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“絶”状態での念の使役について

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カミーラさんの時点で、“絶”状態での念の使役ってのは登場していたけれど、これまでの念解釈で処理できたのでスルーしていたが、先週可能性はゼロじゃないけど作中根拠に乏しいとして排除していたものが実は正解だったなんてことがあったので、若干ビクビクしていたりする。

 

念とはオーラを自在に操る能力あるいは技術(※オーラ=生命エネルギー)で、基本的に体外に出したオーラで以て使役されるというのが従来の考え方である。

“基本的”にというのは、

(ゴンが放出系の修行をしている際の)体内オーラの流れを操作するといったことや、

(絶状態が)極度の疲労をいやす時などに効果があるなども、広義で言えばオーラの使役=念と言えてしまうからで、誤解を恐れず平たく言えばは“発は体外オーラ(AOPEOP)で行われる”といった感じだろうか。

 

先週の反省も踏まえると、体内オーラ(POP)でも可能…な方法も考える必要があるのかもしれないが…正直、これまでの念描写にも合致するPOPで起動する発”としてしっくり来るものが思い浮かばなかった。

 

今のところの所感としては、停止条件付きの念能力や半具現、不可視の具現物(≒ステルスドルフィン)あたりでカミーラやツニキ(ツェリードリヒの兄貴の略)の能力は説明できそう。

 

※一応、関連記事

停止条件付きの念能力や半具現絡み

ステルスドルフィン絡み

 

ツニキで考える。

まず絶を解除すると、ツニキの念獣(馬)はすぐに復活しており、訓練の中で何度も絶とその解除を繰り返している状況から、絶の度に具現化物の解除絶の解除に伴い再具現を行っている訳ではないだろう(SOCとの兼ね合いから)

つまり、念獣(馬)は半具現状態でその場にいると思うのだが、この子に停止条件を組んでそれを起動できるオーラがあれば成立する様に思われる。

念解釈の絶の項目でも若干触れていたが、

絶の際、それまで纏っていたオーラはどうするのか。

天空闘技場でのゴンは、当時念技術に乏しいこともあって捨ててしまっているだけだったが、この纏っているオーラを発に使用して精孔を閉じれば絶状態になれるだろう。

AOPを発に使用し、同時にPOPからSOCが消費され、すぐさま全身の精孔を閉じる、といった感じだろうか。

これまで念の四大行に含まれる割には隠密や部分絶(硬などで使用)ぐらいにしか使われないので絶の位置付けにやや疑問があったが、迎撃型(カウンタータイプ)や制約と制約絡みで実は典型的な使われ方の1つなのかもしれないですね。

 

話を戻すとツニキの場合も絶の際に纏っていたオーラを捨てているのではなく予知夢の能力に供しており―恐らく正確には念獣がそのオーラを食べるなどして蓄えて停止条件が満たされるまで半具現(スリープ状態)に入り―停止条件が満たされる(目を閉じる)と発動する、といった感じだろうか。

予知夢がTPS視点でかつテータの飛ばしたオーラの球も視認出来ていることから、サイレントマジョリティーの様に何らかの具現化物と視点を共有している様に思われる。

位置や高さ的にお馬さんというよりも、不可視の具現物(≒ステルスドルフィン)化しているお腹に666と刻まれていたアメンドーズみたいなもう1つの念獣の様にも感じられた。

―しかし、アメンドーズが出現したのはモレナへの怒り(不快感?)がきっかけの様だし、テータはアメンドーズにおぞましさを感じていたため、あの子の能力は防御型ではなく攻撃型なのだろう。すると王子を守ろうとする性質的にもお馬さんの方が自然だろうか。

 

先週わかった特質系の性質を踏まえれば、カミーラもツニキも放出系から遠くはない特質系能力者と捉えてEOP型の能力、それもEOP型の寄生型と考えればもっと楽な気がするが、特質系能力者である以上最高でも20%の無駄が出るのでAOP型で検討をした。

“絶”状態での念の使役の方法はいくつかパターンがありそうだが、考え出すとやはり面白い。これぞハンタって感じがする。

 

―これからツニキは能力を開発していく様だが、あの能力がどこまでできるのか、返し(制約と制約)は何かが気になるところです。


水見式について

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先週、先々週に引き続き、今週のNo388(WJ50号)でも潜在的な疑問がまた1つ解決した。

緩く言えば水見式で自身の念系統を偽れるか、という疑問への回答(?)

 

これもブログ内のどこかで書いたと思うが、探すのが面倒なので問題を再作成する。

 

度重なる虐待に耐えかねた結果、子供が自分の心を守るために―実の母親がくれたが継母に捨てられた誕生日プレゼントの人形―クマのぬいぐるみを具現化できるようになったとする。

その後、紆余曲折を経てハンターに助けられ、そのハンターと暮らすことになり、元々無自覚ではあるが念能力に目覚めていたこともあり念修行を始めた。

そんな子供が水見式をした場合どうなるのか。

 

前提的な設定として、その子供の本来の念系統は変化形だが、その時点での念レベルは変化形Lv.1、具現化系Lv.3として、子供を助けたハンターは強化系とする。

また水見式の系統別の結果をその子供は他のハンターから聞くなどして把握しており、長い虐待生活の中で―周囲と違うことをすると叱られるため―他者、とりわけ愛されたいと望む者と同じ様に振る舞わないといけないといった強迫観念に駆られていたとする。

果たしてその子供が水見式をした場合、水の味が変わるのか、それとも不純物が出現するのか、はたまた育てのハンターと同じ様に水の量を増減するのか

 

従来の回答としては―

水見式は“発”の修行の一種でもあることから、水の入ったコップを自身のオーラで覆い“練”することで起こる消極的発(オーラが無意識に与える他へ影響)をより顕著にさせようと意識することで、積極的発(意識的に使う発=いわゆる念の“発)の成長を促すものと考えられる。

つまり、その時点で具現化系が得意だとしてもその子供のオーラは変化形に属するから不純物が出現することはない。

また最初から積極的発を行えば、変化形能力者は強化系の発も使用できるから水の量を増減させることも可能(自身の系統を偽れる)

―というものだった。

 

それに対して今回示されたのが―

ビルの水見式+αである。

 

結論から言えば今回の設問の正しい回答は、子供は水を増減させることはできるが、水の味も変わってしまう―といったところの様だ。

まぁ、今回たまたま選んだ系統が変化形だったので、水の増減が起きていればわざわざ水の味は確かめられない可能性も十分あるためバレないかもしれないが(笑)

 

水見式のミソはオーラで覆う(触れる)ことにあり、それによって消極的発は自然と起きてしまうのかもしれないですね。

【検討】「体は全部知っている(ボディアンドソウル)」について

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アメンバー限定公開記事です。

HUNTER HUNTER No.381-390 part.01

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そろそろ再開するんじゃねーか、いや、してくれよと願いを込めてのNo.381~390の振り返り+感想。

※本誌情報に基づいているため、単行本で修正があった場合はこちらの記事も修正が必要となる可能性あり。※修正するかは別

 

【もくじ】

■part.01(この記事)

┣おおまかな進捗

┣2名の王子が死亡

判明した守護霊獣と能力

┣特質系能力について

┣ツェリードニヒ関連

┗呪憑型の念能力

part.02(次の記事)

┗ハルケンブルグ関連

part.03(次の次の記事)

┗ハルケンブルグ関連残り

 

◆おおまかな進捗

・サレサレとカチョウが死に、残った王位継承者は11名となる

ハルケンブルグは継承戦辞退を宣言していたが、継承戦中止は不可能と腹を括り、一転、継承戦の台風の目となる

ツェリードニヒが2つの能力を発現させる

カミーラは全王子分の“暗殺呪詛”をしうる私設兵を抱えていた

・クラピカの念講習会(1回目)が終盤に差し掛かかり、受講者全員が念能力を開花。しかし暗殺犯は判明せず。

・カキンマフィアの抗争開始。

 

◆2名の王子が死亡(残り11名)

■第8王子サレサレ

→第一王子ベンジャミンの私設兵の能力によって守護霊獣を食われ、無防備なところを(念能力で)毒殺された

 

■第10王子カチョウ

→個人的な感情とミザイストムの極秘指令(“「カチョウフウゲツ両王子の」「逃走を」「全力で」「サポートしろ」)から、H協会員のキーニとセンリツはカチョウとフウゲツを救命艇に乗せ逃がそうとしたが―念能力を用いた王位継承という儀式からは普通の方法では逃げられないのか―二人を追ってきた謎の無数の手によって殺された

※フウゲツはカチョウに助けられ、先にBW号に戻ることができてひとまずは助かった。

 

・カチョウの死体はどうなる?

カチョウの死体は海上の救命艇の中にあるが―霊獣がカチョウに成り代わっていることもあり―カチョウの死が発覚した時には遺体の捜索が不可能な状況に陥っている可能性が高い(超広大な海のどこかを彷徨っている)

 

しかし王位継承の儀式においては、

「死んだ王子」にも役目がある様子であった。

 

過去の継承戦でも逃亡を試みた王子は居たであろうし、その逃亡先で死んだ場合など、そもそも想定されていた様に思われる。

カキンは古代国家であることから、初期の王位継承戦の時代に小型のGPSなどを体内に仕込むことは難しいため、壺中卵の儀の卵は念によるマーキングにもなっているのではなかろうか。

あるいは、モモゼの棺から伸びた先にオーラの様なモノが灯っているため、必要なのは「王子の肉体」というよりも、「王子のオーラや魂、王子に貸し出された卵(初代のオーラ?)であり、肉体の回収はそもそも必要ないのかもしれない。

その様に考えると、カチョウ・フウゲツに迫っていた無数の手過去の王位継承戦で敗れ、壺に取り込まれた祖先達の手で、カチョウはその手に捕まり魂やオーラなどを奪われたため絶命したのかもしれない。

 

現状真相は不明だが、カチョウ・フウゲツの逃亡劇は“キーニ協会員に脅されて無理やり救命艇に乗せられそうになった海に出ていないことなっている

救命艇が1つないことに気づかないハズもないため、もしかするとあの時点で回収済&情報統制が行われているのかもしれない。

 

◆判明した守護霊獣と能力

■第10王子・カチョウの霊獣

→(条件を満たすまで)無形 (※現在はカチョウの姿)

 

・能力名:「2人セゾン(キミガイナイ)

→カチョウ・フウゲツの内、どちらかが死ぬとその者の姿となり、もう一方が死ぬまで側で守る。

※カチョウ自身が死んだためカチョウの姿となったが、まだフウゲツはそれを知らない。

 

■第11王子・フウゲツの霊獣

→ワーム状で、かなりの長さを持っている様子だが全体像は不明。

 

・能力名:「秘密の扉(マジカルワーム)

→二人が幼い頃に遊んだアスレチック遊具「魔法の抜け道(マジックワーム)」に由来する空間移動能力でカチョウ・フウゲツによる相互協力型の能力。

イメージした目的地への「行きの扉」は妹フウゲツが操り、「帰りの扉」は姉カチョウが操る

 

■宿主不明の霊獣

カチョウ・フウゲツの霊獣が明らかになったことで、残ったクラゲ型の霊獣の宿主=第14王子ワブルとなりそうだが―、

第12王子モモゼの霊獣や、

第6王子タイソンの霊獣の様に複数の形態(?)を持つタイプもいる上、クラピカやバビマイナがワブルの念獣を確認出来ていないと話す以上、クラゲ=ワブルと確定するのは早いのかもしれない。

 

クラゲ≠ワブルとするとあの場で偵察に来ていた―

第13王子マラヤーム(魚龍)

第12王子モモゼ(ドーモ君)

第11王子フウゲツ(ワーム)

第6王子タイソン(目玉ジャクシ)

―上記4名は除外可能だろう。

 

第10王子カチョウの霊獣は無形のため除外。

第9王子ハルケンブルグはこの時点では継承戦不参加の考えを持っており他王子への偵察の必要がないため除外。

第8王子サレサレは今回死亡し、もう出てこない王子の念獣の描写を残すこともしないだろうから除外(そもそも“自分が自分が”の王子であった)

 

第1~5王子に関しては幼くて武力も政治力(コネ)もないワブルを警戒する必要がないため除外、と言いたいところだが、「実質は上位5人のサバイバル」と発言していた第5王子ツバッペがかなり警戒心が強い人物の様子のため、一応残す。

そして最後に残ったのが第7王子ルズールス

当初、薬物でラリっていて頭が働かない様な人物かと思われたが、意外と理性的な部分もあり、霊獣の能力が「標的の欲望を具現化し罠を張る」というもののため、ルズールスの側にいる霊獣とは別に標的を誘惑する分体の存在匂わしているため個人的に本命。

 

◆特質系能力について

これからの話題に関わってくるため予め触れておこうと思う。

※過去の関連記事:特質系能力について(仮)

 

■特質系能力の中核(?)

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通常、具現化系能力は大変なイメージ修行を経て成されるハズだが、

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一部の能力者達は“瞬時に具現物を発現”させている。

ピトーは特質系能力者であり、ヂートゥの系統は明らかになっていないが「蟻」の血統的に特質系の可能性も十分あろう。

また後述のツェリードニヒも特質系能力者である。

 

既出の特質系能力とその術者、またその願望の相関関係、アルカ(ナニカ)の能力から受けた印象からの発展・仮説に過ぎないが、特質系能力の中核は「願望の成就・現実化」なのではないかと考える。

それが正しいかどうかは不明だが、当ブログではその仮説を前提に進めていく。

ただ、この「現実化」の可能範囲(レベル)は―私(筆者)とビルゲイツが「何でも買ってあげる」と言ったときの限界の差と同じ様に―能力者のレベルよって異なると思われる。

また、特質系能力は意識的・無意識的な着想からの発現が早い一方で、特質系能力はあくまで願望成就・現実化が優先されるためか、その過程や手段は考慮されず、術者は想定外の落とし穴を抱えることもある上、思わぬ代償(制約と制約)を支払う可能性もある様だ。

クロロの「盗賊の極意(スキルハンター)の様に後からその制約と制約を変更することも可能な様だが、どこまで融通が利くかは不明である。

 

■特質系能力の念取習得率について

※過去の関連記事:特質系能力について

特質系能力者の念習得率は、特質100%、操作・具現80%、放出・変化60%、強化40%でよいと思われたが、No.386においてクラピカが―

“私のようにどの系統か判別のつかない特質系…”

―と述べたのだ。

 

他系統と同じように念の習得率が“1パターンならばこの発言とはならないため、クラピカの師匠が―

“(特質系が)なぜこの位置にあるかっていうと後天的に特質的に変わる確率が高いのが両隣の具現化系と操作系だからだ”

―と触れていた通り、特質系は必ずしも具現化系と操作系の間に位置するわけではない様だ。

 

つまり、六性図を無理やり1つにすると―

―という形になるかと思われる。

 

カキンの王族(二線者含む)は血統的に特質系が多いのだろうが、強化系寄りの特質系もいれば、操作系寄りの特質系もいるため、能力の解釈においては注意が必要となるかもしれない。

 

◆ツェリードニヒ関連

■霊獣の能力

3回の嘘で対象を「人間ではない何か」=「ツェリードニヒの手駒」に変質させる能力

最初の嘘で、傷をつけ(マーキング)をして

2回目の嘘で、言葉と呪瘡のような(しるし)で警告する。

 

成り立ちや内容は大きく異なるが、

ザザンの「審美的転生注射(クイーンショット)に近しい能力なのだろう。

 

テータは2回目でリーチの状態。

3回目を満たし変貌を遂げる前に自殺しそうな気もするが、能力自体に自殺防止が内包されているか、後述の別の能力で自殺を止められてしまう様な気がしないでもない。

ツェリードニヒの趣向を考えると禍々しい姿に変貌すると思われるが、“コレクション”の役割を果たすため、恐らくそれが“テータだとわかる変貌”を遂げるのではなかろうか。

 

■ツェリードニヒの能力―その1

お腹に666(ナンバーオブビースト)が刻まれた厨二心溢れるアメンドーズのような念獣。

 

自らがケツモチを務めるマフィアの組長、

モレナ=プルードの造反が露見した際、ツェリードリヒの怒りに呼応するようにして発現した、本人の自覚なく具現化された“特質系の念獣

 

テータが感じた“おぞましいオーラ”や発現した状況から、儀によって生まれた守護霊獣に対して、“他者を害する”ことを目的とするのだろうが、その能力はわかっていない。

 

■ツェリードニヒの能力―その2

目を閉じて絶を行うと未来予知と未来改変できる能力

ネタでよく使われるNARUTOのイザナミならぬ、イザナギに近い能力。

 

◎能力について―その1

丁寧に説明しようとすると逆に難解になってしまいそうなので、誤解を恐れず端的に言うと、絶をして目を閉じると一瞬で10秒分の未来を視ることができ、目を開けると10秒間の未来改変タイムを得る能力―といった感じだろうか。

 

一応詳細。

ツェリードリヒ(以降ツニキ“ツェリードニヒの兄貴”の意)のこの能力は大きく2つの段階を踏む。

 

・1段階目:未来視 (ex.自分がテータに頭を撃ち抜かれる未来を視る)

ツニキは絶をして目を閉じると、まず“未来を10秒間分”視ることができる

心滴拳聴に類する現象なのだろうが、この10秒は“刹那の10秒”と言われ、現実世界では“一瞬の出来事”であるため、ツニキは一瞬で10秒分の世界を先行することになる

この未来視は最初の一瞬で止めることもできれば、20…30…40秒とそのまま続けることもでき、好きなタイミングで止めることができる

基本的には「自分がやべー時」、あるいは「自分にとって有利な時」(相手に大きな隙が出来る時)、に2段階目に移行する。

 

・2段階目:未来改変 (ex.テータの銃撃を回避)

目を開くと、ツニキは未来視していた“直前の10秒間”を追体験することが出来る

目を開ける直前の10秒間は“確定した未来として固定される様で―録画された映像を見ているかの様に―相手は“直前の10秒間と同じ行動”をする

しかし、ツニキだけは“異なる行動”を起こすことが可能で、かつ相手にはそれが認識されない(ex.テータには、自分がツニキの頭を打ち抜いた世界が見えている)

そして未来視していた10秒間を、目を開けて実際に追体験する“通常の現実世界の流れ”に戻る。

 

―これがツニキの“未来改変”の能力の一連の流れで、ひとまず連続使用が可能ではあるが、制約と制約の内容など不明点は多い。

 

◎能力について―その2(各種疑問)

・未来改変時、念の使用は可能なのか

明確ではないが、テータの暗殺を回避した際の様子はとても冷静ではなかったため、絶の技術がまだ完璧ではないツニキがあの時も絶を維持できていたとは思えないのが正直なところである。

そのため、恐らく未来改変時は念の使用は可能かと思われる。

 

・未来確定の範囲はどこまで及ぶのか

全世界に及ぶとなると、必要なエネルギーも膨大である上、無駄とも言えるため、恐らく未来視の“視界の範囲”かと思われる。

 

・未来改変時、他者を害することは可能か

未来改変時、能力が及ぶ対象は録画の様に全く同じ行動をするため“隙だらけ”である。

もし未来改変時にツニキが念を使えなかったとしても、銃や毒などの道具を使えば容易に対象を殺すことも可能である。

この能力の制約と制約がわかっていないため何とも言えない部分もあるが、そこまで出来るにはしてはツニキのリスクが「絶状態で目を瞑る」だけではリスクが小さすぎる様に思われる。

(能力の仕様によっては絶状態で目を瞑ることは多大なリスクになるが、ツニキの場合は未来改変で敵からの不利益を受けても覆せてしまう)

そのため、今のところの印象としては未来改変の対象は“ツニキ自身のみ”=他者は害せない様に思われる。

 

ただ、改変タイム中は相手に攻撃出来なかったとしても、未来予知の過程で相手の能力を視ることも出来うる上、10秒の改変タイム終了(当該能力完全解除)時には―相手が“不可思議な現実”に戸惑っている瞬間に―ツニキ自身+霊獣+アメンドーズ(仮)による三重攻撃も行えるのでそこまでデメリットはないかもしれない。

 

・誰の能力なのか

ひとまずツニキの能力として進めたが、本当にそうなのだろうか。

ツニキは「あらゆる想定」が早く深いため、テータから提案された“絶”の訓練に対して内心強い警戒をしていたならば、特質系能力として無意識に発現した可能性もあろう。

ただ絶状態での念の使用には、一定程度の念への理解と技術が必要かと思われる。

ギド戦でのゴンは、使用できる能力がないことに加え念知識がないこともあり、絶する際に纏っていたオーラ(AOP)を捨てていた様に思われる。

しかし、絶状態で念(発)を使うためには、絶をする際に“纏っていたオーラ”を捨てるのではなく、“使用する発に供し”停止条件を付与する必要があるかと思われる。

しかしながら、まだツニキはそこまでの念知識と技術がなく、無意識で行うには無理があるのではなかろうか。

 

可能性1:未来予知&改変=霊獣の能力

未来視の視点がやや俯瞰というべきか、目線が高いのである。

絶の修行に対し霊獣は強い警戒心を示しており、危険回避の能力を託していたのであれば、絶時の“仕込み”は霊獣がやっていると考えればよく、霊獣の目を通して視ていることとなるだろう。

※過去関連記事:半具現や停止条件付の発について

 

この場合、未来改変時に他者を害することができたとしても他の王子を殺すような未来改変はできない可能性があり、能力の穴に土壇場で気づくことになるのかもしれない。

 

可能性2:未来予知&改変=ツニキの能力

現状ではツニキが意図的に絶時の仕込みをすることは難しいと思われるが、能力の管理者のような存在が居さえすればいいのである。

このパターンだと霊獣、アメンドーズ(仮)に続き、もう1体具現物(恐らくクラピカのイルカと同じで不可視タイプ)が出現していることとなる。

もちろんそれをアメンドーズ(仮)が担っている可能性もあるのだろうが、恐らくアレは腐りきった攻撃型かと思われるため除外した。

 

◆呪憑型の念能力

カミーラの私設兵達が持つ死後、対象を呪い殺す能力。

標的(各王子)の写真・衣類、体の一部等を携帯し、出来るだけ長い期間、出来るだけ標的に近い距離で想う程呪力が強くなる。

術者の死で能力が発動し、理想は標的の目前で自死することである。

 

■能力形成の背景

古代国家であるカキンには、過去「死後伴侶」という特異な殉葬が存在した。

死後伴侶とは国王になれなかった王子が死んだ後に怨霊となって国王や国にたたらないように黄泉の王子を監視する為、共に埋葬された異性を指し、“王子の伴侶”という名誉とは裏腹に不可持民という生涯不変の身分制度の更に下層の者から強制的に選定された。

現在では死後伴侶は廃れたが、不可持民の地位は向上されず、公職ましてや上級公務員である軍人になるこては絶対に不可能であった。

しかし第2王子カミーラはその不可持民全員に対し、私設兵に就く機会を与え、私有地を設けた特区に於いて軍兵と同等の地位と権利を与えた。

これにより、被差別民からのカミーラへの圧倒的な支持と共に私設兵の中から自然発生的に死後伴侶復活の声が上がり、念能力と合体する事で、より強力な暗殺呪詛へと形態を変えたのだった。

 

→要領オーバーのため、part.02へ続く

HUNTER HUNTER No.381-390 part.02

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【もくじ】

part.01(前の記事)

┣おおまかな進捗

┣2名の王子が死亡

判明した守護霊獣と能力

┣特質系能力について

┣ツェリードニヒ関連

┗呪憑型の念能力

■part.02(この記事)

┗ハルケンブルグ関連

part.03(次の記事)

┗ハルケンブルグ関連残り

 

◆ハルケンブルグの覚醒

革命(父・ナスビの殺害)によって継承戦を中止させようとするも

ナスビの霊獣によって阻まれ(ハルケンブルグには見えない)

自身の死によって継承戦離脱を試みたが、それもまた自身の霊獣によって阻まれた。

かくしてハルケンブルグは継承戦参加を決意し、それに呼応するように能力が発現した。

■能力名:不明

■能力の内容

→霊獣の力で束ねられた臣下のオーラを強力無比な鎧と化し、自らのオーラは弩に変え、矢に意思を込め敵に放つ、攻防一体の能力

 

放たれた矢は―臣下一名の肉体と引き換えに―敵のあらゆる防御を貫き、その肉体から「意思」を奪う能力と言われ、ベンジャミン私設兵によると、その矢の威力は単純に破壊力にとして換算すると「音速を超える直径5cmの火球級」と推定される。

誰が矢に選ばれるかの法則は不明で、矢となった者の魂は貫いた敵の体に宿る。

 

■能力について―その1

この能力の主系統は放出系と言いたいところだが、ハルケンブルグ自身の念系統は恐らく強化系と放出系の間に位置する特質系だろうから、20%も無駄にしていることになってしまう。

しかし、この能力は自身と特に臣下の命を用いることになるため、ハルケンの性格=願望と一致しない様に思われる。

通常オーラを念弾のように用いる場合、AOPから切り離す(EOP化=放出系)のが一般的かと思われる。

しかしハルケンの場合、霊獣の能力のおかげでAOPが潤沢にある上、矢を放つ際に自らの肉体を強固なオーラの鎧で守ることができるため、矢は切り離さずAOPのまま使用するデメリットは少ないのかもしれない。

 

或いはEOP化しているが、霊獣の相互協力型の能力のおかげで、臣下のオーラ量が120%以上になっているため、威力・精度が20%落ちていても、実質的に無駄になっていないのかもしれない。

―ただそれは形骸的な話であり、臣下の命をその分無駄にしていることには変わりないため、EOP化しているならばハルケンの性格を鑑みるとこの能力使用時は放出系を100%の威力・精度で扱えるようになっているのかもしれない。

しかしながらAOPのままだった場合、威力・精度の減衰を避ける以外にもう1つの重要な利点が生まれる様にも思われる。

 

ひとまずハルケンの能力を緩く考えると、念系統は放出強化(霊獣の力を基礎に置くため)、操作(少なくとも同志にルールを強いているため)、特質(発現由来)―、EOP化していないなら放出は抜かせるかも、というところだろうか。

ハルケンが用いる弩の弦の部分は変化形の可能性もあるが、ハルケンの持つ“モノを早く飛ばすイメージ”と相俟って、矢を飛ばすための助け(制約と制約)として、その形を取っているだけかもしれない。

 

■能力について―その2

ハルケンの矢は臣下の1人(ランダム?)を矢として放ち、敵を打ち抜いた後、矢となった臣下の魂(?)が打ち抜いた敵の体に宿る。

一射目は臣下のスミドリが矢に選ばれ、シカク(ベンジャミンの私設兵)を撃ち抜き、スミドリの魂(意識?)がシカクの体に入り込んでいた。

 

◎シカクの魂はどこに行ったのか

ハルケンらは念知識がないながらも―

①死=消滅

②スミドリと肉体が入れ換わる(スミドリの体の中にいる)

③シカクの肉体で(スミドリと)共存(スミドリが主導権を持つ)

④他のどこかへ(誰か)へ

―上記4つの可能性を考えたが、ハルケンは自身の能力を「運命を受け入れ覚悟を決め…その直後に覚醒した能力を継承戦に勝ち残る為の能力だと確信していると前置きをして、その上でこれから話す仮説をしっかりと頭に入れてくれ」と臣下達に何らかの話をして、能力の検証を開始した。

 

◎ハルケンブルグの検証と思惑

ハルケンブルグはスミドリが入ったシカクの肉体で命を絶たせることで、スミドリの肉体に誰が残っているかを確認を行ったが、

―残念ながらその答えは今回の連載では明かされなかった。

 

◎色々検討

不明瞭な部分が多いこともあり、総合的に考える必要がありそうだ。

まず、ハルケンは覚醒した能力を継承戦に勝ち残る為の能力だと確信していると話していたが、ハルケンらが最初に検討していた①~④だけではとてもではないが勝ち残れない様に思われる。

 

まずハルケンの能力は相互協力型で、

(マーク)がある者としか使用できない。

しかし、この記はハルケンの霊獣から攻撃(干渉?)を受け、かつハルケンと“同じ志を持つ者=同志”でないと定着しない様である。

つまり、継承戦の性質上“同志”を増やすことは難しく、使用回数の最大は―私設兵の数―14回(恐らくハルケン自身も矢になることが可能なため15回)ということになり、No.382で1回、No.389でも1回使用したため、もう残り12(13)回しか使えないことになってしまう。

 

加えて、ハルケンの能力が相互協力型であることは第1王子ベンジャミン側にバレている上、今回の覚醒に伴い一気に悪目立ちしたため他の王子達(特に同じ母親を持ち好戦的な第2王子カミーラ)から狙われる機会も増え、私設兵から先に暗殺されて行けば能力の使用回数はさらに減り、人数が減れば威力にも影響が出る可能性もあろう。

※人数が多いほど負担が少ないだけで、人数が少なくても威力は同じその分削られる命(?)の量が増えるだけという可能性もありうる。

 

そのため、ハルケンの言う通りこれが“継承戦に勝ち残る為の能力”ならば、まずはこの使用回数の解釈が異なるのではなかろうか。

そもそも本来、的に向かって放った後は回収出来る様に、“矢”とは複数回使用できるものである。

そうだとすると、スミドリが入ったシカクの肉体で自死させた後、スミドリの肉体に残っていたのはスミドリ自身の可能性がある。

ハルケンらの検討でいうと、③の「(スミドリの魂は)シカクの肉体で共存」で、「対象(シカク)が死ぬと矢(となった者=スミドリ)が戻ってくる」という感じだろうか。

しかしながら当然、通常、矢は複数回使用できるモノではあるが何らかの理由で破損、使用できなくなることもあるだろう。

制約と制約、矢となった者の命(生命力)の限界、事故や失敗、想定外の能力の穴など様々な理由が考えられる。

 

―さて、ここで少し話を戻す。

果たしてハルケンの矢は「放出系能力」なのだろうか。

クラピカやベンジャミンの私設兵は、ハルケンの部屋から発せられる“オーラの鳴動と共に起きた強大なオーラの畝り放出系の特徴を有していると言う。

クラピカ先生の詳細な説明によれば、“膨大なエネルギーが爆ぜる様に一瞬で消えた…放出系の能力を使った時に多く起きる現象”とのことで、必ずしも“放出系の発”とは言われていない。

 

この特徴を有する鳴動は4度あり―

1回目:(仮)

2回目:No.382 シカクを撃った時

3回目:No.386 シカク自死の時(仮)

4回目:No.389 ビクト(同じくベンジャミンの私設兵)を撃った時

―2回目と4回目は矢を放った時と判明しているが、1回目と特に3回目に関しては明確ではないかもしれない。

 

しかし、あの能力を得たのはNo.382の時であり、それ以前にも鳴動が起きていることから、「鳴動=矢を放った時」ではないと言えるだろう。

3回目に関しても、もし矢を放っていたとすると―ベンジャミン私設兵の「(シカクの)発砲音とほぼ同時に鳴動が止んだ」という情報から―スミドリの中に誰が入っているか確認する前に誰かを撃っていることになってしまう。

スミドリの中に誰がいるかによっては、次の検証方法を変える必要があるにも関わらず、だ。

そのため、3回目の鳴動の時も矢は放っていないことになろう。

 

そのため、4回の鳴動の内実は―

1回目:No.375 暗殺された第12王子モモゼへの黙祷の時

2回目:No.382 シカクを撃った時

3回目:No.386 死にゆくスミドリへの祈りの時

4回目:No.389 ビクトを撃った時

―となるかと思われる。

 

そして、“膨大なエネルギーが爆ぜる様に一瞬で消える”という特徴は、

霊獣の力で「異常に高まったオーラ量」「通常時に戻った」時の“落差”がそう感じ取られてしまっているだけではなかろうか。

 

ここで、ハルケンブルグの能力がAOP型だった場合(≠放出系能力)のメリットについて考えたいのだが、念のため当ブログの解釈について改めて触れておく。

 

〇放出系能力について

念能力は基本的には体外に出したオーラ(=AOP)で使役される。

そして、“体から離している状態のオーラAOPの一部として考えられる様で、

分散した状態のオーラは一度回収しなければ能力者は再度自由に用いることができない様である。(ex.レイザーやモラウ)。


では、放出系能力者が全オーラを用いて念弾を放った場合、その念弾が目的を果たした(敵に命中した)ならばいいのだろうが、その念弾が弾き飛ばされてしまったり、念空間に取り込まれてしまった場合など、そのオーラを回収するまでは絶状態になってしまうのだろうか

特に後者に関してはモラウが危惧していたことからも、その念弾に使用したオーラの回収自体が出来ない可能性も十分あると言えよう。

ただ、そんな可能性があるならば、放出系能力者は放出系であるにも関わらず、その能力は迂闊に使えないという根本的な矛盾とぶつかりそうである(挿絵で用いたが、シルバ=放出系能力者というわけではない)

 

しかし、これに関してはゴンの「ジャジャン拳パーのあいこ」で答えが出されていると言える。


ゴンが放ったパーはナックルに弾かれまだ生きている状態のため、レイザーやモラウの様に考えれば、弾き飛ばされたオーラを回収するまではゴンは次の技を出すことは出来ないハズだが、ゴンは「あいこ」でグーを出そうとしていた
(実際はオーラ切れで実現できなかったが)

 

つまり、「オーラが術者(or術者のオーラ)から離れている状態」は少なくとも「レイザーやモラウの様なケース」「ゴンのケース」の2つのパターンがあると考えられよう。

作中でその状態を表す言葉がないため、便宜上「レイザーやモラウの様なケース」を“単純乖離”「ゴンのケース」を“放出乖離”と呼び、前者はAOP型=放出系の威力・精度の減衰がなく後者はEOP型=放出系の威力・精度の減衰がある、と考えている。

 

オーラ(物)が手元から離れた時点で放出系の習得率に応じて減衰されるという考えの走りとなったのは、

クラピカの“具現化した鎖は手元を離れた時点で使いものにならない程薄くなり強度も精度も落ちてしまう”という発言だろうが、これが「モラウやレイザーのパターン」だとはおよそ考えられない。

 

結果的には刺した小指の鎖は相手が死んでいるか除念されてしまっているものの、クラピカの本来の目的は旅団を殺すことではない。
そのため、旅団との戦いが想定通りに進めば、
旅団員に刺していく鎖=「分散したオーラ」が増え、後半の団員との戦いでは自由に使える手元のオーラがかなり少なくなってしまうことになる。

 

相手はA級賞金首、当然クラピカも万全の状態で戦いたい。

そのため「オーラを手元から離した」から放出系の減衰が入って使い物にならないのではなく、(手元の鎖の分を除いて)最後まで100%の状態で戦うために小指の鎖のオーラをAOPから切り離すために放出系能力を使う必要があるが、系統的に放出系が苦手だから使い物にならないということなのではないだろうか。

 

さて、同じ様に見える能力であっても、AOP型EOP型かによって様々なメリットとデメリットが考えられるが、AOP型のメリットの1つに“再利用”が挙げられよう(もちろん使い方や制約と制約等によって回収できないものもあろう)

 

そして、今回のハルケンの能力に働くメリットは矢の回収かと思われる。

矢に使用されているオーラは同志たちの僅かなオーラ霊獣の力で高めている(強化している)ため、恐らくAP強化に属するもので、このSP部分は消費されてしまうため回収できない。

かといって強化前の同志達のオーラ(AP)は微量過ぎて回収出来たとしてもメリットは小さい。しかし、矢に使われた同志の魂“再利用”の効果が働くのであれば大きなメリットとなる。

 

ハルケンの仮説も―

―恐らく(シカクの肉体死後に)スミドリの中にいるのはスミドリ」というものなのではなかろうか。

認識番号が具体的に何かはわからないが、恐らく日本でいうところのマイナンバーや、アメリカの社会保障番号の様なもので、スミドリしか答えられないものかと思われる。

ただ異なる肉体に異なる魂が入ることで、記憶が相互に流入しないかなど、様々なリスクを検討するために質問と答えを事前の打ち合わせで「Q:犬は英語で?」→「A:CAT」など、多少捩じっているかもしれない。

何にせよ、究極的には甲の「記」があるかないか、ないなら再度刻印して定着するかで確認は取れるだろう。

ただ一番怖いのは、2つの魂が混ざって戻って来てしまうことかもしれない。

 

うーん、微妙に入らない。ラスト分割。

part.03へ

HUNTER HUNTER No.381-390 part.03

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【もくじ】

part.01(最初の記事)

┣おおまかな進捗

┣2名の王子が死亡

判明した守護霊獣と能力

┣特質系能力について

┣ツェリードニヒ関連

┗呪憑型の念能力

part.02(前の記事)

