に相談し組長同士で連絡を取り合い、金銭だったり命だったり体の一部だったり、基本的には被害者側の組長が「均衡」を考えて提示するという様なもので、“二線者達に与えられたごっご遊び”の様な側面を持っているとも言えるのかもしれない。

 

但し、二線者に与えられたごっご遊びにもルールがあり、組長連絡は事後承諾になる事が多いものの、“事”から24時間以内というのが暗黙のルールであり、「組長が縄張り(シマ)から離れた場所に居た」ことが絶対の流儀であるという。

“組長が縄張り(シマ)から離れた場所に居た際に起きてしまった”から、相手側の組長への連絡が“事後”になるのであって、もし組長が事件が起きた際に縄張り(シマ)に居た場合には、それはヨソの組長に銃弾(タマ)打ち込んだも同義―手打ちなしの―どちらかが潰れるまでの戦争となる。

 

これまでカキンのマフィア達は“二線者”たる立場を弁え、適度な“ごっこ遊び”に興じていたのだろうが、最近エイ=イ一家にて“とある掟やぶり”でモレナ=プルードが組長に就いたという(詳細は明かされていない)。

 

「シャ=ア一家の組長」と「シュウ=ウ一家の組長」は当然それを良くは思ってはいなかった。

そんな時、今回の旅の船内に“流星街からもはみ出した異形の集団”である幻影旅団がいることが分かり―盗賊である彼らが船内にいる理由など聞くまでもなく―厄介な者同士、エイ=イ一家と幻影旅団はいつかは潰し合いをするだろうと思いつつ、その「いつか」を上手く調整しようとしていた。

 

そして、旅団は裏の目的が透けていたものの、それよりもまず船内で「ヒソカ」という男の捜索を優先していることを知る。

旅団よりも先にヒソカを見つけ、その情報を貸しにしようと「シャ=ア一家」も「シュウ=ウ一家」もヒソカ探しを始めるのだが、そんなときに殺人事件―被害者には組員や一般人も含まれるテロが勃発する(当然、事後連絡もなければ事件を起こした組の長がどこにいるかも不明)。

 

BW号は新大陸への旅立ちという世紀の大偉業の最中で、王位継承権を持つ王子達からすれば「20万を超える乗客らは“祝福の一人御子”となるまでの贄」にするのも王子の選択・自由なのだろうが、当然二線者達にはそのようなことは許されていない。

今回のテロを起こしたエイ=イ一家の組長・モレナ=プルードは、自分自身を含めこの世の全てがどうでもいいと考えていた。

 

“勝手に産み、疑い、怖れ忌み、傷付け、許す”

そんなバカげた自分の生を、それを強いるカキン王家を、そしてそれを許容する世界を恨んでいた。

 

モレナは事前に集めていた22名(=書類上は構成員ですらなく一般人の模様)に念能力を授けテロを勃発させた。

それは他の組からすればルール無視の戦争であり、王権制度への反逆に他ならず、「シャ=ア一家」も「シュウ=ウ一家」もモレナ殺害を画策する。

 

それが現在起きている、BW号内でのマフィア達による全面抗争である。

このNo.384ではシャ=ア一家の事務所にて、組員らが旅団員(フィンクス・ノブナガ・フェイタンの3人)にカキンマフィアの流儀を説明し、旅団員はモレナを狩った方が早いもののその所在が不明のため、モレナ組のヒットマン狩っている間にモレナを探しておく様に指示を出す。

(旅団の目的はヒソカ探しだが、マフィア抗争によって、より手間が掛かってしまうことや、モレナを狩った時にひょっとしたら未探索のエリアへの通行許可を貰えるかもしれないという狙いにシフトチェンジをした)

 

場面は一転。

第4王子ツェリードニヒの部屋での場面、それもNo.383の晩餐会より少し前に遡っている。

船内で起きた殺人事件に自らがケツモチを務める「エイ=イ一家」が関わっていること、それも組長のモレナ自身が姿を消したことで意図的な反逆であることがツェリードニヒに露見する。

 

モレナ一家の行動の責任はツェリードニヒが最終的に取らねばならず、部下たちにモレナ殺害を指示し、自身も念の修行が終わり次第動くと宣言をした。

そうして自らの私設兵であるテータの指導の下、念修行に戻るツェリードニヒであったが、その怒りに呼応するように、

本人の自覚なく新たな念獣が具現される。

(※作者ツイッターの様子から、恐らく加筆が行われていた見開きはこのページかと思われる)

 

第5王子以上の私設兵は、幼少から王子の為に捧げる訓練を受けており、士気も忠誠心も高いとは言われているものの、以前からテータはツェリードニヒの“悪のポテンシャル”を危惧しており、“決して…決して念など会得してはいけない人間”だと考えていた。

 

儀によって産まれた守護霊獣でさえも手が付けられない状態であったにも関わらず、今回怒りに呼応する様に、本人の自覚なく具現化された特質系の念獣は、正にツェリードニヒの分身の様な存在で、どの様な能力を持つかも想像がつかない(おそましいオーラを放っていたことから明らかに他を害する能力を持つ)

 

“機を伺っていたら間に合わない………!!”

そうして、テータはツェリードニヒ暗殺に向け動き出す。

 

念の基礎修行を終えたツェリードニヒに対し、テータは基礎の応用である四大業の複合の修行に入ると宣言する。

「纏」「絶」「練」「発」の内、既に「纏」と「練」に関して高いレベルで修練を続けており、その2つは「発」の威力を高めるためにこれからも鍛錬が必要ではあるものの、残された最後の行である「絶」が技巧的な鍵を握っており、「絶」を極める事は念能力を極めると同義だと説く。

(これまでそこまで着目されて来なかった様に思われる「絶」だが、「迎撃型」の発などを代表例にリスクを極大化出来ることが明かされている。また「硬」にも「絶」の技術が必要。)

 

部分的に精孔を閉じて行き、最終的には全身の精孔を閉じて1時間以上維持すること、これができれば次の段階だと説明するテータに対して、ツェリードニヒは修行が先に進むためか乗り気な一方、霊獣はテータを身近で見つめ強い警戒感を示した。

 

テータ自身が発に「絶」を用いるためなのか、過去に「絶」を非常に効果的に用いた念能力者に苦しめられたことがあるのか、テータの内心で“これは本当に念応力に必要な修行で、何も偽っていない”と宣言しつつ霊獣を見つめ返す。

 

霊獣は一旦引き、テータはこの時初めて心の底からツェリードニヒの成長を願っていた。

そして、これなら“明日にでもやれる”と決意した。

 

■No.385◆警告

修行中のツェリードニヒとテータのシーンから始まり、No.384の続きでNo.383の晩餐会の直前である。

 

具現化系能力は基本的にはAOP型の能力であり「絶」の状態となれば、具現化物を維持することは出来ない。

それは「霊獣」も、先日出現した「特質系の念獣」も例外ではない。

 

しかし「絶」の修行中、ツェリードニヒの霊獣は常にテータを警戒しており、少しでも集中を乱して一瞬でも「絶」が解ければすぐさま姿を現してしまう。

これほどまでに警戒されてしまうと、ツェリードニヒが「絶」に入って念獣へのオーラ供給が無くなって消えるのではなく、敢えてツェリードニヒのオーラ供給がある内に多少の力を蓄え、余力を残した状態で姿を消す様な可能性もあるとテータは考えた。

 

そこでテータはツェリードニヒが多少の物音や気配の変化で「絶」解く様では計画は実行できず、霊獣が余力を残して姿を消す可能性も考慮して、最低でも40分以上“完璧な絶”を維持出来たが作戦決行の時だと心に決め、わざとコップを落として割ってみたりして、

「この調子だと“絶”は長続きしませんね」

と敢えて挑発し、ツェリードニヒは予想通り反発する様に桁外れの集中力を発揮した。

 

二人の間に長い静寂の時が流れ、テータは拳銃を出しツェリードニヒに近づいて行く。

 

そんな中、突然館内放送が流れる。

ちょうど開催中の晩餐会の音楽祭より、サプライズ演奏を第1・第2層にお届けするとのことだった。

(※カチョウフウゲツの逃走出来る様にセンリツの音楽を聞かせるための計画)

 

一瞬、動揺したテータであったが、ツェリードニヒの「絶」は館内放送にも動じることなく完璧に維持されており、これ以上のチャンスはないと判断し、

“この才能を他人の為に使える人格者であれば…せめて一撃で楽にして差し上げます”

とツェリードニヒの額目掛けて銃を放った。

 

―ハズだった。

突然目の前に美しい花々やその近くを舞う蝶、川のせせらぎに荘厳な山々の中に包まれていた。

そして気が付くと目の前にあったツェリードニヒの死体はなく、部屋の外の警護兵がテータの銃声に反応して入って来る。

 

すると、殺したハズのツェリードニヒが自らの後方から

「修行の一環だ。問題ない。」

とテータを拘束しようとする警護兵達を止めた。

 

テータは何が起きているか分からなかった。

しかし、唸り声と共にツェリードニヒの霊獣が近づいて来る。

そうして自らの顔の前まで来て、

“次ニ王子ノ質問ニ偽リデ答エレバ オ前ハ人間デナクナル”

と警告を発し、テータは気絶する。

 

目が覚めると傍らには同じ私設兵であるサルコフ(同様にツェリードニヒを危険視している)が傍らに居た。

そしてテータの左頬(No.365/35巻にて霊獣から付けられた傷口)に呪瘡の様な傷(?)が広がっていた。

サルコフは、最初の嘘で傷のマーキングをして、次に言葉と記(しるし)で警告し…それに反すれば死より残酷な罰が待っているはずだと述べ、このままテータが動けば王子が有利になるだけだと説く。

 

―必ず自分が何とかすると。

 

■No.386◆仮説

場面はツェリードニヒの私室(1004号室)。

テータはサルコフの力も借りて、自らがツェリードニヒを“殺害した現場”を調べて貰った結果、現場には血痕すらなく、ルミノール反応も出ないため「テータが銃を撃ったのは事実であるが、ツェリードニヒは撃っていない」という結論がでた。

 

テータは困惑していた。

鮮明に残るツェリードニヒの死体の映像。

血や脳漿が散乱し広がっていく鮮血、倒れた王子に、まだ動ている口と指、喉からもれる音や嫌な臭い…

しかし、自らが「見た」と思っていたものは実際にはなかったのだ。

どこまでが現実で、どこからが幻想なのかが判断出来ずに居た。

 

場面は変わり、第2層の司法局で取り調べを受けるセンリツ。

カチョウフウゲツ両王子の逃走劇は、“自殺したキーニ協会員がカチョウフウゲツ両王子を事故で死んだ妻と娘に姿を重ね、無理矢理救命艇に乗せて逃がそうとしたものの、両王子は何とか乗らずに済んだ”という如何にも怪しいシナリオだが、それ以外を裏付ける様な材料がなく、キーニ協会員による単独犯行という結論に落ち着きそうだという。

 

しかしその一方で、センリツの音楽を聴いた者達は全員、音の世界に誘われ“何も出来なかった”こともあり、何人かの王子がセンリツの演奏に“感動”して、自分達の部屋に招きたがっているという。

司法局の取り調べは“危険な王子達から守る為の拘束”であり、カチョウフウゲツ両王子が実は“自発的に”逃走しようとしていたと考えてはいるものの、その証拠も見つかっていないため証明は難しく取り調べは長時間に及ぶだろうと説明をを受ける。

センリツはこの時間を使い、何とかカチョウフウゲツを助ける次の手を考えなくてはならなかった。

(※「カチョウの霊獣」が「カチョウに成り代わった」ことを少なくともフウゲツやセンリツはまだ知らない。しかしその一方で、いくらカチョウの“死によって強まった念”だとしても、フウゲツが死ぬその時まで念獣を維持し続けるには相当なエネルギーが必要であり、何か「生前のカチョウ」とは異なる点や、エネルギーを温存するため、あるいは“フウゲツの側で護る”という制約のために異常事態が起きている可能性がある)

 

また場面が転換して今度はハルケンの私室(1009号室)にて。

第一王子ベンジャミンの私設兵・シカクを撃った弓矢の力の検証をしていた。

シカクを撃った直後から昏倒が続く、ハルケンの私設兵・スミドリの肉体を調べると脈や脳波に異常はなく、数値から「睡眠」と判断出来るという。

一方で、弓矢で撃ったシカクは見た目こそシカクそのものだが、体の持ち主の自身の認識はスミドリであるため、スミドリの魂がシカクの肉体に憑依している様な状態だと推測された。

 

ではシカクの意識―魂はどこに行ったのか。

可能性は4つ。

1:死=消滅したか、

2:スミドリ肉体が入れ換わっているだけなのか

3:シカクの肉体で共存しているのか

4:他のどこか(誰か)へ行っているのか

 