┗ハルケンブルグ関連

■part.03(この記事)

┗ハルケンブルグ関連残り

 

■ハルケンの能力について―その3

No.389時点で、No.382で撃たれたシカクは死亡しておりNo.389で撃たれたビクトは死亡していないと判明したため、恐らくハルケンの矢自体には殺傷能力はないのかと思われる。

つまり、シカクが死んだのはNo.386シカク(中身はスミドリ)が自死した時か、スミドリの中身を確認した際に中身がシカクでその時に殺されたか、のどちらかなのであろう。

 

―ただ後者だとすると静か過ぎるように思われる。

スミドリの体とは言えシカクは念能力者。スミドリの肉体のオーラ量が少なかったとしても、最低限のオーラは使役できるだろうから、ハルケンの能力の一端をベンジャミンに伝えられるように“抵抗”するのではなかろうか。

またそれに対して、ハルケンらはどのように対抗したのか。

シカクが目の前のハルケンに対して攻撃をしようとしたなら霊獣が守って(殺して)くれるだろうが、シカクも生存確率が低い方法を試さないだろう。

ハルケン付きのベンジャミンの私設兵が突然自死したことで、ハルケンがいる部屋には注目が行く中、銃声やら、さらなる鳴動の話は出ていない(鳴動は銃声とほぼ同時に止んでいる)

そのためシカクの死は、スミドリに体を乗っ取られ頭を打ち抜かれた時かと思われる。

 

◎どのようにシカクの肉体を操作(?)しているのか

ベンジャミン私設兵隊長のマイト曹長によれば、シカクは操作系能力者で、能力発動の際、先ず自身を操作することで自身が操作されるのを防ぐという。

しかし、シカクは自身の肉体の自由を奪われているため、何らかのルールを強いられている=操作系能力の影響化にいると言えよう。

 

①すでにハルケンの霊獣の操作状態にあるため

シカクはハルケンの霊獣から羽の攻撃を受けた様である。

羽を受けた者は記憶補正が行われており、これはクラピカによると対象者に選択の余地を与えつつ術者のために動いてもらう事を目的とするタイプ・要請型の操作系能力者が用いることが多いという。

つまり、この操作がシカクの中で生きているならば、シカクによる自己操作自体は―霊獣の操作の方が先のため―無効となろう。

 

ただマッチポンプ(?)じゃあないが、個人的にはこの①は否定派。

いつだったかこのブログで、自己操作による操作系能力対策がどこまで有効なのか、ということを考えていた。

例えば、私自身で私に「牙を抜かれし者(ベン・ザ・ダウン)という操作系能力を掛けたとする。

能力内容はトイレで小をした際、かつ便座を下げなかった時に発動するもので、便座の下げ忘れをなくすことができる素敵なものである。

では、そんな私にシャルナークがアンテナを刺した場合どうなるのか。

恐らくだが―この程度で防げてしまうなら操作系能力があまりに役に立たないため―シャルナークの操作は有効かと思われる。

まぁ正確言えば、便座を下げ忘れてベン・ザ・ダウン発動中にアンテナを刺された場合、シャルの操作は無効だが、便座を下げ終わった瞬間にシャルの操作が有効になる、という感じだろうか。

印象としては、ハルケンの霊獣による操作が残っていたとしても、“潜在化”している間は他の操作を妨げないのではないかと思われる。

 

②ハルケンの矢が除念の力も備えているため

ハルケンの矢は単純な破壊力として換算すると“音速を超える直径5cmの火球級”と推定されるが、シカクの肉体には何ら損傷がない様であった。

つまり、その威力相当分のエネルギーを“仕掛け”に込めていることになる。その1つが徐念であれば、“早い者勝ちのルール”は関係がなくなる。

 

③シカクの操作能力を逆操作しているため

No.361で言葉として出たものの詳細がわかっていない「能力の逆操作」だが、シカクが自身に行っている操作を逆に操作しているという可能性。

ただ、そんなことができるなら“操作能力は早い者勝ち”とは言われない様に思われる。

 

④シカクの能力の“操作対象自体を破壊(?)しているため

ハルケンは“戦争とは武力により敵国の制度と意志を変えるもの、戦闘とは武力により敵の意思そのものを消す事、武力とは自らの死をも覚悟して使用するもの”と考えていた。

ハルケンの能力が、その思念を現実化したものであるならば、ハルケンの矢は“敵の意思そのものを消す”ものなのかもしれない。

 

―そもそも操作系能力とは、対象の“何”を操作しているのか。

既出の操作系能力の多くは“脳操作”を以て説明できる様に思われる。

しかし、蟻編において“魂の存在”が示されたことにより、操作系能力は“魂への干渉・操作”と言い換えることができるのかもしれない。

 

シカクの自己操作も“自身の魂への干渉・操作”と言えるなら、

【通常時】 【魂→(脳)→肉体】→行動 ※主導権は本人(の魂)

【操作時】 念操作→【魂→(脳)→肉体】→行動 ※主導権は術者

このような感じになるだろうか。

 

そして今回のハルケンの矢は―

【ハルケンの矢】 

(同志の魂)矢─┐

    念操作→【魂(→破損)─×→(脳)─×→肉体】→行動

                      └───────────┘

※魂が破壊(破損?)されたことで主導権は失われ、矢に込められた魂が手綱を握る

―このような感じになるのだろうか。

シカクの自分自身への操作が無効になったわけでも、除念されたわけでもなく、ハルケンの矢でシカクの能力の操作対象である魂が破壊もしくは破損させられ、操作能力自体は有効だがその対象が“壊れているから”正常に作動しない状態に陥ってしまう。

そして、ハルケンの能力は主導権を失った肉体に同志の魂を結び付けるものなのかもしれない。

 

ハルケンの矢がシカクの能力ごとぶち抜いて(破壊?)しているのも、

“心”技体 

「自らの生命エネルギー(オーラ)に自らの“魂の枝葉”を分け与え使役する力」だとすると、シカクの能力の核となっているその枝葉が矢で破壊されたために発が維持できず霧散―砕け散ったと採ることも出来るのかもしれない。

 

まぁ、もう少し真っ当な道を進むならシカクは“操作系能力者”だというから、「遊戯王(カルドセプト)他者の能力を奪うものではないのだろう。

しかし、ベンジャミンは“奴(ハルケンブルグ)の能力を入手せよ”と命令を下していたため、相手の能力をカード化することで能力の詳細を知ると同時にその能力を使用禁止にするだとか、能力を逆操作するような能力なのではないかと思われる。

ただそれは猛犬を鎖で繋ぐようなもので、ハルケンの矢を繋ぎ止めようとしたが無理やり引きちぎられて砕け散った―という感じの方が、スカリーに「あなた疲れているのよ」と言われないで済む気がしないでもない。

 

■ハルケンの能力について―その4

最後の項目だが、情報が少ないためそこまで入ることもできなかったりする。果たして、ハルケンの矢は他の王子に放つことができるのか

 

霊獣自体は直接他の王子を攻撃できない。

そして霊獣から借りているような能力に関しても、「王子が王子を直接殺すような能力を霊獣がサポートする訳がない」と推察されている。

しかしハルケンの矢はどうなのだろうか。結果的にその者を殺すこともできるが、その“矢自体”には殺傷性はない様子である。

それも霊獣の能力を基礎に置くものの、矢の能力自体は恐らくハルケン自身の能力のため、他の王子に放つこともできるのではないかと思われる。

そしてもし撃てるならばハルケンが勝ちうる戦法の1つは、自身の能力をできるだけ把握した後は王子が最後の一人になるまで待ち、最後の王子に矢を放ち、ハルケンがその王子に成り代わることかと思われる。

 

恐らく最低限必要な実験は3つ。

1:撃った相手に乗り移った同志が自殺したら、残った同志の体には誰が残っているか(「シカク―キミドリ」の実験)

2:撃った相手に乗り移った同志の、残った体の方を殺したら、乗り移った同志の魂は撃った相手に定着するか(「ビクトー?」の実験?)

3:他の王子を撃てるか

 

誰が矢に選ばれるかの法則も知りたいところではあるが、自分以外の王子が最後の1人になり、ハルケンが矢を形成した時点で―ハルケン以外の同志は自害すれば―放たれる矢はハルケンになるかと思われる。

しかし大きな問題は、それまで他の王子―特にベンジャミンとカミーラが黙っているかである。

…ハルケンはあの能力に目覚めた時点で、逆に詰んでしまった様な、そんな気がしている。

 

 

感想以上。

GW手前頃に再開情報が出るんじゃないかと、淡い期待を寄せている。

再開まだかえ

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“次の10週分ネームは出来ている”

―なんて休載に入る前に仰っていたので、今回の休載はさほど長くならないだろうと高を括っていたんだけど……思っていたより長い^q^

 

さてそんな訳でハンタニウムが不足気味のため、自家発電してみようと思う。

ブログで扱っていなかったテーマはいくつかあったと思われるが、今回は直近のエントリーの内容でちょっと気になっていた事があるのでそれに触れたいと思う。

 

◆ハルケンブルグの能力について(再)

詳しい能力の系統や内訳はわかっていないが、矢を撃った相手にハルケンの創ったルールを強いているため操作系が入っていると思われるものの、撃たれたシカクも操作系能力者で、能力発動の際、先ず自身を操作することで自身が操作されるのを防ぐと言われている。

 

前回その方法の可能性としていくつか挙げ、その内の1つとして―

シカクの自己操作の前にハルケンの念獣の操作が入っていたため、と言いつつ、ベンザダウンを例に否定した。

でも本当に無理なのか、というのが今回のお話。

 

操作能力の中でも、その対象に操作されていることを悟られないタイプの能力(無自覚な潜入者を作る能力)を考えた時、停止条件付き(元々スパイじゃないが一定の条件下でスパイになってしまう)が想像しやすい。

ベタだが、条件は特定の言葉や特定の周波(音)を聞いた時に操作状態に陥るなんてものがソレっぽいだろうか。適当に特定の笛の音にしておく。

 

ここで確認だが、対象にその能力を掛けても停止条件が満たされる(笛の音を聞く)までは他の操作系能力も有効であろう。

もし、ここで操作系の「早い者勝ちルール」が働いてしまうなら、適当な操作系能力者に仲間が操作できるか全員試せばスパイがいるかどうかが簡単にわかってしまうからだ。

 

さて、その一方で対象が他の操作系能力者に操られている間に、停止条件を満たした場合どうなるのだろうか。

「早い者勝ちルール」を現に発動している順番で考えれば確かに、他の能力者笛の能力になるが、条件が確定期限(例:1/1になったら)だったり、不確定期限(例:〇〇が死んだら)で、その時に効果を発動しなければ意味がない様なタイプの能力だった時のことを考えると、この「早い者勝ちルール」にも―除念以外の―例外がある様に感じられる。

 

そこで参考にしたのが仮登記のシステムで―

不動産を自分の物だと他人に主張するには、登記によって広く社会一般に知らせる必要がある。

しかし、世の中には同じ不動産を複数人に売る様な輩がいる。

登記は早い者勝ちのため、せっかくお金を支払っても、後に買った者に先に登記をされたら先に買った者は負けてしまう。

だからこそ不動産を取得したらできるだけ早くに登記を済ませるべきなのだが、登記を行うのに必要な書類が揃わない時などは気が気でない。

そんな状況に備えて設けられた制度が仮登記というものだ。

仮登記のままでは、まだ他人にその不動産が自分の物だとは言えないが、書類が揃ったときにちゃんと登記をすると仮登記の順位が優先されるのだ。

つまり、先に買った者が仮登記をして、後に買った者が登記をしても、先に買った者が書類などを揃えてちゃんとした登記をすれば、その不動産は最初に買った者が所有者だと主張できる

―というものだ。

 

状況は違うがこれを念に当てはめると、停止条件付の操作能力(笛の能力)が条件を満たすまでに、他の能力者が対象を操作していたとしても、停止条件が満たされたら(笛の音を聞く)、笛の能力が対象を操作できる―なんていう可能性もあるのではなかろうか。

ハルケンの念獣の羽は刻印が付かないであろう者にも攻撃できる。

 

攻撃された者は一定時間意識を失うため、敵に一斉射撃すれば簡単に屠ることもできようが、ハルケンの性格や能力の性質から羽で攻撃した者を害せない―

―復活するまではGIのゲーム機の様な状態になるのかもしれない。

しかし、そうだとすると何のために羽を撃つのか。

 

もちろん、操作系の能力は“条件さえ満たせば勝ち”だからハルケンらは羽を撃った者を害すこともできるかもしれない(あの時点では継承戦に参加するつもりがなかったから敢えてしなかった)

何にしても、あの時は革命を起こす時にシカクに付いて来られたら邪魔であるから、「当てれば一定時間意識を失う能力」は非常に有効であったのだろうが、果たしてアレは「攻撃」と言えるのだろうか。

―便宜上“攻撃”と分類することもできるが、基本的には同志への祝福だろう(それが何目線かは話題が逸れるので置いておく)

 

争いを避けるための能力ならばあの時のハルケンの意思に合致しているが、それならばあの時点で同志を祝福する能力が発現していることには疑問が残る。

また、もし攻撃的な側面があるなら撃った相手を強制的に“同志”にしてしまえばいいわけで、それをしない理由は何なのか。

また同志にならない者だけ一定時間気絶するならまだしも、同志になる者も気絶するのは何故なのか。

逆に言えば、同志になる者“ハルケンとのリンク付け”だとか、ある種の“作り変え”の時間が気絶させられているならわかるが、同志にならない者が一定時間―少なくともハルケンらが自室からナスビのところ行って一悶着起こして帰ってくる時間―気絶する理由は何なのか。

 

さて、その“何か”がハルケンの矢に繋がっているとすると、ハルケンの霊獣が賢過ぎるというか、宿主以上に念の知識と経験を持っている様に感じられるのだが、恐らくそうなのだと思われる。

カキンの王位継承の儀式はカキン王国に伝わる古文書によれば、蟲毒から発想を得て壺を具現したことから始まる様なのだが、

死んだ王子にも役割があることや、

継承戦から逃げようとしたカチョウ・フウゲツを追ってきた無数の手から受ける印象から、

古代から幾度となく行われてきた王位継承戦の敗者達、加えて謎の装置の周囲に棺が14基あることから先代の王(今回の儀式で言えばナスビ)達が壺の中で渦巻き、継承戦で、あるいは王となった者が次王に代を譲るまでに得た念の知識や経験が

―竜の紋章の様に壺を介して脈々と受け継がれているのではないだろうか。

 

先代が壺に込めた想いとはカキン王国の繁栄なのか、それとも―

 

 

そんなところで時間オーバー。

再開するとしたら今年中だろ普通

つーか今年中しかねーよな

今年中だな!?

いいな今年中だぞ、今年中今年中今年中!!

信じるぞ

コラァァ!!

0:目次(ブログ更新)

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◆目次

■0:目次(←この記事)

┣もくじ

┗このブログのスタンス

■1:各種用語・念の習得度と威力精度・メモリ
┣念の攻撃力
┣ブログ上の造語含む各種用語
┣念の習得度
┣念の威力・精度
┗メモリ
■2:放出系能力
┣放出系の特徴
┗◆アイザック=ネテロ
■3:操作系能力
┣愛用品を失くしたら致命的
┣誘導型・要請型・半強制型・強制型
┣口頭での命令
┣操作系の二大ルール
┣早い者勝ちルール
┣念のコンボについて
┗◆ノブナガ=ハザマ
 ┣“何でも切れる刀”は何故具現できないのか
 ┗円の広さ≠強さ
■4-1:特質系能力(その1)
┣特質系の特徴
┣特質系の念習得率
┣イズナビの特質系の説明について
┗相手の念を“使う”のは特質系?
■4-2:特質系能力(その2)
┣◆カミーラ=ホイコーロ
┃┣迎撃型(カウンタータイプ)の能力
┃┣停止条件付きの発
┃┣死後の念(死者の念)
┃┣能力の性質
┃┣迎撃型で強めているもの
┃┣特質系能力の一端(?)
┃┣カミィの念系統
┃┗カミィの今後への期待
┗ナニカの死罰(デスペナ)について
■4-3:特質系能力(その3:番外)
┗◆フェイタン=ポートオ
■5:具現化系能力
┣完具現(アクティブ状態)と半具現(非アクティブ状態)
┣寄生型の念能力
┣完全寄生型と二重寄生型
┣自動型と遠隔操作
┣具現化物のオーラ表現
┣無敵の具現物・ポットクリン
┣条件付きの具現化系能力
┣◆コルトピ=トゥノメイル
┗◆リハン
■6:変化系能力
┣物体にも“性質の付加”は可能?
┣水見式について
┣形状変化≠変化系能力
┗◆ヒソカ=モロウ
■7:強化系能力
┣BP強化とAP(DP)強化
┣拡大と縮小
┣成長と若返り
┗◆ゴン=フリークス
 ┗“ゴンさん”を超えるゴンの姿

*********************************************************

皆さま、おひさしブリーフ。

コロナ禍な昨今、如何お過ごしでしょうか。

 

さて早速ですが本題です。

冨樫さんはアシさん含めて、基本的にはアナログ環境で描いているっぽいので、コロナ禍で色々な影響を受けるだろうから仕方ないのかもしれないが…さすがに休載長過ぎ太郎…^q^

 

今回はコロナ禍で巣ごもりも長期化して来て手持無沙汰なのと、またハンタ欠乏症に罹ってきたので久しぶりにこのチラシの裏的ブログを更新しようと思う。

主たる目的は暫定37巻までで更新された念情報の反映(2nd→3rd)

また、各能力について考えを巡らせることも好きなため、気になった能力者についても触れたいと思う。

そして基本的に1→7と順番に読まれることを想定して書いているため、途中から読むとこのブログ独自の用語や解釈等がわからず意味不明かもしれません。

 

知っておいて貰う必要は正直ないが、一応このブログのハンタ感想の分類。

1st-1:AOPとEOPの区別ができていない(手から離れると具現化物は劣化する)

1st-2:ダメージ算出において、威力・精度を各々加味

1st-3:ダメージ算出において、精度を除外

1st-4:ダメージ算出において、威力と精度を同一視

2nd:fAOP、rAOP、EOP、ROC、SOCの創出・追加に加え、念関連を当時の最新刊情報まで更新

3rd:特質系の核心部分を「願望の成就・現実化」と仮定し、かつ特質系の念習得率は1パターンではないと仮定 (←現行の読み方)

 

また、多少面倒事があったので、改めてこのブログのスタンスについて改めて触れておきます。

特段コメント等しない人は読む必要はないかもしれません。

 

◆このブログのスタンス

大きく2点。

1:軽々しい考察という言葉への自戒

創作物ゆえの不完全さから、いわゆる“考察”が出来る部分と、出来ない部分があり、SNSなどを見るとそれを認識せずに考察という言葉を簡単に使われる方が多い様に思われ、それへの自戒の意味も込めて当ブログは「感想ブログ」を謳っている。

 

2:所詮漫画、されど漫画

基本的に漫画はエンターテインメントであるため、楽しむことを大前提に置いている。

そのため不毛な罵詈雑言の応酬は望んでいない。

一方で「所詮漫画のこと」とは言え、楽しい遊びとして真剣な気持ちで臨みたい。

 

一応もうちょっと詳しく。

1:軽々しい考察という言葉への自戒

たまにこのブログを“考察”と持ち上げて下さる方もいらっしゃいますが、そんな大層なものではありません。

あくまで一読者の感想、ちょっとカッコつけると解釈(どう読み取ったか)でしょうか。

 

ただ、歳を重ねて来ると―仕事や学校で意見交換をする機会がある程度ある方にはご理解頂けると思うが―全くの無根拠の思い付きや感覚だけでは納得出来なくなってきて、

「○○とあるから(=根拠や理由)、〇〇なんじゃないか(=仮定or結論)。」

という様に、自問自答だとしても多少の根拠や理由を求めたくなるのです。

 

しかし、かと言って現実に起きたことでもないから―写真や映像等と違って―各種描写だけを比べて考えることは難しい。

 

例えばある能力者の攻撃力を、その攻撃の結果出来たクレーターを元に比較することは本来的には難しいのではないでしょうか。

まさか作者が1つ1つのクレーターを綿密にキャラクターや建物等との比率を考慮して描いているということもないでしょう。

というより、対象となる物の硬さや、オーラ防御による減衰等も考慮する必要があるため、正確に描けるハズもありません。

多少の妥協―こんなものだろうという―「流れ」の描写も多々あると思われます。

 

またキャラクターの表情等の描写は―長期連載(?)による弊害もあってか―作者のタッチの変化や、まだ完全に定まっていないこともあってか、描いていく内に段々とデフォルメされていくこともあるため、各描写を比べて年代を特定をすることも難しい。

 

さらには作者や編集さんも全ての知識を持ち合わせている訳でもないですからそれによる間違いや、いわゆる漫画的表現もあるでしょう。

はたまた作者自身も完全に検討し切れていないが故に辻褄が合わないこともあるかもしれません。

 

つまり、何が言いたいかというと創作物とは得てして「不完全なモノ」だということです。

そのため、ある描写を現実的な事象として捉えようとしたり、描写や言葉を1つの視点だけで言葉通りに読み取ろうとするとチグハグになりやすい様に思われるのです。

 

しかしながら、まだ未完結の作品ですからまだ未回収の伏線や不明点も多数あります。

それに対して「まだ描かれていないからわからない」と何も考えないで描かれるのを待つだけなのは勿体ないと思いませんか。

まだ描かれていないため、推測の域を出ない―悪く言えば憶測・妄想―となるのかもしれませんが“道中を楽しむ”というのは、創作物を楽しむ方法の1つなのではないでしょうか。

その過程で描写の外に入り込むことも必要だと思うのですが、そこには「作中根拠(描写)に反しない限りで」という絶対的な条件がある様に思います(もちろん自分の中だけだったり、同じ趣向の人達の中だけのものなら問題ないのでしょうけど)

 

また、これはあくまで私の個人的なルールですが、「作中根拠=コミックス情報」のみ、仮定や結論の根拠に使用すべきだと考えています。

※単行本されていない場合は本誌掲載情報を暫定的に使用=単行本化されて修正などされた場合は当然単行本情報を優先。

 

作外の情報としては、アニメやファンブック等何かの講演とかで「作者がこんな事を言っていた」等でしょうか。

それを根拠としない理由としては、解釈が無茶苦茶になるのと面白くないからです。

 

例えば作外で、あるキャラクターの念系統が示されていた場合―作中でその要素がなくても―示された系統と断ずるを得なくなります。

またそれによって、「その念系統にありえるパターン」として考慮する必要も出てきてしまいます。

 

「作者が〇〇と言っていたと聞いた」というのは最悪で、大抵その証拠もありませんし、仮にあったとしても作者がそう言っている以上、それを是とするほかありません。

しかしそれがありなら、もはや作品をちゃんと読む必要がなくなってしまうのではないでしょうか。

 

自分の解釈に都合の良い情報だけ引用して、都合の悪い情報は引用しないというのもその選別基準が不明確ですから、それなら単純に作中描写のみ引用可とするか、全て引用可とした方が明快かと思われる。

しかし後者の場合は解釈の幅が異常に狭まる上、おかしな情報との帳尻合わせに終始するのではなかろうか。

 

加えて冨樫さん発信の情報ならば、一見おかしな情報も検討の余地があるかもしれないという期待もありますが、作外情報の場合、結局作中描写と整合性が取れないことが多い様に感じました。

個人的には作者の検討前のプロットの転用だったり、確認や連携不足だったりが原因の様な気がしています。

 

そして以前ならば、名前のみ作外情報引用ありにしていたんですが(解釈への影響はなく、単純に呼び名がないと不便なため)、もはや作外のみで名前が出ているキャラがマハしかいなさそうな上、マハ=ジグだと私は考えているため不要なのかもしれないと思わなくもない。

ただマハ=ジグと確定した訳でもないので、例外として名前のみ作外引用ありでいいかなと思っています。

いちいち「ゾル家最年長と思われるチビでハゲてる人」と表現するのも面倒ですしね。

 

ちなみに、作外情報を引用するのがダメというわけでもありません。

単純に作外情報を引用する人と、作外情報を引用しない人では話が噛み合わないというだけです。

レギュレーションが違うとでも言いましょうか。

例えば「ノブナガ=強化系」ファンブックやらアニメやらソシャゲ等で示されている様ですが、作中からはその様には読み取れません

前者後者が理由を尋ねても、その答えは単純明快で「そう書いてあるから」に始めり終わる様に思います。

 

と、おおまかにですが、以上の様な理由から主に自戒の意味も込めて、当ブログは「感想ブログ」を謳っています。

 

2:所詮漫画、されど漫画

言って所詮漫画のことなんですよ。

漫画のことなんかに時間や思考を割くぐらいなら、現実を見た方がいいとは思う。

ただ、現実から逃げる様に漫画に没頭してる人なんて極々稀だと思うんです。

(現実世界に比べると、ネット上ではそのような方に出会う確率は多少高いとは思われるが)

 

つまり多くの人がちょっとした息抜きとして、あるいは趣味として漫画に想いを馳せているのだと思います。

その熱量や姿勢は千差万別なのでしょうが、私は遊びも真剣にやりたい方なのです。

 

所詮漫画だからと、「真剣に考えても仕方ない」とか、大して検討もせずに良く分からないことを「作者ミス」と断じてしまうのもつまらないし、そのような人と話しても冷めてしまうだけである。

好きなもの」を、「より楽しむため」にやっているわけですから、できる限り繋がる様に読み方を模索したい

その作者や作品によってそれが出来ないものもあるでしょうけど、ハンターハンターは上手く“遊び”を設けられていると言うべきか、解釈を挟める「言外の余白」あるいは「行間」が多く、それを繋げられる作品だと思います。

作者ミスがあるにしても、それが明確な場合を除いては、基本的にはそれを結論を置くのは最後の最後に取る最終手段。

 

不毛な罵詈雑言の応酬は望んでいません。

好きな作品な訳ですから、より良く読みたいわけです。

一見、矛盾に思えるような描写も視点を変えてみればちゃんと繋がったり、むしろその矛盾としている考えを通すと多くの点でおかしく感じるならば、繋がる考え方を通すべきだと私は思います。

 

加えて意見が異なる場合には、

「何が」「〇〇(描写等)から」「○○と考えられるから(理由)」「間違っていて」、「××(描写等)から」「××と考えられるから(理由)」「こうなのではないか」

という具合に、建設的な交流をすれば、より楽しめるのではないでしょうか。

 

昨今のSNSの利用状態を鑑みるにそのような交流をするのは難しいとは思うものの、それが出来るように当ブログでは多少長ったらしくても理由や、考えの流れを示しております。

 

とスタートから長くなりましたが、コロナ禍の暇つぶしとして、今回いくつかの記事を更新したいと思います。

今回の更新の核となる念解釈の根本部分を何年も前の私のブログから探せというのアレなので、内容が重複する部分もありますが新たに更新予定。

それに伴って以前の記事をお蔵入り(非公開化)するのも正直面倒なので、以前の記事はその当時はこう考えていたという意味で残しておきたいと思います。

 

→■1:各種用語・念の習得度と威力精度・メモリに続く。


1:各種用語・念の習得度と威力精度・メモリ【H×H感想 3rd版】

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←(前) ■0:目次(ブログ更新)

→(次) ■2:放出系能力

 

今回の更新では記事簡略化のためにも当項目の用語を使用していくが―解釈上の造語もあるため―当ブログ外で使うと白い目で見られる可能もあるため注意。

 

◆念の威力

V(速度)×{BP(生身の肉体)+(AP(纏~硬)+SP(発))×MP(制約と制約)}

 

念の攻撃力を正確に出すことは難しいが、大まかなイメージを掴むため、かつ念能力を検討する時には助けになることもあるかもしれない。

主にイズナビ(クラピカの師匠)やビスケの発言やナックルの発言からの仮定の概算式です。

VVelocity速度

BPBody Point:オーラを帯びてない肉体本来の力 ※解釈上の造語

APAttack Point:念攻撃力

DPDefense Point:念防御力

ADPAttack & Defense Point:念攻防力

SPSkill Point:オーラによって加算される力

MPMystery Point:制約と制約によって乗算される力

ばんぶーのブログ-9巻p188

まずイズナビの説明では―

“敵とクラピカの肉体の強さを100とする”

“実際の肉体の強さは人それぞれ違うし、その時の体調によって多少の増減もあるし、戦う場所や状況にも影響される”

―等と話しており、特に体調によって多少の増減もある、とオーラの特徴を話している節があるため、イズナビの説明でいう“生身のパンチ力”“オーラを纏った状態(纏~硬)=念で強化されていない素の状態”と採った。

 

また、ビスケの硬の説明の中でも、硬のオーラのみで顔面が潰れかけたゴンに対して、

“この威力に肉体の力である拳本来のスピードと破壊力を乗せれば、さらに攻撃力は数倍数十倍にもなる!”

と話しているため、作中にはない言葉だがVBPの概念を足しています。

 

ちなみにこの式を作中の例、例えばナックル戦のゴンのジャジャン拳グーに当てはめると―

V(パンチの速さ)×{X(ゴンの拳の硬さ)+(1800(AOP)1800(強化))×1.1超(制約と制約の係数)}

―となるかと思われます。

 

ちなみに、あくまで攻撃力の計算式なのでVを掛けていますが、停止状態の防御力を検討する時はVを計算式から除外するが、計算式の都合上、停止状態のV=1で考えた方がいいのかもしれません。まぁあくまで「なんちゃって式」なので悪しからず。

 

◆各種念略語

MOPMaximum "Oura" Point体に蓄積できるオーラの最大量(最大容量)
POPPotential "Oura" Point体内に残っているオーラ量(潜在オーラ量)
AOPActual "Oura" Point体外に出せるオーラ量(顕在オーラ量)
fAOPfree AOPAOPの内、自由に用いることができるオーラ量 
rAOPrestricted AOPAOPの内、自由に用いることができないオーラ量 
EOPExternal "Oura" PointPOP及びAOPから切り離されたオーラ量(外在オーラ量)
ROCRunning "Oura" Cost臨戦体制時に消費されるオーラ量 基本「1オーラ/秒」
SOCSkill "Oura" Cost発の使用に伴い消費されるオーラ量 

 

MOPPOPAOP以外、全てブログ上の造語。

 

◎オーラ=“Oura”

英語でオーラ=Auraだが、まさか冨樫大先生がそんな凡ミスをするハズないですから、

ばんぶーのブログ

オーラ=“Oura”と採りました。

 

一応の理由ですが―、

そもそも「オーラ(Aura)」という言葉は、なにも念使いだけが使う言葉ではない。

むしろ通常人の言う「オーラ(Aura)」とは「芸能人なのにオーラがない」といったように、“人や物が発する独特の空気や雰囲気”を指して使われることがほとんどであろう。

しかし、その通常人の言う「オーラ(Aura)」は、念使いの言う「オーラ(“Oura”)と全く無関係ということでもない。

 

「オーラ(“Oura”)」の強弱は、

ばんぶーのブログ-10巻p121、28巻p141、N0.326(未収録)

その者の存在感や空気、つまりは通常人でも認識できうる「オーラ(Aura)」に直結してくる。


これを紐解いてゆくと、それは人間の生命エネルギーの力であり、それを自在に操る力が「念」である。

すなわち念使いの言う「オーラ(“Oura”)」とは「“通常人の意識の外”にあるオーラ(Aura)」すなわち「Out of Aura」を指している。

「Out of Aura」縮めて「“Oura”」


―という感じです。

 

◎fAOPとrAOP

当ブログで解釈上創出した造語です。

 

念は基本的に体外に出したオーラAOPを使役する。

しかし、そのAOPの中でも、

一度回収しないと、術者が再度自由に使えないオーラがあることが示された。

それを便宜上、自由に使えるAOP=fAOPと、自由に使えないAOP=rAOPに分けました。

今回の更新ではあまり使わないと思われるが、メモリについて考える際や、念の検討の際には根本的にこの考えを置いています。

 

◎EOP

これも当ブログで解釈上創出した造語です。

 

念は基本的には体外に出したオーラAOPを使役すると書いたが、その例外の1つ。放出系にまつわるオーラです。

AOP(顕在オーラ量)に対してEOP(外在オーラ量)としました。

詳細は放出系の項目で後述。

 

ちなみにfAOPrAOPEOPの当てはめの例。

(※黒子舞想は解釈により異なる可能性あり)

 

◎ROCとSOC

これも当ブログで解釈上創出した造語であるが、

ナックルの解説とゴンのオーラ残量の計算で示された概念を端的に示す為に創出しました。

 

ROC臨戦体制時に消費されるオーラ量 基本「1オーラ/秒」
SOC発の使用に伴い消費されるオーラ量 

の意味で、特にSOCに関しては念解釈の根本の理解に役立つかと思います。

 

◆念の習得度と威力・精度

念は強化系、放出系、変化系、具現化系、操作系、特質系という6つの系統に分類され、人が持つオーラもそのどれかに属している。

そして6つの系統には相性があり、六性図(ろくしょうず)と呼ばれるもので示されており、理論上は自系統の能力だけが100%習得可能で、自系統から1系統離れるごとに20%ずつ習得率は落ちてしまう。

しかし特質系は例外で、特質系オーラに生まれつくか、後天的にオーラの性質が特質系に変わらなければ習得することができず、

六性図の並び後天的に特質系に変わる確率が高い系統が具現化系と操作系だからという理由の様だ。

※特質系の習得率に関しては、暫定37巻にて上図と異なる可能性が示された。詳細は特質系の項目で後述。

 

習得度に加え、念はその相性に応じて「その能力を扱う力=威力・精度」も減少する。


作中の例ではクラピカをレべル10の具現化系力者(100%具現化系能力を扱える素質がある)と仮定した場合、

具現化系をLv10まで、変化系をLv8まで、強化系と操作系をLv6まで、放出系をLv4まで習得可能で(特質系は習得できず)、

それと同じ割合で具現化系を100%まで、変化系を80%まで、強化系と操作系を60%まで、放出系を40%までの威力・精度で扱うことが可能である。

 

この威力・精度という言葉は何に注目するかによって、

“強度・精度”といった具合に、多少言葉を変えることもあるようだ。

 

しかし、多少言葉は変わったとしても言っていることは同じかと思われる。

例えば強化系能力能力で考えれば、100%の精度で扱う事が出来れば100%の威力を出せるし、

具現化系能力で考えれば、100%の精度で扱うことが出来れば100%の強度を保つことができ、その分威力も出せるということだろう。

 

そして、この威力・精度は、

クラピカ(具現化系能力者)が、強化系能力を用いた場合(60%の威力・精度)として、SP=60=“100*0.6(威力・精度)と示さているため、ダメージ算出において同一視して良い様だ。

 

◆念のメモリについて

カストロとの戦いを振り返るヒソカから出た言葉、“容量(メモリ)が足りなくなる”“容量(メモリ)のムダ使い”について。

私はここでいう容量(メモリ)=AOPだと採っています。

 

「強敵」と書いて「とも」と読むケースの様に、ルビの「元の意味」ではなく「先の意味」が優先されるとは思うが、敢えて「元の意味」の方に着目する。

しかし「“何の”容量」なのか。「念の“記憶”容量」なのか、それとも「念の“作業”容量」なのか。

 

「念の“記憶”容量」だと採ると「メモリ」ではなく「メモリー」だとは思うが、「ー(音引き)」は多少の言葉の振れ幅として許容されるので置いておく。

しかし前者の様に採ると、明らかにおかしくなるのではないだろうか。

複雑で大変な能力を覚えると他の能力が使えなくなる―例えばポケモンの様に覚えられる技の上限を4つまでとすると―系統が合わない様な能力を覚えると、1つの能力が2つ以上の枠を使用してしまうのか。

人によって習得限界は異なる可能性とも考えられるから、ひとまずここではカストロの上限数を4としておく。

 

実際にカストロがいくつの技を習得しているかは不明だが、習得している技を「?」「虎咬拳」と「分身(ダブル)」の3つだとして、分身(ダブル)を3つ目に覚えた技だとする。

そうすると、ヒソカは以前戦ったカストロの技(ここでは1つ目の?のこと)を知っているからこそ、複雑で系統も合わない「分身(ダブル)」を覚えたことにより、「以前の技(1つ目の?のこと)」が使えなくなっているから、トランプによる攻撃を避けられないだろ?と言っているのか。

それとも、複雑で系統も合わない分身(ダブル)を覚えたことによって、「虎咬拳」は辛うじて使えたにしても、他の能力はもう使えないだろ?と言っているのか。

 