ハルケン陣営には念能力者がいないため、否定する材料も肯定する材料もない。

1と4は検証が困難であるが、2はスミドリの脳波に変化が生じれば「誰か」がスミドリの肉体にいる事は確認出来るのではないかと、そしてハルケンはナスビーと話し運命を受け入れ覚悟決め、その直後に覚醒したこの能力は継承戦を勝ち残る為の能力だと確信している―とハルケンは言う。

 

その上でハルケンは自身の能力の内容に関して仮説を立て、それを私設兵達に説明をする。

(※再開後含め、未だその内容は読者側には明かされていない)

そして、能力の確認は絶対に必要な工程であるため、シカクの体に憑依したスミドリにある指令を下した。

 

また場面は転換し、今度は1007号室―つまり第7王子ルズールスの部屋に移る。

協会員であるバショウはルズールスに“例のオーラの鳴動”が隣りのハルケンの部屋から始まったことを告げ、その直後来客を知らせるチャイムが鳴る。

インターホン越しに相手を確認すると相手は第1王子ベンジャミンの私設兵シカクであり、オーラの鳴動の件もあり、インターホン越しに用件を聞く様に指示するバショウ。

 

すると敬礼の後、声高に「ベンジャミン王子殿!万歳!!!」と叫びながら自らの頭を撃ち抜き自害する。

その直後、隣りの部屋からオーラの鳴動が止んでいることに気づくバショウであるが、何が何だか分からずにいた。

 

無線の状況からシカクが自死したことを知る第1王子ベンジャミンと私設兵隊長のバルサミルコ。

シカクが弓矢に打たれる前後の状況を知っていることもあり、全陣営の中で最もハルケンの能力の情報を掴んでいた。

ルズールスの部屋で居た私設兵・カンジトルを呼び戻し、事件までの経緯を思い出させ、一躍危険人物になったハルケンの能力を探ることとなる。

 

再び場面が転換しハルケンサイドへ。

睡眠状態だったスミドリは椅子に拘束された状態で目を覚ます。

そしてハルケンはスミドリに「所属と認識番号」を尋ねる。

 

再々度、場面が展開し、今度は念講習会中のクラピカ達。

バショウ同様、異常なオーラの鳴動を感じ警戒するクラピカとビル。

鳴動が発生した場所は、偶数側の王子達の部屋ではなく、恐らく「9・7・5」付近だと指摘するビル。

念未収得である第3王子チョウライの私設兵サカタが「チョウライ王子は除外できるのか?」と心配するが、「可能性はゼロではないが第3王子の守護霊獣のオーラの感じではない」とクラピカは答える。

全く感じることの出来ないサカタは、何がどう危険なのかもわからないことクラピカに尋ねると、

膨大なエネルギーが爆ぜる様に一瞬で消えるのは「放出系の能力」使用時に多く起きる現象であり、放出系の攻撃ならば物理的な障壁をすり抜ける事も難しくはないこと。しかしそれ以上に誰を、どのような能力で攻撃してるのか、「分からない」という事が最も危険なのだと説明した。

 

鳴動に対する不安や警戒の一方で、サカタは同じ修行が続いていることで参会者達に「本当にこれで念が使えるのか?」と疑念が沸き始めていることを指摘した。

クラピカもそれは認識しており、次の段階に進めることにした。

参加者達の前でクラピカは水見式を行い(水の色が変わり葉っぱが回転=コンタクトで隠しているが緋の眼状態での水見式)、自らが特質系に属する念能力者であり、検証するに十分なオーラを発せられない者には使えない方法だが出来そうなメンバーが何人が現れ始めており、

“一番覚えがいい”というラジオラスを指名する。

そして、念系統は本来他人には決して終えてはいけないトップシークレットで、自身のようにどの系統か判別のつかない特質系ならば影響は少ないが、敵に自らの念系統を知られてしまうのは先手を決めるジャンケンで出す手がバレているのと同じ位不利だあると参加者達に述べた。

(この描写・文言を下に特質系能力者の習得度は5パターンあると判断しているため、37巻で修正が入らないかどうかドキマギしている)

 

そこでその判別は別の部屋で行うことを宣言するが、密室で成されいることが本当に判別なのかは非能力者である参加者には判断出来ない上、判別表を渡して各自でやればいいのではないか等と参加者達からは不満が噴出する。

 

しかし、今回はサポートが必要な方法で行うため立ち合いは必要であり、自身が特質系だと明かしたことは他系統との比較の話に過ぎず相応のリスクを負っているため、参加者達の念系統を知る報酬を得るのは当然の権利である。

 また今回の念講習会は武力両面で下位の王子護衛官の戦力を底上げし膠着状態を長引かせる為であり、争いを全く望んでいない自分達から危害を加えることはナンセンスな話であると答え、この条件で納得出来ないのであれば、講習会参加をここで辞めて貰っても構わないとクラピカは“ぶっちゃけ”ながらも思惑を伝えた。

 

場面が転換し、第4王子ツェリードニヒに自室にて。

テータに代わり、ツェリードニヒの修行に付き合い始めたサルコフは想像の遥か上の速度で念を習得していることを知り、出来る限り時間を稼ぎたいこともありひどく困惑していた。

 

そんな中、ツェリードニヒは自らの心境の変化に驚かされていると言う。

1週間前まで、

“この世で一番嫌いなのは嘘つく女”だと考えていた自分が、

“裏表のある女”に魅力を感じ始めたのだという。

 

■No.387◆再現

場面はNo.383の晩餐会前に遡り、ツェリードニヒ目線であの時起こっていたことが描かれる。

 

「絶」の修行を開始してばかりだが、既に「絶」のコツは掴んでいたツェリードニヒ。

体の先端から徐々に精孔を閉じて行かないとムラ出来るため、全身をいっぺんに閉じるのは確かにレベルが高いと、目を閉じて「絶」に集中する。

 

すると、目を閉じているにも関わらず視界にノイズが走り、テータが自分に声を掛けて集中力を乱し「絶」の妨害をしようとする様子が映し出される。

“夢”と思いつつも戸惑い集中力を乱し「絶」が解けてしまったところで目を開けると、テータは先ほどの映像通りの言葉を繰り出し、別の話をしても全く会話が噛み合わず、「テータの言葉」がさきほど見た“夢の様子そのまま”であることに気づく。

 

ツェリードニヒは持ち前の頭の良さから、これが念能力であることに気づき、「絶」が起点になっている「予知夢」だと理解する。

一方で、予知夢を見ている間は体の自由が効かず、能力発動中無防備だとしたらリスクが高く、予知夢を見ている間がリアルタイム進行なら、無防備で10秒後の未来を10秒掛けて視る能力だということになる。

ツェリードニヒは自分の能力ならば、そんなことはあり得ず、予知夢は刹那、一瞬よりも短い間に見ているハズだと改めて能力を試す。

 

検証を経て、自らの能力の10秒の予知夢はリアルタイムの10秒ではなく「刹那の10秒」で、刹那の間に10秒を予知し、その刹那10秒を過ぎると現実世界よりも10秒早い世界を予知夢(ビジョン)で“見続ける”ことも出来ると理解する。

 

さらに検証を重ね、目を閉じて「絶」をすると、刹那の一瞬で10秒間の未来を予知夢(ビジョン)として見る事ができ、予知夢(ビジョン)で見た10秒間は自分以外は予知夢(ビジョン)通りの行動しか出来ず、自身だけがその10秒間の行動を変えられる能力だと確信する。

 

「絶」状態でも目を開けてしまうと、10秒後には10秒のズレが一旦リセットされてしまうが、「絶」さえ続けば再度目を閉じれば連続発動可能なことも分かったため、“どこまで続けられるか”を試していた。

そんな時、例の事件が起きようとしていた。

 

予知夢(ビジョン)の中でテータは銃を出し、ひっそりと自分に近づき構え自らに銃を放ったのだ。

驚いて目を開けると目の前でテータは自分に向けて銃を構えていた。

しかし、目を開けてからの10秒間はツェリードニヒが異なる行動をしたとしても相手は予知夢(ビジョン)通りの行動し、予知夢(ビジョン)通りの認識のままなため、思わずテータの銃口から退き尻もちをついたツェリードニヒだが、テータは自分が居た場所を見つめ銃を構え続けていた。

 

そして、テータが銃の引き金を引いた次の瞬間―、

ツェリードニヒとテータを不思議な世界が包み込む。

 

しばらくして不思議な世界が消えると、テータは自身の遺体が無くなったことに驚き何が起こったか分からずに居たが、ツェリードニヒは半分は自分の能力だがもう半分は「自分とは別の誰かが念能力で何かした」事に気づき、これまで知らなかった念の世界が“楽し過ぎる”と興奮を覚える。

 

そして、銃声を聞きつけた部屋の外に居た護衛がテータを拘束しようとしたため、

「修行の一環だ。問題ない。」

と部下達に指示をした。

 

驚くテータの様子を楽しみつつも、テータが自分を殺そうとした理由を後で確認しようとすることし、最優先でやるべきは自身の能力の把握と、さらなる能力の向上であると考えたツェリードニヒ。

「絶」になろうと考えてから実際に「絶」になるまでの時間、そして、その状態を維持する技術。

 

その2つを極めれば「絶」を自在に操れるようになれば―、

自身が継承戦を制覇すると確信をする。

 

■No.388◆思案

場面はクラピカの念講習会で、ラジオラスの念系統を調べるところから始まる。

別室にクラピカとビル、そしてラジオラスが入っていくのを見守る他の念講習会の参加者達。

 

本当にこれでいいのか。

確かに念習得が最優先であるものの、もしこの状況がクラピカ達の狙いだったとすれば、まんまと術中にはまることになる。

 

しかし、そんな心配に対し第1王子ベンジャミンの私設兵であるヒュリコフは、

「操作されているかどうかは注意深く観察すれば分かり、もしその場合にはビルとクラピカは即拘束され、自分達の防衛にも関わる事のため信用してもらおう」

と講習会の継続を要請する。

(クラピカとビルの能力を把握するため、ヒュリコフとしてはクラピカ達を泳がせたい)

 

そうして、ラジオラスが出てきたが、

明らかにオーラの流出量が増えており、基礎修行を経た念能力者にしか思えず、クラピカらに操作されている様子もなかった。

 

そして、次の覚醒者には第5王子ツベッパの私設兵隊長であるマオールが選ばれた。

部屋に入ると、ビルの能力をクラピカの能力で貸し、その副次効果が念に目覚めさせ様としいる。そして先程は参加者の念系統を知ることはこちら側の権利だと言ったが、今回のやり方はビルのオーラも貸して行うため参加者の念系統は把握できない (後で個人的に水見式を行うことで誰にも知られずに自系統が判別可能)等と、クラピカが丁寧にそして誠実に説明を行っている様子が描かれた。

 

そうしてラジオラスに続きマオールが念に覚醒し、ヒュリコフはマオールの様子を見て「ほぼ間違いなく操られているわけではない」と判断を下す。

その後、ユウリとサトビが念に覚醒した様だが、特段ヒュリコフらのコメントはなく連続殺人事件の犯人についても語られず仕舞いとなった。

 

ビルはクラピカの戦略は現状ベストであることには間違いないものの、“力”は人を容易に変えてしまう。

潮目が変わり、一度継承戦やむ無しの流れに傾いた時、自分達は自ら与えた“力”に押しつぶされるかもしれないことに不安を募らせる。

 

無事に約束通りに念覚醒者が続出したことで、第3王子チョウライのところから来ている私設兵サカタ・ハシトウは完全にではないもののクラピカを信頼する方向に傾き始め、ハシトウは講習会には参加していないが自分が先に水見式を受けたい、早めにチョウライ私設兵の誰かも覚醒しておいた方がいいと判断したことを伝え、クラピカは了承した。

 

―場面が代わり、第5王子ツベッパの私室にて。

念に覚醒した私設兵隊長マオールは、クラピカに関して非常に好意的な報告をし、信頼しているという姿勢を貫けば協定の件も相乗効果で進展するとも進言する。

 

サレサレの暗殺を終え、今度はツベッパの暗殺をするためにツベッパ付きとなった第1王子ベンジャミンの私設兵リハンであったが、あけすけな作戦会議とは裏腹に全く霊獣が姿を見せず、何も情報が得られない現状に不満を抱き、ハンタ史上最長とも思われる激しい葛藤を心の中で繰り広げる。

 

ツベッパはサレサレが音楽会を体調不良で休んだことを性格上あり得ないと考えていた。

そして第1王子ベンジャミンの私設兵の配置が変わったことから、サレサレは暗殺され次の標的は自分だということに何とか対策を立てようとしていた。

しかし、自分の立ち位置では少しでも選択を誤ればあらぬ嫌疑を掛けられたりとリスクが高い。

念に目覚めたばかりのマオールではまだ念能力に対する防衛は望めない。

どうしても右腕(パートナー)としてクラピカが必要だと考える―。

 