しかし、根本的な疑問がある。

1:脳震とうで直接回避行動は取れない

2:脳震とう+焦りにより、高い集中力が必要な分身(ダブル)も出せない(=“壁”も作れない)

3:メモリ不足により、他の能力は使えなくなっているから負けた

というヒソカの評価だが、カストロはウイングの所見によれば強化系能力者。

 

迫りくるトランプに死を予見し、「負けたくない」そして「死にたくない」という原始的欲求が生まれ、そこに生来の強化系オーラが相俟れば、「BP強化(肉体自体の強化ex.爆肉鋼体)」や、「DP強化(念防御力の強化)」でもって、無傷は難しいにしても、死は免れたのではないだろうか。

強化系の技(発)は「ただオーラを込めただけの全力パンチ」を代表に、特別なリスクを負わなくてもオーラを込めるだけでも十分特別な力を発揮できる。

しかし「念の“記憶”容量不足」により、強化系能力の基本まで失われてしまうのか。

 

また、クラピカの様に複数の能力を扱う能力者は、新たな能力を覚えてしまうと古い能力を使えなくなってしまったり、忘れてしまったりするのだろうか

クラピカの能力は今のところ6つ。そしてその多くの能力の根底や派生には「絶対時間(エンペラータイム)が前提に置かれるが、もし「念の“記憶”容量不足」によってそれが失われた場合、どうなってしまうのか。

特質系の項目で触れる性質により、恐らくクラピカが1番最初に習得した発は正にそれかと思われる。

また、もし「念の“記憶”容量不足」が起きうる可能性があるならば、

何故イズナビは様々な能力を指ごとに使い分ける鎖のアイディアに基本賛成できるのか

作外で、水見式の様にその者の記憶容量を調べる術でも試しているのだろうか。

 

一方で「メモリ=念の“作業”容量」と採った場合、上記のチグハグさはなくなる。

まずその話に入る前にSOCについて触れようと思う。

 

SOCとは上述の通り、ナックルによって示された発使用時に消費されるオーラ量を指す。

そしてここで触れたいのは、カストロの「分身(ダブル)ネテロの「百式観音」の様に、何度も具現と解除を繰り返している様に見える能力はどうなっているのか、という点について。

 

1:Xオーラを用いて具現 (X’オーラ消費=SOC)

2:解除

3:“再具現” (再度X’オーラ消費?=SOC

 

その手の能力者は1~3を繰り返すことになるのだが、ネテロの「零」(残った)全オーラをぶち込む技」であるにも関わらず、最低でも1000回以上はそれを繰り返している。

それが半世紀以上前ではあるものの“念使いで最強”と謳われた者故に何か秘密がある様に思われるのだが、メモリ=念の“作業”領域=AOPと考えると繋がってくるのだ。

 

停止条件付きの発の箇所でまた説明を入れる予定ではあるが、ゲンスルー組の「命の音(カウントダウン)は設置してからタイマー起動するまでの間ビスケにすら見えていないことから、「隠」によって隠されていたのではなく、存在していないのだ。

しかし、ゲンスルーは“仕掛けた”と言っていることや、それぞれが“触れられたところ”に爆弾が出現し、サブとバラの3人でその使用オーラを分割していたにしても“致命傷に十分な威力を持つ時限爆弾を60個以上”も設置されていたことから、“説明した時”に一気にSOCが発生しているのではなく、それぞれを“設置した時”にSOCは発生していたと考える方が自然であろう。

つまり、発として有効に動いているが現にその効果が出ていないタイプの能力があるということがわかる。

 

そして、カストロの「分身(ダブル)ネテロの「百式観音」の様に何度も具現と解除を繰り返している様な能力もそのタイプで、アクティブ状態(具現物の姿が見える状態)非アクティブ状態(具現物の姿が見えない状態)の切り替えに過ぎず、どちらの状態でもメモリたるAOPを使用中だったならば、具現⇔再具現の度にオーラを消費しておらず、ネテロが「零」のために浪費をしていなかったことがわかる。

また非アクティブ状態アクティブ状態に比べROC(=ランニングコスト)が低いならば、基本的にネテロが攻撃の瞬間のみアクティブ状態にしていたことへの説明にもなろう。

 

よってカストロ戦での容量(メモリ)不足・ムダ使いの意味とは―

1:脳震とうで直接回避行動は取れない

2:脳震とう+焦りにより、高い集中力が必要な分身(ダブル)も出せない(=“壁”も作れない)

※この具現できない状況は具現解除ではなく、心神耗弱によって具現の維持が出来ず非アクティブ状態に陥ったに過ぎず、分身(ダブル)に用いたAOP=容量(メモリ)に依然割り当て中

3:死から免れるレベルのBP強化(肉体強化)DP強化(念防御力強化)をするには、念の“作業”容量(メモリ)=AOP(fAOP)が足りない

―という意味かと思われる。

 

 

以上のことから、容量(メモリ)=念の“作業”領域(=AOP)と当ブログでは採っています。

そして、容量(メモリ)不足を解決する方法の1つがオーラの外在化=放出系能力で、その部分は次の項目で扱う予定。

 

→■2:放出系能力に続く

2:放出系能力【H×H感想 3rd版】

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←(前) ■1:各種用語・念の習得度と威力精度・メモリ
→(次) ■3:操作系能力

 

◆放出系

→オーラ(メモリ)外在化(EOP化)が得意な念系統

 

一般的な読み方とは異なるかと思われるが、放出系の主たる能力メモリの外在化かと思われる。

念は基本的にAOPの中で使役されるが、その考えだけでは放出系能力者がうかつにその能力を使うことが出来なくなってしまう

 

例えば放出系能力者が念弾を放ちそれが相手の創る隔絶空間に取り込まれてしまった場合、そのオーラはどうなるのか。

ヂートゥ戦で示された様に、最悪そのオーラを回収できない可能性もある。

相手の能力が不明なのが当たり前であるが、もし全力で敵に念弾を放ちもしそれが隔絶空間に閉じ込められようものなら目も当てられなくなってしまう。

そうするとクロロVSシルバ&ゼノ戦で、

シルバがクロロに巨大な念弾を放っているが、もしこれが「不思議で便利な大風呂敷(ファンファンクロス)で取り込まれでもしていたなら、シルバは一気に足手まといにでもなっていたのだろうか。

 

しかし、ゴンがジャジャン拳パー(AOP100%分の念弾)を放った場合、ゴンはその念弾が敵に当たってその目的を果たすか、もしくは能力を解除してオーラを回収するまで絶状態に陥るのかと言えば、

オーラ切れでそれは実現しなかったものの、作中のあいこの発想から“パー(放出)が生きている間にグー(強化)を打てる”ことが示されている。

 

つまり、放出系能力の基本的な性質(発)として、念の作業領域たるAOPから特定のオーラを切り離す、すなわち外在化(=EOP化)が挙げられよう。

そしてこの外在化は、基本的には放出系能力者のみが100%の威力・精度で扱え、それ以外の能力者はその相性に応じて威力・精度を減衰させてしまう

 

◎単純乖離と放出乖離

これも当ブログの解釈上の造語です。

“オーラが手元から離れた状態”をメモリ的に連続性があるかどうかの区別をするためのものです。

つまり、オーラ(もしくはオーラ物)が手元から離れていたとしても、それがAOPに含まれるならば放出系の威力・精度の減衰なし単純乖離として、それがAOPに含まれないならば(EOP化されているならば)放出系の威力・精度の減衰あり放出乖離としています。

 

クラピカの自身の能力説明の中での、

“手元から離れた時点”使いものにならない程―強度も精度も落ちてしまう

という発言から、オーラ(オーラ物)は手元から離れた時点で放出系の威力・精度の減衰が入ってしまうと読まれがちだが、その割には作中でオーラ(オーラ物)を手元から離す能力者が異様に多い―多過ぎる様に思われる。

 

クラピカを例に考えるが―実際には「律する小指の薬(ジャッジメントチェーン)を使った相手には死なれているか除念で外されているものの―その目的は旅団を殺すことではなく捕らえるこである。

しかし、ただでさえ4種類の鎖を鎖を具現化していてそれにAOP(メモリ)を割いてしまっているのに、捕縛した旅団員が増えれば増えるほど具現化し続ける「律する小指の薬(ジャッジメントチェーン)は増えて行くと、自由に使用できるオーラ(fAOP)が減り、メモリ不足に陥る可能性は高くなってしまう。

 

敵はA級賞金首である幻影旅団。

クラピカも万全の状態で戦える様に備えるハズで、そのカラクリがオーラ=容量(メモリ)の外在化、すなわち放出系能力なのではなかろうか。

 

◆アイザック=ネテロ

ファンブック等では“強化系能力者”とされている様だが、

その最終奥義たる「百式観音」「零の掌」から“放出系能力者”かと思われ、壱~九十九の掌の百式観音はAOP型零の掌はEOP型かと考えている。

 

その理由について。

オーラが術者から離れると放出系の威力・精度で減衰が入ると考えるならば、それだけでネテロ=放出系と言えそうだが私の読み方だともうちょっと探る必要がありそうだ。

 

まず、基本的に「百式観音」ネテロが実際に祈りの所作をするとネテロの背後に観音が出現し、

ネテロの手の動きにリンクする様に観音が敵を攻撃する能力の様だが、

九十九の掌においては、ネテロが手を「99」の形にするだけで観音像がラッシュ攻撃をしているため、実際の動作もしくは型のサイン(?)で観音像を動かせるか、“祈りとは心の所作、心が正しく形を成せば想いとなり、想いこそが実を結ぶ”ともあるため、実際にはネテロ自身が動かなくても“正しく祈っていれば”、観音像は出現+攻撃可能なのかもしれない。

 

同系統の能力であろうカストロの「分身(ダブル)が特定の動作なくして出現+攻撃をしているため、「祈り+同じ行動(or型のサイン)をする方がネテロの考え方や戦いの姿勢に合致して、より強い念となっているのかと思われる(恐らく制約と制約ではない)

 

この時点でわかるのは、観音像の描かれ方(輪郭線が実線)から観音像は具現化物で、観音像を自在に動かしていることから操作系能力も用いており、アクティブ状態と非アクティブ状態を繰り返す様子から恐らくAOP型の能力かと思われる。

 

しかしながら問題は「零の手」である。

まず、起点として実際の祈りの所作を必要とせず、「壱~九十九の掌」ではネテロの背後に出現していた観音像は敵の背後に出現する。

そして“有無を言わさぬ慈愛の掌衣でもって対象を優しく包み込”み、精神統一の業を経て蓄積したネテロの渾身の全オーラ目も眩む恒星のごとき光弾に変え撃ち放つ無慈悲の咆哮を放つ、というものだ。

 

順番に考えていく。

まず「壱~九十九の掌」と同様に元から実際に祈りの所作を必要としないかは不明確

ナックル戦いでのゴンでさえAOP10倍程のPOPがあり―零後のネテロの様子から―AOPPOPの全て一度に使役するという特殊性が見受けられ、「実際に祈れなくなってから(どちらかの手を失ってから)という制約と制約があってもおかしくない様な気もする。

しかし、ネテロの求めた“武の極み”が“敗色濃い難敵にこそ全霊を持って臨む事”であることを考えると、相手の能力の性質や状況によっては死ぬ前に手を失わない可能性もあろう。

そのため“心が正しく形を成せば想いとなり、想いこそが実を結ぶ”という言葉の通り、腕の有無や実際の祈りの所作の有無に関わらず発動可能かと思われる。

 

次に敵の背後に出現する点。

壱~九十九の様に、ネテロの後ろから現れて相手を包み込むのではダメなのか。

零を使う相手は難敵であろうことから、壱~九十九が全てネテロの背後に出現することを相手に印象付け、零が相手の背後に出現させることで油断を誘うため?否定は出来ないものの、どうもネテロっぽくない気がしてしまう。

そもそも相手の油断を誘うためだとすると、百式観音がまるで相手に通用しないことを想定してしまっている様に思われ、それは自らの念に悪影響しか与えない様に思われる。

自分に付けていた観音を、相手に付けた(憑けた)?

 

続いて有無を言わさぬ慈愛の掌衣でもって対象を優しく包み込む点。

ネテロの全オーラを凝縮して弾とするまでは、壱~九十九に比べてると時間が掛かり、それまで敵を逃さないため?

また「有無を言わさぬ」と「慈愛」の不一致さも気になる。

ただ、これはネテロレベルの武道家ゆえのチグハグさなのかもしれない。

敗色濃厚な難敵に全霊をもって臨むことを願いつつも、強くなり過ぎた結果そんな相手がいなくなって行った半生。

H協会会長という立場上、若い頃の様な無茶もできない。

そんな中、漸く現れた自分の全てをぶつけられる相手。

ネテロが抱く想いは一方的な感謝なのかもしれない。

もし自分を心の底から楽しませてくれる様な相手に出会ったらという夢想の末に生まれたのは、相手への一方的な熱い抱擁、すなわち有無を言わさぬ慈愛の掌衣なのだろうか。

しかし、一方でネテロは相手を殺すつもりで零を放っているだろうから、相手につけた観音は相手に捧ぐ棺桶代わりなのかもしれない。

 

1つ疑問なのは、零は相手を包んだ掌ごと攻撃しているのかどうか

ドッヂボールでのキルアの手の様に、あれだけ硬いメルエムを何百と叩いても自壊している様子のない観音像の攻防力を考えれば、観音の掌は零の攻撃力を減衰させてしまう気がする。

これまでは弾を放つ瞬間に慈愛の掌衣が―敵が逃げられない程度に―多少開いてその隙間に打ち込んでいるのかとも思ったのだが、暫定37巻(No.386)にて、


“放出系の攻撃ならば物理的な障壁をすり抜ける事も難しくはない”

と言われているし、これまで様々な具現物や念獣が物体のすり抜けをしているので、弾の方が掌をすり抜けているでも、掌が弾をすり抜けているのどちらでも通るのかもしれない。

個人的には全身全霊を込めた零の“弾”の方は“すり抜ける分のエネルギー”に使うぐらいならより純粋な威力を高めるだろうから、零の掌の方がすり抜けているかと思われる。

 

次は観音像の表情について。

零の方は状況的に描写が少な目ではあるが、壱~九十九の観音が無表情で血(?)の涙を流しているのに対して、やや微笑んでいる様に見え涙も流していない

カストロの「分身(ダブル)が通常の自分を再現するため戦闘中にできた汚れまでは再現できず、具現物が大変なイメージ修行の末に生まれることを考えれば、基本的には具現化物の姿に差は生じないハズである。

そのため姿に変化があれば、それは元々組み込まれたものなのではないだろうか。

つまり、少なくともネテロの中で「壱~九十九」「零」との間には何らかの違いがあると思われる。

 

そうしてネテロの渾身の全オーラ目も眩む恒星のごとき光弾に変え撃ち放つについて。

オーラ=生命力であること考えると、

零を放った後のネテロは正に全オーラを使い切ったか様な姿になっている。

 

そして“目も眩む恒星のごとき光弾に変え”という表現だが、文字通りに捉えてしまうと変化系とも読めそうだ。

音を置き去りにしたネテロが求めた次の段階、というより元々の目標地点が“光の速さ”で、速度が増せばその分威力も増すため、ネテロが追い求めたとしても違和感はない。

ネテロ=変化系能力者だとすると、系統的にその隣りの具現化系を用いることにも繋がるし、普通、念弾はEOP化して放つものなのだろうが、零の様に全オーラを用いる技ならば、放った後のことを考える必要ない。

つまり零=AOP状態で撃つ念弾で、AOP残りの全POPを顕在化できるほどのメモリの極大化は、制約と制約の効果と考えればいい。

 

例えば、カイトの能力の様に―

零はネテロがピンチに陥った時にしか使えないとか、

はたまたフィンクスの「廻天(リッパーサイクロトロン)の様に―

観音で敵を殴れば殴る程に最大メモリ(最大AOP量)を増すなどの効果があったならば何となく通りそうな気もする。

ただ特に後者の場合、音速を超える速度王を殴っても自壊しない硬さを持つ掌の攻撃を数十発でも食らって生きて居られる者が果たしてどれだけ居るのか。

何発当てれば全オーラを顕在化できるのかは不明だが、逆にこの制約と制約だと零は打てないのではなかろうか。

 

また、零後のネテロの様子に違和感が残る。

自身最強の一撃を与えても倒せなかった相手にそれをやる必要はないものの、AOP型の観音を解除すればその分オーラ(生命力)が手元に戻ってくるのではないだろうか。

またそれが出来てしまうなら、零=全身全霊を懸けた渾身の攻撃という言葉からも少しズレてしまうのではないだろうか。

つまり、観音像に用いたオーラは回収できるものではない=それすらも零に用いていると考えた方が合致する様に思われる。

 

一応最後に。意外に一致していなかった様に思われた零の攻撃について。

“一撃”なのか連撃(浴びせ続けている様な攻撃)なのか。

地下空間で撃ち音が響いてる描写があり分かり辛くなっているのだろうが、“渾身の全オーラ”“複数の光弾”で放っていることにも違和感がある上、

零を受けた王の言葉からも、渾身の全オーラを込めた一撃なのかと思われる。

 

ここで根本的な疑問に振り返る。

具現化物は一定程度のAOPを割く費用があるため攻防力のバランスが悪くなりやすく、神懸かったものは具現化できない上、かと言って実在するものをそのまま具現しようとしても有効な武器にはなりにくいため、相手に作動する何らかの「しかけ」を設ける事が多い

しかし、ネテロの百式観音はどうなのだろうか。

零を除いては直接的な打撃のみで、メルエムに対して千を超える攻撃を加えたにも関わらず何か「しかけ」が作動している様子もない。

ネテロ=変化系と捉えた場合には攻撃の度にメモリの最大値を上昇させるというようなしかけがあるかもしれないとは読んだものの、自らの力を増すバフだけでなく、相手を力を下げる様なデバフの様な「しかけ」を設けない百式観音で殴り続ける理由はなんなのだろうか。

 

またメルエム戦いでのネテロは少なくとも120歳以上ですから肉体のピークは当に過ぎているでしょうし、仮に壊されても再度具現可能な百式観音の強みはあるのだろうが、山から下りてきた頃のネテロならば、ネテロ自身が殴ればいい様に感じる。

さらには“いつ”から百式観音を具現させたかは不明だが、どうも壱~九十九が涙を流す観音像による直接攻撃を用いる理由と、その奥義が晴れやかな観音像による間接攻撃である点が上手く繋がらない。

 

恐らく理由は単純明快で、ネテロが“根っからの武道家だから”という事かと思われる。

変な「しかけ」を厭い、単純な打撃での戦いを好んだものの―自らの系統が強化系ではないからこそ―同じレベルの強化系能力者には勝てず、

己の肉体と武術に限界を感じ悩みに悩み抜いた。

(この時のネテロがお忍びで暗黒大陸に行く前か後かは不明だが、ネテロの周囲に描かれているオーラ描写や、ネテロの周囲だけ積もっている雪が解けているためこの時点でのネテロは念を習得済みだと思われる)

 

つまり血の涙を流す観音像は、恐らく過去のネテロ自身なのだと思う。

そして、恐らくネテロが追い求めていた理想は、

『一撃必殺』

そして、それに自らの全身全霊(全オーラ)を懸けること。

 

しかし一方で、一撃に全てのオーラを用いることができたとしても、威力・精度の観点から実質的に可能なのは自系統のみ。

さらに、それをやってしまえばそれ以降は何も出来なくなってしまう。

敗色濃厚な難敵にこそ最終手段としてそれを使いたいものの、相手の能力の見極めや様子見の過程でオーラを多く消費してしまえばその分威力を下げてしまう。

 

そしてそれを全て解決したのが百式観音で、涙を流していない観音像ネテロが目指し行きついた“理想”なのではなかろうか。

零の掌とは、元々AOP型の観音像EOP化(放出系能力でメモリから切り離し)して相手に憑け(相手への手向けでもある?)自らのオーラの全て(AOPEOPPOPAOPEOP)を観音像に託し、それを観音像が凝縮して敵に撃ち放つ―自らの全身全霊を懸けた一撃必殺―放出系の正拳突きだと思われる。

 

ネテロが生涯において零を放ったことが何度あったのか、それはわからない。

しかし、人生の最期で出会った零でさえも倒しえない強敵へ送るモノが讃辞ではなく人間の底すらない悪意であったことに、ネテロはどのような想いだったのだろう。

「武道家として矜持」を超えた「ハンターとしての責任」なのだろうが、それを考えると胸に熱いものが込み上げてきてしまう。

 

以上。

→3:操作系能力に続く。

3:操作系能力【H×H感想 3rd版】

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←(前) ■2:放出系能力
→(次) ■4-1:特質系能力(その1)

 

続いて操作系について。

情報の更新という意味では、今回一番量が多いところ。

 

◆操作系

→生物や物体やオーラを操ったり、ルールの創出とその強制が得意な系統

 

◇愛用品を失くしたら致命的

操作系能力は生物や物体を媒介しないとその力を発揮できない上、特に物体操作の場合は使いこんだモノ(愛着のあるもの)でないと威力・精度が上昇しないことが多いため、愛用品を失くしたら致命的というリスクがある。

 

◇誘導型・要請型・半強制型・強制型

操作系の中でも特に人や動物を操作するタイプの能力(=生物操作?)のタイプは大きく4つ明かされた。

相手を操作する力の強さや、用いるエネルギー量は、「誘導型<要請型<半強制型<強制型」となる様だ。

 

<誘導型>

カキンの第8王子・サレちゃんの守護霊獣の能力についてリハンが思考を巡らせる中で示された言葉で、特段詳しい説明はされていない。

しかし、その能力から考えるに「継続的な“攻撃”をもって、段々と相手を術者の思う方向に誘導する」タイプの能力かと思われる。

敢えて“攻撃”と表現したが各能力者ごとの操作条件を指す。

サレサレの場合は念獣の吐く煙を吸わせ続ける(=条件)と、相手がサレサレに抱く好感度を上昇させる(=効果)ことが可能であった。

リハンの見立てでは、好感度MAXの状態だと約8時間好感度±0の者だと約70時間で効果が出始める(その者の頭上にも念獣分身が出現する)というものであった。

つまり、1回1回の強制力は極めて弱いもののそれが継続された場合には強力な効果を発揮するタイプと言えよう。

 

一見戦闘には向かない能力にも見えるが、相手を殴る(=条件)相手のAOPを減少させる(=効果)など、制約と制約の内容次第(自らも相手の攻撃を受ける度にAOP減少だとか、相手の減少効果は相手に30秒間攻撃加えないと解除されてしまう等)では、そこそこ有用な能力に化けそうな気もする。

 

<要請型>

「相手に選択の余地を与えつつ、術者のために動いてもらう事を目的する」タイプの能力。

またこの要請型の操作系能力者は「記憶補正」を用いることが圧倒的に多いと言われている。

 

記憶補正とは簡単に言ってしまえば、記憶の“一時的な”消去や改ざんである。

要請型の能力は相手に選択の余地を与えるため、場合によっては術者の目的を果たせないかもしれないという大きなリスクを抱えている。

しかし、そんなリスクを小さくするためにか、相手の記憶を術者にとって都合の良い様に“一時的に”書き換えることが可能な様である。

 

例えば、相手に攻撃の瞬間の記憶を残せば強い警戒心を生み、目的を果たせない可能性が高まってしまうが攻撃の瞬間の記憶を消し、その抜けた穴に別の記憶を上書きしたり、あるいは曖昧にさせることで警戒心を抱かせないことが可能な様だ。

作中の例では、

レオルがシャウから能力習得のコツを伝授してくれ、覚えが悪くて使いこなすのに3日くらいかかった等と言っていたが、

実際には摂食交配のプフ版により習得していたことが挙げられるだろう。

多様な個を持つハズの人間蟻が女王存命中は女王の下から離れようとしなかったものの、女王絶命後は手の平を返すが如く態度を変えたのもキメラアントの摂食交配自らの生殖機能と念を掛け合わせた能力であり、その中の要素として要請型の操作系能力が含まれ、“一定の行動をする様に”あるいは“しない様に”仕向けられていたのであろう。

またイルミの針も、“ある状況下”で、キルアに選択肢を与えつつもイルミの思う様に動かそうとしており、さらにはキルアからアルカ(ナニカ)関連の記憶を奪っていた。

恐らくアルカ(ナニカ)の処遇を巡って意見がぶつかり、家族内指令によりイルミVSキルアとなるが当時のキルアが勝てるハズもなく針を刺されることになったのだろう。

アルカ(ナニカ)の力が念能力故にキルアから念に関する記憶も消す必要があったのか、“キルア闇人形計画”のためにはまだ不要だったため消されたのかは不明。

 

要請型の操作系能力は相手に“選択の余地”を残すため―キルアやジャイロの様に―相手に抗われる可能性を抱えている。

ちなみに記憶補正は基本的には術者が死んだり(女王の例)呪具を外されたりすると(イルミの針の例)元に戻るようだが、迎撃型(後攻)の制約(リスク)を背負ったりすることでより強い効果を発揮できる様子のため、洗脳レベルで根本的に変えることも可能なのかもしれない

 

「記憶補正」は要請型の操作系能力者が用いることが圧倒的に多い理由だが、後述の半強制型や強制型は相手が「半落ち」もしくは「完落ち」の状態に陥っているため、もはや記憶補正という小細工を行う必要ないのかと思われる。

 

<半強制型>

「相手の身体の自由を奪い取る、又は相手が自ら命令通りに行動せざるを得ない状況に追い込む」タイプの能力。

作中ではカキン第12王子モモゼの守護霊獣がこのタイプだったと示されている。

モモゼの守護霊獣の能力は―

ネズミ型の念獣の「おヒマ?」という問いかけに“反応する”と、蜘蛛熊型(?)の念獣が相手に憑き、相手がYESを応えるまでネズミ型の念獣が暇かと問い続け、相手がYESと応えると相手の体の自由を奪い取ることができる能力かと思われる。

カキンの念が「壺中卵の儀」に影響受けてか呪術的な要素が強い様にも思われるが、これはカキンのみで発展した念技術という訳ではなく、半強制型と呼ばれる操作系能力の典型の1つである様だ。

 

その一方で、

“念の知識はあちら(ハンター側)が上”

と言われていた割にはサイールドが操作系能力の典型に簡単に引っかかってしまっているという印象が拭えないが、“念での人との戦い”に不慣れで、“念での自然との戦い”に特化した暗黒大陸探検要員のため仕方がないのかもしれない。

 

さて、“相手の身体の自由を奪い取る、又は相手が自ら命令通りに行動せざるを得ない状況に追い込む”のが半強制型の能力で、モモゼの念獣がこのタイプというが、恐らく前者のタイプだと言っているのかと思われる。

サイールドは“おヒマ?という問いに応えたために体の自由を奪い取られ、協専仲間や警護の者達を刺し殺した”のであって、“おヒマと聞かれまくった結果、仲間達を殺さざるを得なくなった”のではないだろう。

 

もし、モモゼの能力に後者の要素を見出すとするならば、

サイールドの耳から出てきた、蜘蛛熊(?)型の念獣の方だろうか。

王子達の守護霊獣は常時「隠」状態のため姿や声は、「絶」状態で見聞き出来なくなるが、この蜘蛛熊型の念獣の方も“隠”されているかどうかはわかっていない。

ただどちらにせよ、耳の中で動き回られでもしたらその振動は届き、その程度や頻度によっては相手は日常生活を送ることにも支障をきたし、眠ることすら出来なくなってくる。

ネズミ型の方は「おヒマ?」としか話さなかったが、蜘蛛熊型の方は“具体的な命令”を告げる事が出来たとするならば、“心神耗弱に陥った相手を自ら命令通りに行動せざるを得ない状況に追い込む”こともできるかもしれない。

 

あるいは―、

ルズールスの守護霊獣も半強制型で「標的の欲望を具現化し(罠を張り)、標的が罠にはまる(欲望を満たす)事で発動する」という能力の様だ。

しかし、それだと“罠にハマった相手は体の自由を奪われる”というモモゼ型と同じ印象を受けるが、各王子達の念獣の能力を被らせてくることもないだろう。

ひょっとするとルズールスはバショウの紹介した“キレイなハッパ”により、以前から使用していたヘビィな薬物から“最近”更正できたのではなかろうか。

この描写がされるまではツェリードニヒの、

“考え無しの阿保”

という発言から、ルズールスは薬物でラリって正常な判断が出来なくなっている様な人物だと想像していたのだが、バショウと話す様子からはむしろ真逆の冷静で理知的な人物の様に感じられたのだ。

つまり、更正出来たのが“最近”だったとすると壺中卵の儀により力を授かり守護霊獣を育んでいた期間の大半はまだ薬物中毒の真っ最中だったのではなかろうか。

 

その様に考えると、ルズールスの念獣の“標的の欲望を具現化し(罠を張り)、標的が罠にはまる(欲望を満たす)事で発動する”とは、“強い依存性を持たせた相手の「欲望」を具現化し、それに手を出し依存した相手に「またその幸せを味わいたいのなら〇〇しろ」と相手を追い込む様な能力”なのかもしれない。

 

<強制型>

「相手の心身共に自由を奪い操る」タイプの能力。

ヴェーゼの「180分の恋奴隷(インスタントラヴァー)

シャルナークの「携帯する他人の運命(ブラックボイス)

イルミの「針人形(能力名不明)

ピトーの「操り人形(能力名不明)

―等が挙げられるだろうか。

「相手の身体の自由を奪い取る」半強制型とは違い、相手の心の自由すらも奪い取る能力。

 

◎口頭での命令

操作系能力者は“多くの場合”「口頭での命令」を用いるという。

カキンの念が「壺中卵の儀」に影響受けてか呪術的な要素が強い様にも思われたがそれも操作系能力の典型の1つであったことから、恐らくこれもカキンで異常に多い特徴ではなく、言葉通り操作系能力者に多い特徴なのだろう。

 

しかし言語が違ったり、病気やケガで一時的に耳の聞こえない者あるいは先天的に耳が聞こえない者、はたまた周囲の音でその言葉が聞き取れなかった場合はどうなってしまうのだろうか。

例えば“相手に自らの能力内容を説明する”という制約と制約(リスクで威力を高める)を負いつつ、相手がそれを理解できなかったとしても威力向上が図れてしまうのであれば、“制約”の役目を果たしていない。

もしそれが通ってしまうならば、極端な話、相手が知りえない―花の中三トリオが内輪で話をする時に用いていたという“バビ語”の様な―独自の言語での説明でも成立してしまう。

 

よって、操作系には強制的に相手と意思疎通できる様な能力があるかと思われる。

クラピカの「人差し指の絶対時間(ステルスドルフィン)オイトの頭と直接交信していたのが、その方法の1つかと思われる。

また、正に蜘蛛熊型の念獣が排気口に入らんとする時にドルフィンは説明し始めたにも関わらず、排気口に入った時にはドルフィンは説明を終えている。

ドルフィンの説明に要した時間が極端に短いが、クラピカ自身が距離を置いた状況下での攻撃到達時間が約0.5秒と話しており、それがより敵との距離が近い状況での攻撃の応酬となれば、敵の能力の内容次第では数十秒以上もの説明を聞いている余裕もないだろう。

敵の能力の性質によっては、騒音で聞こえない部分も出て来てしまうかもしれない。

そのため、その手の能力は瞬時に相手に知らせることも出来るかと思われる。

 

しかし、その様な能力があったとしても少なくとも告知の相手が“見聞きできない状態”では使用できないかと思われる。

クラピカはモモゼの能力に対し“「念獣の声が聞こえる事」が発動の条件なら王子達をはじめ、能力者でない者には効かない能力”と考えていた。

ここでクラピカのいう念獣とは常時「隠」されている守護霊獣のことであり、能力の性質として「相手への告知」を意図していながらそれを「隠」すること自体合致しない上、もし相手を「隠」で騙せた場合、結局説明せずに制約と制約を果たせることになってしまう。

そのため、モモゼの念獣の対象は念能力者になってしまったのかと思われる。

常時「隠」状態のネズミ型を見聞きできる能力者を対象とし、ヒマかという問いかけに反応した相手に蜘蛛熊型の憑け

カートンには見えない何かに対し、サイールドは目線を向けヒマだと応えたことから、憑いた蜘蛛熊型の念獣はサイールドのオーラを用いて

―「11人いる!(サイレントマジョリティー)」の黒ぼっこ(座敷人形のような念獣)を見る事が出来るのは術者と憑かれた者のみである様に―“サイールドにしか見えない”ネズミ型を具現化していたのではないかと思われる。

 

さて、そんなところが前回の念関連の更新以降に出てきた操作系の―とりわけ生物操作系の―新情報だろうか。

新情報のため前半で扱ったものの、生物操作は操作系能力の一端に過ぎず、その核心部分は“ルールの創出とその強制”に集約されるかと思われる。ただ、この部分は以前の念関連と変わっていないためさっくり行こうと思う。

 

◇操作系の二大ルール
1:他人の作ったルールには干渉できない(除念を除く)

2:絶対的なルールは創れない


まず1つ目、他人の作ったルールには干渉できないについて。

この大前提がなければ、ルールを強いることのできる操作系能力の意味がなくなってしまう。

但し、相手にルールを強いる念とは“相手にかける念”であり、その反射たる“外す念”すなわち除念が存在する。

 

2つ目、絶対的なルールは創れないについて。

具現化系能力が人間の能力の限界を超えているようなモノを具現できないため、操作系能力にも何かしらの限界があることが想像される。

操作系能力も具現化系能力と同様に「型にハマれば各々が最強になりうる」という性質があるものの、その一方で相手を型にハメるまでを各々の能力者が創意工夫で埋める必要がある。

それならば“能力者側がどんな相手でも、どんな状況でも、絶対に勝てるルールを相手に強いればいい”と考えつくが、それは“何でも切れる刀”を具現化するに等しい。

つまり、制約と制約等によって術者側に極めて有利なルールを相手に強いることはできても、術者が絶対的に勝てるルール、砕けて言えば「相手にとって無理ゲー」は創れないと思われる。

 

1つ注意があるとすれば、主観的な絶対性ではく客観的な絶対性を指す。

例えば私がゲンスルーに「命の音(カウントダウン)の爆弾を付けられ発動した場合、もちろん主観的には「こんなの絶対無理!」と思うだろうが、それは単純に私がゲンスルーと比べ弱過ぎるだけに過ぎず、客観的には解除不可能なルールではないということである。

 

◎早い者勝ち

操作系能力は“早い者勝ち”すでに別の能力者によって操作されている場合は操作できないという、一見単純なルールに思われるが不明点も多い。

 

例えば、対象の右腕を操作する能力者Xと、対象の左腕を操作する能力者Yがいたとして、同時にAの腕を操作することは可能なのか。

操作“対象(同じ相手A)が同じだとダメなのか、

操作“範囲(右腕と左腕)が異なれば可能なのか、

それともやはり操作“箇所(脳の運動中枢)が同じだからダメなのか

また誘導型要請型半強制型強制型が具体的に何を操作しているのかもわかっていない。

例えば人間蟻となった後も前世の記憶を有していた者は“心”も引き継いでいる様子があるが、脳は肉団子にされた際に破壊されているため魂に蓄積されていた情報を引き継いでいることになるのだろう。

脳に蓄積されている情報が魂のバックアップ的なものに過ぎないのならば、肉体の主導権は脳よりも魂の方が上なのかもしれない。

そして肉体を操作するのが半強制型とするならば、心を操作する強制型が操作しているのは対象の魂なのかもしれない。

そのように考えると「半強制型<強制型」の様な力関係があり、半強制型が掛かっている相手であっても、強制型は操作“階層(脳と魂)が違うため効くのかもしれない(シャルらが早い者勝ちの話をしている際は互いに強制型)

 

相手に掛ける念に関しても、

守護霊獣が既に憑いている王子にもう一体憑く事ができるのかどうかをバショウが悩んでいたことから、必ずしも明確ではない様だ。

 

また作中で実際にその能力は登場していないが、

敵の能力を操作する“逆操作”なる能力も存在することが示された。

守護霊獣が壺中卵の儀によって憑けられた寄生型=術者による遠隔操作(リモート)ではなくプログラムによって動いているタイプ=自動型(オート)のため、そのプログラムを操作する(ex.コンピューターウイルス)様な類型があるのかもしれないが未出のため詳細は不明。


この“早い者勝ち”ルールに関しては操作系能力が競合する様な描写が不足しているため現段階では判断が難しい様に思われる。

 