出港から10日目 午前11時30半

例のオーラの鳴動がまた始まったのだった。

 

■No.389◆呪詛

場面は第1王子ベンジャミンサイド。時期はシカクが自死しNo.386の直後ほど。

この時点では出港から9日目 午前10時であった。

 

事件の際、ルズールスの部屋の中に居たベンジャミンの私設兵カンジドルが呼び戻され、当時の状況を聴取されていた。

カンジドルは例の放出系の特徴を有したオーラの鳴動を単純に破壊力として換算すると「音速を超える直径5mの火球」クラスだと推定し、シカクはベンジャミンに向けられた咆口を下ろさせる代わりに自殺を強要されたのではないかと考えたを述べた。

 

しかしバルサミルコは威力の見立てには概ね同意したものの「交換条件による自殺強要」には各種疑念があるため賛同出来ないことを伝え、「何故シカクは自死したのか」とは別に「何故1007号室の前だったのか」にも何か理由があるハズで、当時の状況を可能な限り細かく思い出しこれからの1007号室の動向を注意深く観察することを命じた。

 

そして、出港から10日目 午前11時30分に場面は転換する。

例の鳴動に警戒を強めるベンジャミンとバルミルコ。

 

ベンジャミンは攻防相俟った「表裏一体(タックルシールド)」という能力を持つ私設兵のビクトをハルケンのところに配置しており、制圧するまでは行かずとも現状を維持し敵の動きを抑制することは十分可能と考えていたのだが、ビクトから緊急の無線が入る(奥歯を2度噛むと発信できる模様)

 

ビクトは戦闘中の様だったが、程なくしてビクトの叫び声と共に鳴動が終わった。

つまりハルケンの攻撃は来るとわかっていても守る事も避ける事も攻撃する事もできないもので、ベンジャミンの能力からシカクの能力は既に自身に継承されたにも関わらず、今撃たれたビクトの能力が継承されていないことからビクトはまだ死んでおらず、単なる放出系の射撃ではないと理解する。

 

以前にシカクから報告のあった、並列電池の要領で莫大なオーラを生み出すことの出来る霊獣の力を基礎に一射ごとに命を削る程の覚悟を込めた能力だと判断し、バルサミルコは「敵の能力が強力ならば使わせないことが一番」だとハルケンと私設兵達を分断させるべく、シカク・ビクトと続く異変をハルケン側に謀殺の疑いで訴追することとした。

 

司法局の捜査員達がハルケンを拘束したものの、カミーラの時と同様、証拠不十分で釈放されてしまう公算が大きいという。

しかし、私設兵が近くにいない今、弓は作れないであろう今は千載一遇の好機で、この機会に確実に仕留めるとバルサミルコは宣言する。

 

場面は転換し、1006号室の第6王子タイソンの自室。

当初、警護対象であるタイソンとその経典を舐めていたジュリアーノだったが、少しずつ異変が起き始めていた。

 

また場面は転換し、入口でシカクが自死した1007号室。

バルサミルコの指令を受け、情報収集をするベンジャミン私設兵カンジドル。

様々な仮説も立てるがそれを裏付ける証拠も見つからず迷っていたところに、ハンター協会員のバショウはルズールスの私設兵2人が怪しいと大嘘をかます。

シカクの自死は自作自演で死後強まる念を使う「死後の念」使いではないかと疑っていたためである。

 

さらに場面は変わり、ベンジャミンへの単騎特攻をやらかしたカミーラは自室ではなく、ベリーVIPエリアにある監視居住区にいた。

そして、実はそのカミーラこそがバショウが警戒していた「死後の念」使い達を抱えていたのだ(さらには逆にカミーラが呪われた時のための除念師すら用意していた)

 

◆呪憑型の念能力

カミーラの私設兵達が持つ死後、対象を呪い殺す能力。

標的(各王子)の写真・衣類、体の一部等を携帯し、出来るだけ長い期間、出来るだけ標的に近い距離で想う程呪力が強くなる。

術者の死で能力が発動し、理想は標的の目前で自死することである。

 

・能力形成の背景

古代国家であるカキンには、過去「死後伴侶」という特異な殉葬が存在した。

死後伴侶とは国王になれなかった王子が死んだ後に怨霊となって国王や国にたたらないように黄泉の王子を監視する為、共に埋葬された異性を指し、“王子の伴侶”という名誉とは裏腹に不可持民という生涯不変の身分制度の更に下層の者から強制的に選定された。

現在では死後伴侶は廃れたが、不可持民の地位は向上されず、公職ましてや上級公務員である軍人になることは絶対に不可能であった。

しかし第2王子カミーラはその不可持民全員に対し、私設兵に就く機会を与え、私有地を設けた特区に於いて軍兵と同等の地位と権利を与えた。

これにより、被差別民からのカミーラへの圧倒的な支持と共に私設兵の中から自然発生的に死後伴侶復活の声が上がり、念能力と合体する事で、より強力な暗殺呪詛へと形態を変えたのだった。

 

またまた場面が変わり、今度は第3王子チョウライの自室。

念講習会に参加していたチョウライの私設兵テンフトリが講習会終了を報告。

(※念講習会は2日目に始まり2週間の日程だったため、この時点で出港15日目)

 

無事念を習得してきた部下に対し、

チョウライは霊獣が創った効果不明のコインを褒美として渡す。

 

テンフトリが受け取り人の第一号であるという言葉に、実は最初の1枚目隠れて拾っていたベンジャミン私設兵コベントパは内心で笑う。

そして、ふと手元のコインを見た時拾った際には「1」だったらコインの数字が「10」に増えていることが気が付いたのだ。

 

■No.390◆衝突①

第3王子チョウライの自室でNo.389の続きの場面。

自分が拾ったコインの数字が増えていることを受け、今回テンフトリが受け取ったコインを見せて貰うが、

自身が“拾った時と同じもの”で、同様の変化がテンフトリのコインにも起きるのか様子を見る事とした。

(※この時のコインの数字が「10」になっているため、37巻で修正の可能性あり)

 

第3王子チョウライは、霊獣が効果不明のコインを毎日1枚創出することに対して、最終的には全国民にあます事なく影響をもたらす能力だと予感はあるものの、現在進行中の継承戦においては役に立つ気配さえ感じられないことを嘆いた。

一方で、王になる前から“なった後の心配している”自身の性格を嫌と言う程に反映していることから、霊獣の能力を「王になった後に最大限発揮されるに違いない」と予測した。

生き残りさえすれば盤石の王になれると理解し、継承戦は自らの裁量で勝ち残って見せる、光と闇を使いこなせてこその真の王で、継承戦は自らの闇の真価を見せる場所だと覚悟を決めた。

 

そうして、チョウライは自らがケツモチを務める

シュウ=ウ一家組長オニオール=ロンポウの部屋を訪ねた。

 

・チョウライは継承戦が始まり、もう「3人」の兄弟が死んだことを報告。

→この「3人」というセリフは修正されている可能性がある

モモゼの死は半ば公になっているため問題ない。

サレサレの死は必ずしも公になっていないものの下位王妃に監視兵を付けられるためチョウライは把握してる可能性あり(第3王妃系はチョウライのみのため、“上”の王子から情報統制される様なことがない)

そして、問題の3人目が誰のことを言っているのかは不明である。

もしカチョウ(カチョウの霊獣が成り代わっている)のことを言っているならば、カチョウフウゲツ両王子に付けている下位王妃への監視兵からの報告で、明らかにカチョウの様子がおかしくなっているという報告が挙がっており、実は死んでいると判断をしたという可能性もある。

また一方で、この時は“出港15日目”なのである。

ビクトが撃たれハルケンが拘束されたと思われる日から5日もの空白があるため、この3人目はカチョウ以外の王子が、半ば公に死亡している可能性もあり現時点では何とも言えない(場面・時系列が前後しているだけ)。

 

・また、チョウライは念能力について調べて欲しいと頼む

→オニオール組長は“二線者”故に継承戦についても念能力についても知らないと伝える一方、若い衆の中には妙な力を使えるという奴がいるため確認すると約束。

一方で、マフィアの抗争が起きているため時間が掛かる可能性を示唆。

帰り際にチョウライはオニオールに対し、“頼んだぞ…父さん!”と信頼を寄せていた。

※オニオールは現国王ナスビーの異母兄弟とされており、もし言葉通りにチョウライがオニオールの実子であるならばその時点で今回の王位継承戦のルールは崩れていることになってしまうため、チョウライはオニオールに実子当然の様に育てられナスビーよりも父性を感じている、という意味の描写なのかと思われるが詳細は不明。


オニオールは、“気長に待っててくれ”と口にはしていたものの、チョウライが部屋から出ようとする段階で若頭のヒンリギに電話を掛け抗争の状況を確認しつつも、

早期に抗争を終わらせるために“ヒソカ捜索”と“モレナ殺害”を指示した。

そうしてシュウ=ウ一家の若頭・ヒンリギは構成員のリンチとザクロの下に向かい、「抗争開始とエイ=イ組を潰す」ことを宣言した。

 

自分達の縄張り(シマ)である4層から、モレナ達のシマである3層に上がると、さっそくヒンリギは不審人物を発見。

バーガー店でヒンリギらを見て動いた男女の内、男の方をリンチとザクロが声を掛けると、

後方から現れた別の男がザクロの首頸動脈付近を切りつけ、

それに気を取られたリンチも腹を蹴られて飛ばされてしまう。

一方で、バーガー屋に居てこちらを見た後、その場を離れてた女を追っていたヒンリギであったが、兵士達が構える通路を素通りしたことから「(書類上は)マフィアの構成員リストにも入っていない一般人」で、自分と違い特段兵士達の静止を受けることもなく一般エリアに出入り可能であることを知る。

 

先程やられた様に見えたリンチとザクロであったが、

ザクロは自らの血液を操る力を持つが、自分で自分を切ることに勇気がいるため、わざと切られた様で、

リンチも相手の力量を測るためだった様だ。

 

・ザクロ=カスタード(操作系)

能力「血いさな世界(ブラッディメアリー)」

自分の血液を自在に操る

“点滴”は実用と制約を兼ねている

→ヒンリギに抗争開始と知られた際には「“輸血パック”がもっと要るなァ」と呟いており、血を操る能力で“点滴”することが実用と制約を兼ねていることには疑問もあるため、恐らく37巻で修正が入るかと思われる。

 

・リンチ=フルボッコ(放出系)

能力「体は全部知っている(ボディアンドソウル)」

標的に質問してから殴る事で標的の心の声を聞く事が出来る。

※その声は周りの人間には聞こえず、相手が気を失っていると聞くことが出来ない。

 

ザクロとリンチは相手の男二人を簡単にのしてしまうが、ヒンリギ達が襲われたとは言え相手は一般人。

兵士達も完全に無視することは出来ず、

“過剰防衛だが今回は見逃してやる。その代わり3層にはもうくるな”

と釘を刺されてしまう。

ヒンリギは謝罪の気持ちとして金を渡し、

“銃を使わせる様な事はしない。もう来ないよ。約束する”

とあっさり引いてしまう。

 

金を得た兵士達は「もうけたな。抗争万々歳だぜ。」などと話していたが、自分達の持っていた銃の先が蛇に変わっていることに気づき、次の瞬間には蛇の口から銃弾が飛び出して来て死亡する。

ヒンリギは“約束した連中が死んじまったようだ”と、一度は4層に戻ろうとしたが踵を返し、逃げた女を追う。

(※モレナの配下の男二人をその後どうしたか不明)

 

―というのが大まかな37巻情報です。

レビュー:●●●●クロニクル

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「隔週●●●●クロニクル」が本日発売されたので、私なりにレビューしてみたいと思う。

 

まず、確かに私は●●●●先生のファン尊敬すらしているが、ファンを「その作品に関しては全肯定しなければいけない存在」だとは考えていない

もちろんのこと、批判染みたことの内容や、その頻度、発言の場所等様々な状況からその是非は問われるとは思っているが、良くないことを良くないと言うこと自体は間違ってはいないと思う。

※全肯定主義の方は、内容的にそぐわないと思われるのでこの辺りでブラウザバックを推奨しておきます。

全国のコンビニで本日発売された「●●●●クロニクル」は、隔週発行で全8巻を予定第1巻は税込み681円で468ページ

 

先生の漫画人生の年表と共に各作品を連載を連載形式で読めるということで「クロニクル」、展覧会開催もあって先生の軌跡を辿れるという発刊テーマ・企画だと思ったので仕事の帰りにコンビニで買ってみたんですが…、言葉に迷うが控え目に言って今年買った本の中で一番のゴミだったかもしれない。

 

まず、年表的な役割を果たしているのはほぼ表紙だけと言ってよい。

“全8巻を作品開始&キャラクター登場順に並び替えると、●●先生の年表に!”