◇念のコンボについて

念と念は連携することが可能である。

しかし東ゴルドー城突入直後、ナックルがユピーに能力を発動した際に、

「“神の共犯者”と“天上不知唯我独損(ハコワレ)”の連携(コンボ)が可能であることは無論事前に検証を終えている」

と神の声(ナレーション)が附された様に、どんな念同士であっても連携可能であるならば、事前に検証をする必要はない

つまり、コンボできない念も存在するということだ。

 

成立しない一番のパターンは、恐らく操作系ルール2(絶対的なルールは創れない)に反する場合だろう。

例えば、ノヴの「窓を開く者(スクリーム)開いた空間に取り込んだモノを“何でも切れる”能力だった場合、「神の共犯者」とのコンボは成立しえない。

ノヴ単体であれば、そもそも開いた空間に当たらない様に避ける開いた空間を当てられたとしてもノヴが閉じる前にそこから離れるという2つの回避方法があったにも関わらず、「神の共犯者」とコンボが可能だった場合、相手はそれ知覚することなく無抵抗のまま受けて死ぬことになってしまう。しかしそれは相手に不可能を強いると等しくコンボにより絶対性が成立してしまっているのだ。

よって、コンボしようとする念が操作系の色合い強いほどコンボには注意が必要となるのだろう。

 

別のパターンはコンボにより成そうする念の威力(コスト)が大きく変わってしまった場合であろう。

ただ、こちらの方はまだ改善の可能性がある。

念を「威力=使用オーラ量×制約と制約」という簡単な数式で表すと、例えばコンボによって威力が2倍相当になったならば、数式の右辺を2倍相当にすれば成立するということだ。

「天上不知唯我独損(ハコワレ)の有効範囲が、22巻では“半径100m”と示されていたのが、28巻では“半径50m”に減少していたのは、「神の共犯者」とのコンボを成立させるために、ナックルが制約と制約の内容を変更したのかと思われる。

 

◆ノブナガ=ハザマ

「1」の番号を持つ幻影旅団の特攻の戦闘員。

ネテロと同じくファンブック等では“強化系能力者”とされている様だが、操作系能力者かと思われる。

まず13人の旅団員の中で、腕相撲は“弱くもないけど強くもない”と言われており

1:ウボォー(強化)、2:フィンクス(強化?)、3:ヒソカ(変化)、4:フランクリン(放出)、5:フェイタン(?)、6:マチ(変化)、7:クロロ(特質)、8:ボノレノフ(具現?)9:ノブナガ(?)、10:シャルナーク(操作)、11:パクノダ(特質)、12:シズク(具現)、13:コルトピ(具現)

―各順位の念系統から考えてもノブナガは強化系能力が得意ではない様に思われる。

“奴ァ強化系でな”“は”強化系」とウボォーを振り返り、

喧嘩になっても“素”の殴り合いでは、(ウボォーから)ボコられっ放しで、

ゴンに対して“強化系バカにャ”などと述べている。

 

この時点で既に強化系能力者ではないと思われるが、

BW号にわざわざ刀を持ち込み、フィンクスらが刀を回収していないノブナガ“の”御守を買って出ている点からも、“刀”がノブナガの能力の基盤になっており、刀がないノブナガは決して強くはないということだと思われる。

以上のことからノブナガ=操作系能力者と考えている。

※特質系能力者という可能性は消せないが、特質と思われる描写がないため特質は除いている。

 

続いてその能力について。

明確には描かれてはいないものの、それを探りうるヒントは各所にちりばめられている様に思われ、かつ状況的に次の再開時に明かされるか、死ぬかしそうなため、考えてみようと思う。

力が強くない割に攻撃方法が居合という直接攻撃を用いており、“素の殴り合い”=発を用いないと強化系に歯が立たないにも関わらず、A級首の幻影旅団で特攻の任を与えられていることや、

“タイマン専門ってゆうか、限定条件付きみてーなとこがある”

というフランクリンの発言から、“一対一に近しい状況”愛用の刀を用いた居合をもって極めて強い力を発揮する操作系能力という印象を受ける。

端的に言えば“何でも切る”様な能力だと、箔が付いて嬉しいな―と。

 

◎“何でも切れる刀”は何故具現できないのか

クラピカ曰く“人間の能力の限界を超えている”から、具現不可能らしい。

 

“何でも”―どんなモノでも切れる刀=攻撃力無限大の刀?を創るには、有限のエネルギーをしか持たない人間では具現不可能という意味なのだろうか。

そのような意味だとしてもあくまで極端に表現しているに過ぎず、人や物、念による具現物であろうとも、その硬さには限界があるからそれらを切れる刀の攻撃力は無限大である必要はなく、有限のエネルギーしか持たない人間でも具現可能の様に思われる。

 

要するに、着目しているところが違うのではなかろうか。

まず“刀”と言うと、その対象は“物質的なモノ”を想像するかもしれない。

しかし“何でも切れる”ならば、当然“非物質的なモノ”も含まれるだろう。

オーラを切ることも出来るだろうし、雷〇誠さんの玄〇ブレードじゃあないが相手のを切ることも出来るだろうし、縁切り鋏の様に対象同士のを切ることも出来るだろう。

はたまた“刀”のイメージから、刃を相手に当てることを前提にする様に思われるが、“何でも切れる”なら、刃を相手に当てなくても術者が切ろうと思えば切ることもできるのかもしれない。

つまり、“何でも切れる刀”の問題点はその“対象や条件が無制限”なところにあるのかと思われる。

具現時に術者が想定もしていなかったものはその対象にならない可能性が高く、“何でも切れる刀”は具現不可能となるのだろう。

 

ただし念は術者の心を反映するから、通常“刀”を想像した場合、基本的にその対象は物質的なモノに既に限定されているかと思われる。

しかしそれだけの刀ならば実際の名刀を買えばいいだけなので、対象を変えたり(限定したり)制約と制約により刀の強度や威力を向上させることになるのだろう。

 

さて、そんなところで本題に戻る。

まずヒントになりそうなノブナガの戦闘(臨戦態勢時の)描写を確認する。

抵抗するキルアに対し、居合の体勢に入った上で“オレの間合いに入ったら斬る”と口頭の命令を用いている。

加えて―気に入っているゴンとキルアを斬りたくはないという理由もあるのだろうが―迎撃型(カウンター型)の様相も呈している。

そして、やや気になっているのがその体勢。次のシーンではキルアが見える程には顔を上げているものの、この体勢では敵の姿が見えない様に思われる。

キルアの並々ならぬ気迫に当てられて(嬉しくなって)、思わず“本気”の体勢に入りそうになってしまった

“本気”の時は相手の姿を見る必要はない

続いて闇に乗じて襲い掛かってくるかと思われたゴンとキルアにし対し、

“オレは太刀の間合い(半径4m)までで十分…!!(つーかこれが限界)

を展開させた。

 

◎円の広さ≠強さ

“つーかこれが限界”だけを切り取り、ネタなのか本気なのか、やたらとイジられているが“円の広さと強さ”には相関関係がない

円の広さ=強さだとすると、その広さが半径20m前後であろうプフに対し、一部分ならば2kmほども延ばせるピトーは100倍近く強いことになってしまうのだろうか。

 

ではユピーはどうだろうか。

王救出時、ユピーは多量の複眼を用いた“目視”で探索していたが、熱気や煙が渦巻き視界の悪い爆心地において、本来ユピーが使うべき探索手段は「円」であろう

オーラを薄く延ばす「円」を爆心地で使用することは自らの命を削ることにもなろうが、もはや“蟻”と化したユピーにとって自らの命と王の命を天秤にかけるべくもない
つまり、ユピーは円を“しない”のではなく、“できない”のだ(あるいは出来たとしても範囲が狭いor精度が低い)

ではそんなユピーは、プフよりも遥かに弱く、ピトーに至っては比べるべくもない程に差が開いているのかと言えば―

―もちろんそうではない。


よって、未熟ゆえにできない(or範囲が狭い)ことも当然あろうが、その者の性格、警戒心の強弱、能力との関わり、必要性、戦闘スタイルなど様々な要因により、円の得手不得手が出るのではなかろうか。

 

さて、これで脱線は終わり。

ノブナガの円は“太刀の間合い(半径4m)らしいが、ノブナガの腕の長さと刀身の長さを足しても4mには及ばないだろうから、踏み込みもいれた間合いが4mなのだろう(一足一刀の間合い)

また暗闇での状況から円を用いているものの、太刀の間合い“までで十分という言葉から“能力の有効範囲”にもなろう。

ドッヂボール時のキルアではないが、円に一定のオーラを割きつつ、十分な居合の威力を発揮するために下半身と上半身そして刀身にも一定のオーラを割き、かつ発にも必要量のオーラを割いているだろうことから、ノブナガに要求される技術は高い。

 

続いて、

ウボォーを売ったと思われるヒソカに対して迫った際だが、親友ウボォーを売った相手に対して団員同士のマジ切れ禁止ルールを守るハズもないため、口頭の命令を用いずに、また迎撃型でもない技もあるのかと思われる。

あるいは、口頭の命令という言葉尻に引っ張られているだけで、“てめぇが売ったのか?ウボォ-を”と質問をしていることから、命令や問いかけをした相手対象とできるのかもしれない。

また、スクワラを斬った際には、

“少しでも動いたら切るぜ”

“オイ 動くなって言ったろうが。直立不動で聞かれたことにだけ答えろ”

と、2度も口頭での命令をしている。

 

ここからわかるのは、ノブナガの能力はシャルナークの様な自己操作型ではないということ。

“命令を違えた者を斬る”様な能力だった場合、スクワラが命令に従わなかった1度目で自動的に斬り掛かっているハズである。

そもそも相手がいない居合切りの動作を最適化することはできても、相手がいる居合は相手に正確に刀の刃筋を立てる必要があり、相手が抵抗したり念を用いる可能性もあることから臨機応変さが求められ、最適化のプログラムを事前に組むことは難しいのだろう。

あるいは、ノブナガの居合道に反するのかもしれない。

 

また、気になったのは2点。

1つ目が、抜刀後すぐに納刀している点

その方がかっこいいという漫画的な表現もあるかもしれないが、能力の発動条件に関わっているのかもしれない。

“一刀一殺”

というと条件がかなり厳しい様に感じるがひとまずそれは置いておくが、能力が発動できるのは抜刀後一度のみで、再度発動するためには納刀する必要があるのかもしれない(まぁ、居合自体が元々そういう技なのだろうけど)

 

2つ目が、2度目で斬った点

パクノダの記憶を読む能力は対象が生きている必要があり、読み取るのを待った?

それとも“仏の顔も三度”の様に、ノブナガの能力に関係がある?(仏は3度でアウトだが、死んで仏となる人は2度でアウト?)

 

そして最後の例。

クラピカの指示に反してパクノダを追おうとしていたフィンクスに対し、

“待て そこから一歩でも進んだら切るぜ”

口頭での命令をした後、背後から攻撃を受け気絶している。

 

まずノブナガ気絶した点については注意が必要だろう。

いくら背後からとは言え臨戦態勢のノブナガを、具現化系のシズク(具現化物に一定量のAOPを割いており、さらには強化系能力も得意ではない)が一撃で気絶させるというのは難しいであろうことから、「緊張と緩和」の表現に過ぎない可能性も十分にあろう。

ただ、ひょっとするとこれはノブナガの能力の弱点に繋がっているのかもしれない。

 

フランクリンはノブナガの能力について“タイマン専門ってゆうか、限定条件付きみてーなとこがある”と話していた。

少し言葉を解きほぐすと、“タイマン専門ではない。が、限定条件ではないものの実質的にそれに近い性質がある”ということだろう。

団員同士、お互いの能力を完全に把握している訳でもないが、この言葉がなければ“口頭で命令をした相手”を対象として、対象以外からの攻撃に対して防御力0になるという制約と制約もありかと考えていたが、せめて対象以外からのダメージ2~3倍だとか、だろうか。

 

あるいは単純に“居合抜き”がそのような性質を持っているというだけだろうか。

特定の誰かに刀を抜いて斬るまでの間、鞘から抜いてから切っ先が届く範囲以外、つまり後方がお留守になってしまうから、ノブナガは背中を任せられるウボォーと組んでいた(組まされていた)程度の話なのかもしれない。

 

さて、そろそろ答えを出さねばならないのだが、口頭での命令がどれほどのリスクになるかがイマイチわかっていない。

ミザイストムの「密室裁判(クロスゲーム)が、3色のカードを相手に提示して行動を制限する(青で入廷させ、黄で拘束し、赤で退席させる)―というもので、口頭の命令を用いてそれに反した者に半強制型の能力を発動できる様だ。

 

口頭の命令カード(具現化物?)を用いた迎撃型の様だが、命令とカードの提示を行った相手(複数可)対象としてマーキングして発動する非接触型なのだろう。

ただ裁判の名前を掲げている以上、基本的には自分からは暴力を振るわないという非暴力性を制約と制約にしている様にも思われる。

(裁判結果として相手を罰する様なことはできるかもしれないが、そこに至るまでには一定のステップを踏む必要があるのかも?)

そのため一見、口頭の命令(とカードの提示)だけで相手の肉体を短時間だが拘束するという強度の操作性を有している様にも思われるが、ミザイストムの負っている制約と制約が重めという可能性も十分あろう。

 

そのため大まかな検討にはなるが、ひとまずここまでの総括。

・居合抜きは―念抜きで考えれば―元々、極めて殺傷能力の高い攻撃方法である

・操作系能力は、例えば針を刺すだけでも相手の心身を奪うことも可能である

・ノブナガがA級賞金首の旅団の中で特攻の任を任されている=攻撃力が高い?

・多くの場合、口頭での命令を用いることで相手に先制を渡す形となっている=迎撃型?

・ヒソカに攻撃を仕掛けた時、口頭の命令を用いていない=いくつか能力のパターンがある?

・円が太刀の間合い“までで十分”という発言から、円も能力発動に関係している可能性あり

・キルアに対して居合の構えを取った際キルアを見ていない→円を用いれば相手を見る必要ない?→“本気”の際は自らの視覚を一時的に縛る?

・命令を破った者に自動で斬り掛かる様な自己操作型ではないが、命令を2度破った者は斬らなければならない?

・“居合切りを手加減する程、器用でもお人よしでもない”=居合は常に本気で自らの居合に絶対の自信を持っている?

・居合の性質上、抜刀後能力を発動できるのは1回のみで、再度使う際は納刀する必要がある?

・居合の性質上、刀を振るう方向が限定され後方がお留守になるため、“タイマン専門”の様な性質がある?

 

以上のことからノブナガの能力は―、

口頭で命令(もしくは問い掛け)をした相手を対象としマーキングし、その対象が自らの円の中にいる時、愛刀を用いた居合で斬ることができる能力(マーキングした対象が自ら円の中にいた時、愛刀を用いた居合ならば、“なんでも切ることができる”能力)

 

補足

・マーキングした相手は円の外にいても位置を把握可能

・相手が円の中=間合いに入ってくるのを待ってもいいし、自分から相手に近づいて円=間合いに入れても可

・マーキングした相手が用いた念もその対象に含まれる

・自分は動かない代わりに、相手が念を用いて間接攻撃をしてきた時(その攻撃が円の中に入った時)、刀でその攻撃を切り裂くことができる上、その切っ先から斬撃を飛ばすこともできる(この時は視力を縛っているかも?)

 

制約と制約として―示現流の“二の太刀要らず”じゃあないが―抜刀後、居合を外したら死ぬ様な気がする。

様々な念があり、未知の念能力者に対して外さないというのはかなり危険な気もするが、

敵がいかなる能力を持っていようが相手もそれを発動する必要があり、“間合いに入った状態ならば自分の居合の方が早い”という絶対の自信があるのかもしれない。

ツェリードニヒの様な能力が相手だとしても、結果的に能力によって斬った事実を覆されたとしても、一度斬った=外していないことからアウトにはならず、それどころか自分が死んでいない=居合で相手を斬ったにも関わらず相手が無傷である現状により相手の能力のヒントを探れるのかもしれない。

 

―とひとまず想像しておく。次回再開時にお披露目が来るか楽しみです。

それにしてもアメブロの書ける容量って増えたりしたんですかね。途中から容量オーバーだろうなと思って端折りつつ書いたものの、ちゃんと1つの記事に収まったね。マンモスうれピー。

 

以上。

→■4:特質系能力(その1) に続く。

4-1:特質系能力(その1)【H×H感想 3rd版】

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←(前) ■3:操作系能力
→(次) ■4-2:特質系能力(その2)

 

この項目は今回のH×H感想3rd版の更新で一番大きいところ。

暫定37巻情報を基に考えているため、37巻で修正が入った場合はワンパンKOを食らって終わりになるかもしれない部分だが、見切り発車で更新したいと思う。

ちなみに暫定37巻情報とは本誌掲載分でまだ単行本化されていない2018年43号~52号掲載分を指す。

 

◆特質系能力について(その1)

→願望の成就・現実化が可能な念系統(?)

 

局所的に特質系と示されている能力もあるが、基本的には“「強化・放出・変化・操作・具現」以外の念”と抽象的で、未だ特質系の統一的な性質について明確には触れられていない。

しかし、暫定37巻(No.384)にてカキンの第4王子ツェリードニヒ(以下、ツニキと表記。ツェリードニヒの兄貴の意)が出現させた念獣に対し、

テータは“本人の自覚なく具現化された特質系の念獣”と考えていた。 

 

そしてこれには似た描写があった。

ピトーとヂートゥである。

(※ヂートゥの念系統は明らかになってはいないが、キメラアントという血統から特質系である可能性は十分あろう)

 

通常、具現化物は

大変なイメージ修行を経て成せるものの様である。

 

しかし、これはクラピカが具現しようとした鎖に馴染みがなかったことにも起因すると思われる。

つまり具現する前から、その具現しようとするものを熟知しており、それこそ寝食を共にするレベルで共にあったものならばその限りではないだろう。

 

そのためヂートゥのボーガンクローに関しては、ヂートゥに一切その素振りがないものの、前世で相棒の様に使っていたor使っていた時期があったという可能性は否定できない。

しかし、ピトーとツニキの念獣については現実にあるものではないため、やはりこの瞬時に具現化させたことに特質系の性質が現れているのだろう。

 

そうして、これまで登場した特質系と思われる能力とそのバッググラウンドを見て行くと、

「今生きている人を幸せにできる占い師になりたい」

「一人で戦い抜ける力が欲しい(6系統で1つ選ぶならば強化系が理想だが本当は…?)」

「物だけではなく念も盗みたい(?)」

「“あの人”の考えていることを知りたい(?)」

「この髪の持ち主のことをもっと知りたい(?)」

一定の法則があるように感じられた。

 

アルカ(ナニカ)の力を念能力と考えた時の印象を受けての仮定に過ぎないが、特質系の核心部分は「願望の成就・現実化」なのではなかろうか。

各念能力も緩く言えば各々の能力者を願望を現実化させているとも言えるのだろうが、それはあくまで努力や試行錯誤を経た「願望の達成」であって、特質系のソレとは似て非なるものだろう。

 

一見便利に見える特質系能力だが意識的な出現の他に、ツニキらの様な無意識的な出現があり、逆に非常に厄介な側面もある様に思われる。

術者がピンチに陥り、後先を考えずに必要だと思った能力が無駄に終わったり、AOP型だった場合にはメモリ不足に陥る危険性もある。

加えて願望の成就を優先され、その過程がすっ飛ばされてしまうためか、その能力の威力次第ではやっかいな制約と制約が組まれてしまうこともある。

もちろんクロロの「盗賊の極意(スキルハンター)の様に後から制約と制約の内容を変えることもできる様だが、クロロの口ぶりでは生易しいものではない様に思われる。

 

ちなみに、特質系能力は他系統に比べるとレアなもののが多いものの、各系統別の能力者の分布や統計が示されたことはないため特質系能力者が他系統に比べ多いか少ないかはわかっていない。

 

◎特質系の念習得率

続いて、特質系の念習得率について。

こちらも残念ながら暫定37巻情報(=修正される可能性あり)に基づいた用いた仮定。

 

これまでは作中で登場した特質系能力者の多くが具現化系と操作系を多用すること、オーラを手元から離すことも単純乖離と考えれば、特質100%、具現・操作80%、放出・変化60%、強化40%で良いと思われたが、No386にてそれが誤りである可能性が示された。

クラピカが主催する念講習会において自らが特質系だと水見式で示した後に

“能力の系統は本来他人には決して教えてはいけないトップシークレットだ”

“私のようにどの系統か判別のつかない特質系ならば影響は少ないが敵に自分の系統が知られてしまうのは先手を決めるジャンケンで出す手がバレているのと同じ位不利だと理解してくれ”

―と述べたのだ。

 

クラピカが「絶対時間(エンペラータイム)のヒントを与えるハズもなく、嘘の情報を言えば第1王子の私設兵から突っ込まれてしまうどころか、他の受講者達にいらぬ不信感を与えてしまう。

よって“どの系統か判別のつかない特質系”という情報は、クラピカ自身の情報ではなく特質系能力者一般に当てはまる情報なのだと思われる。

 

つまりイズナビが、

“なぜ(特質系が六性図で)この位置にあるかっていうと後天的に特質系に変わる確率が高いのが両隣の具現化系と操作系だから”

と言っていた通り、他の系統の様に“習得率の相性”によるものではないということだろう。

 

具現化系と操作系が一番後天的に特質系に変わる確率が高いものの、強化・放出・変化系の能力者が後天的に変わる可能性もあり、クラピカの“どの系統か判別のつかない特質系”という発言を考慮して特質系を含む六性図を無理やり1つにすると

上図の様になると思われる。

 

後天的な特質系能力者ほど具現化系と操作系の間に位置することが確率的に高いとは思われるが、先天的な特質系能力者はその限りではない上、その者が先天的・後天的のどちらなのかを判断する術はないだろう。

それ故に実質的にどの系統か判別のつかない特質系となるのだろう。

 

具体的な例として

“放出系よりの強化系能力者みたいだわね”

と評されたゴンが後天的に特質系に変わった場合、

特質100%、強化・放出80%、操作・具現60%、具現40%となるのだろう。

 

しかし後天的に特質系になった場合や、クラピカの様に2つの系統を使い分けられる場合、実際の習得率がどうなるかは不明

前者の場合―例えばゴンを例にした場合は、強化系のままならば強化系Lv10まで覚えられるが、後天的に特質系に変わった後はLv8までしか覚えること出来ない。もし元々LV10の強化系能力を習得していた場合は果たしてどうなるのか。

 

またクラピカの場合、通常時は具現化系のため、緋の眼時の特質系とは念の習得度が異なる。

新たな能力を習得する際に、通常時(具現化系)のまま修行するか、緋の眼状態(特質系)で修業するかにより、習得できるレベルの上限が変わってしまうのだ。

(※ちなみに緋の眼時クラピカの正確な六性図の位置は不明であるが、これまで変化系能力を使用していないため具現と操作の間の位置する特質系とした)

 

しかし、作中の例では、

通常時(具現化):放出系の威力・精度40%

緋の眼時(特質):放出系の威力・精度100%(恐らく図的には40%+60%) (←絶対時間の効果

となってしまっており、

緋の眼時(特質):放出系の威力・精度60%+40%(絶対時間効果)=100%も本来的には可能ではあるが図の関係上簡略化されているのか系統が2つに渡る場合はどちらかを優先的参照してしまう(クラピカの場合は具現化を参照?)のかは不明。

 

個人的には、クラピカの「絶対時間(エンペラータイム)が正確に言えば「覚えた能力であればいかなる系統のものでも100%の精度・威力で使用できる」能力であると明かした直後の(読者を含めた)ゴンキルへの説明ということもあり簡略化させているが、本来的にはクラピカは系統の使い分けによる威力・精度や、習得できる能力の上限アップは図れるのでないかと考えている。

 

◎イズナビの特質系の説明について

大抵が血統だったり特殊な環境で育ったりが作用する個性的な能力だからな”

 

分かる様で、実はよくわからない説明。

まず、念能力者は生まれつき持っているオーラの性質によって、6つのいずれかの系統に分かれる。

つまり、“大抵が血統”というのは“生まれつき”という意味でいいのだろう。

 

しかし、特殊な環境で育ったりが作用するとはどの様な意味なのか。

オーラにはその者の心が鏡のごとく様々な影響を与えるから“特殊な育ち方がオーラにも影響を与える”というのは理解できる。

しかしながらそれは、“後天的に変わった”中に含まれるのではなかろうか。

 

イズナビの話しぶりだと、

1:大抵が血統

2:特殊な育ち方をした

という2つの大きな基本形を示した後に、

3:後天的に変わることもある

という例外を説明している様に感じられるのだが違うのだろうか。

 

―あくまで想像になってしまうのだが生まれてすぐにオーラの性質を調べることが稀、というより基本的には無理だからかと思われる。

説明しているのがハンターであるイズナビであるため、ハンター協会や心源流のオーラ判別法を元に考えるが、念や水見式を教えるのはある程度の自己が確立した者=ある程度の年齢以上の者であろう。

 

オーラがその者の心の状態を反映させることに着目し―

誕生→自律性の発達(1歳半~3歳頃)自発性の発達(3歳~5歳頃)勤勉性や劣等感の発達(5歳~12歳頃)→自己の確立(12歳~18歳頃)

(※自己の発達段階には諸説あろうが、ここではさほど重要な点ではないため適当)

―作中で心源流の念使いとして最年少と思われるズシの年齢(10歳前後?)を思うと、多くの念能力者を見てきたハンター協会は、例えばだが心がある程度育つ5歳頃までに“特殊な育ち方”をした者のオーラは特質系に属している傾向があることを発見した。

しかし、ハンター協会としても心源流としても基本的にはそこまで幼い子供に念を教える事もないから、大きく念習得前(水見式前)を、先天的後天的に分けたのかと思われる。

 

ちなみにハンターでもないズシに対してウイングが積極的に念を教えたとも考えづらいため、

何かの事件や紛争等で怪我をしたズシは念で治療され、半覚醒状態(部分的・限定的に念が使える状態ではあるが、自分ではそれを操作できない状態)になり、紆余曲折を経てウイングを師と仰ぐことになったのか、ウイング自身がその手の能力者なのかもしれない(妄想)

 

◎相手の念を“使う”のは特質系?

これまで特質系は「強化・放出・変化・操作・具現以外の念」とかなり抽象的な情報に留められていたものの、クロロの念に関しては、

“他人の念を盗むか…特質じゃな”

とゼノに示され、特質系の念として明確になった数少ない例。

 

しかしその一方で、クラピカの「奪う人指し指の鎖(スチールチェーン)「人指し指の絶対時間(ステルスドルフィン)と発展したことから、奪うだけならば特質系でなくても可能(操作系や具現化系が多い様に思われる)、それを用いるには特質系の力がということだ。

盗品は自分で使うなり売ることができる、強奪使用盗むという意味なのだろう。


詳細はわからずじまいになってしまったが、第一王子ベンジャミンの私設兵・シカクの「遊戯王(カルドセプト)という能力は―ベンジャミンの命令が「奴の能力を入手せよ!!」であったことからも―恐らく相手の能力をカード化し(能力の奪取)、その能力内容を知ることができる迎撃型の能力の様に思われる。

 

ただ、シカクは最後に

(カード化…“すら”……!!)

と考えていたため、カード化した“先”があるのかもしれない。

 

しかし彼の上司であるマイト曹長は、シカクが操作系能力者だと言っていた。

そのため仲間に相互協力型(ジョイントタイプ)の特質系が居てその者が使用可能か、あるいはこの能力がまだ作中未出の“敵の能力を操作するという逆操作なる能力”だったのかもしれない。

 

ちなみに、シカクは能力発動の際、先ず自身を操作するという。

そうしないと奪う能力が半強制型や強制型といった操作系能力だった場合、相手の能力を奪う前に自分を操作されてしまうためだろう。

しかしシカクは、

(カード化…すら……!!)(何て…能…力…!!)

と、ハルケンブルグの矢が自身の能力を破る瞬間をまるで見ていた様な素振りを見せていた。

 

ただ同じ様に自分が操作されるのを防ぐために自己操作をしたシャルの場合は、

その最中の記憶が何もなかった(シャルは強制型)

 

シカクは自由に考えていた=半強制型の自己操作?だとすると、奪おうとする能力が強制型だとしてもそれを防げるのだろう。

すると詳細は分からないが、ハルケンブルグの能力で自己操作が解け、その後に巡らせた思考だったのか。

 

はたまたハルケンの守護霊獣による羽の攻撃―少なくとも要請型の操作系能力の性質を持つ―が、早い者勝ちルールを満たしていたためシカクの自己操作が成立しなかったのか。

 

印象としては後者の様な気がするものの、早い者勝ちルールの詳細操作系能力の競合の描写が少ないため、現時点ではどちらか判断することは難しいのかもしれない。

 


…能力者についてもこの項目で触れようと思っていたのだが、余裕の容量オーバー…^q^

操作系の項目が容量内に収まったのでマンモスうれピー状態だったのだが、この項目はミニマム級にヘビー級超が出ようとするくらいの余裕の超過で、収まる見込みがないので記事を分ける。

 

→■4-2:特質系能力(その2)に続く。

4-2:特質系能力(その2)【H×H感想 3rd版】

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←(前) ■4-1:特質系能力(その1)
→(次) ■4-3:特質系能力(その3:番外)

 

◆特質系能力について(その2)

この項目は本来「4-1:特質系能力【H×H感想 3rd版】」に納めたかった内容で、その記事の内容を前提におく。

 

◆カミーラ=ホイコーロ

カキン帝国の第2王子、カミーラ=ホイコーロ(以下、カミィ)の自前の念能力、「百万回生きた猫(ネコノナマエ)について。

念系統は作中で明らかにはなっていないが特質系の能力で、恐らく絶状態でなくとも発動自体は可能な能力かと思われる。

 

①:カミィが絶状態で殺されると巨大な黒猫型の念獣が出現し、

②:その黒猫がカミィの命を奪った敵を殺し、

③:殺した敵を“ネるねルネルね”して出来た液体(?)を尻尾からカミイの口に注ぐと

④:カミィが復活する

―という、迎撃型(カウンタータイプ)の能力で、死後発動し攻撃して来た者の命を以て蘇生する、死によって強まる念の一種である様だ。

色々な要素が1つに詰まった面白い能力である。

 

◎迎撃型(カウンタータイプ)の能力

相手の“行動や思考”に対して発動する念の一類型で、その性質上先制を相手に許す事になる。

一番想像しやすいのは自分への“攻撃”に対して発動する反撃だろうが、事前に命令をしてそれに反した者に対して発動させたり、相手抱いた思考によってその威力を向上させたりすることが可能で、“発動”が迎撃型であったり、“威力”が迎撃型だったりする様だ(基本的にはその両方であることが多いかと思われる)

 

これまで「絶」が、「硬」の過程や、極度に疲れた時に効果がある程度しか示されていなかったため、念の“四大行”の中に「絶」が含まれることにやや疑問があったものの、「絶」によって防御力を0にすることで自らのリスクを最大化することでカウンターの威力を倍増させる方法が示され、絶状態を条件とする能力は意外と多いのかもしれない。

 

ただ一方で、

絶をする術者に明確な害意を含むオーラを向けた場合はどうなるのだろうか。

術者が反射的にオーラで身を守ろうとすれば、その時点で術者の条件を破れる様にも思われる。

ただ、“絶の相手に害意あるオーラを浴びせれば心身に負担をかけ死なす”こともあるから、それも“攻撃”とみなすことができ、反射的に身を守ろうと絶を解除しても―絶状態で相手オーラ(攻撃)を浴びているから―迎撃型の念は発動されるかと思われる(後述の停止条件付きの発)

 

◎停止条件付きの発

メモリの項目で大体の概要には触れてしまっているが一応もう一度触れる。

停止条件付きの発という言葉は作中にはなく、私(ブログ主)が勝手にそう呼んでいるだけであるが、クラピカの「律する小指の鎖(ジャッジメントチェーン)や、ゲンスルー組の「命の音(カウントダウン)や、「絶状態での念の使用」について考えるとそのような仕組みがあるのかと思われる。

「停止するための条件が付された発」ではなく、「効果を発するまで停止させる条件が付された発」のこと。

ちなみに前者は「解除条件付きの発」で、若干分かりにくい言葉ではあるが「停止条件」や「解除条件」は現実世界に存在する用語のため悪しからず。

 

さて、ゲンスルー組の「命の音(カウントダウン)を例に考えるが彼らの能力は、

事前に爆弾を取り付けた対象者(ターゲット)の目の前で能力についてきちんと説明すると(=停止条件)、爆弾が作動する(=効果)というものだ。

対象者の爆破させたい箇所に触れながら「爆弾魔(ボマー)と言うことでその爆弾を取り付けることができるが、

“取り付けられて”から“説明がなされる(停止条件を満たす)まで”の間、その爆弾はどのような状態なのだろうか。

アベンガネの所見によれば、その爆弾は具現物の様である。

 

停止条件を満たすまで、「隠」されていたというのはおよそ考えられない。

実力的にビスケがゲンスルー組より下というのもあり得ないし、“怪しい雰囲気を感じたら何をおいても「凝」”と口酸っぱくしていた彼女が、あからさまに怪しいGI開始直後の勧誘や、情報交換の際に「凝」をしないとは思えない

しかしながら、情報交換の際の話振りからするに少なくともアスタハンゼ組の男には爆弾が取り付けられていた様だが、そんなアスタらを見てビスケは“何人か心当たりがあるようだわね”と考えていたため、“視えていない”のだ。

 


ナックル戦でのゴンのオーラは総量だけ言ったら“中堅クラス”と比べても遜色ねェと評されており、その量はAOP1800(POP21500)程である。

ジャジャン拳グー時はその1発に2000オーラ超のオーラ(SOC)を使用していたが、放出系の発はその念弾に用いた2000オーラを切り離すため、その念弾の素材となったAOPと放出系の発で同量のオーラを消費(SOC)するから4000オーラを消費してしまう。

「命の音(カウントダウン)は面倒な制約と制約もあり、1個にどれほどのオーラが消費されているかは不明ではあるが、その威力は(当時の)ゴンのジャジャン拳グーよりも高い様に思われるため、あくまで参考数値としてゴンの4000オーラを式に用いるが、

「4000オーラ(※参考数値)×60個(以上)÷3(ゲンスルー・サブ・バラで分割の場合)=80000オーラ相当」

ゲンスルー達はあのハメラレ組に相当量のオーラを消費していることになる(モラウでさえもオーラ総量は7万程度)


ゲンスルーは説明の段階で既に“仕掛けた”と言っていることや、それぞれが“触れられたところ”に爆弾が出現したことから、“説明した時”“一斉に具現化させた時”時に3分割しても8万相当SOCが発生させていたのではなく、それぞれを“設置した時”SOCは発生していたと考える方が自然だろう。

よって、発として有効に動いているが、現にその効果が出ていないタイプの能力があるということがわかる。

つまり、具現物を「隠」で見づらくしているのではなく、“取り付けられて”から“説明がなされる(停止条件を満たす)まで”の間は、非アクティブ状態=能力は発動しているが現に具現されていない状態(カストロの分身や、ネテロ百式観音の待機状態と同じ状態)なのかと思われる。

 

つまり―

1:対象に触れながら「爆弾魔(ボマー)と言うことで爆弾を設置(「発」はこの時点で行っている)

  ※この時点では停止条件が満たされていないため、停止状態=非アクティブ状態で具現

2:対象の前で能力内容を説明すると、

  ※停止条件を満たした

3:「発」の効果が発生爆弾がアクティブ化しタイマーが作動する

―という感じで、ゲンスルー組の「命の音(カウントダウン)は放出・操作・具現の3系統を用いる能力で、ゲンスルーを核にサブとバラという協力者を得て初めて可能な相互協力型(ジョイントタイプ)“停止条件”の付されたEOP化された時限爆弾であろう。

 

そして、この“停止条件付きの発”は、“絶状態での念の使用”に流用可能である。

「絶」の際、それまで纏っていたオーラはどうするか。

ギド戦でのゴンは、当時念に関する知識も技術も乏しいこともあって捨てた様に思われるが、纏っているオーラを発に使用してから精孔を閉じても絶状態になれるだろう。

AOPを発に使用し、同時にPOPからSOCが消費され、すぐさま全身の精孔を閉じる、といった感じである。

 

◎死後の念(死者の念)

“死後の念”“死者の念”、この2つの違いは単純に言葉の幅(揺らぎ)に過ぎないのか、それとも厳密には違うのか。

バショウの思考の中では従来思い浮かべていた死者の念死後の念としている様子のため、恐らくこの2つは言葉の幅(揺らぎ)に過ぎないとは思われる。

 

そしてカミィの能力の発動条件は自分が死んだ時(=停止条件)のため、AOP「百万回生きた猫(ネコノナマエ)を発動し(この時点では非アクティブ化状態での具現)、自分が死んだ時に発動するようにプログラムし、絶状態となる。

しかしAOP型の念は、術者が気絶状態でも維持できなくなるため、通常、死んだ時にはその能力は消えてしまうだろう。

そのため死後の念として残る必要があるのだが―

“念ってのはな 死ねば消えるとは限らねーんだ”

というフィンクスの言葉の裏を返せば“残るとは限らない”わけで、一見不確実な念に思われる。

 

そのためカミィの“迎撃型”は、死者の念をより確実に発生させるためのものなのだろうか(発動確率を上昇させている?)