“背景のキャラクターは隣の巻と繋がる仕様!”

とは言っているものの、ネットで販売している業者は大抵その本の表紙の画像を貼っているためそれ目的で購入する必要がない上、大したモノでもない。

また、書下ろしの絵とかならばまだしも、各漫画の1コマを切り取って表紙の大きな1枚の絵の周りを飾っているだけで、それ隣りの巻と繋がる仕様と言われても、魅力的に感じるものなのだろうか。

 

ならば、せめて話間で各作品が何年何月のジャンプ何号から開始されたのか、当時どのような社会情勢だったのか(“クロニクル”と銘打っているため、あってもいいと思う)どのような作品が掲載されていたのか、また作者の当時の小話(初出でなくとも良い)が各話間の1ページでもあれば良かったのだが、まさかの「1989~1990」の様な連載年数のみであった。

 

ある程度のファンなら先生の作品を単行本として既に持っているわけで、特定の作品の特定の数話だけ見せられても正直微妙なのだ。

また、ウィキペディアにも劣るレベルの「年表のみ」でクロニクルと言われても正直反応に困ってしまう。

 

 

…展覧会での各種グッズもちょこちょこと高額なものがあり、中には品質を疑う様なものもあり、雨上がり決●隊の●迫さんじゃあないが、変なコンサル付いちゃったんじゃないの?とちょっと心配になってしまっている(まぁ宮●さんの場合は彼自身の問題もあるんでしょうけど…)

そんな中の今回のクロニクルだったので何だか余計に心配になってしまった。

 

―そんな話。

レビューを一言添えるなら

「そのお金で何かお食べなさいな」

HUNTER×HUNTER No.392 感想

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【No.392 ◆情報】

原稿だけ描いていたいのだが

原稿だけ描いていたいのだが

原稿だけ描いていたい〈義博〉

 

詳しい状況や作者の心情はわかりかねるけど、展覧会関連で色々と要求されてしまっているんですかねぇ…。

体調的に1日に出来る行動“量”の限界値が低い中、やるべき事以外の比率が大きくなってくるとツライですよね。

 

ただ、それなら“展覧会なんてやらなきゃよかったのに”と、私なんかは思ってしまう。

35周年っていうのも中途半端ですし、もうちょっと腰の状況が落ち着いてから、例えば万全の状態で“○○周年パズル”でも良かった様に感じるのだ。

 

まぁそこは各所で見受けられる“冨樫さんの人の良さ”が影響して、断り切れなかったのでしょうけどね…。

最近の記事でも触れたけど、クソコンサル付いてません?大丈夫です?

 

■ヒソカ発見

変装や変身する訳でも隠れる訳でもなく、ふつ~~~っに3層に居たようですな。

 

ただ一方で疑問もあって、もし旅団メンバーが3層の乗船チケット奪っていたらどうするつもりだったんだろう。

元々、団長の側には最低2人はいるから、“なかなか達成できない”だとか“ガードが固い”と話していたが、その例として挙げられた2人は(恐らく)コルトピとパクノダという非戦闘員だった訳で、バリバリの戦闘員と共に来られたらさすがに厳しいのではなかろうか。

 

またシャルとコルトピが死んだことで―死者の念として残っていなければ―「携帯する他人の能力(ブラックボイス)「神の左手悪魔の右手(ギャラリーフェイク)は消えただろうが、コルトピと類似の能力や“人形を創り出す能力”等を新たにクロロが得ていれば、「人間の証明(オーダースタンプ)「番いの破壊者(サンアンドムーン)を使った先日の作戦も生きている訳で、最悪でも“鉢合わせ”の様な状況は避けたいだろう。

 

にも関わらず、3層の(恐らく)一般客室エリアを“普通に”歩いていたことを考えると、“旅団は3層チケットは入手出来ていない”ことと“まだ旅団は3層に来れていない”ことを把握していた様に思われる。

BW号は5層構造で、

1層が王族とV5の政財界の要人

2層が各界の著名人・富裕層

━━━(隔壁で遮断)━━━

3層以下が一般渡航者区域
―とはなっているものの、診療室が3層で3か所、4層と5層は2箇所だけで、5層に至っては医者が常在しないていない(逆に上位層は20人1人が医者)という様な各種情報からも下層ほどランクは低く、乗船時のチェックも下層ほどザルであろうことが想像される。

旅団は普段バラバラだが、大きな仕事の際は“顔を合わせて”集合する様子もあり、チェックがザルな5層乗船チケットを入手していることは“予想”される。

 

ただ、ヨークシン事件でも顔(遺体が消えたことから、恐らく生存判定されている様に思われる)が裏社会で割れていないメンバーが、偶然強奪したチケットが3層だったら、変装レベルでも入り込めそうな気もしてしまう(それとも3層以上の乗船チェックはかなり厳しい?)

 

つまりは、天空闘技場の敗北で“反省”したヒソカ運とか予想とかそのレベル行動を決めるのかという疑問があるのだ。

 

今のところその疑問を解決出来得る方法の1つとして「ヒソカがモレナと協力関係にある」ということが、ほんのりと浮かぶ。

もし、そうだとすると3層を縄張りにするエイ=イ組(モレナ)の情報網から旅団が5層に居ることがわかっているから変装もせず普通していたというのもわかる。

また、モレナ組の者達は伸びしろはあるのだろうけど、

【エイ=イ組(モレナ)VS【シュウ=ウ組】+【シャ=ア組】+【幻影旅団(一部)】+【第4王子陣営(ケツモチ)

というのはあまりにも戦力のバランスが悪く、モレナ組の者達が成長するまでの“時間稼ぎ”役としてヒソカが―クラピカと一時手を組んでいた様に―モレナ側に付いているのなら大分戦況はゴチャ付きそうである。

 

さて、どうなのだろうか。

 

■リンチとザクロ

リンチはヒソカのカウンター1発でノックダウン(悶絶)し、ザクロに至っては空気(オーラ)だけで完全に気圧されてしまう始末。

そもそも殴り掛かる前の状況からある程度の手練れであれば“相手の強さを測れる”ハズで、「(特定の条件下であれば)攻撃力が高い」訳でもないし陰獣より弱いのかなぁという印象。

まぁ、まだ隠している能力もあるかもしれませんけどね。

 