 

ただカミィの私設兵には、

“つじつま合わせに生まれた僕等(ヨモツヘグイ)という術者が死後発動する“呪憑型”と呼ばれる「死後の念」使い達がおり、

執事長のフカタキから、カキン王国の栄華がカキン王の残した壺=死者の念に支えられていることを聞いているだろうから、兵隊すら使え、初代カキンも使えた力を自分が使えないハズがない傲慢なカミィなら考えた様に思われる。

 

死後の念に溢れた環境も、“自分は何でもできる”という中二的万能感も術者の念に強い影響を与える。

また“死が終わりではない”というような独自の死生観も関係しているのかもしれない。

つまり、カキンにおいて特殊な発展を遂げた念の1つ、あるいはその最たるものが“死後の念(死者の念)なのかもしれない。

 

そうすると、カミィが迎撃型で高めているものは発動確率ではなく―高位な念もしくはカミィの力不足故の底上げあるいは、攻撃して来た者の命を以て蘇生する能力のため相手殺さねばその目的は果たせないため、黒猫自体をより強くするための制約と制約なのかもしれない。

 

◎能力の性質

猫を具現し、停止条件が付されていることから操作系、さらに額と胸の銃創を一瞬で回復させていることから自然治癒力の強化(?)という3要素から、

ピトーの「玩具修理者(ドクターブライス)に近しい印象を受ける。

ピトーは“死人を生き返らせる事は出来なかった”とは言うものの、

その能力でパームの自殺を阻止(蘇生)している

状況的にパームは隠し持っていたナイフやそこらに散らばるガラス片で自らの心臓を刺したのだろうが、その外傷をピトーによって治療され“医療的な意味で”蘇生されたのだろう。

つまり肉体が一定以上の機能不全に陥り、かつ一定以上の時間が経過すると魂は肉体を離れてしまう“様”だが、それよりも早く治療が出来たならば、結果的に“生き返す”様なこともできるのかもしれない。

 

しかし、カミィの能力は“自然治癒力の強化だけではどうも不完全である様に思われる。

この時のカミィは頭部を1発、胸部を2発拳銃で撃たれ、猫から注がれる謎の液体により瞬時に回復しているものの脳内に残った銃弾はどうしているのか。

脳内に銃弾が残ったまま回復したとすれば銃弾が脳内の血管を圧迫して、復活したとしても深刻かつ重大な症状がすぐにでも出てしまう可能性がある。

もちろん、あの時のムッセの撃った弾は3発とも上手く貫通してくれたのかもしれない。

では、この手の国の王位継承者にありそうな暗殺の中でも毒殺の場合、例えば毒の塗った針を刺されたり、毒が混入した食事を食べてしまった場合どうなるのか。

色んな毒があるのだろうが適当に出血毒として、出血やら血圧降下、腎機能障害を始め多臓器不全を起こし死亡したとしよう。

ただ件の能力により肉体の問題点をクリアして復活したとしても、体内に“毒が残っている”ため同じ状況を繰り返し死んでしまうのではなかろうか。

 

次の疑問点はカミーラの肉体に付着していた血痕が消えている点。

怪我が治るだけならば強化系の力だけで説明も付くが、吐血の痕は消え、額の血痕に至っては額の傷と一緒に消える描写がなされていることから、能力の性質として強化系では説明が付かない。

どこぞやのオサレな漫画を一瞬連想するが、ツニキの予知夢と未来改変が可能な―箱庭(仮想世界)の中での出来事を現実化している(?)「刹那の10秒(仮)とも性質が近しい様に思われる。

 

カミィの肉体以外(服)の汚損はそのままであるのは能力の対象がカミィの肉体のみに限定しているのか(=能力の性質)、元々敢えてその様にしているのか(=制約と制約)は不明。

確証はないが個人的には後者な気がする。

継承戦中も有名ブランドの限定品等の購入を母親(ドゥアズル)に命じる程のカミィは自分の洋服が汚されるなんて許せないと思うのだろうが、それ以上に自分を殺そうとした連中の方を許せないと感じる様に思われる。

基本的に暗殺はその実行犯個人が犯すのではなく、大抵がその背後にいる敵対勢力が命じていることがほとんであろう。

今回も胸の“自身”の血痕がなければ、後の調査でムッセの襲撃が狂言で、実は自分の部屋に駐在するムッセが邪魔でカミーラの方から襲撃してその遺体を隠した、とも取られかねない。
つまり、“反撃するために”(王族殺人の未遂をネタに相手方を殺すor訴追するために)、敢えて肉体以外は元通りにしていないのかと思われる。

 

しかしながら―

銃で脅されながら、密室に閉じ込められその後、致死性のガスが部屋に満たされ復活出来ても再度死ぬような場合

強力な重火器もしくは念攻撃により黒猫が謎の液体を注ぐことが出来ないほどにカミィが跡形もなく殺された場合

―あらゆる状況で本当の意味で“復活”できるのかは現状不明。

 

またカミィを、例えば2人同時に攻撃しその2人ともがカミィに致命傷を与えた場合、より重い危害を与えた者を選択的に反撃するのか、2人共に反撃するのかも現状不明。

 

◎迎撃型で強めているもの
カミィの能力は攻撃して来た者の命を以て蘇生する

“相手の命を以て”ということは、“黒猫が相手を殺せなければ”、カミィは復活することができないのだろう。

上述の様に、自身が“死後の念”を発動できないとは微塵も思わないのだろうから、恐らく迎撃型で高めているのは“黒猫自体の威力”かと思われる。

カミィの能力は正にバショウの言う呪憑型の念(=発動すれば姿が見える)で、

猫が出現した際にムッセは背後の気配を感じ取っていた様子もあるため、少なくともムッセには視えており、反撃・撃退のチャンスもゼロではないのかと思われる。

そのため、その黒猫を出来る限り強くするための「迎撃型」で、恐らく絶状態でなくとも発動はするものの相手に撃退される可能性が出て来てしまうのかと思われる。

 

◎特質系能力の一端(?)

カミィの能力は、もしカミィが意識の外から攻撃されて死亡した場合、例えばライフルで超・長距離から狙撃されて死亡した場合どうなるのか。

迎撃型(カウンター型)という言葉から受ける印象としてはその相手を認識していないと成立しない様にも思われるが、そもそも暗殺しようとしてきた相手を認識できていることの方が少ないかと思われる。

つまり“意識外からの攻撃=想定内の攻撃”なのだろうが、どのようにして相手を特定するのか

 

同じ様にどのように相手を選定しているのかがよくわかっていない能力として、アルカ(ナニカ)の死罰(デスペナ)が挙げられよう。

アルカ(ナニカ)というより、恐らくアルカに憑いたガス生命体アイ(恐らく寄生型のため、宿主であるアルカの影響を受け、ナニカたる人格―キルアから“もう二度と出て来るな”と言われ涙する―を得た“内の世界”で育った特殊な個体)の能力であろうが、

「おねだり」に失敗した時の、最低でも“タゲ”と“タゲの最愛の人”が、それで足りなければ「お願い」の大きさに比例して“タゲと長い時間共に過ごした人”が上から順に死ぬ現象を死罰(デスペナ)と勝手に呼んでいるのだが、どのように相手を選定しているのか。

(※タゲ=ターゲットの略で「おねだり」をした相手のことを指す)

 

アルカ(ナニカ)が“元々その全ての人間を知っていた”というのは厳しく、恐らく“タゲの持つ情報を流用”しているのではないかと思われる。

“タゲの持つ情報”というとやはり記憶で、パクノダを連想するのだが、彼女はどのように記憶を読み取っているのだろうか。

特に、人がその物に執着すれば念能力者でなくともオーラが留まることもあるが、

クラピカが旅団に宛てたメモ書きからはどのように読み取ったのだろうか。

 

いつもの如く確証は何もないが―、

心の動きに呼応するように、魂の枝葉執着の対象に付着して、その想いの強さに生命エネルギーが吸い寄せられて定着する(それを行使するのが念?)様な動きをするなら、メモに付着したクラピカの魂の枝葉から―

 

あるいはギド戦でウイングが、

「波長のあう者に対して、“物はより強い働きで応えてくれる”ものなのです」

と話していた様に、“生物・無機物を問わず全てのものの中には霊魂もしくは魂が宿っている”というアニミズム的な世界ならば、“メモ”自体の持つ記憶から―読み取っているのだろう。

 

つまり特質系の能力の一端として、自分以外の魂も情報を使用・収益・処分できるような性質があるのかもしれない。

その様に考えると他者の念を使うことが特質系能力者以外に出来ない理由は、その「発」に込められた魂の枝葉と、使用する物の魂が合致しないため(鍵穴に鍵が合わないようなイメージ)なのかもしれない。

 

魂の枝葉なるものが、執着の多寡や、一緒に過ごした時間や想いの質により、より多く吸着したり変化するならばその情報を利用して、“タゲと長い時間共に過ごした人”を上から順に襲うことも可能な様に思われる。

 

―と、そんなところで大分脱線したが、もしカミィが意識の外から攻撃されて死亡した場合でも、その攻撃に込められているオーラ(の中の魂の枝葉?)だったり使われた道具の記憶等から特定、発動可能かと思われる。

 

◎カミィの念系統

カミィの念系統は恐らく特質であろうことは「能力の性質」の箇所で触れたが、別の視点からの理由。

まず単純にベンジャミンやツェリードニヒが特質系であることから、カキン王族は特質系の典型例である“血統”なのではないか、という印象を持った。

次にカミィの能力のチグハグさだ。

カミィの周囲には念能力者や、その一端を知る者が多数いるため―傲慢なカミィが素直に教わるかは置いておいて―意識的にあの能力を創出した可能性ももちろんある。

しかし―

“願っただけでは実現しないなんてどれほど理不尽なのかしら!!!”

―と考える程に勝気で傲慢な彼女ならば、相手を自分の思い通りに操れる能力(半強制型もしくは強制型)にすれば、自分から攻めることもできるのに、なぜ「迎撃型」なんていうまどろっこしい能力を作ったのか。

 

また自らの蘇生を確実ならしめるために「絶」を用いてるとは思われるものの、

「絶」はその者の存在感を薄めてしまうが、継承戦中も有名ブランドの限定品等の購入を母親(ドゥアズル)に命じ、瀟洒なドレスや豪華な宝石を好んで身に着けるカミィの性格とも合致しない。

 

つまり「百万回生きた猫(ネコノナマエ)は、開発した能力ではなく出現した能力なのかと思われる。

能力名が―H×Hにあるかは確かではないが―絵本の名前であること、黒猫の言葉が「ねるねるねるね」というお菓子であること、自ら攻める様な能力でないことから、能力出現時まだカミィには今ほど傲慢でもなく力も権力もなかった様に思われる。

よってまだ幼く暗殺に怯えていた少女が従者の話や、読んでいた絵本、当時食べていた複数の素材を混ぜて作るお菓子から影響を受けて生み出した能力なのかと思われる。

その時に絶状態で念を使用できるようにオーラ管理はできないだろうから、あの黒猫は“能力の管理者”の側面も持つのだろう。

 

以上、能力の性質とそのチグハグさからカミィは特質系能力者かと思われる。

 

◎カミィの今後への期待
カミィの能力の大部分は第1王子ベンジャミン側にバレてしまっていると思われる。

カミィが単身でベンジャミンを襲撃した際、

撃ち返される様に煽っていたことから、「百万回生きた猫(ネコノナマエ)で迎撃するつもりだったのだろう。

 

つまりこの時のカミィも状態であったわけで、カミィ=念能力者が確定する。

晩餐会の時を含め通常時は出ていた守護霊獣も姿を消しているため、勝気なカミィの性格を考えれば、あの状況を覆すことのできる性質を持つ迎撃型の能力とわかる。

しかし、その一方でヒュリコフに左腕を折られた時は能力を発動させなかった

この点だけでは条件を満たしていないか、再使用に充電期間が必要な能力(ヒュリコフに発動したら、すぐにベンジャミンには使えない)なのか等の明確な理由はわからないだろうが、ムッセの銃声とその死(ベンジャミンの能力で把握)からヒュリコフに“撃てば?”と煽る時間の短さから、少なくとも後者ではないことがわかるだろう。

加えてカミィの胸部に血痕が2箇所残っているにも関わらず、拘束中のカミィには胸部を気にかける様子がないことから、既に胸部に負傷はないものと推察できる。

折られた左腕を治さないも関わらずムッセから受けたと思われる胸部の負傷はこの短時間で回復され、代わりにムッセが姿を消し行方不明状態になっている(=ムッセの死は把握済)

以上の情報から、迎撃型の能力者は私設兵の中にもいるため(=バビマイナ)、恐らく答えに近い“アタリ”はついているのではなかろうか。

カミィは、

“守護霊獣なんて必要ないわ”

という考えをいつ撤回できるか、「百万回生きた猫(ネコノナマエ)を捨てる覚悟をするのか。

それとも挫折を知らなかったであろう彼女が初めて挫折を経験し、幼い精神が急激な成長を遂げるのであれば、能力に変化が生まれるのか(自分を殺した相手ではなく自らの私設兵を犠牲に復活できるようになる、等)

はたまた、新たな能力が生まれるのか―。

 

高位王子がこのまま簡単に退場することもないであろうし、

彼女の守護霊獣は強制型の能力を持つという。

気になっている早い者勝ちルールもしく操作系能力の競合の描写が出て来そうで楽しみである。

 

◆ナニカの死罰(デスペナ)について

途中の脱線の中で触れたナニカの死罰(デスペナ)に関して最後に触れたいと思う。

 

ナニカの死罰(デスペナ)に対して、

イルミは「ゾル家が全員死ぬ」と言い、

「多分ヒソカも死ぬよ?」というイルミの言葉にヒソカも同意している様に思われるが、

「巻き込まれた相手が “必ず” 死ぬ様な能力」が成立するならば、それは相手に不可能を強いるのに等しく、それが可能な“特質系は6系統中最強”となりかねない。

 

しかし、それはH×Hの世界観にそぐわない様に思われるため、何かしら理由があるのかと思われる。

―いくつかその理由は考えたものの、恐らく単純に“力の差”かと思われる。

 

例えば、具体的な被害者であるミツバは、

自分を潰す“なにか”に気づかず、ひょっとすると自分が死んだことすら意識できなかったかと思われる。

この描写だけでは、その“なにか”は念能力者であるミツバにも感じ取れなかった回避・抵抗・反撃の余地なし(?)の様に感じられるが、果たしてそうなのだろうか。

 

例えば、ピトーでさえもネテロの攻撃に対し“己の体感時間を限りなく圧縮し自らの時を止めるに等しい状態に置くことでしかその動きを目で捉えることができなかった”が、ネテロが百式観音の壱乃掌をミツバに対して背後から放った場合、ミツバは“なにか”に圧し潰された時同様に何が起こったかもわからぬ内に死ぬのではなかろうか。

カミィの念の様に殺意もしくは殺気が漏れる様なレベルならばミツバも背後に気づくかもしれないが、ネテロの念の様に“恐ろしく静かで、オーラの流れから次の攻撃を読むことは誰にもできない”レベルならば気づくことは出来ない様に思われる。

それと同じ様に人間と暗黒大陸の生物では“生物としての格の違い”とでも言うべきか、持つ力に大きな差があり、かつ皿の上の食事に殺意を抱かない様に、無感情に、そして毎日行っている当たり前の作業の様に行っているならば、あの時のミツバには感じ取れないのも当然なのではなかろうか。

 

そのため、臨戦態勢時ならば回避・抵抗・反撃の余地もあろうが、“いつ”、“どこで”来るかもわからない“なにか”の前では、ゾル家の者もヒソカも死ぬ他ないのではないか、というのが今のところの落とし所の様な気がしている。

 

 

…続けてフェイタンについて触れようと思っていたが、正直書いてる途中で分かってた。入らないって。

→■4-3:特質系能力(その3:番外)に続く。

4-3:特質系能力(その3:番外)【H×H感想 3rd版】

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←(前) ■4-2:特質系能力(その2)
→(次) ■5:具現化系能力

 

◆特質系能力について(その3:番外)

この項目は本来「4-1:特質系能力(その1)】」と「4-2:特質系能力(その2)」に納めたかった内容で、その記事の内容を前提におく。

狙って分けた訳ではないが、元々番外的な扱いだったため結果的に良かったかもしれない。

 

◆フェイタン=ポートオ


「2」の番号を持つ幻影旅団員で、戦闘や拷問を担当している模様。
特質系能力の項目に載せてはいるもののフェイタン自身の念系統能力の念系統不明

しかし再開後お亡くなりになる可能性もあり、事前に扱うタイミングが今しかない様に思われたため、端的に言うなら「やむを得ず」この項目で取り扱うことになった。

 

要はフェイタン=特質系能力者なのではないか、ということだ。

今のところ明らかになっている能力は“許されざる者(ペインパッカー)“太陽に灼かれて(ライジングサン)の2つ。


受けたダメージの内容(量や質)に応じた熱量をオーラに付加していると読むと変化系(オーラに温度の性質を付加?)
そして、その熱から自らを守る防護服具現しているため、変化系or具現化系能力者という印象を受ける。

単純乖離(=AOP型 ≠放出乖離・EOP型)の能力であれば通常、発に用いたオーラの分だけ術者の防御面に難が出てしまうのだが、広範囲・高火力の能力で“攻撃は最大の防御”を地で行く様に上手くカバーしている様に思われる。


旅団腕相撲ランキング5位という情報を加えると、

単純に考えると、強化系に近い変化系能力者あるいは、

やや穿って考えると、AOPが多い具現化系能力者というのが第一印象だ。

 

AOPが多いというと、

ザザンに硬が通用しなかったことが反論に挙げられそうだが、まずそもそも論としてBP(肉体の強さ)が人と人間蟻では段違いなのである。

そこにザザンのBP強化(ex.爆肉鋼体)が加わるが、これは能力の性質として“ゴンさん”に近しい部分がある。

ザザンが千切った尻尾は「審美的転生注射(クイーンショット)に必要不可欠な要素で、自らの女王としての未来を捨てた結果得られた姿なのである。

ちなみにだが、ザザンはキメラアントの摂食交配を潜在的に継承しているため恐らく特質系。加えて摂食交配を除いて発らしい発を用いていない様子や、元々の尻尾を千切った直後に新しい尻尾を再生した(自然治癒力の強化?)こと、最終的に用いた能力が自己強化である点。

フィンクスからは稚拙な放出系攻撃と評されたが、

少なくとも直撃すれば衣服を弾け飛ばす威力は保っていることを考えると、強化と放出の間の特質系能力者(強化寄り)かと思われる。

 

さて、話を戻す。

能力からフェイタンは強化寄りの変化系能力者か、AOPの多い変化寄りの具現化系能力者かと思われるとは言ったものの、腕相撲がそこそこ強く、系統不明の能力者に対して近接戦闘を挑む様子から、ひとまず現段階では一番無難な強化寄りの変化系能力者としておく。

しかしその一方で疑問点も多いのです。

フィンクスらの話によるとフェイタンは複数の技を持っている様で―

ゼノが“龍頭戯画(ドラゴンヘッド)から“牙突(ドラゴンランス)や恐らく“龍星群(ドラゴンダイヴ)と発展させた様に

 

―フェイタンの“許されざる者(ペインパッカー)“起点の技”で、受けたダメージの内容(量や質)に応じて“太陽に灼かれて(ライジングサン)などの様に枝分かれさせるのではないかと思われる。

 

ただ能力の内容と、フェイタンの好戦的で嗜虐的な性格や戦闘スタイルとの“チグハグさ”が気になってしまっている。

まず、“許されざる者(ペインパッカー)迎撃型(カウンター型)なのである。

“自分からは攻めない代わりに攻撃されたら反撃するよ”という戦闘スタイルならわかるが、自分からもガンガン攻めて行って、その過程でダメージを受けて“はい、迎撃型能力発動ね!^^”というのは如何なものなのだろうか。

もちろん反射倍率が低いならありかと思われるが、フェイタンが受けたダメージは胸部の打撲(?)左腕骨折程度であるにも関わらず(サザン狂化後の殴打戦での打撲もあるかもしれないが)、反撃がアレですから、反射倍率が“異常に高い”様に思われる。

この反射倍率の高さから、変化寄りの具現化系能力者というのもありなのかとも思ったのだ(敢えて苦手な近接戦闘を自分に強いるという制約と制約)

 

加えて、フェイタンの性格とその能力の相関関係にも疑問がある。

“系統的に強化系が苦手だから、敢えて苦手な近接戦闘を自分に強いている(フェイタン=具現の立場)と考えると、どちらかといえば思慮深い様に思われるのだが、作中で描かれているフェイタンの様子はどちらかと言えば短気で浅慮である。

“好戦的な性格にも関わらず持っている能力は迎撃型(フェイタン=変化の立場)と考えると、好戦的な性格にも関わらず大変なイメージ修行等を経てまで得た能力が“自分がそれなりのダメージを受ける”ことを前提としており、正攻法では勝てないことを想定したかの様な迎撃型であることにも疑問が残る。

 

「フェイタンに念の師匠の様な存在がいた」のならば、ありえるかもしれない。

フェイタンの好戦的な性格を理解しており、好む近接戦闘が念系統(少なくとも強化系ではない)的に合わず、同レベルの強化系能力者には苦戦を強いられるから助言をした、とかならばそれっぽく通じる様な気もするが、

“家族?なにそれ?”

と言っており、その師匠なる人物が既に死んでいたとしても、国際人民データ機構にデータがないことから、少なくともクロロ、シャル、シズク、フェイタン、マチ、フランクリンは流星街生まれで、フェイタンにだけ師匠の様な人物がかなり具体的に、それも熱心に指導していたことには疑問が残る上、師匠の言うことにおとなしく従うタイプなのだろうか(わからない)

 

つまるところ、フェイタンの能力の“開発過程”に疑問があるのだ。

そして漸く本題。フェイタンの能力は開発したのではなく“出現”したのではなかろうか。

自らがケツモチを務めるマフィアの組長・モレナ=プルードの造反が露見した際に、怒りに呼応するように本人の自覚なく新たな念獣が具現化されたように、

直面した逆境を打破すべく、ヂートゥが新たな能力を生み出したように、

フェイタンが苦戦を強いられ思わぬダメージ受けて、ブチギレた時に発現した能力の1つだったのではなかろうか。

―その様に考えると、チグハグ感にも納得が行く。

 

一見それほど重大なダメージを負っていないにも関わらず、その反射倍率が高い理由としては、

“痛みを返すぜ”

という言葉に着目し、フェイタンが敵から受けるダメージの“痛み”の倍率が上がる”という制約と制約ではなかろうか。

特質系は望んだ願いに対して―成就されたとしても―その術者の力に応じて“返し”が無理矢理辻褄を合わせる様子があるため、痛みの倍率が上がるという制約と制約ではなかったとしても、フェイタンは反射倍率を高めるために何かしらの強い負担を負っているかと思われる。

以上の様に考えると、フェイタン=変化と具現の間の特質系能力者(変化寄り?)だろうか。

 

さて、ここからは完全に情報不足のため描写外に大分出る妄想寄りの余談。

フェイタンを特質系能力者かと思ったもう1つの理由が、フェイタンがキレた時の“言語(文字)である。

「去」や「憂」というそのまんまの漢字もあるが、全体的に複数の漢字や記号を合わせた様な造語の様である。

明確に示されているものでは、ハンター文字(?)(H×Hの世界の共通語?)

念を補助する効果のある神字(しんじ)に続く3つ目の言語だろうか。

 

普段のフェイタンの「なんちゃって中国人」の様な話し方や、謎の言語の「漢字感」から当時はハンターの世界の中国人かと思われた。

しかしカキンの人々は普通に会話が成立するため、カキンの人々は共通語(ハンター文字?)を用いている様だ。

(まぁ、レオリオのお勧めしていた携帯・ビートル07型が“200種類の民族言語通訳機能付き”だったことを考えると、“漫画の都合”の可能性高いでしょうけど)

しかしながらカキンは超古代国家で、30年程前に“「歴史上最も静かな革命」と言われた真林館事件”帝国社会主義から議会民主主義へのシフトしたと言われる。

その際に近代化や、グローバル化を進めようとして共通語(ハンター文字)を取り入れただとか、あるいはフェイタンの話す言葉の文字の画数がやたら多いことから旧字体を彷彿とさせるが、あの言葉は古代カキン帝国で使われていた言語なのかもしれない。

 

・フェイタンは流星街生まれ。

・流暢に例の言語を話していたことから、その言語を使う流星街にあるコミュニティで一定の年齢まで育っている(例の言語が第一言語で、共通語が第二言語だからややカタコト)

“家族?なにそれ?”発言からあの時点で家族はいない。死んだか、殺したか、家族とは思っていないか。

 

以上の要素から複合的に妄想してみると―、

カキンのとある二線者の一族が流星街に亡命し、カキンの王族達にいつか復讐せんと自分達の子供たちを使って「壺中卵の儀」を模して育てていた。しかし、所詮は二線者といったところか野望はいつしか形骸化し、昔から先祖がやっていた方法に則りつつも自らの鬱憤晴らしでしかない暴力や虐待の様相を呈していた。

そしてある時、その内の子供の一人が大きな力を発現し、そのコミュニティ丸ごと吹き飛ばした

―なんていうお花畑が浮かぶ。

 

そして良くわかっていない要素として、フェイタンの“あの状態”である。

ストレートに考えれば「ブチギレて地が出てしまった(外国人が怒ると母国語になるような感じ)となるのだが、フェイタンの能力が複数あり、何れも範囲が広い(=広範囲に効果を及ぼす程の威力を持つ)点、

そして、“あの状態”になった途端(まだ能力発動前)、クラピカの様にオーラの絶対量が増えた様にも見える描写があることから(単純に極端な怒りが念に影響をもたらした可能性もあるが)「フェイタンの中の別の人格とスイッチした」様にも捉えられる様に思われた。

 

二重人格なのか、多重人格なのか、はたまた「壺中卵の儀」を模した結果、フェイタンの体の中に複数の魂(人格)があるのかはわからないが、その人格ごとに例えば“痛みを受けて思い出す情景が異なる”のであれば、“許されざる者(ペインパッカー)を起点に発展する能力にも差が出て来るかもしれない。

炎天下であったり、極寒の中であったり、雨の日だったり(雨が体の傷に染みていた=酸の雨を連想)と、何れも自らを取り巻く環境を再現しているから広範囲の能力になるかもしれない。

 

酸の雨に関しては、仕込み傘をわざわざBW号に持ち込んでいたため、単純に代用の効かないお気に入りの暗器故なのか、能力に関係があるかもしれないと思い適当に足してみた。

そんな感じで能力の発現由来血統(二線者の子孫?)特殊な育ち方(=多重人格者を指している?)等から、フェイタン=特質系能力者という考えも出来るかな、と思いました。まぁ根拠部分が色々乏しいですけどね。

二線者の子孫であればBW号で思わぬ物語の発展もありそうですし―大変そうな暗黒大陸編に突入しないようにか―やたらとBW号内をイベント盛り沢山にしているため振り逃げダイナミックをかます助けにもなりそうですしね。


以上。

→5:具現化系能力に続く。

5:具現化系能力【H×H感想 3rd版】

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←(前) ■4-3:特質系能力(その3:番外)
→(次) ■6:変化系能力

 

◆具現化系

→オーラや物体を元に思念を物質化が得意な系統

 

オーラを元に思念を物質化させるほか、

ツボネの「大和撫子七変化(ライダースハイ)などの様に肉体等の物体を元に思念を物質化することも可能である。

上の六性図からも見て取れる様に、具現化系は操作系と同じく習得可能な能力のバランスが悪く、放出系を苦手とすることから具現物はAOP型であることがほとんどであろう。

そのため基本的に常に能力の要たる具現化物のためにAOPを一定量割かれ、かつ神懸かった物も具現化できないため、“型にハマれば各々が最強になりうる”ものの、その“相手を型にハメるまで”の過程に創意工夫が必要な念系統と言えよう。

 

基本的に具現物は非・能力者でも視ることができるが、オーラを元に創った具現化物はオーラの様に「隠」でもって非・能力者からも視えない様にすることが可能

また「隠」を用いずに特定の者にだけに視せたり(術者と相手のみ)、逆に特定の者にだけ視せなかったり(守護霊獣が憑いた王子は自身と互いの霊獣を視ることができない)術者にしか視えなくさせたり(ムッセのミミズク)することも可能であるが、その分術者が必要なエネルギー量は多いという。

 

◎完具現(アクティブ状態)と半具現(非アクティブ状態)

作中にはない当ブログの解釈上の用語。

能力は発動させているが現に具現はされていない状態半具現(非アクティブ状態)と、通常通り現に具現されている状態完具現(アクティブ状態)と便宜的に呼んでいる。

 

ネテロの百式観音から完具現半具現の切り替えは、解除⇔再具現と異なりその度にオーラを消費しない(=SOCなし)ことや、半具現(非アクティブ状態)ROC(ランニングコスト)が極めて低減されているか、ゼロの可能性もあるかと思われる。

またカストロの状況から、心神耗弱によって具現化物は消えてしまうのは解除ではなく心神耗弱による具現の維持が出来ず半具現(非アクティブ状態)状態に陥ったに過ぎず、AOP(メモリ)はその具現化物に割かれたままかと思われる。

 

◎寄生型の念能力

宿主のオーラを利用して能力を発動させるタイプで具現化系に“多い”と言われ、宿主のオーラを利用する分、術者は消費エネルギーを抑えることが可能な能力。

宿主に自覚なく且つ操作も出来ないのが特徴で、宿主を守るものも、攻撃するものもいると言う。

そして、恐らく基本的に常時“隠”型かと思われ、 

カキンの王子達に憑いている守護霊獣がこのタイプと言われている。

また、寄生型には厄介な特徴として「行動が読めない」点が挙げられている。

寄生型には誰かの残留思念が宿主(別の誰か)に憑き、宿主の力(オーラ)を借りて具現化するものが多いが、そのせいで宿主の性格や感情の動きが寄生型に少なからず影響を与えてしまう。

人間自体が一貫性から程遠い生物なのに、寄生型は誰かの思いと宿主の思いとが交錯して生まれ育ち、よりややこしい存在となってしまうためだという。

 

◎完全寄生型と二重寄生型

私の勝手な付け足しであるが、

サイールドの耳から出てきた蜘蛛熊型の念獣二重寄生型の念獣かと思われる。

 

あくまで便宜的な分類に過ぎないが―

1:(完全)寄生型

宿主Aのオーラを元に活動しており、メモリ(AOP)も宿主頼りのタイプ。いわゆる作中で紹介されている寄生型で宿主が絶状態になったりすると完具現(アクティブ状態)を維持できない。作中で言及されている寄生型のタイプである。

 

2:二重寄生型

念獣Xメモリ(AOP)宿主A頼りにしているが、さらに別の宿主Bにも寄生し、新たな念獣Yを生み出すの必要なメモリ(AOP)宿主Bに依存する。

恐らく宿主Aが絶状態になると念獣X念獣Yも完具現(アクティブ状態)を維持できないが、宿主Bのみ絶状態になった場合は念獣Xは維持できるが、念獣Yの方は維持出来ないという性質をもつ

―というもの。

 

他の王子達の守護霊獣達が現れた直後に、サイールドが何らかの能力によって操られたことからクラピカは、

“サイールドに憑けているモノも寄生型かも知れない”

“それならエサ(オーラ)が無くなれば出て行くか消えるかするはず…!!”

と話し、サイールドを絶状態にした結果“ギギ?”と何らかの異常を察知して耳の中から出てきたのが蜘蛛熊型の念獣である。

カートンからはサイールドがヒマだと応えた相手の姿が見えていないため―

1:ネズミ型の念獣(モモゼに寄生)が念能力者に「おヒマ?」と問いかけ、

2:それに反応した相手に蜘蛛熊型の念獣を憑け(サイールドが絶になっても消えなかったことから宿主はモモゼ)

3:サイールドのAOP(メモリ)で―姿を変えたら警戒されるため―恐らくネズミ型の念獣を具現してサイールドが応えるまで「おヒマ」と問いかけ続ける(カートンに見えておらず、サイールドが絶状態になった時に蜘蛛熊の念獣が出てきたため、カートンに見えないネズミ型の念獣の宿主はサイールド)

―という二重寄生の念獣だったのかと思われる。

 

大元の宿主であるモモゼがオーラ切れを起こしかけていたため、第6王子のタイソンの守護霊獣の様に憑いた相手からオーラを徴収する“徴収型”の性質を持たせていたのかもしれない。

もし徴収型の性質も持っていたのならば念能力者(=エサ)であるカートンを殺させた意味が通らない様な気もするが、いわゆる行動が読めないという寄生型の悪い点が出てしまったのか、「敵を減らす+エサを探す」という2つの目的から1人の王子につき1人だけ寄生し他は殺す予定だったのかもしれないが、モモゼ亡き今わからず終いである。

 

◎自動型と遠隔操作

念獣は大きく、

自動型(オート)=能力者が気絶しても消えない(=EOP型?)

遠隔操作(リモート)=能力者が気絶すると消える(=AOP型?)

の2つに分けられる様だが、

AOP型のモラウの「紫煙機兵隊(ディープパープル)は、基本的には核のオーラに込められた操作条件に従って自律的に動く一方で、ナックルと共闘した際には任意のタイミングで姿をナックルに変えたりと、オートリモートの性質を併せ持っていた。

そのため、AOP型オートリモートもあれば、EOP型オートリモートあるのかと思われる。

 

◎具現化物のオーラ表現

よく具現物にはオーラ描写があるが、もし具現化物の周囲に実際にオーラがあったならばすぐに具現化物だとバレてしまう可能性がある(“隠”しても、自分より格上の“凝”には隠し切れない)

そのため基本的には読者に「これは具現化物ですよ」と知らせるための強調表現かと思われる。

 

ただ念獣と呼ばれる類の疑似生物には念獣自体のオーラ描写もあるかと思われる。

キルアを観察していた際のフラッタの「衛星蜻蛉(サテライトンボ)の周囲にオーラ描写があるが、

もしあれほどのオーラを纏って飛んでいたらノヴはもっと早く気づいていたであろうし、

カストロの「分身(ダブル)も、もし念獣自体にオーラなければ戦闘中に付着した汚れを見るまでもなく、すぐわかってしまう。

 

「衛星蜻蛉(サテライトンボ)の周囲のオーラは、具現物ですよという強調表現とも取れるし、逃げ回っていたキルアが突然停止したことから何か能力を使う可能性があったために、それを見逃さない様に―早い動きにも対応出来るように―念獣が臨戦態勢に入ったとも取れるだろう。

 

◎無敵の具現物・ポットクリン

「無害ゆえに無敵」

と端的に説明されたが、“破壊されないこと”それ自体が制約と制約なのかと思われる。

 

現実世界でもキャッシングにおいて相手方に書面を交付しなければならない法律が存在するが、ナックルは「相手に貸金(貸しオーラ)と利息を通知する事」をルールに組み込んでいる。
そして、その「相手に通知する機能」害をもたらすどころか、自らの能力の内容と攻略の糸口を与える事になり、相手の利益になりうる。

それは術者視点ではリスクになり、制約と誓約として能力の底上げになろう。

しかし制約と誓約による能力の底上げを目的としながらも、そのポットクリンが壊れてしまった場合は制約と誓約になりえない。

つまり無敵の具現化物である事、それ自体が制約と誓約なのだろう。

 

同様の考え方で、スポーツに用いる道具等を具現した場合も無敵性を付与できるかもしれない。

道具を用いるスポーツはそれを用いることがそもそものルールで、強化系能力者が絡む度にその道具が壊れてしまってはそのスポーツ自体が成り立たない

スポーツの種類にもよるがスポーツには一定程度の危険が元々あり、“念あり”にした時には危険性が跳ね上がることは当然わかるため、ひょっとすると事前の告知すら必要ないのかもしれない。

ただそれは、あくまでその道具をそのスポーツに即した形で使用した場合に限られると思われる。

例えば、テニスだったらそのラケットを地面に叩きつけたり、相手に投げつけたり殴りかかった場合には、“条件外”として簡単に壊れてしまうなんてこともあるのかもしれない(まぁそのスポーツの道具を具現した能力者によって多少変わるだろうが)

 

◎条件付きの具現化系能力

通常の具現化物は大変なイメージ修行が必要なものの、

一度具現化出来てしまえば基本的には出し入れが自由である。

しかし大変なイメージ修行を経ない代わりに一定の制約と制約を負うことで具現可能な能力もあり、一般的な具現化物とは異なり基本的には一度しか具現化できない様だ。

例としてはコルトピ、アベンガネ、リハン、また少しタイプが異なるがモラウも挙げられよう。

 

◆コルトピ=トゥノメイル

「12」の番号を持っていた幻影旅団員で、“レア”で代わりの効かない能力者と評されていた。

能力名:「神の左手悪魔の右手(ギャラリーフェイク)

コルトピは扉絵で具現化系能力者と示されおり、その能力は「左手で物体を触り右手でその複製(=コピー)を創り出す」というもの。

生命体をコピーすることは不可能であるが「動かない物体」としてなら生物も複製可能だが、念能力のコピーは不可能。

コピーは“円の役割”も果たすが本物に触れる必要があり、大きさとは無関係に24時間経つと消滅する。

 

左手で触ったもののコピーを具現化できるという条件付きの具現化系能力

ヒソカVSクロロ戦において―「番いの破壊者(サンアンドムーン)」によるプロテクトなく―クロロが「神の左手悪魔の右手(ギャラリーフェイク)」を解除すればコピーが消えたため、「24時間で消滅」というのは「強制的に24時間具現化」ではなく、「具現化継続はコピーの大小に関わらず“最大でも”24時間」という意味の制約と制約かと思われる。

つまり引っ込めることは(半具現化ではなく、完全解除)可能だが、出す(具現する)には左手で触った1回につき1回で最大でも24時間までという能力。

加えて、コルトピは具現化能力者であるためAOP型の能力(気絶や死亡の際は基本的に維持出来ない)

 

AOP型の能力で、クロロから(アジトのダミーを)あと10棟いけるか?”という問いに対して、

“50は平気”

と答えた様子から、一見すごいAOP=念の“作業”容量=メモリを持っている様にも感じられるが恐らく違う。

 

まず、1立方cmの具現化物を創るのに同量のオーラが必要とは一言も言及されていない。

つまり具現物が大きい=それと同量のオーラが用いられているとは限らない、ということである。

 

条件が難しい役ほど点数が高いと麻雀やポーカーに例えられた様に、爆発的な威力を持った「発」を為すには、それ相応のオーラ量と制約と制約が必要になろう。

しかし、コルトピのコピーはそれ自体では何も出来ない無機物に過ぎない。

ダミーのアジトに立ち入った者を強制的に絶にさせるだとか、眠らせるとか、マヒさせるだとか、そういった特殊な効果は一切ない。

高威力には高コストを要する一方、低威力には低コストで済ませられるというのは自然なことだろう。

旅団腕相撲ランキングにおいてコルトピは最下位であるが、腕相撲の強さはテクニック(押し込む早さなど様々なもの)を除けば、

BP(肉体の強さ)+AP(AOP)+SP(強化系の威力・精度)

上記の3要素に集約されるだろう。

コルトピは意見が異なる時は仲間と対立してまでも意見は曲げず、“鎖野郎”を追う際には旅団員の中で先陣を切るなど、意外と負けん気が強い性格として描かれており、AOPが途轍もなく多いのではあれば同系統のシズクには勝つのではなかろうか。

以上のことから、コルトピのAOPが異常に多いとする考えには否定的です。

 

最後にコピーは“円”の役割も果たすということと、

その際に本物に触れる必要ある点について。

 

まずそもそもだが、“円”とは「術者を中心にオーラを半径2m以上広げ、それを1分以上維持する、纏と練の高等応用技」のことで、系統別の技術ではなく―オーラを薄く薄く広げ―誰もが持つオーラの知覚能力を使って感じとるというもの。

「“円”の役割」だとか、「“円”の効果」等と表現に幅がある様に、その言葉通りの“円”というわけではないのだろう。

2人の言う“円”は緩く「術者から2m以上離れたモノを知覚する技術」程度なのかもしれない。

 

そしてコピーが円の様な機能を使い遠く離れたコピーの場所察知できる理由だが、術者と離れたAOP(=rAOP ≠放出乖離)には見えない繋がりがあるためだと思われる。それがないとモラウやレイザーの様に離れたAOPを解除したり回収ができないためだ。

同じAOP型「天上不知唯我独損(ハコワレ)が、

遠く離れたヂートゥの大まかな位置を憑いているポットクリンから把握できた様に、術者は大まかに離れた自分の力のかけら(=rAOP)の場所が感覚的にわかるのだと思われる。

“同じ形のものはあっちの方角…だいたい2500メートル”

と具体的に把握できたのは、コルトピのオーラ知覚能力が高めなのか、

ナックルが相手の力量を数値化してきた様に経験と勘から来るものなのか、はたまた制約と制約で本物を触った時にコピーの方向と距離をある程度把握できる様にしているかだろう。

 

敵が術者離れた偽アジトに侵入すればすぐわかる理由だが、具現化物=オーラ物であり、オーラの知覚能力が生きているからかと思われる(本人は本物のアジトに居り、本物に触っている状態)

ただ、例外としてはプカプカと浮きながら移動されて、一切偽アジトに触れられなかったらコルトピは察知できないのではなかろうか。

そして本物を触らないと感知出来ない理由は、多くのコピーを作った場合その全てから知覚情報をフィードバックされてしまうと思わぬ負担を強いられるため、制約と制約を設けて制限したのかと思われる。

 

◆リハン

カキンの第一王子・ベンジャミンの私設兵の1人で、思考がやや冗長的で誌面を文字で埋めてしまう人。

容量的に無理かと思ったが意外と行けそうなのと、再開後にモロに関わってきそうなため扱うことにした。

能力名:「異邦人(プレデター)」

リハン自身の念系統は不明だがこの能力自体は具現化系能力だと示されいる。

端的に言えば「敵の能力を凌駕しうる念獣を体内で育て、最終的にその念獣に敵を襲わせる能力」で、リハンは能力使用後48時間念能力を一切使えなくなってしまう

詳細だが、まずリハンがターゲット(以降“タゲ”と呼ぶ)を定め発動すると、体内で“異邦人(プレデター)が育ち始める。

タゲの能力とその術者の解析・理解が正しい程、“タゲの能力を凌駕する「捕食者」=天敵”として成長しやすく、その威力は術者が「タゲの能力を“未知”の状態で正しく予想する」程強くなる。

それもリハン自身がリスクを負って敵の能力を調べる必要があり、他者を使って安全を確保してしまえば逆に弱体化してしまったり、他者からタゲの能力の情報や仮説を聞いてしまったりしても十分に育たず無力化してしまうという。

そして念獣等を用いず、能力者自体がその能力を用いる様な場合には能力者本体が標的になるが、元から知っている様な強化系や放出系を代表例に“シンプルな能力の者”に対しては異邦人(プレデター)はさして強く育たないため返り討ちにされることも多い様だ。

決して無敵ではなく寧ろ「下手な鉄砲」の部類だというが、能力使用後48時間の充電期間が必要な割に「下手な鉄砲」なのは当たれば必殺だからだという。

基本的に異邦人(プレデター)はリハンが「タゲを十分理解した」と思うタイミングで具現化させるが自動型(オート)の念獣で、複数の能力を持つ敵との相性が悪く、特に迎撃型(カウンタータイプ)を回避する術がないという。

 

制約と制約やそれに伴う特徴が多く、複数話に渡ってリハンの思考や神の声(ナレーション)で明かされる情報ということもあって若干表現に幅(ブレ)があるため、不明点も多い。

 

◎異邦人(プレデター)の視え方

恐らく術者と“タゲ”のみに視えるタイプで、呪憑型に近しいのかと思われる。

サレサレの守護霊獣を襲った際、サレサレ含む周囲の者には視えている様子がなく、

タゲであるサレサレの霊獣に対して“天敵(プレデター)を前にして出来る事など何もあるまい”と考えており、タゲに見えないのであれば返り討ちされることもないことから、視えているのは術者とタゲなのだろう。


そしてその“タゲ”の性質によって―、

強化・放出・変化系の様に、その能力者自体が能力を使用する場合にはリハンとその相手自身

念獣や生物操作の中でも、それ自体が自律的に動いている様な自動型(オート)の場合には、リハンとその能力のみ(念獣等)

ただ遠隔操作(リモート)の場合には、リハンとその相手自身とその能力(念獣等)

―若干その範囲は変わるかと思われる。

 

ちなみにNo.388において、リハンは“強化系や放出系だと能力者本体が標的となる”と考えていたが、変化系能力者もその多くがその能力を能力者自身が用いていることが多いため変化系もその典型に入るかと思われるが、

同僚のムッセの「裏窓の鳥(シークレットウインドウ)の3種の鳥の1種が変化系で、それを思い浮かべていたためなのかもしれない。

 

◎タゲを襲う方法とその意味 ~48時間の充電期間を添えて~

異邦人(プレデター)がサレサレの守護霊獣を襲った際は一口でパクりんちょしていたが、タゲが強化・放出・変化系でその能力者自体を対象とする場合はどうなるのだろうか。

その能力者自体を対象とするケースは未出ではあるが、“捕食者”という言葉が何度か登場しているため文字通り食べるのかもしれない。

サレサレの霊獣の様に一気食い(踊り食い?)だったり、少しずつ食べるのかもしれない、そしてその際に特殊能力を発揮するのかもしれない(後述)

 

また自動型(オート)の念獣の様だが、

何故かサレサレの霊獣本体ではなく、リハンの近くに居た警護兵に憑いている分身体の方を先に捕食していた。

後述の48時間の充電時間により術者のリハンは絶状態になっているため、異邦人(プレデター)に与えられている命令は「リハンを守りつつ敵を捕食せよ」というもので、敵への攻撃よりもリハンの防衛の方が優先順位が高いのかもしれない。

 

続いて、48時間の充電期間についてだが、これには若干の言葉の幅(ブレ)が出てしまっている。

No.381では『異邦人(プレデター)が“捕食を完了した後の48時間!!” 私は念能力を一切使えなくなる』

No.388では『能力使用後48時間の充電期間が必要…ry)』

―とリハン自身が考えており、リハンが絶状態になるのが“捕食完了後”なのか“能力使用後”なのかが明確ではない。

 

つまり、異邦人(プレデター)がタゲを襲っている際にリハンが念を用いて共闘可能かどうかが変わってくる。

サレサレ襲撃時にリハンは何もしていなかった様だが、霊獣捕食後はサレサレを仲間が暗殺予定のため余計な嫌疑がかからぬ様に何もしないのは当たり前で、あの状況だけで判断するのは難しい。

ただ、異邦人(プレデター)タゲ本体よりも先に分身体の方を捕食したことから、恐らくリハンの48時間の充電期間(念が使えなくなる期間)が始まるのは“育てていた異邦人(プレデター)を解放した=具現した時から”かと思われる。

 

リハン自身がリスクを負ってタゲの調査をする必要があったり、他者を使って安全を確保してしまうと逆に弱体化してしまうという性質もあるため、異邦人(プレデター)の解放リハンがタゲと同じ空間内(タゲにリハンが視認できる範囲)に居る時に限られ異邦人(プレデター)とタゲの戦闘を絶状態で耐え凌ぐことも制約と制約になっているのかもしれない。

 

次に“捕食”の意味。

リハンはサレサレの守護霊獣の捕食完了した時点で『任務完了』と暗殺向きの私設兵と交代し、サレサレに対し『守護霊獣を“失った”王子の命を奪うのは造作もない事』と考えていた。

しかし念獣は、

仮に破壊されたとしても二度と具現できない訳ではない。

※恐らく破壊された念獣に用いていたオーラ(AOPの場合)は回収できず、再度具現する際には再度オーラを消費する(SOC)かとは思われる。

 

そのため異邦人(プレデター)の捕食には、クラピカの「奪う人指し指の鎖(スチールチェーン)に近しい性質があるのかと思われる。

クラピカの人指し指の能力は、鎖の先端についた注射器を対象に刺すことで、血液を抜き取る様に相手の念能力を抜き取る(奪い取る)ことができ、さらにその後も吸い続けることで対象のオーラを奪い「絶」状態にすることが可能である。

そしてこの能力で相手を絶にできる原理は、

ヂートゥ戦でモラウが隔絶された念空間に閉じ込められた際に、現実世界にある「紫煙機兵隊(ディープパープル)を解除できたとして、そのオーラをこの空間に戻すことができるのか、という疑問がほぼ答えになるのかと思われる。
AOP念の作業領域(=メモリ)の側面を持ち―元々放出系能力で切り離していない限りは―体から離した状態であってもAOP(メモリ)を共有した状態にあり、一旦それを回収しなければ体内から新たにオーラを出すこともできない様であった。
つまりクラピカの「奪う人指し指の鎖(スチールチェーン)は対象のオーラ(AOP=メモリ)を吸い取り、“注射器(=具現化物)の中”という隔絶空間に閉じ込めることで対象を「絶」状態にしているのだろう。

 

ちなみにだが、どのような原理で相手の「発」を奪っているのだろうか。

奪うこと自体は特質系以外でも可能で、使用することには特質系が必要であることを考えると、「発」には分霊(わけみたま)の様な現象(?)が起きているのかもしれない。

同系統の能力者、例えばゴンの「ジャジャン拳グー」とウヴォーの「超破壊拳(ビッグバンインパクト)という発は実質的に同じモノかと思われる。

しかし、それぞれがその能力者にとって愛着が誇りのある特別なものであろう。

「紫煙機兵隊(ディープパープル)が操作条件を込めたオーラの核を煙でオーラで覆う様に、術者の魂の一部がその発の核と化して使われているのであれば―、

オーラと一緒に発の核と化している術者の魂(分霊)が隔絶空間か出せなくなったため術者はその発が使えなくなっているかもしれない。

その様に考えると、異邦人(プレデター)の捕食はサレサレの守護霊獣のAOPの強奪を意味するのだろう。

しかし、ここで疑問がある。

モモゼが死亡した際、謎の棺に入れられ、その棺から伸びた先にオーラの様なものが灯り、

“娘(モモゼ)はカキン大樹の礎となり、生前よりも力強く輝き息づいているホ”

“娘は今も生きているホ…”

とナスビ国王は語り、中央のポットと周囲に14基(王子の数は14人)の棺があること(中央のモノも入れて全部で15基存在)

継承戦から逃げようとしたカチョウ・フウゲツを無数の謎の手が追って来て、それによりカチョウが死亡したこと、

“ワシはもう儀式の一部ホ”

“役割がありそれが終わるまで死ぬ事もないホ”

ともナスビ国王が語っていることから、カキンの王位継承の儀式は勝ち残った王子の一人に、それまでの王位継承戦の敗者達前国王(今回はナスビ)全ての魂(のエネルギー?)と、これまでの継承戦の中で霊獣が経験した念の知識と技術“新王”の守護霊獣に継承させる様なものかと思われる。

そして、それには壺中卵の儀で貸し出された(初代カキン王のオーラ?)も必要となろう。

果たしてリハンが奪っているモノの中にそれは含まれていないのだろうか。個人的には発の“核”になっているモノはその力の一部の様に思われる。

 

―ミソはリハンの48時間という充電期間なのかもしれない。

そもそも異邦人(プレデター)捕食後―サレサレの霊獣を食べた後は誇らしげにその場に居たが―どうなっているのか

ひょっとすると“その場に48時間居続けている”のではなかろうか。

つまり、敵のAOP「発」を言わば封印している異邦人(プレデター)という“最大48時間”で消え、本来であれば奪ったモノは元の能力者に戻るのではないだろうか。

ただ、その48時間の内にその術者を殺すから戻ることはなく、隔絶空間に閉じ込めているからその「発」は死者の念化も出来ないのかもしれない。

 

魂とやらはキメラアントの事件の際に―少なくとも一定の時間は―肉体がすり潰されようとも消えはしなかった様だから、リハンの檻が消えた後に、カチョウ・フウゲツを追ってきた無数の謎の手が回収しているのだろうか。

もし儀式終了時―王子が最後の1人になった時―に、その檻の中に居たならその檻を壊しに異邦人(プレデター)を襲って来るのかもしれない(カチョウ・フウゲツを追って来られた様に卵を貸し出された者はマーキングされているのかと思われる)

 

また異邦人(プレデター)の捕食は―

―憑いている分身体を食べられた護衛が誘導型の操作が解けている様子が見られるため、“一時的な除念”の効果も持っているかと思われる。

ただ捕食後48時間以内にその術者が殺さないと、その念は元々憑いていた者に戻ってしまうのかもしれない。

あるいは“捕食”という言葉から、その「発」を成しているオーラは消化・分解などされているの可能性もあるかもしれない。

 

加えて、能力者本体が標的となった場合で、一部分でもその能力者の肉体とオーラもしくはオーラだけでも食べることが出来たならば、食べたオーラ分、相手のAOP(メモリ)を減らしていくこともできるのかもしれないですね。

もちろん異邦人(プレデター)が返り討ち(破壊)されたら、途中でオーラを奪っていたとしても相手の元に戻ってしまうのでしょうけどね。

 

以上。

→6:変化系能力に続く。


6:変化系系能力【H×H感想 3rd版】

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←(前) ■5:具現化系能力

→(次) ■7:強化系能力

 

◆変化系

→オーラや物体に性質を付加するのが得意な系統

 

変化系という言葉の通り単純にオーラの性質を変化できる系統でもよかったのだが、オーラを電気の性質に変化させた場合あくまで“電気の性質を持ったオーラに過ぎず、完全な電気そのものというわけではない。

また変化させているものによっては六性図において隣りに位置する具現化系との区別が―特に漫画上では―難しいケースもあり、変化系能力を検討する際にそれが変化系の範疇に収まっているかどうかの判断基準に“どんな性質が付加されているか”を置くと、紛らわしい描写や言葉に惑わされずに考えることができるかと思われるため“性質を付加できる系統”とした。

 

また、あくまで“術者が思うモノ”の性質を付加しているに過ぎないため、それが現実世界に存在するものの再現だった場合には能力創出時(開発時)に知らなかった性質は再現されない。

例えばジャングルの奥地で暮らす民族の1人が雨の日に天から落とされる神の怒りを浴びて生き残り、自らのオーラ(変化系)にその神性が加わったと考え再現しようとした場合と、化学系専攻の学生が雷に心酔してそれを自らのオーラ(変化系)で再現しようとし場合、両者の能力者には何らかの違いが出るかと思われる(もちろんこれは他系統でも起きる)

 

◎物体にも“性質の付加”は可能?

各水見式の影響から見るに変化系の“性質の付加”は物体にも及ぶかとは思われる。

ただ現状としては作中で明確に物体に及ぶ変化系能力と思われる描写がない。

 

ユピーの初期の形態変化の中でも、

鞭の様にしなる複腕や、シュートをくし刺しにしようとした背中から飛び出してきた無数のトゲ等は、自身の肉体に“オーラの性質”を付加し“形状変化”させている様にも思われるが、

複眼や複腕が完全に“眼”や“腕”の役割を果たしている様子から具現化系の様にも思われる。

王に自らの細胞を液体に変えて与えた様に細胞レベルで働き掛けて、オーラの性質を付与し形状変化でその形を作り、腕や眼の性質を付与することも出来るのかもしれないが、どうにも確証がない。

“魔獣の特性”と言ってしまえば楽なのだろうが、キメラアントの“摂食交配”気に入った生物を改造する様な能力として捉えることができることから、ユピーの母体となった魔獣が変形を得意とする種族だとしてもそれもという可能性もあろう。

しかし、“空間を区切り遮断する能力”が放出系と具現化系という相反する能力者が得意とする様に、結果が同じ様に見える能力でもそれを為しえる念系統が複数あることが示されているため、判断が難しい。

 

キメラアントの血統は特質系が多いとは思われるもののラモットの様に強化系もいること、ユピーの用いている能力が強化(オ●ニービックバン)放出(砲台)であることから、ユピーは“兵隊蟻”という“戦闘に特化した個体(戦闘蟻)として産み出された結果、オーラの性質は強化系に属していると考えれば、残す変形=変化と捉えられキレイに繋がる様には思われるものの、系統的に苦手な具現化系の能力を用いる放出系能力者も作中で複数いるため、ユピーの変形の能力=物体への性質の付加=変化系と断定するのは現時点では出来ない様に思われる。

 

そのため、現時点では物体への性質の付加も可能だろう程度でしかないが、肉体に電気の性質を加えたりゴムとガムの性質を加えたりオーラの性質を加えることで自身の姿を「隠」して隠れることもできるの“かも”しれない。

 

◎水見式について

“物体への性質付加”は水見式から見出しているためここで扱う。

水見式とは、心源流に伝わるオーラ選別法で、「発」の修行としても用いられる。

グラスにたっぷりと水を入れ、その上に葉っぱ(軽くて浮く物なら何でも可)を浮かべ「練」を行い、その時に起きた変化でその者のオーラがどのタイプに属するかが分かるというものだ。

 

オーラとは人間の内部から発する生命エネルギーのことで、その力が強ければ強いほど自他に及ぼす影響は強くなる。

通常時纏うオーラ程度では自他への影響はさほど強くはないが、「練」でオーラの量と質を高めることでその影響も強まっていく。

そして、人の持つオーラは生まれつき6つの系統のいずれかに属しているため、“オーラの他へ影響”を見ることでその者の念系統が判別でき、その“他への影響”より明確化させることその者の属している念系統の力を意識的に働かせることにも繋がるため“発の修行”にもなるのかと思われる。

次に各系統別に見ていく。

 

・強化系

→水の量が変わる(ex.ゴン)

作中では水の量が“増える”能力者しか出ていないが、“水の量が変わる”と示されていることから量が“減る”者もいる事がわかる。

強化系に属する者は物体やオーラの働きを±強化(正強化負強化)することが得意なオーラ質で、そのオーラは±強化しやすい性質を持っているのであろう。

「不思議で便利な大風呂敷(ファンファンクロス)が物体の縮小が可能だったため、陰獣の梟が水見式を行った場合は“水の量が減る”のかもしれない。

 

・操作系

→葉が動く(ex.ズシ)

見たままの特性ではあるが葉が動くことから、操作系に属する者は物体やオーラに命令を与えることが得意なオーラ質で、そのオーラは命令を与え易い性質を持っているのだろう。

 

・具現化系

→水に不純物が出現する(ex.通常時のクラピカ)

ツボネの様な自らの肉体を元に思念を物質化する能力が示される前は“その材料はオーラのみ”かと思っていたが、

水見式でもその様な過程だった場合は、「練→オーラを元に物質化→その物質がコップの中に落ちる」という3段階を踏んでいることになる。

ただこれだと具現化系だけが葉っぱも水も関係ないことになってしまう上、

“水に不純物が出現するという言葉から元々想像していた手順が“練→コップの中の水に不純物が出現する”という2段階であった。

そして、これは水という物体に作用して水を元に物質化が行われているという意味でよいのだろう。

つまり、具現化系に属する者は物体やオーラを元に思念を物質化することが得意なオーラ質で、そのオーラは物質化しやすい性質を持っているのであろう。

 

・変化系

→水の味が変わる(ex.キルア)

水に含まれる物質(ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムの様なミネラル成分)を変化させることで味を変えているのかと当初考えていたが、それだと純水では出来ないことになってしまう。

そのため水を甘くするのに砂糖を加える様に、変化系に属する者は物体やオーラに性質を付加することが得意なオーラ質で、そのオーラは思念を加えやすい性質を持っているのであろう。

 

・特質系

→他の5系統以外の変化が起きる

作中で出てきた例は3つ。

ex.1:ネフェルピトー=葉が枯れる

ex.2:ツェリードニヒ=葉が溶け(?)異臭を放つ(?)

ex.3:クラピカ(緋の眼時)=水の色が変わって葉が回る

 

オーラの性質は他系統とも、特質系同士でも各能力者ごとに異なり、他系統の様にそのオーラ質が葉や水に上図の様な変化を与えているのかと思われる。

しかし、それだと三者の中でもクラピカの例はオーラ質が顕著に現れている様に思われるのだ。

「葉が動く」のと「水の色が変わる」のは操作系放出系の水見式を足した様な結果で、

まるで放出と操作の間に位置する特質系能力者かの様にも思われる。

しかし特質系の項目でも触れたが、クラピカは“私のようにどの系統か判別のつかない特質系ならば影響は少ない”と話しているため、他の5系統と同じ様にオーラ質から判断することは難しいのかと思われる。

 

3つの能力が分かっているピトーの“葉が枯れる”という結果だが―

“葉の生命力を奪い取る”と考えれば、放出系の徴収型の様にオーラを奪い取っている印象を受け、

“葉の生命力を減衰させている”と考えれば、強化系の弱体化(負強化)の様な印象を受け、

“葉の周囲の時間を早めている”と考えれば、具現か操作か特質の様な印象を受け、

―結局そのオーラの性質の核心部分が分からない上、彼女が実際に用いた能力のヒントにはなり難いだろう。

 

ツェリードニヒの“葉が溶け(?)異臭を放つ(?)という結果も―

“水の中に細かい高純度の硫黄の様な物質を出現させていて、結果としてガスを発生させ(それがゴボゴボ鳴っている?)、腐食性で葉が浸食されている”と考えれば、具現化系に近しい印象を受けるものの、それは私がツェリードニヒが新たな念獣を生み出した事を知っているが故それに寄せた感は否めないし、どう臭いのか葉が具体的にどのような状態なのか水に色はついているか水の温度はどうなっているのか、など不明点が多すぎて判断が出来ない。

しかり仮にそれがわかったとしても、少なくとも「刹那の10秒(仮)のヒントにはなり難いと思われる。

 

つまりクラピカの言う通り、特質系はそのオーラ質から能力を推測したり系統の予測を立てることは出来ないのかと思われる。

 

・放出系

→水の色が変わる

現状では作中にその例が出ていない。

そして“色が変わる”という現象と、放出系の性質がイマイチ合致しない(少なくとも私は見いだせていない)

 

作中で分かっている放出系の特徴(能力)は、EOP化(メモリの外部化)瞬間移動(部分的・全体的)オーラの徴収?(オーラの与奪?)空間の遮断などであろうか。

他系統が水見式で現れていたのは応用技能というより、最も基本的な性質であったから放出系の場合はやはりEOP化かと思われる。

あくまで私の読み方に都合よく合わせているだけだが、色を付けることにより他と区別しやすく出来ているのであれば、放出系に属する者は物体やオーラの分離が得意なオーラ質で、そのオーラは(色)分けやすい=離しやすい性質を持っているのであろう。

 

◎形状変化≠変化系能力

「形状変化」は変化系の発ではなく、変化系以外の能力者が用いても威力・精度が減少しない念の基本技能かと思われる。

 

形状変化は系統別の念修行における変化系のレベル1の技能だったため、変化系に属する技能(「発」)とも考えられるが恐らく違う。

系統別念修行のレベル1が分かっているのは強化・放出・変化の3つのみだが、順々に確認していく。

まず強化系、レベル1:石割。

平たく言えば“念で強化した石”で無強化の石を割る修行で、1日に1個の石で1000個の石を割れたらクリアというものだ。

しかし、その実は持っている石をオーラで覆うことで念の攻防力を増し手持ちの石が壊れない様にしつつ対象の石を破壊する修行で、必要な技術は「周」と「硬」である。

要は「BP(元々の石の硬さ)ADP(周→硬)」で、「周」も「硬」も強化系に属する技術というわけではない。

 

続いて放出系 レベル1:球飛ばし(仮)

数cm程のオーラの球を体から離した状態を1分間維持し、さらにそれを離れた的(10~20m程度?)に当てるという修行である(クリア条件は不明)

上手く行かないゴンにビスケは、

“維持できる時間は能力者の「纏」の力強さに比例するの”

等と助言・激励を送っていたが、すぐに的に届かせたゴンの様子に、

“毎日まじめに「纏」と「練」をこなしている証拠だわね”

と考えていた。

つまりこの修行もその実、必要な技術は「纏」と「練」で、放出系の「発」というわけではない様であった。

 

ちなみに、この段階ではこの修行のレベルについては触れられはいないものの、ゲンスルー戦の前に「浮き手」という放出系の修行が上手く行っていないゴンの様子を見て、“あの修行さ、レベルいっこ上がってかなり難易度高くなったよな”とキルアが発言していることから球飛ばし(仮)レベル1かと思われる。

 

そうして最後の変化系、レベル1:形状変化

指先にオーラを集め、そのオーラの形を0から9までの数字に変えるという修行で、1分以内にできたらクリアというものだ。

 

ここで本題。果たしてこの形状変化は変化系の技術(「発」)なのだろうか。

「発」だとすれば、その形状変化の度にオーラが消費され(SOC)、他系統の能力者であれば変化系との相性に応じて威力・精度も落ちるということである。

しかしながら、強化系と放出系のレベル1の修行に求められていた技能が基本の念技術や応用技術だったのに対して、変化系のレベル1だけいきなり系統別の念技術を要求するなんてことがあるのだろうか。

恐らくこの形状変化に求められる技術は「凝」と「練」、最終目標を目指すなら「流」も求められる、といったところではなかろうか。

 

形状変化=基本技術だと感じられた描写は他にもある。ジンのイボクリである。

オーラを使った手遊びだが、他のメンバーが小さいオーラの粒を手の輪郭に沿って動かすだけでも必死になっている中、ジンは左右でイボごとの速さや進行方向さらには大きさや形を変えたりしていた。

それに対して周囲の者達は驚いていた様子だったが、ジンのイボクリの中には形状変化が使われている。

 

しかし、オーラの不規則で複雑な動きを操作系能力複雑な形を形状変化=変化系能力と考えればそこまで驚く様なことではない様に思われるのだ。

操作系能力者ならは複雑をプログラムすることは出来るし、もし形状変化が変化系能力ならば変化系能力者の方が形を複雑に出来るのは当たり前だろう。

そして操作系と変化の間にいる様な能力者ならば、その2つをある程度両立することもできるだろう。

ただ、この時のジンはその手のズルをしておらず“素”のオーラの操縦だけでこなしているから周囲の者に驚かれ称賛の対象になっているのではないだろうか。

 

変化系レベル1に手こずっていたゴンが、放出系のレベル1の修行では格段に筋が良いことから、

“このコは放出系よりの強化系能力者みたいだわね”

と考えていたが、各基本技能が系統により得手不得手が出るという意味ではなく、それを可能にしているオーラ質から読み取ったと私は考えている。

 

強化系のレベル1:石割は「周」や「硬」の技術を正確に、そして十分にこなせるようになればどの系統の能力者でも達成可能ではあるものの、生来のオーラ質が物体やオーラの働きを±強化しやすい性質を持っていたならば、「周」や「硬」の技術が不十分でも達成しうるのだろう。

放出系のレベル1:球飛ばし(仮)も毎日まじめに「纏」と「練」をこなしていれば、どの系統の能力者でも達成可能ではあるが、生来のオーラ質が物体やオーラを(色)分けやすい=離しやすい性質を持っていたならば、「纏」と「練」が不十分でも達成しうるのだろう。

そして、変化系のレベル1:形状変化に関しても同様だろう。

具体的にどの技術が関わっているかは不明ではあるが(恐らく「凝」と「練」)、生来のオーラ質が物体やオーラに思念を加えやすい性質を持っていたならば他系統のオーラに比べ加工しやすく、(恐らく)「凝」や「練」が不十分でも達成しるのではなかろうか。

 

そして、ゴンが変化系に比べ放出系の修行は筋が良かったことから、物体やオーラに思念を加えやすい性質よりも物体やオーラを(色)分けやすい=離しやすい性質を持っていたため、“放出系寄り”と評価できたのだろう。

高レベルの系統別修行ならばその系統の技術を必要とするのもわかるが―水見式が「発」の修行にもなる様に―レベル1の系統別の修行はその系統の力を呼び起こす“意識作り”に近い様に思われる。

 

―以上のことから、形状変化≠変化系能力と当ブログでは採っています。

 

◆ヒソカ=モロウ

偽の「4」の番号を持っていた元・幻影旅団員であり、第287期のハンターや天空闘技場のフロアマスターといった顔も持つ。

 

今回ブログの更新をしようとした際に、各系統の特徴の他にその系統の能力者を最低1人は取り上げようと考えていて、変化系で取り扱おうと思っていた本命の能力者が居たのだが、敢えて特質系の項目に持って行ってしまったんですなぁ。

その結果、再開後すぐに関わってきそうな変化系能力者がヒソカしか残っていなかったのだが…その能力について書ける部分が少ない。

ヒソカは強力な能力を隠し持っているとは思われるものの、戦闘においてはほとんど「伸縮自在の愛(バンジーガム)だけで済ませてしまっている。

クロロ戦でもその能力を使わなかったことから、恐らく一対多数で使えないか向かない能力かとは思われるが、元々ヒソカは一対一を好むことから奥の手もそれに適したものであろう、と元々想像していた方向の1つでだったため、その能力について探る作中根拠もない。

奇術に関係するものなんじゃないかとか、よく使っているトランプに関係しているんじゃないか、など思うところはあるものの根拠なしの現状では正直響かないのだ。

そのためヒソカに関しては他の項目とはちょっと違ったつっつき方になりそうだ。

 

◎死者の念は今も継続中?

天空闘技場での戦いで一度は死んだヒソカであったがその死の前に、

“念よ…!!!ボクが死んだ後よみがえり!!! 心臓と!!! 肺を!!! 伸縮(愛撫)せよ!!!!!”

と命令し、結果「伸縮自在の愛(バンジーガム)が死後強まる念として残り、その心肺マッサージで復活を遂げた。

 

そして、本来「薄っぺらな嘘(ドッキリテクスチャー)は紙の様に薄っぺらなものにしか映し出せず、これまでハンカチバインダーの表面に使っていたが、

復活後のヒソカはハンカチなどを用いず、欠損などしていた箇所に型取りで使用した「伸縮自在の愛(バンジーガム)に適用していた。

そのためヒソカの念は復活後も死者の念の効果でパワーアップしているのではないか、とも感じられる。

 

ただ、これに関しては“死者の念の原理”“死から生還した能力者がその後どうなるか”等が描写されておらず、明確にどちらかを判断するのは難しいかと思われる。

そのため、各種キメラアント達が生後まもないにも関わらず強かったのもメルエムが復活後異常に強かったのも一度死んだ事により、死後の念により強まっているため(念を再度使える様になったゴンも強くなっている?)とシャーマンキングの様に“死ぬと強くなる”と考えることもできるだろうし(今後それが容易なパワーアップ法として出て来る?)“ハンターの世界観に合致しない”死後の念は継続していないと考えることもできるだろう。

一方で、無根拠に腕をグルグルさせて永遠と殴り合う様な「無根拠廻天(イノセントワールド)もしんどいので一応私の考えも示しておく。

 

・死後の念(死者の念)の原理?