それにしてもリンチの能力「体は全部知っている(ボディアンドソウル)は、“標的に質問してから殴る事で標的の心の声を聞くことが出来る”ハズが、ヒソカの声は聞き出せていない様子。

 

相手に“ダメージを与えた場合”に聞き出すことが出来る能力なのだろうか。

相手が気絶しても聞き出せないし、ダメージ量が多くとも少なくとも“1問1答”の様だし、相手が強ければ聞き出すことも出来ないのならちょっと使い勝手の悪い能力なのかもしれませんね(パクノダと比べてしまっているせいなのかな)

 

■ミーシャ

先週のNo.391で、

ヒンリギがモノローグで出した固有名詞だが、私はてっきりビデオカメラ化した猫の事かと思っていた。

能力の制約が、“自分が飼っていて天寿を全うさせたペットを具現できる”とかなのかと思っていたのだが、全然違った件。

「ミーシャ=ハオ」という死亡したシュウ=ウ一家の元構成員が居て「Zombie Girl(ラ・ヴィアン・ローズ)という能力を死亡時に“発現”させた様だ(死後の念)

“シュウ=ウ一家の構成員が誰かを殺害すると発動し、死体を操作して穏便に死体を処理する為だけ(に?)行動し、処理が済むと消える”という能力らしく、印象としてはカチョウの「2人セゾン(キミガイナイ)」やイカルゴの「死体と遊ぶな子供達(リビングデッドドールズ)」に近しいイメージ。

 

これ以上の情報は出ていないため想像になるが、“ラ・ヴィアン・ローズ(バラ色の人生)という言葉の通り、ミーシャにとって死体処理という仕事は天職だと考えていて、いつ死ぬか・殺されるかも分からない仕事柄、あるいは常に人の死に接している生活から、はたまたカキンという国の特殊性から“死んでもこのバラ色の人生を続けたい”と願い続けており、死した時に“発現した”の様に感じられる。

能力の“発現”したという状況や、能力の性質から特質系だろうか。

 

■デジタル版ジャンプ定期購読者限定

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※追記:直径19.5cm、電子レンジ対応可否:不明


お金出させといて応募者全員に届かなかったらやべーでしょ…。

応募期間も11/27までってことで、要は完全受注商品ってことでしょ?

何か最近の日本語ってむずかちいね。

 

■パズルでの作外情報について

触れるかどうか迷ったが、今後の事を考えて触れることにした。

先日から展覧会が開催され始めましたが、上の絵と共に記された「御礼」メッセージの中で、

“ここ(展覧会)だけの公開情報など…楽しんでいただけたら幸いです。”

という言葉が少し気になっていた。

 

そして、どうやら展覧会の中で「“冨樫メモ”に基づいた念能力設定資料」なるものが公開されているらしいのだ。

(※「冨樫義博展 -PUZZLE-」公式図録 税込2500円―の中にも収録されているらしいが、私は所持していないため詳細は不明。)

(ひとまず私自身は展覧会に行くつもりはないが行く予定の知人に買って来て貰う算段。面白そうだったり逆にウンコだったら別途レビューするかも。)

 

そして、その中では作中で必ずしも明らかになっていないキャラの念系統等が明かされているのだが―

メルエム(放出系)だとか、ゼノ(放出系)、コムギ(強化系)、ネテロ(強化系)、ノブナガ(強化系※それも強化と変化の間の強化寄り)、イカルゴ(強化系)、アベンガネ(具現化系)

―などを代表例に首を捻るものが多い様に感じた。

 

もし、それが正しいとすると、

メルエムの(オーラを一定以上持つ生物を)食べれば食べる程強くなる」能力も少なくとも放出系の能力者ならば―

理論上は習得可能ということになってしまうのだろう。

 

そして、オーラの多寡だけでは決まらないのが念使いの戦いの基本ではあるが、放出系能力者が修行の他に食事でもオーラを増やしうるならば、潜在的に放出系が全系統の中で一番強いことになりかねない様に思われる。

(※相手のオーラを拝借する“徴収型=放出系”の能力の一種と採ることも出来るが、それで一時的に使用可能なオーラ量=AOPが増えるだけならわかるが、借りたオーラでAOPとMOPが永続的に増加することには懐疑的。もし、メルエムがオーラを使えば使うほど弱体化する能力者だったならまだわかるが、それはそれで疑問。)

 

しかし、私はメルエムの能力を「接触交配の“王”版」とも言える特質系能力だと考えている。

(※女王が食べたもののエネルギーを次世代に注いでいたのに対して、王は自分自身に注ぐ)

また、他者の念を“使う”のは今のところ特質系とされているが、イカルゴが強化系では説明が付かない様に感じる。

 

そもそも未だに36巻の

“ネタバレ。あえてね。”

が何のネタバレだったのかも明確ではない様に(恐らく表紙から単行本派の人もイルミが旅団に入ったことがわかる仕様ということかとは思われるが)、基本的に冨樫さんは読者の読む楽しむを奪う様な「“直”の解答」は出して来なかった様に思われるのだ。

むしろ、もし直の解答をポンポン作中でも出してくれるなら多くの読者達が読み解くのに苦労しないのではなかろうか(それが楽しみでもあるんだけど)

 

そのため個人的にはパズルで提供されたその設定集は、作者が実際の物語の肉付けをする前の仮設定で、そこから実際に詳細を考え検討を重ねていく中で変化しているのではないかと考えている。

 

以前の記事でも書いたが、作外情報を引用する人作外情報を引用しない人(ブログ主がこちら側)が居て、その両者は交わりづらいと思われるのです。

例えば「ノブナガ=強化系」ファンブックやらアニメやらソシャゲ等で示されており、今回パズル情報ではさらに「強化と変化の間に位置(強化系寄り)と示されてしまったが、作中からはその様には読み取れない(作中からはむしろ逆方向に近い“操作系”の様に思われる)

しかし前者後者がその理由を尋ねても、答えは単純明快で「そう書いてあるから」に始まり終わってしまうだろうし、前者作外情報を元に解釈をするため、解釈の幅が異常に狭まる上、“おかしな情報”との帳尻合わせに終始する様に思われるのだ。

加えて、もはや原作を読む必要がない様にも感じてしまう。

 

もちろんのこと、どちらが正しいかは“現時点”では分からないかもしれません。

ただ、ノブナガが漸くその能力を披露しそうな流れなので、ひとまずその描写を見てから改めて考えるのでも遅くない様に感じました。

 

そんなところで今週以上。

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