念が「生命エネルギー(オーラ)に“魂の枝葉”を分け与え使役する力」だとすれば、魂の器には肉体の他にオーラもなりえるのだろう。

そしてフィンクスから、

“深い恨みや未練を持ったまま死ぬとその念はおそろしく強く残り、残された念は行き場を求めて憎悪や執着の対象へ自ずと向かう”

という死者の念の説明がなされたが、魂の器たる肉体が機能不全に陥ったことで魂は抜け出し行き場を求め、肉体を失ったことで不安定になってしまった魂は少しでも力を回復しようとしてか“分けられた魂の枝葉”に惹かれていくのかもしれない。

 

そして、その中でも強いエネルギーを持つ「発」に残された“特別な魂の枝葉”“魂の仮の器”になり、発に込められた命令や感情死ぬ間際の想いが混ざり合った結果として総じて歪な成長を遂げ易く、発に魂が根付くことで死者の念として強まるのかもしれない。

―その様に考えると、肉体が機能不全から復活を遂げれば魂は元の肉体に戻り“死者の念”状態は解除される様に思われ、ヒソカの念も元に戻っている様に感じられる。

 

適当に出した死者の念継続説への反論としては―

そもそもゴンもメルエムも死んではいないし(死にかけただけ)、人間蟻が異常に強いのは“外”来種の蟻が混じっていること、人間蟻として生まれ変わったことで硬い外骨格(強い肉体)を得ていること、摂食交配により元々持っていた以上のエネルギーを注がれていることが起因しており、死者の念化以外の要素も大きくその原因を死者の念と断定するのが難しいことを挙げてみよう。

 

また、型取りに使用した「伸縮自在の愛(バンジーガム)「薄っぺらな嘘(ドッキリテクスチャー)を適用している点については―

紙の様に薄っぺらなものにしか映し出せないとは言うものの、

GIのバインダーの最後のページはそこまで“薄っぺら”ではなく、

予言改ざんの時と同様にその表面を“薄い”オーラで覆いそれに「薄っぺらな嘘(ドッキリテクスチャー)」を適用していたのだろう。

※パームの念字が壁面に残っていたことからガムの性質がなくとも特定の箇所に「纏」で残すことは可能であろうし、表面は「薄っぺらな嘘(ドッキリテクスチャー)」で裏面は「伸縮自在の愛(バンジーガム)」を使用していたのどちらでも採れるだろう。

 

つまり型取りに使用した「伸縮自在の愛(バンジーガム)の外側の表面の“表層”「薄っぺらな嘘(ドッキリテクスチャー)」を適用しているとも考えられるのではなかろうか。

以前のヒソカがハンカチの表面に適用し、その裏面の四隅のガムで張り付けいたのはその方が奇術っぽくて好き程度の理由で、クロロ戦敗北後はその心理的余裕がなくなっていた、とかで処理できる様な気がしている。

 

強いて言うならば―現実世界でも九死に一生を得た者がその後の人生観を変化させる様に―ゴンとヒソカの心にも大きな変化をもたらし、その心境の変化がオーラにも影響をもたらした結果強まったということはあるかもしれない(死者の念とは異なる)

ただ、あくまで私個人の考えに過ぎず無根拠なのはさして変わらないので悪しからず。

 

また旅団を追っているヒソカが、今も顔面や左手や右足を負傷している状態かも不明。

顔面はまだしも、左手や右足がない状態では戦闘力低下は否めないであろうし、左手や右足に常に「伸縮自在の愛(バンジーガム)を用いていればその分だけ他の念に使えるAOP(メモリ)は減ってしまい“全力”で戦うことができなくなってしまう。

そのためフランクリンが“より威力が出る気がするから”と指を切り落とした様に、ヒソカが“そのままの方が怒りを忘れなくて済む”等と考えていない限りは、怪我を治している様にも思われる。

もちろん、それがヒソカ自身の強化系能力による自然治癒力の強化で成せるのか、別の能力者(少なくともマチより高額)に頼っているのかは不明である。

 

◎ヒソカの死者の念の発動のタイミング

素朴な疑問。

「伸縮自在の愛(バンジーガム)が死後強まる念として残りその心肺マッサージで復活を遂げた”のはわかった。

ただ死んだ直後にそれが発動しても恐らく再度窒息死していただろうし、シャル、コルトピ、マチの3人が居た状況で発動しても復活直後は茫然自失としていたから、いくらシャルとコルトピが戦闘タイプの能力者ではないとは言え、かなり厳しかった様に思われる。

 

なぜ、あのある意味で“ベスト”なタイミングで発動したのだろうか。

―恐らくカギはマチだったのかと思われる。

「…前金もらっちゃってたからね…少しコイツを縫ってから行くよ」

というマチの言葉にし対し、

(“団長と闘うのにそんなのマチがもらうワケないじゃん?”)

(“まぁマチはなんだかんだいって優しいからね”)

とシャルとコルトピは小声で話していたが、恐らく二人の考えはどちらも正しい。

 

ヒソカは“クロロ戦に勝った場合”の治療の依頼をしていたが、恐らくコルトピの言う理由でマチはそれを拒否したかと思われる。

そしてヒソカはその死の瞬間、“どうせ死ぬなら”と発動するかもわからないもどうかもわからない“死者の念”に賭けたが、“どのタイミングで発動するか”潜在的に思い浮かべていたのではないだろうか。

つまり、あの時のヒソカは2つの“賭け”をしていた。

 

“マチはなんだかんだで優しい”ことはヒソカも知っており、これまでのマチへの依頼から“その処置が周囲に誰もいない状態で行われる”ことを把握していた。

そして“念糸縫合”を行う際は“一定以上のオーラ量を纏ったマチが自分を触れる”からそれを条件にしたのではなかろうか。

マチがヒソカの体に異変を感じた際―見づらいものの―左手でヒソカの頭を持ち上げようと首に触れている。

 

マチをわざわざ生かしメッセンジャーとしなくても、

コルトピとシャルの首を壊れていない方の右手に「伸縮自在の愛(バンジーガム)でくっつけてクラッカーの様にして、

「やぁクロロ、死ぬまでヤってくれるんだよね?ボクはまだ死んでないよ」

等とシャルの代替携帯から動画で送るのでも良いんじゃないかとも思ったが、あの時点ではその2人が近くに居ることもわからなかっただろう。

そのため、ヒソカがマチを殺さずにメッセンジャーにしたのは“自分の思い通りに動いてくれたことへのヒソカなりのお礼”だったのかもしれない。

 

まぁいつものヒソカ基準で、

マチはここで殺さない方が“美味しく実る”と思ったから、かもしれないですけどね。

 

◎ヒソカの居場所はどこ?

状況的に船内(BW号内)にいるとは思われるものの、旅団やカキンマフィアらの必死の捜索でも未だに見つかっていない。

そのため“誰かに化けているのではないか”など、様々な読者の推測や憶測を呼んでいる。

イルミの一人称や手の形が意味深で、

クロロやマチがイルミを怪しんでいる様に“見える”ため、ヒソカはイルミに化けているんじゃないかとも思われるものの、

その割にはクロロもマチもイルミから大分離れてしまっている様に感じられる。

 

イルミらが5層から3層に行くまでそれなりに時間も掛かるだろうし、本気で怪しんでいるならばその間に仕掛けても良さそうなものだが、登場人物視点で見ても―“怪しむ要素”はあったにしても―確証を持てないのだろう。

 

私自身が能力の検討は好きだけど話の展開予測は不得意というのも大きいのだろうけど、恐らく現時点ではわからない様に思われる。

今回の継承戦は「11人いる!(サイレントマジョリティー)の犯人もそうだが“怪しい人物”は絞り込めるものの確証を持って断定することは出来ず、良くも悪くも作者が今後複数の方向に運べる様にされてしまっている感がある。

 

イルミの一人称も確かに通常時は“オレ”であるものの、ヒソカからの依頼で船内では怪しまれる行動を取る様に指定されているのかもしれないし、プライベートと仕事と状況次第で一人称を変えるタイプかもしれない。

※例えばブログ主は、プライベートでは「オレ」、仕事では「私(わたくし)」と「私(わたし)」、状況次第では「僕」と4つの一人称を使い分けている。

36巻のカバー袖の作者コメントも、“何が”“何の”ネタバレかはハッキリしていない。

カバー袖のコメントのためその挿絵である「“口”ビル」「表紙」のどちらかだろうが、「口ビル」の事だとすると35巻の「め」は何か意味があるのだろうか。

もちろんそれに意味を見出すことはできるだろうが、それも推測でしかない(単純に書くことに困って適当の目→口と描いただけでは?とも感じる)

そして、それ「表紙」で、ヒソカの居場所(イルミ=ヒソカ)のネタバレになっているならば、ヒソカがウボォーの花を持っていることには違和感があるし(ヒソカは裏でクラピカに協力はしたものの殺してはいない)、そもそも花弁と中心部(管状花?)の色が他の花との法則(服の色=花弁、髪の色=花の中心)と合致しない。

ウボォーの花ではなく誰かを殺しその場所に新たな花を植えるための花を持っているにしても、持っている花の花弁の色は複数あり、どの団員を暗示しているかもわからない。そもそもパクノダの場所にある花は法則に当てはまっていない様に思われる。

―以上のことから単純に表紙を見た段階でコミックス派の人でもイルミ旅団に加入していることがわかる仕様にした、程度の様な気もする。

 

ヒソカ関連は疑惑や推測や憶測だけで話が発展しやすく、さらには匿名故か、より一層「無根拠廻天(イノセントワールド)が繰り広げら易い様に思われる。

推測や憶測を広げて“楽しむ”のなら十分わかるが、SNS等で見かけたとしても望ましくない方向で“ある意味盛り上がっている様に見える”状況だったりして、ゲンナリして右上の×をすぐ押してしまうことが多い様な気がしている。

 

以上。

→7:強化系能力(ラスト)に続く。

7:強化系能力【H×H感想 3rd版】

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←(前) ■6:変化系能力
→(次) ■なし(この記事が今回の更新でラスト)

 

◆強化系

→オーラや物体の持つ働きを変えたり(±強化)、量や大きさを変える(±強化)ことが得意な系統

攻め・守り・癒しを一番効率よく補強できるため、戦闘において最もバランスが良いとされる系統ではあるものの、逆にその安定した力故―操作や具現等と異なり―自分よりも遥かに格上の相手に対しては逆転しづらい系統なのかもしれない。

 

◎BP強化とAP(DP)強化

いわゆる「爆肉鋼体」BP正強化(“肉体部分”の強化)

肉体の増強を伴わない「ジャジャン拳グー」等はAP正強化(“念攻撃力”の強化)

等と表現できるものの、あくまでブログ上の解釈に過ぎず作中には登場しない言葉。

 

◎拡大と縮小

ウヴォーの“デカく…、強力に…”という思考から、クラピカの「束縛する中指の鎖(チェーンジェイル)“拡大”BP正強化の一種AP正強化の両方かと思われる。

梟の「不思議で便利な大風呂敷(ファンファンクロス)“縮小”BP負強化の一種かと思われる。

クロロがその風呂敷を出していることから、具現(風呂敷)強化(縮小)操作(相手にルールを強いる)3系統を用いている能力かと思われるが、具現化系能力で空間を区切り遮断されているため中のノブナガが風呂敷を破けないのか、BPAP負強化されているためなのか、両方なのかは不明。

暴れているノブナガが中から風呂敷をボコボコと変形されているかどうかで解釈は変わりそうだが描写的にとても微妙。

 

◎成長と若返り

協専ハンター・ビルの「球根(ハルジオン)対象物の成長を促す事ができるという能力でBP正強化の一種かと思われる。

ビスケの若返り(?)「魔法美容師(マジカルエステ)を経由したBP負強化の一種(ビスケの肉体は弱くなっている)かと思われる。

本人曰く、“詳しい仕組みはビスケ自身もよくわかっていない”とのことだがGIでのビスケの様子(理論派タイプ)から、ウェルゲーに必要以上に能力の内容を開示する必要ないためのの様にも思われる(本人曰く、ビスケは“意味のある嘘しかつかないタイプ”)

ただキルアの思考では、ビスケの能力は“容姿が激変しただけと評されていた。

本来のBP負強化の一種の効果ならば“子供状態になるともっとオーラが減っているハズ”だったり、同系統の典型例と比べ“ビスケの能力”には“異なる点”がありのかもしれない。

それが“長年強く願い続けた結果行きついた現在の変化”で、その部分での詳しい仕組みがわかっていない(ある程度の見当はついてはいるが確実ではない)という意味なのかもしれない。

 

そしてビスケの若返りに関してはBP正強化の側面もあるかと思われる。

念能力者の肉体のピークがいつ頃かはわからないものの、操作系や具現化系に比べ、強化系に近い能力者はその肉体のピークを過ぎれば過ぎるほど弱くなっていくだろう

そのため若返りの中でも“肉体のピークを過ぎた者”がその能力を用いたならばBP正強化の効果となろう。

霊光波動拳の“細胞の活性化”の様な技術なのだろうが、その能力者が意図する効果により(心が物体やオーラに作用させようとする効果によって)正強化なのか負強化なのか分かれるかと思われる。

 

◆ゴン=フリークス

念も使えなくなり、作中でもしばらく登場しないであろう状況から空気状態の主人公。

表向きのゴールである新大陸(仮)の近くにある中継基地(小さな島)まではノヴの「4次元マンション(ハイドアンドシーク)が届くため、ゴンが念を取り戻して復帰する道は残ってはいるかもしれない。

―それが実現するかは大分厳しくなっている様にも思われるが…1ファンとしては待つしかない。

 

◎“ゴンさん”について

能力名は不明。その威厳(?)ある姿から“ゴンさん”と呼ばれている。

“後天的に特質系に変わった”と考えること出来るのだろうがその確証はなく、強化系の「発」で十分処理可能なため私は強化系の能力として捉えている。

BP(肉体)+(AP(念攻撃力)+SP(強化系の威力・精度)MP(制約と制約)

の4点式で考えると、

中核部分は「肉体の正強化(成長)オーラ量の“過”正強化」というBP正強化に類する能力かと思われる。

※また結果的にAP正強化(AOP=メモリの強化)、ジャジャン拳グーの使用時はAP正強化(念攻撃力の強化)も含まれる。

 

ゴンは経験不足ゆえ意識的なギアの上げ方を知らなかったものの、

イルミの腕を折った時も、

ノブナガとの腕相撲に勝った時も、怒りをスイッチ“その眠れる力”を引き出していた。

 

そして、この時のゴンの力を引き出したのもまた怒りであった。

カイトはゴンの命を救い、人生に目標を与えてくれた恩人だった。

“それなのに弱い自分がついていったばかりにカイトは自分を逃がそうと”

“―ピトーに壊された”

“本当は自分が死ぬべきだったのに”

そんな風にまだ13歳のゴンは思い詰めていた様だった。

それから色んなことがあって、

やっとピトーに再会して“カイトを元に戻す”と約束をしたのに、

ピトーは“カイトは死んだ”と言い、

それどころか“自分を殺す”と約束を守る素振りすら見せなかった。

 

―そうしてそれまでの全ての怒りを爆発させるように

“もうこれで終わってもいい だからありったけを”

と持てる力の全てをピトーに向けた。

“ゴンさん”の特徴は肉体の成長異常なオーラ量髪の毛の大きく3つ。

まず“肉体の成長”に関してだが、これは“ビスケの逆”、細胞の活性化とでも言うべきか、ビルの能力に類するBP正強化(肉体の成長)であろう。

モラウのBP正強化を見ているため、“力”が足りないと考えていたゴンは無意識の内に顕現させたのかもしれない。

 

次に“異常なオーラ量”について。

キルアが一目見ただけでその異常性とその“返し”を想像してしまったレベルだった様だ。

これに関しては最初のゴンVSギド戦にて―

(ゴンがギドを)倒す方法はいくつかあります。理論上はね。”

“ギドが疲れ果て「纏」を解くまで攻撃を続けるとか、彼の防御力以上の「発」でぶっ飛ばすとか。”

“しかし、前提としてどの方法にせよ、大量をオーラを生み出さなければならない”

“しかしゴン君は「練」を覚えていない”

“オーラを瞬時に生み出す術も、もちろん知らない”

―とウイングが気になる発言をしている。

“どれだけ早く大量のオーラを生み出し、それを効果的に攻撃力に変えて相手にぶつけるか…ゴン君にはどちらもない”

と続くもののこれは「練」と「発」にしか触れておらず、

“しかしゴン君は「練」を覚えていない”

“オーラを瞬時に生み出す術も、もちろん知らない”

大量をオーラを生み出す方法の2つの内の1つにしか触れられていない様にも思われる。

あるいは、

“どれだけ早く大量のオーラを生み出し”

という部分に「練」以外の技術があることを暗に示しているのだろう。

 

ウイングは“理論上は”と前置きしているため、それは今のゴンには現実的ではない高位の能力か、とても危険な側面を持つ技術の様に感じられる。

今回のゴンさん後の状態を考えれば、その後者だったのではないかと思われる。

 

そもそもオーラとは生命エネルギーで、仮に使い果たしたとしても十分に休息を取ればまた回復する。

何故回復するかは明確にはなっていないものの、全身にオーラを生み出すような細胞があるのだろう。

そして「絶」に極度の疲労を癒す時に効果があることから、体内のオーラが一定程度を下回ると体内にある程度のオーラが充足させるのを優先し、体外にオーラを出すことが負担になってしまうのが理由の1つかと思われる。

 

そして、ゴンさん時の異常なオーラ量は、

“もうこれで終わってもいい だからありったけを”

という言葉に表れている様に“全身にあるオーラを生み出すような細胞”働きを強化し、“全身から限界までオーラをかき集めていた”のかと思われる。

そして、その細胞は二度とオーラ(=生命エネルギー)を生み出せなくほど酷使された結果として完全に壊れ

ゴンは生命力のないミイラの様な姿になってしまったのかと思われる(オーラを生み出すことができず、“生命力”が全くない状態)

 

またPOP(体内のオーラ)が増えたところで、AOP(体外に出せるオーラ量)が変わらなければ意味がないが、恐らくMOP(最大オーラ量)AOPの最低値は一定程度の比例関係にあるかと思われる。

もしMOPAOPの最低値に比例関係がなければ、イズナビはクラピカが緋の眼時にオーラの絶対量がかなり増えたことにも気づけなかったであろうし、70万オーラ超POPを有していたであろうユピーが、もし生まれたばかりということもあってAOP1000オーラ程度しかないのあればあそこまで強くはなかったであろうし、あのペースでオーラを消費することはできない。

加えて、ジャジャン拳時の制約と制約の係数(=MP)でさえも1.1超はあったが、このゴンさん状態はその命すら懸けているためそれ以上の係数があることは容易に想像され、BP“過”正強化(オーラを生み出す細胞の“過”強化)により、結果的にAP正強化(AOP=メモリの強化)も成しえているのだろう。

 

そして3つ目の要素である“髪の毛”について。

もし、ゴンが髪の毛による攻撃を行っていたなら何か別の理由があったのかもしれないが、

恐らくゴンはロウソクの火が消える直前に大きく燃え上がる様な姿を想像したのではないだろうか。

キルアに背負われていたゴンの髪の毛は明らかに短くなっていたため、あの髪の毛は残りのオーラ量を表していたのかと思われる。

もちろん何故それが髪の毛だったのかはわからないが、自分やピトーに対して何度も何度も怒りで全身の毛が逆立つ程の感情に襲われておりそれが最後に爆発した結果―なのかもしれない。

 

◎“ゴンさん”を超えるゴンの姿

念は術者の心を反映する。

それ故、強く想えば想うほど強い力が出せる、だなんて思っているのかもしれない。

もちろん間違いではないだろうが、想いや感情は力を引き出すための“引き金”に過ぎず、強すぎる想いや感情は時に歪み、それによって引き出された力はその影響を受けてしまう。

本来、力とは独立したものである。

引き金なんて使わない方が、より強く、純粋で安定した力を出せる。

―と、墨村繁守先生は仰っていた。

 

ゴンさん化はある意味で、ゴンの“最強の姿”の1つであろう。

しかしこれから修行を重ね、様々な経験を積み、ゴンが怒りの引き金に頼らずにその力を引き出せるようになれば、いずれ“ゴンさんを超える強さ”を身に着けられると私は思う。

 

―ただ、それに見える時が来るかは…神のみぞ知る。

 

 

以上、コロナ禍の暇つぶしスペシャルでした。

また、いつの日か。ばいば~い。

「一握りの火薬(リトルフラワー)」について

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■「一握りの火薬」について

能力者:ゲンスルー

能力名:「一握りの火薬(リトルフラワー)

術者の念系統:(恐らく)具現化系

能力の念系統:(恐らく)具現化系

能力内容:手でつかんだものを爆破できる能力(つかめる大きさの限界はバスケットボールぐらい)

 

何気なく読んでいるとその威力が良くわからない状態に陥るが、結論から言えばその爆弾には指向性があるのかと思われる。

 

■「一握りの火薬」の威力について

作中の図(※上図は復元図)から「一握りの火薬(リトルフラワー)(以下「リトフラ」と省略)にはゲンスルーの20%のAOPが用いられている。

それに対してゴンはAOPの90%の「凝」でも多少のダメージを負い(火傷痕あり)

ゲンスルー自身はAOPの25%の「凝」で完全に防いでいる。

その一方でゲンスルーはAOPの10%の体部分(顎)を、ゴンのAOPの70%の「凝」の蹴られ大ダメージを受け、

ゴンのAOP100%のジャジャン拳グーの前に敗れ去った。

 

大まかに振り返ると何のこっちゃわからない不等式がフワフワ浮かんでくるが、ここはちゃんと検討すべき点。

そして、その比較には最後のジャジャン拳は抜かすべきかと思われる。

当初ゴンの「堅」に対して『いい“練”だ』と評価しつつも、

『まだまだ発展途上だがな』

とゴンを“格下”の様に断じていたにも関わらず、

ジャジャン拳グーに対しては『何だ!? このオーラ量は!? やばい!!』と激しく動揺していた。

「堅」が攻防力50で「硬」が攻防力100、後のナックル戦でゴンのジャジャン拳の制約と制約による係数は1.12程度とわかっているから、本来ゴンの「堅」を見ているゲンスルーはそこまで驚く様なことはないと思われる。

しかし、これはゲンスルーが“降参のフリをした騙し討ち”の後のことである。

ゴンが怒りを引き金にギアを一気に上げて眠れる力を引き出す描写は各所にあり、ドッヂボールでは時間をかけ集中して「練」することでAOP(メモリ)をより増加させていた様に、ゲンスルーの反応からもあの時のゴンはAOPが増加している様に思われるため今回の比較からは除外する。

 

明確な数値は決め難いが具体的な数値があると多少は理解に資すると思われるので、概算用の数値を決める。

『経験・“オーラの量ともケタが違う”。通常攻撃(「纏~硬」の攻撃≠発)ではダメージを与えられない。』

『それでも攻撃(いき)なさい。(必ずやられるから)』

という戦闘前のビスケの助言と戦力分析をたたき台にする。

 

この時のゴンとゲンスルーのオーラの総量は“桁違い”で、ナックル戦でのゴンはAOP1800(POP21500)程だったこと(=プロの中堅クラスと遜色ないレベル)、モラウで総量が7万オーラ程度(ユピーで70万オーラ超)だということから、恐らくこの時点でのゴンのオーラ総量は4桁で、ゲンスルーは5桁なのかと思われる。

 

そしてゲンスルー自身の念系統だが具現化系で良いと思われる。

主たる能力が「命の音(カウントダウン)という時限装置付きの爆弾で、放出・操作・具現の3系統に渡るが、

“ゲンスルーが本体ならオレ達は備品みたいなもん”

だと爆弾魔一味のバラが話していたことから、「命の音(カウントダウン)は相互協力型(ジョイントタイプ)の能力でサブとバラがそれぞれ操作と放出を担当しているということなのだろう。

 

まず適当にゴンをAOP800(POP9,000)、そしてゲンスルーをAOP1,500(POP=5桁=AOPとの関係から20,000前後?)と仮定。

そして、念の威力の計算式は―

V(速度)×{BP(生身の肉体)+(AP(纏~硬)+SP(発)MP(制約と制約)}

―5点式を採用。

 

第一に着目すべきはゲンスルーの能力の使い方。

ゲンスルーは「リトフラ」使用時、それに20%AOPを、防御用に自らの手に25%AOP分の「凝」を用いる。

端的にAP(DP)SPの2点だけで捉えても、

「リトフラ」AP(20%AOP=300)+SP(300) < DP(25%AOP=375)「凝で防御した手」

=「リトフラ」600 375「凝で防御した手」 

という不思議な不等式が生まれてしまう。

 

仮にゲンスルーが防御の「凝」を「強化」していたなら、

「リトフラ」=AP(20%AOP=300)+SP(300) < DP(25%AOP=375)+SP(375×0.6=225)

「凝+“強化”で防御した手」

=「リトフラ」600 < 600「凝+“強化”で防御した手」

と一見釣り合っている様にも見える。

しかし「リトフラ」という爆弾の破片の硬さや熱に加えて爆発の速度が乗り、さらにはMP(制約と制約)も乗算されるため、釣り合っている様ではダメージを受けてしまう

加えて、そもそもゲンスルーが凝を“強化”していると匂わせる描写もない

 

そのため相手の受けるダメージと、ゲンスルーの受けるダメージ異なるのかと思われる。

爆発の方向に指向性があるというべきか、ゲンスルーの手から握った“対象に向かって”爆発する様な爆弾というのが第一印象

 

ゴンがギアを上げる前の反撃(蹴り)を見ると―

「ゲンスルー:DP(10%AOP=150) AP(70%AOP=560):ゴン」

―もう少しゲンスルーのAOPは多くてもいいかもしれないが、ゴンのあの体勢からではそれほど力は入らないだろうし、ゲンスルー戦後のゴンの声の様子に、

「“やっぱり”ノド潰されたんだわさ」

と話していた通り、ビスケはゴンが作戦外の行動を取りうることは想定していた様だが、元々作戦通りに進めていてもゲンスルーを倒せた作戦だったハズである。

 

すると、相手が逃げることも回避するこも出来ない状況なら倒せるというのがビスケの見込みだろうから、

ジャジャン拳グー=V(パンチの速度)×{BP(拳の硬さ) + (AP(800) SP(800)1.12}

ゴンV×(BP 1,792) VS (BP(肉体の強さ) + (DP(1,500) SP(強化:1,500×0.6)):ゲンスルー

そして緩ーく、ゴンとゲンスルーのBPを同程度と考えるなら、

ゴン:(V×1,792VS 2,400:ゲンスルー

(※ゲンスルーが「硬」して、さらに「強化」して、理論上MAXの威力・精度だとしても)

程度に収まるため、両者の差というか、両者のAOPの比率あっても2倍程度なのかと思われる。

(ビスケは“拳本来のスピードと破壊力が乗れば攻撃力は数倍、数十倍になる”とは言っているものの、各キャラのいわゆるHPがどの程度かも、攻撃側と防御側に1オーラの差があったらどれほどダメージを与えられるかも現状不明なのが大きなネックになっている)

 

また「リトフラ」をゴンは90%の「凝」で防げるのも(致命傷にはならないが多少の火傷は負う)

ゲンスルー:V(爆発の速度)×{BP(爆弾の破片や熱) + (AP(300) SP(300)(制約と制約)}

VS BP(肉体の強さ) +DP(90%AOP=720):ゴン

程度に収まるため、良く分からない点(VBPMP)を差し引いてもゴンのAOPは800~1,000程度ゲンスルーのAOPは1,500~2,000程度なのではないかと個人的には考えている。

 

■「一握りの火薬」の正体

大雑把な説明では手でつかんだものを爆破できる能力(つかめる大きさの限界はバスケットボールぐらい)と言うが、「リトフラ」とは具体的に“何を”“どのようにしている”能力なのか。

ゲンスルーの念系統は具現化系であろうから、恐らく具現化系か変化系の能力かと思われる。

 

具現化系なら「爆弾」を具現となるのだろうが、変化系の場合はどの様な能力なのだろうか。

能力名の通り“火薬”の様な爆発性の物質やガスの性質を自身のオーラに加えているとすると火種も必要になろう。

ただ爆弾を具現できるため爆発性の物質発火装置のイメージは十分出来ているだろうから、その2つの性質を加えることも不可能ではないだろう(ヒソカのように2つの性質付加)

しかし、変化系として捉えるのは難しい様に思われる。

 

ゲンスルーは顎に攻撃を受けた際にゴンのオーラ攻防力の配分に見当を付けていたから、「リトフラ」を「凝」で防がれた際もゴンが9割近くのオーラを用いていたことも把握出来ていたであろう。

そのため、もし変化系の発ならばその発に使用するオーラ量を増やせばより簡単にカタがついたのではなかろうか。

例えばだが「発:20%AOP、防御:25%AOPだったのを「発:30%AOP、防御:35%AOPと増やすこともできるのではないだろうか。

(※恐らく若干手を守るオーラが足りないかとは思われるが、そこはさして重要ではない)

 

しかし作中でゲンスルーはその様なことはしていないし、威力を変えられる能力ならば左右を全く同じ比率にする必要もない様に感じられる。

そのため、「リトフラ」具現化系能力かと思われる。

大変なイメージ修行を経て成された具現化系能力は基本的にはそのイメージ通りの“同じモノ”しか具現できず、ゲンスルーの能力も同じ爆弾を具現同量のオーラを使用するものかと思われる。
 

それも通常、具現化系能力はそれほどコスパの悪い能力にはなりにくいかと思われるが、「リトフラ」は具現化した爆弾自体が爆発してしまうため、オーラの使用感は放出系能力に近しくAP(AOP20%を使用した爆弾) SP(AOP20%分のSOC)といった感じでAOP40%分のオーラを消費してしまうのだろう(ゴンのジャジャン拳グーはAOP100%分SOC、パーはAOP100%同量のSOCAOP200%分消費する)

「一握りの火薬(リトルフラワー)という能力名は「命の音(カウントダウン)の様な強力な爆弾と比べると、ほんのちょっと(一握り)の火薬を使った程度の小爆弾という意味かと思われる。

 

加えて、ゲンスルーは恐らく操作寄りの具現化系能力者強化系能力の威力・精度は高くない様に思われる。

もし理論値の60%の威力・精度に達しているならば、片手で「リトフラ」を使用の際に爆弾の威力を「強化」してしまえばゴンは防ぎきれなかったのではなかろうか。

ナックル戦でのゴンのパーが、4000ものオーラを消費しても500オーラ程度の威力しか保てなかった様に、ゲンスルーがそれを実践しなかったのも使用できるオーラ量と強化系の威力・精度からオーラを浪費するだけでその効果は薄かったのかと思われる。

 

さて、それでは「リトフラ」が具現化系能力だとすると、具体的にどのような具現化物なのか。

ゴンの手首を握った状態で具現できることから、ゲンスルーの掌の形をした薄いシート状の爆弾(爆発の方向は掴んだ相手側)の様なものだろうか。

ドッチボールでキルアがそうしなかった様に、ゲンスルーの手を守る「凝」が障壁となってしまいその爆弾の威力を殺してしまう様にも思われたが、

オーラとオーラは併存(ゴンの「凝」とゲンスルーの「凝」は同じ場所に存在)オーラはそのままの状態では物質を透過出来ない(円は別の物で覆われた物を察知できない)ことを考えると、

相手に密着した状態で相手表皮の上に具現して、それが相手に向かって爆発するなら障壁になっていないのかもしれない。

そしてその爆弾の威力は相手の肉体とオーラによって減衰するから、ゲンスルーの受けるダメージは相手よりも少なく済むのだろう。

 

あるいは、「命の音(カウントダウン)が能力内容を説明することを制約と制約にしていたが、

その様子は、しげちーに自らのことを突然話し始めた吉良吉影を彷彿とさせた。

そのスタンド・キラークイーンの能力は“『触れたもの』は『どんな物』でも『爆弾』に変えることが出来る”もので、100円硬貨を爆弾にした際は、近くに居たしげちーの肉体は内部から爆破され、爆弾となった100円硬貨自体は破壊されていなかった

 

ゲンスルーが触った物が爆弾になり(=ツボネ式具現)、その内部から爆発、爆発のダメージは相手の方が大きく、ゲンスルーはその爆発の一部や余波から自らの手を守っているだけならば描写的には近い様にも思われる。

 

ただ、ハンタの世界に落とし込むと疑問も残る。

具現化系能力はオーラだけではなく肉体等の物体も材料にして術者のイメージを具現することもでき、ツボネが自分の肉体でそれを行っていたから、相手の肉体を材料にすることもできるだろう(ルールを相手に強制させるから操作系の力も求められよう)

しかしゲンスルーの能力は“爆破”であるため、

破壊された念獣に使用したAOPが回収できない様に、ゲンスルーの具現化物もAOPを回収できないかと思われる。

 

そして具現の材料に肉体を用いてそれが破壊された場合、AOPが回収できないのと同様に具現解除された時に肉体部分も元の状態には戻らない一部もしくは全部の破損をしている状態かと思われる。

しかし、爆破されたゴンの左腕の表皮は残っていた

もし手で掴んだものの“内部”を爆弾にしているなら、その材料にされた骨・血管・神経は具現化物と一緒に爆破(破壊)されてしまうだろうから、使い物にならなくなっているだろうがそんなことはなかった。

 

ただ、強制的にゲンスルーに表皮を爆弾化されていたとしても、ゴンはその表皮も「凝」で守っているから―爆弾が爆破した時に部品が残る様に―表皮も壊れずに残っていたのかもしれない。

左右同時爆破の際、ゴンが30%のAOPで守った右手は表皮側から、それもゲンスルーが握ったところが失われているため、爆発の方向はゴンの腕の内部からではなく、外部からでよいのだろう。

 

そのため―

掴んだ対象と掌が密着した状態で薄いシート状の爆弾(爆発の方向は相手側)を具現して爆破させているか、

掴んだ対象の表皮(掌が触れている箇所)と自らのオーラを元に薄いシート状の爆弾(爆発の方向は相手側)に強制具現して爆破させているか

―のどちらかかと思われるが明確にはわからない。

 

個人的には後者の方が好みではあるものの、前者の様な気がしている。

後者だった場合、例えば「大和撫子七変化(ライダーズハイ)で既に自分の肉体を材料に具現しているツボネを爆破できるのだろうか

あるいは念獣(相手のオーラを元に具現されている疑似生物)を爆破できるのか

はたまた、変形や変身の様な能力(恐らく複数系統で可能)を使用中の相手を爆破できるのか、それもそれに操作系能力が含まれる様な能力の場合どうなのか。

 

―という直近の更新の中で操作系能力の競合がどこまで可能で、どこから不可能なのかが現時点では不明と触れたが、後者のパティーンだった場合、能力が発動しない(強制具現できない)可能性もある様に思われるのだ。

能力発動出来なかった場合、オーラの攻防力のバランスが著しく悪い状況で相手に接近しているため一転ピンチに陥ることを考えると前者の方が無難の様な気がしている。

自分のオーラや肉体を材料に具現するのと、他人のオーラや肉体を材料に具現するのでは後者の方が要求される念技術は高そうですし、ゲンスルーの20%AOPであの威力と両立可能なのかどうかも読者視点ではまだわかりませんしね。

 

そして最後に1つだけ気になっている部分がある。


ゲンスルーが石ころを爆破した時(上図3)爆発の規模小さい様に感じられるのだ。

 

流れとしての描写等もあるから基本的にクレーター等の大きさなどから威力を測ることはしないのだが、しっかり掴めるものそうでないもの(石ころの様に小さいもの)では、ゲンスルーの掌と接する面積が異なる

ゲンスルーのAOP20%を要するのは完全に掌が接する時で、対象が小さく掌との接地面積が小さい場合要するオーラ量はAOP20%分も必要ないのかもしれない。

 

ただそれだとゲンスルーの具現しているものはどんなものなのだろうか。通常、具現物は同一であるハズなのだ。

すると“掌の形をしたシート状の爆弾”ではなく、“1cm角のシート状の爆弾”の様な物を掌の表面に具現できる能力で、対象を握った時に“対象に密着している爆弾(複数)が同時に爆発しているのかもしれない。

しかし接触していない箇所も具現していたらその分SOCが無駄に掛かってしまうし、連鎖爆発しそうな予感(恐らく爆発が一瞬遅れるから爆破音も“ボム!!”ではなく、“ボボム!!”となりそう)

そのため接触した箇所のみ具現できる様な限定条件を付せば、石ころ爆破の時の様に爆発の規模が小さいことにも説明はつくだろうか。

 

―まぁ、ジスパーの顔面爆破(上図1)や、ゴンの手を爆破したシーン(上図4、5)などは漫画の演出として、爆破された対象がどうなったかを隠すために爆発を大きくしている(次のシーンへの楽しみを増やす演出)とも取れてしまうのかもしれない。

また同じ爆破シーンでも(上図5と6)、上図6では注目させたいのが“ゴンの蹴り”の方なので上図5よりも爆破が小さく描かれている様にも思われる。

さらに石ころの爆破シーン(上図3)が、もし他の爆破と同程度に大きかったら、

爆破がゲンスルーの顔に少し掛かって若干ギャグっぽくなってしまう気もしますし画角のバランスから爆発の規模が小さくなった様にも考えられる(ドラマ「危ない刑事」等で、肘を曲げて銃を顔の近くで構えるのも画角的な問題)

それも爆破した“石ころ”そこそこ大きくも“見える”ので、ゲンスルーの掌の全面が触れてもおかしくはないのかもしれない。

 

まぁ明確にどちらかの断定は難しいので最大でもゲンスルーの掌の大きさの1cm角程度のシート状の集合爆弾”もしくは“掌の形のシート状の爆弾”で、“対象に向かって爆発する薄い爆弾”ならそれっぽく繋がる様には思われる。

個人的には石ころもそこまで小さくないのと、掌が接する面が少ないものを爆破することはむしろあまり想定していないと思うので、「リトフラ」は一律にAOPの40%分(SOC含む)を消費する「発」かと思われる。

 

■ゲンスルー戦のMVP

ゲンスルー戦でのMVPはビスケなんでしょうね。

本来「リトフラ」にどれほどの威力があるのか、ゴンがそれに耐えられるのかどうか、オーラの総量、特にAOPにどれほど差があるかが分からないハズで、下手をすれば「発」以前に“通常攻撃(纏~硬)だけでも簡単にノックアウトされてしまう程の差があった可能性もあろう。

しかし、ゴンが攻防力90くらいの「凝」をすればそこを爆破されても致命傷にはならず“「リトフラ」を使えず、逃げることも回避するこも出来ない状況なら、まだまだへなちょこなゴンの発でも倒せる相手という見立てが出来たからこそビスケはキルア立案と思われる策にGOサインを出したのであろう。

 

恐らくその見立てにはアベンガネからの能力情報や、ツェズゲラ達からボマーが実は3人組だと聞いていたことから分析した部分もあるだろうが、

GIスタート時のあからさまに怪しい勧誘の中でゲンスルーを実際に“視”て得ていた情報が基礎に置かれているのかと思われる。

ヒソカと初めて会った時も趣味に走りつつも、“ウソをついている”ことや、“かなり強い”ことを見抜いていたことから、ハメ組の中にそこそこ強い奴が居たことにも気づいていたかと思われる。

それはヒュリコフの様に能力ではなく経験によるスキル(目利き)かとは思われるが、恐らくそれが“ゴンが90%「凝」で防げ、かつ倒しうる相手”という結論を導く根拠になっていたのかと思われる。

 

そんなビスケの“戦闘用の能力”は今の継承戦編で披露されるでしょうかねー。
―と、細かいことを検討するとたぶんまた2記事を跨ぐ感じになってしまうだろうから、ざっくりこんな感じでしょーか。

以上。またいつか~。

6-2:変化系能力(その2:番外)【H×H感想 3rd版】

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←(前) ■6-1:変化系能力(その1)
→(次) ■7:強化系能力

 

今回の更新で各系統ごとにその系統の能力者について扱おうとしていたが、ヒソカ要素が薄かったため追記。

ただ根拠が弱く妄想寄りのため、番外の扱いにしました。

っていう感じで“追記”をしたかったのですが、水見式を「形状変化が変化系能力でない」ということの前振りのために変化系の項目で扱ったせいもあって容量超過したので別記事で上げました^^;

※この記事の更新日は2021/7/22ですが、元記事の日時に合わせて挙げています。

 

◆ヒソカの“強さの謎

神の声(ナレーション)曰く、ヒソカは“自分が最強だと理解している”というが、その強さがどの程度なのかがイマイチ把握できない。

結論から言えば、“相手によって戦闘力が変化”しているのではなかろうか。

 

まずヒソカの戦績を振り返る。

カストロ戦は、カストロの能力を探るためとは言え、パフォーマンスのためか大分遊んでいる(遊び過ぎている)様に思われるため一旦除外。

 

次のゴン戦。

水見式をやっとまともに出来た程度のゴンの通常攻撃(恐らく纏状態)でそこそこのダメージを負っている様に思われる。

ゲンスルーですら、この時から大分成長したゴンの通常攻撃(纏~凝)ではダメージは与えられないとビスケから助言を受けていた。

 

続いてGIのドッヂボールでは、

外野を経由した投球とは言え「凝」で指を2本折っている(捕球のためバンジーガムを用いたため「硬」は使えない)

ちなみにボールの質量が増しているのが厳密に何の効果なのかは不明。

レイザーがGIで放出系担当(=放出系能力者)であるため「強化BP強化)」か「放出(念弾の核化)」だろうが、レイザーの投球の度に投げたボールからレイザーの元にオーラが戻る描写もないため「強化」単体での使用ではないだろう

そのため「強化BP強化)の放出」or「放出のみ」なのだろうが、“決める”ための投球でもないのに毎回「強化と放出」を用いているとなると、AP(周のオーラ量)SPBP強化)SP(使用オーラの放出乖離)となり、ボールに込めたオーラ分の300%分消費することになってしまうだろう。

 

それを気にしないだけのオーラ量(POP)があるなら「14人の悪魔(正式な能力名不明)も最初から「放出」してメモリを解放してしまえばいい様にも思われる。

ただ、久しぶりのお客さん(恐らくレイザーが直接相手にするのは初?)のため多少は遊びたかったため基本は「放出のみ」で対応していたのか、念獣に割いているオーラ量(メモリ)が結構多くAOP型のままでは投球の威力が十分に出ないため「周+BP強化+放出乖離」としていた(念獣をEOP型にすると外野との連携がAOP型の様に出来ない?)等、複数パターン考えられ明確にはわからない。

旅団がGIに不法侵入時に使用した船への攻撃で使った様に、単純に“ドッジボールの球を核にした念弾”「放出系(周の放出乖離)のみの様にも感じる。

今回のテーマからは大分逸れるため、ひとまず「放出のみ」で採るがこの時の投球の威力は、

V(外野経由の投球速度)×{BP(ボールの硬さ)+(AP(周※オーラ分散によりレイザー弱体中)+SP(放出))}

となるだろう。

対してヒソカの防御力はBP(肉体の硬さ)+DP(凝)+SP(捕球用のバンジーガム)となるだろう。

※捕球用の「バンジーガム」も、そのオーラ量やゴムの性質が若干防御に資するかと思われる。

 

一見ヒソカの防御の方が分が悪い様には思われるが、外野経由のボールであること、レイザーが「14人の悪魔」にどれほどオーラを用いているのかはわからないがレイザーのAOPは減っており―最後の本気モードならまだしも―中盤の投球で残りの全AOPを念弾に込めることもないだろうから、“自称(?)最強”のヒソカが骨折する程とは思えない部分もある。

 

続いてゴトー戦と、清凛隊戦。

どちらも無傷でのヒソカの圧勝。

ゴトーの強さがどの程度かは不明だが「発」を十分に使いこなすレベルにはあり、テラデインら清凛隊はモラウ曰く“弱い”らしいが、どちらも少なくとも天空闘技場時のゴンよりは強いだろう。

ともすると“ヒソカ=回避極振りの紙装甲キャラ”の様にも思われるが、オーラを纏った部分は攻撃と防御の両面を持つため、当時のゴンからダメージを負ってしまう程度のオーラ量(防御力)では、ゴトーや清凛隊を倒すオーラ量(攻撃力)には足りない様に思われる。

単純に防御のためにはオーラを割かない“特攻キャラ”なのか、それとも―。

 

そして最後のクロロ戦は、

作中では初のヒソカの敗北。

今のところ実質的に戦闘に役立つ「発」は「伸縮自在の愛(バンジーガム)のみ。

それだけでは攻撃力に難があり“自称(?)最強”という思考には至らないだろうから“強い発”を隠し持っているとは思われる。

ただクロロ戦でも使用しなかったことから、それは“一対多数の状況には向かない”か、“使えない様な状況”だったのか等と考えていたが、

“戦(バトル)は舞(ダンス)…!息を合わせないとね…♪”

と考えていたところにヒソカの“強さ”の謎が隠されているのではなかろうか。

 

相手がいるダンス、例えば社交ダンスなどで上級者が初級者にテンポ等を合わせる様に、ヒソカはバトルをより楽しむためにその“相手”と“オーラ量(AOP)”を合わせているのではないだろうか。

「戦闘力(AOP)を“変化”させている」なんて言うと“変化”という言葉に引っ張られて変化系能力と考えてしまうかもしれないが、あくまで変化系能力は「オーラや物体に性質を付加させる」もののため変化系能力ではない。

制約と誓約もしくはヒソカの恣意的な制限なのだろうが、クロロ戦で死を目前にしても“強い発”を使わなかったことから前者の様にも感じられる。

 

“相手”と“オーラ量(AOP)”を合わせているならば、天空闘技場でゴンの通常攻撃(纏)でダメージを負うのも理解できるし、GIのドッジボールの時も“相手”“レイザーだけ”ならば骨折程のダメージは負わなかったのだろうが、ここでいう“相手”はあくまでドッジボールという“合同ダンス”のため“味方”も含まれてしまうのかと思われる。

レイザー VS ゴン・キルア・ビスケ・ゴレイヌ・ツェズゲラ(・ヒソカ)」という合同ダンスで、下限(ゴン・キルアもしくはツェズゲラ?)に合わせているのか平均に合わせているのかは不明だが、ヒソカのオーラ量が引き下げられてゴン・キルアに近づいているならば―

“1度外野を経由すればボールの破壊力は激減するよ◆”

“「硬」じゃなくても指2本で済んだ♥”

―アドバイスの意味も出てくる。

 

ゴンとキルアの二人は蟻編で「練(=堅)」を当初1時間弱しか維持できなかったが、ビスケ監修の1ヵ月のブートキャンプで3時間まで延ばし(本来「練」を10分間延ばすだけでも1ヵ月かかると言われている)、その時のゴンのAOP約1800程度(POP21500程度)(=プロの中堅クラスと遜色ないレベル)

またあくまで参考数値だがゲンスルー戦でのゴンのAOPは恐らく多くても1000前後

※参考:「一握りの火薬(リトルフラワー)」について

 

ゴンとキルアは同程度と考えてAOP1000程度と、まさかヒソカのオーラ量が近いハズもないだろう。

“レイザーの球にさえ注意してよければ大ダメージは避けられるな”

とキルアはヒソカの発言を受けて考えヒソカもそれを肯定していたが、“自称(?)最強”のヒソカと当時のゴンとキルアのAOP“かけ離れている”ハズであり、本来参考になるハズもないのだ。

 

クロロ戦においても、単純に“相手”“クロロのみ”なら良かったのだろうが、

“多数の人形”“相手”の勘定に入ってしまったため、AOPが大幅に引き下げられ、隠し持っていると思われる“強い発”“使えなかった”のではなかろうか。

詳しい計算方法は分からないが、クロロ戦を見るに“下限”に合わせている訳ではなさそうだ。

“平均”に合わせていたとしても、人形が多過ぎることもあってAOPが低くなり過ぎてしまう様に思われるため、“制限の下限”が決まっているのかもしれない。

ヒソカが品定めで点数付けをするシーンがあったが、相手を見る前にイルミを95点と採点していたことから恐らくヒソカの採点の根底部分はオーラなのだろう。

それも、まさかイルミが投票会場で多量のオーラを放っているハズもないから(恐らく「纏」状態)オーラの“質”かと思われる。

「絶」状態のカルトの存在を感じ取ったところからも“感知”のスキルが異様に高いため、

プフが相手のオーラの流れに表れる30種類程の感情パターンの混成具合から相手の思考を推測した様に、“オーラの感じ”これまで戦って楽しかった相手のパターンに当てはめて、

オーラ別性格分析の様にヒソカ独自の採点になっているのだろう。

そして、恐らくその点数は現状の点数将来的な見込み点の2段階式で、当然合わせる基準は前者の方であろう。

 

制限レベルは不明だが―

相手の平均30点以下…AOP30%に制限(※下限)

相手の平均50点…AOP50%に制限

相手の平均70点…AOP70%に制限

相手の平均90点…AOP90%に制限

相手の平均100点…AOP100%(※制限なし)

―これが制約と誓約だった場合は恐らく100点以上の時には―例えばAOP20%分上乗せ”の様な―何らかの旨味(上昇効果)はありそう(※上記の制限例は適当)

 

“闘う時、相手と場所を選ばない事にした☘”

“旅団(クモ)は…ね♪”

という発言は、

“戦(バトル)は舞(ダンス)…!息を合わせないとね…♪”

の限定的な撤回で最初から本気で行くということなのだろうが、制約と誓約だった場合「そんな簡単に変更できるのか」「効果(例:120点以上の時は20%分上乗せなど)はどうなるのか」等の疑問が沸くので、単純に力(AOP)を任意の加減で“相手”に合わせているだけなのかもしれないですね。

クロロ戦で隠し持っていると思われる“強い発”を使わなかったのは、一体多数に向かない能力ってことで処理出来ますし。

―と、ヒマを持て余した連休中の追記はここまでです。

 

ブログは単純にアウトプットがしたいだけで―意味が変わってしまう様なものは別にしても―基本的には誤字・脱字はあまり気にしていなかったりします。

とにかくパパッと書きたいため、ハンタの記事を書く時によく使う単語は辞書登録しているんですが、この記事を書いている時に「制約と誓約」「制約と“制約”」と誤字って登録していることに気づいて恥ずかしくて過去記事を修正しまくったのは内緒の話。

 

以上。

→7:強化系能力(ラスト)に続く。

「11人いる!(サイレントマジョリティー)」の犯人再考

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さすがに再開後、犯人わかってしまうだろうから一応それに先んじで再考しようのコーナー。

結論から言ってしまうと犯人はムシャホかと思われるが、全ての容疑者の内心や描写が出揃っている訳ではないため、未だに若干クエスチョンマークが浮かんでいる。

 

大分前の情報のため、まず復習から。

◆「11人いる!」とは

「11人いる!(サイレントマジョリティー)(※以下、“サイマジョ”と省略)とは、クラピカが警護する第14王子ワブルの部屋で起きる連続殺人事件の犯人の能力。

元ネタ(?)は、萩尾望都さんのSFの名作「11人いる!」と、作者がドはまりしていると噂のアイドルグループの楽曲「サイレントマジョリティー」の模様。

 

◇能力概要

未だ不明点は多いが「座敷人形(黒ぼっこ)という念獣の胸元から放たれる4匹の「呪唇白蛇(ツチボッコ)という白蛇が特定の相手に吸血攻撃できる能力(※以下、“座敷人形”と“白蛇”と省略)

 

しかし白蛇が対象の全身の血を吸い尽くすのに1匹ならば44秒全4匹が一斉に襲えば11秒要し、

座敷人形が視えるのは「能力者本人と憑かれた者」2人だけなのに対して、白蛇非能力者を含め全ての者に視えてしまう。

これまで各所で触れられている“念での戦い”における攻撃までの所要時間からすると時間が掛かり過ぎており、

白蛇自体は拳銃(9mmパラ)でも撃退可能なレベルなため、

一定以上の戦闘訓練を経た念能力者であれば―多少タネがバレたこともあってか―対応できる様子である。

 

またサイマジョは、

不測の事態で座敷人形が一人も殺さずに強制解除されると呪いが術者に返って来てしまうらしい。

殺害対象を殺す前白蛇4匹が殺されたり“憑かれた者”に座敷人形を破壊されたりすると、能力者本人が死んでしまうだとか、一定期間以上念が使えなくなってしまうのかと思われるが、詳細は不明。

 

◇攻撃方法と射程と術者の念系統

バリゲン殺害時に、犯人はミュハンが“ターゲット(射程)の10人”には入っていないと考えていた。

その射程の中心がロベリー(憑かれた者)なのか、座敷人形なのかは定かではないが、憑かれた者本来居ないハズの“11人目(=座敷人形)を指摘することが能力名に繋がってきているだろうから、座敷人形憑かれた者を含めて合計11人(実質10人)が射程となるのだろう。

 

バリゲン殺害時はロベリー(憑かれた者)が、

座敷人形の存在を指摘して周囲の注意がそちらに向いている隙に、白蛇が襲いかかっていたが、

その後のミュハン殺害時の状況から、“11人いる!”という寸劇は“必須”の過程ではない模様。

 

クラピカは“術者が遠隔からの視認・命令が可能な能力”と推察していたが、念講習会開催前に殺害された、

ウッディーら、上位王妃からの監視&警護兵・計5名の殺害状況から鑑みるに、ウッディー自身に座敷人形を憑けた上で白蛇4匹同時に襲い、残りの4名はそのいずれかに憑け、各人に各1匹ずつ白蛇が襲い掛かったのかと思われる。

4名の監視&警護兵が死体が一箇所に纏まり過ぎている様に思われるが、全身の血が抜かれるまでに44秒掛かるとは言うものの全血液量の20%近くを短時間に失うと出血性ショックに陥ると言うから(50%失うと心停止)、実質的に9秒弱程度で自由に動くことは出来なくなる上、血液を吸う白蛇から襲われる可能性があることも知らないため、急激な体調不良(貧血)に戸惑い、途中で白蛇に気づいたとしても何も出来なかったという感じだったのだろう。

 

そして肝心の白蛇の襲い掛かり方だが、

当初、座敷人形の胸元の蛇のマークは白かったが攻撃の際は黒くなっていた

そのため、どこぞやのシアーハートアタックの様に白蛇は座敷人形の胸元から飛び出しているのだろう。

 

そして白蛇が暗殺対象に直接ワープ(瞬間移動)しているなら術者の主系統は放出系かと疑うが、攻撃準備の段階で椅子の下に隠れていることから白蛇は地べたを這って移動しているのかと思われる。

 

白蛇が隠れていた椅子(ソファー?)の位置が明確ではないものの(恐らく下図では右方)

座敷人形とバリゲンの場所からすると「座敷人形→椅子の下」+「椅子の下→バリゲン」よりも、「座敷人形→バリゲン」の方が近い様に思われ(=“飛ぶ”必要なし)

暗殺対象の服の中に瞬間移動できるなら行動制約のリスクにならないため、地べた移動かと思われる。

強いて言うなら、ロベリー(憑かれた者)が注意を引いた後のバリゲンへの攻撃を思うと白蛇の移動は速い様に思われる一方、吸血後は2度とも拳銃で容易に排除されているため、吸血後は吸った血の分だけ体が重くなって移動速度が極端に落ちてしまうのかと思われる。

 

つまり“11人いる!”という寸劇は単純に白蛇が襲うだけでは撃退される可能性があるため、その脆さを補うための工夫なのだろう。

この能力は具現(人形と蛇の具現)操作(遠隔からの視認・命令)の2系統に跨る能力の様であるが、操作系によく見られる“型にハマれば勝ち”の様な強制力が弱い様に思われるため―隠密技術は高いのかもしれないが―念能力者としてのレベルはさほど高くないか、操作系が主系統ではない様に思われる。

個人的には、犯人は具現化系能力者でその能力はAOP型かと考えている。

 

◆犯人探し

さて、ここから本題の犯人探し。

話の展開や「11人いる!」のオマージュから、個人的には念講習会の参加者16名の誰かが犯人の様に思われる。

 

しかし、容疑者を絞り切った後もイマイチ確信を持てずにいるため、

1014号室にいる24名全員を容疑者として考えてみる(さすがにクラピカは除く)

私はミステリーや推理物はほとんど読まず犯人探しの精度もさほど高くないため、消去法で絞っていく。

 

◇確定除外1-死亡者

第4王子ツェリードニヒの私設兵ミュハンと、第13王子マラヤーム警護で第7王妃セヴァンチ王妃所属兵バリゲン

穿って考えると「死後の念(死者の念)化」しているとも考えられるかもしれないが、もしそうならば犯人はサイマジョ強制解除時の呪詛返し(?)を気にする必要がない。

 

◇確定除外2-サイマジョの仕様から

第10王子カチョウの従事者ユウリロベリー、そして第1王子ベンジャミンの私設兵ヒュリコフ

 

座敷人形「能力者本人と憑かれた者」2人だけにしか視えない。

ロベリーが憑かれた際、

ユウリとヒュリコフの視点が描かれており、どちらも座敷人形は視えていなかったため除外。

 

また座敷人形から遠隔視認していると思われる術者の内心が、

“気づいたか、よしよし…!! しっかり皆の注意を引けよ…!”

と描かれていたロベリーも除外出来よう。

 

◎ロベリーからみるサイマジョの副作用

ちょこっと脱線。

ヒュリコフによると講習会には念を使えることを隠している者が4人いるという。

そしてその内の1人がロベリー(憑かれた者)だったことが明かされた。

ロベリーは“自分にしか見えない女が居る”ことから声を上げたが、元々念能力者であるならば何らかの念攻撃を受けていると分かるハズだろうから―

―サイールドの様に無暗やたらと騒ぎ立てることはしない様に思われる。

 

つまりロベリーも元々非能力者で、オイトや、後述のユヒライ・シェジェールの様に座敷人形に憑かれたことで“半覚醒状態”にあったのかと思われる。

座敷人形は通常の具現物の様に非能力者にも見える物体でも、「隠」で見えづらくされている物体でもなく、“術者と憑かれた者の2人だけに見える”という特殊な具現物である。

そのため特殊なルールに相手を強制的に巻き込む副次効果として、座敷人形に憑かれた者は念に目覚めてしまうのかと思われる。

講習会中に隠れ念能力者がさら増えることもなかったため、恐らくミュハン殺害時に座敷人形を憑けたのは念能力者の誰かだったのだろう。

 

◇準・確定除外1-非能力者

第14王子ワブルの母親であり第8王妃であるオイト、第5王子ツベッパの警護、私設兵隊長マオール、第11王子フウゲツの従事者ラジオラスの3名は事件発生時、非能力者であった様だ。

 

オイトはクラピカの「人差し指の絶対時間(ステルスドルフィン)の副次効果で念に目覚めた。

念能力者であることを隠していたにしては各所の言動が上手過ぎる一方で、サイマジョ能力者であるならばライバルのモモゼが襲われた際の言動が合致しない。

クラピカの能力により初めて念に目覚めたと考えた方が辻褄が合うため除外。

 

ラジオラスはクラピカの講習会で最初に念に目覚めた参加者。

クラピカの能力を探ろうとしていたヒュリコフとバビマイナだが、

共に―操作状態ではなく―念能力覚醒状態だと考えていた。

隠れ念能力者だった場合にはヒュリコフの内心と合致しないため、ラジオラスは除外。

 

マオールは講習会で2番目に念に目覚めた参加者。

“見た目は文句のつけようのない修行過程者だ…それにそぐわない大量のオーラをのぞけばな…”

とヒュリコフは評している。

 

若干ヒュリコフの言葉が分かりにくいため補完するが、通常「―(ダッシュ)」を用いる様な連結文かと思われる。

“あれが演技なら ―操ってやらせるなんてレベルの芸当じゃない― 一級の手練れだ”

もう少し補うと、

「あれ(マオールが修行過程者にそぐわない大量のオーラを出していること)が演技なら、マオールは一級の手練れだ」

(クラピカが)操ってやらせるレベルの芸当じゃない=操作状態ではない」

つまりクラピカによる操作でもなくマオールの演技でもない

要は十分な修行過程者にしては「纏」が下手くそ(戦闘状態でもないのにオーラを出し過ぎ)で、もしマオールが演技でそれをやっているなら一級の手練れで、操作系能力でやらせることのできるレベルではないほど自然な“下手さ加減”ということだろう。

 

即ちマオールもこの時に初めて念能力に目覚めたために、上手く加減が出来ていない(オーラを出し過ぎている)ということであろうから除外。

 

◇準・確定除外2-クラピカ判定

第14王子ワブルの従事者シマノ(シマヌ”と表記されることもままある)と、クラピカと共にワブルらを警護するハンター協会員(協専)ビル

共に「導く薬指の鎖(ダウジングチェーン)でシロと判定された。そのためこの2人も除外。

この能力の抜け道として、記憶や意識を操作して嘘を嘘と自覚していない場合もシロと判定される点があるが、それを踏まえてしまうと各キャラの内心も怪しくなってくるため考慮しない。

(明確になっている事実や能力の仕様で犯人を断定できるなら良いが、今回それができず各キャラの内心も参考にする必要がある)

 

◇内心や状況から除外

第1王子ベンジャミンの私設兵バビマイナ

第2王妃ドゥアズル所属で第3王子チョウライのところに出向している監視&警護兵スラッカ

第3王子チョウライの私設兵サカタ

第4王子ツェリードニヒの私設兵&準協会員ダンジン

第11王子フウゲツの従事者イラルディア

第13王子マラヤームの警護でハンター協会員ベレレインテ(協専かは不明)

 

まずバビマイナ。

“これは王子達の念獣じゃない…!”

という考えが“オレの能力だ”と続くのであれば、にしおかすみこさんの「あたしだよっ!!」を彷彿とさせる。

そもそもバイマイナの能力はマイト曹長から「迎撃型(カウンタータイプ)と言われているため除外。

 

次にスラッカ。

口は汚いが、内心では仕える第2王妃ドゥアズルに忠誠心を示している男。

クラピカが緊急アナウンスで「ネン」や「ネンジュウ」、「寄生型」といった情報を流したために、念の情報を持たぬ陣営は「ネン」に関する正しい情報を敵陣営よりも多く掴むことが重要となってくる。

しかしその状況下でスラッカは“高確率で囮や偽情報等のトラップが待ち構えている…!どちらの方が真の情報を得やすいか…!?”と考えていた。

スラッカが念能力者ならば真の情報を得ようとする必要がない(既に知っている)ため、除外。

 

サカタも、

自らが非能力者であるが故の葛藤が複数回描かれているため除外。

 

ダンジンは内心に関する描写がないものの、事前に想定外の馬鹿のことを把握していないとは思えないため除外。

同僚のミュハンは、相手次第では一発退場を食らいかねない絡みをした際に、犯人から“想定を越える馬鹿”と評されていた。

講習会開始前の様子からもミュハンの“馬鹿さ加減”はほんのりと匂い立っており、それを隠す(隠せる)タイプでもないと思われるため、数時間でも一緒にいれば“犯行に利用できるかもしれない”ことは把握可能かと思われる。

そもそもツェリードニヒに“念を未収得である”と嘘を付いて、あの好戦的なお馬さんが黙っているとは思えない。

 

イラルディアは内心から除外。

“な…なぜ警護兵ではなく私達が……”

という至極真っ当な戸惑いから、イキリ立ってるヒュリコフに対して

“それなら発動してやるぜ……!!”

と挑戦的な考えに続くのはあまりに不自然かと思われる。

 

ベレレインテだが、クラピカが既に念が使える者に挙手を願った際、

左手を“クイ”としている描写が当初気になった。

左胸の着けているバッジを指さして“H協会員よ(使えて当たり前よね)と主張しているのはわかるのだが、何か能力に関係している行動の可能性を考えていた。

ただ、さすがにそれは疑心暗鬼過ぎやしないかい、と私のゴーストが囁くのだ。

注意を惹きたいのなら声を出して「これ見て、お仲間よ」とでも言えば、視線はもっと簡単に集められただろうし、漫画描写的に“クイ”は目を惹くが、実際には“無音のサムズアップ”のため注目を集めようとするのは無理があろう。

またミュハン殺害時の対策はサイマジョ封じの適切なアドバイスであり、講習会開始序盤に犯人自ら首を絞めるには違和感があるため除外。

 

◇怪しさも残るが除外

第14王子ワブル

第7王子ルズールスの警護でドゥアズル王妃所属兵隊長サトビ

第9王子ハルケンブルグの私設兵ユヒライシェジュール

 

まずワブルから。

出港前に不穏な気配を発したものの、

今現在までその守護霊獣の姿は確認されていない。 

当初は乳飲み子=“血飲み子(母乳は血液から作られる)から、サイマジョの犯行と思われている事件の一部はワブルの霊獣の仕業なのではないかと考えていた。

しかし計4回7人の被害者の内、明確にサイマジョの犯行と明らかになっているバリゲンの遺体の傷の有無は不明であるものの、それ以外の遺体には穴の傷跡があり、サカタが3体倒したという白蛇から漏れたと思われる被害者の血痕が地面に残っているため全て同一犯でよいのかと思われる。

またクラピカ曰く、

サイマジョは守護霊獣とは違うタイプの能力であり、かつ王子達の霊獣が目覚めたのは“出港セレモニー後”からであり(恐らくそれも壺中卵の儀のルール)、ウッディー殺害事件はちょうどワブルがセレモニー参加中に起きているためワブルも除外。

 

続いてサトビ。

もし犯人だとすると、ワブルの部屋の警護人を5人も殺しておいて“交渉”だなんてどの口が宣うのかと思わなくもないが、殺された警護人は実質的に上位王妃からの監視人で、下手をするとワブル暗殺を狙っていた可能性もある。

サイマジョにより殺されなかった監視人は2名おり(サイールドに殺されたが)、それが自分の所属するドゥアズル王妃所属と上位のウンマ王妃所属であれば道理も通る上、サイマジョによって殺した者は“ワブル王子の暗殺を目論んでいた”と言うことも捏造込みで可能で、そのパティーンならば“交渉”の意味も通るのかもしれない。

またそもそも、ウェルフィンの「卵男(ミサイルマン)の様に相手に拳銃を突き付けながら“交渉”と宣う輩もいなくはない。

講習会開始時に念能力者が挙手した際に気に掛ける様子がないのも(シェジェールはよく見ると左目の目線を向けている)、ドゥアズル王妃所属の兵隊長ということもあって、ベンジャミンの私設兵が全員念能力者であることを元々知っており、ベレレインテもH協会員のバッジを付けているからこのシーンの前にそれを確認していたとすれば、“既に知っているから気にかけていない”という可能性もある。

 

しかし、所属しているドゥアルズ王妃はサポート役に徹する様にと指示をしているという(スラッカ内心)

また犯人だとして、上位(第2)王妃系が最下位(第8)王妃の陣営に“交渉”なんてする必要があるのだろうか。

サイマジョの犯行がクラピカの緊急アナウンス後から始まったならまだ理由もあろうが、出港セレモニー中から犯行始まっていることからも、犯人だとすると“交渉”の内容がピンと来ない。

 

そこを補完する想像も浮かぶものの、単純に非能力者で、よりルズールス王子に有利に働く様に「ネン」に関する情報を得ようと交渉しようとしていると考えた方が自然に思われる。

挙手した念能力者達を気に掛ける様子がないのも、非能力者故にそれが真実かどうかも判断がつかず(まだ念の存在に懐疑的なことも理由?)、1人は念を吹聴するクラピカと同じ協会員(顔合わせの段階で確認済)で、もう1人は第1王子の私設兵のためマウンティングの一種と捉えていたのかもしれない。

サトビは講習会で4番目に念に目覚めた様だがそれに関してヒュリコフらのコメントはなく、完全にシロとは断定出来ないものの、除外するには情報が少なすぎる容疑者が数人いるため、逆に除外できる情報があるサトビは除外した。

 

次はユヒライとシェジュール。

念の知識がない者達はクラピカの緊急アナウンスを聞いて、「ネン」「ネンジュウ」と音だけではその意味がわかっていない様子であったにも関わらず、シェジュールとユヒライは明確に「念獣」と認識していた。

 

しかし、仮にサイマジョがこの二人の能力だったとしても、「覚悟の刻印」を持つ者が同じ意志の下で行動してしまうとハルケンブルグの霊獣の能力の関係でオーラが強まってしまうため即座にバレてしまうであろう。

そのため明確に「念」と認識しているのは「刻印」の影響(要請型の操作系能力に見られる“記憶補正”)かと思われる。

多少脱線になるが、同じく「刻印」が付いているハルケンブルグは「ネンジュウ」と言っており、「王子も支持者も平等」という意志が表れていると言われる「刻印」の効果に差が出てしまっている点について。

 

ユヒライら私設兵は「気を失ったという記憶がなく、王子が就寝時間外に寝ていた事を全く不自然だと思わなかった」点から記憶補正を受けているが、ハルケンブルグは目覚めた時“夢………だったのか?あれは…しかしオレは確かに………”と記憶が残っていた様だ。

ただ、それは考えれば当たり前のことで霊獣に王子の記憶補正が許されるならば、継承戦に消極的な王子は霊獣に操作されることになってしまう上、傀儡化された王子が勝ち残ってしまっては継承戦の意図に反してしまうだろう。

そのため、霊獣が“王子”の記憶操作が出来ない様なルールがあるのかと思われる。

 

さて、話を戻すがユヒライとシェジュールはヒュリコフの言う4人の隠れ念能力者の内の

明らかになった2名で(霊獣の能力の影響で半覚醒状態と判明)

最後の隠れ念能力者の一人が相当上手く非能力者を装い“こいつが暗殺者で間違いない…!!”と指摘されているため除外する。

(全容疑者の内心や描写が出揃っている訳ではないため、除外する理由が一定以上ある場合は除外する)

 

◇情報なさ過ぎ3兄弟

第3王子チョウライの私設兵ハシトウテンフトリ、第5王子ツベッパの私設兵ロンギ

この3人に関しては描写が少なく、仮に犯人だったとしても「お、おう…」としか言えないかもしれない。


まずハシトウ。

言葉を発した描写すら限りなく少なく、内心の描写もないため、その発言や言動が演技か判断が付かない。

除外する情報がないため、ヒュリコフの“講習会参会者の中にいる隠れ念能力者の最後の1人が犯人で間違いない”という考えを信じて除外(ハシトウは講習会参加者ではない)

 

続いてテンフトリ。

この者も限りなく描写が少ない。

言動が演技なのかの判断は付かないものの“クラピカに接触する人物をチェックしろ”というチョウライの指示に実直な人物に思われる。

またチョウライの指示を反芻しつつ“要注意は…No.1・No.4・No.5だな”と考えていたが、第3王子の障害になりうる上位王子陣営への警戒という至極真っ当な考えの様に思われる。

もし犯人だとすると、自らが非能力者を装っている様に敵側も演じている可能性を考え、一見非能力者であるNo.4陣営も警戒したということだろうが、第3王子陣営(第3王妃系)はチョウライしかいないのだ。

 

能力者ならば非能力者を装いチョウライに念の情報を渡さない理由は何なのか。

他の陣営(第1か第2王子)のスパイという可能性は完全排除できないものの―繰り返しになるが―全容疑者の内心や描写が出揃っている訳ではないため、除外できる情報がある人物は除外するしかないのかと思われる。

 

そしてロンギ。

内心描写が一切なく、やはりこの人物の発言も演技かどうかの判断ができない。

ただツベッパの私設兵のため、命令系統的には第2王妃ドゥアズル(=第2王子カミーラ)の指示の可能性もある。

しかしカミーラの優先順位は、

“最初にベンジャミン、次にハルケンブルグ”

であり、最下位陣営にロケットスタート(出港セレモニー中の犯行)をかます理由がよくわからない。

 

他陣営のスパイでないとするとツベッパの命令になるだろうが、

“彼(クラピカ)の頭脳がぜひ欲しいわ!!”

“この2週間を使って隠密に説得して頂戴!”

という命令や思惑と真っ向からぶつかってしまっている様に思われる(開始直後の暗殺含め)

第5王子までの私設兵は幼少から王子の為に身を捧げる訓練をうけており士気も忠誠心も高いと言われているため除外。

 

◇犯人はムシャホ?

第8王子サレサレの警護でスィンコスィンコ王妃所属兵隊長ムシャホ

“他の者には任せられない最重要任務である事は事実!”

と、一見、非能力者が念習得や念に関する情報を取得することを最重要任務と考えている様に捉えられるが、“何が”最重要任務とも言っておらず、王子から命令の内容も不明瞭である。

これだけならば“深読み”として他の容疑者と同じ様に除外していたのだが、怪しい点が複数あるのだ。

 

サレサレ王子自体は、

“継承戦とかくそくらえ――――――――ェェ!!!!”

と継承戦への意欲はなさそうではあったものの、

母親であるスィンコスィンコ王妃はかなり意欲的で、

第12王子モモゼの暗殺犯はその監視&警護人であったタフディーであり、その所属は第5王妃スィンコスィンコであった。

果たしてタフディーは誰の命令で暗殺を実行したのか。

サレサレは母親から発破をかけられてか“次の晩餐会、世界が変わるぜ?”と多少やる気を出した様ではあるが、その実何をしようとしていたのかは不明である上、モモゼ暗殺はその晩餐会よりも前に起きている。

そのためモモゼ暗殺の命令はサレサレからのものではなく、その母親であるスィンコスィンコから出されたのであろう。

(タフディーは命令には従ったものの継承戦でサレサレが勝ち残るとは思っておらず、“ベンジャミンからのヘッドハント”というハンゾーの嘘に渡りに船と乗ったのだろう)

 

第8王子サレサレと第5王妃スィンコスィンコの序列は非常に微妙である。

上位陣程の力はない上、肝心のサレサレ自身に志がない。加えて兄弟がいないため他陣営との腹を割った情報共有は望めない。

ワブルの警護兵が殺された際に、

“ふん 誰か知らんが赤子から狙うとはな………”

とチョウライが発言していたが、どの様な陣営が開始直後(出港セレモニー)から最下位王妃&王子の陣営に暗殺を仕掛けるのか。

 

好戦的?(手段は暗殺だが)、せっかち?、勝気(負けず嫌い)?、焦燥感に駆られている?、イニシアティブを取りたがっている?等々、思うところはあるがツベッパが、

“第10王子以下は幼くて武力(チカラ)も政治力(コネ)もない。実質は上位5人のサバイバル”

と言っていた通り、少なくとも心に余裕のある陣営ならば第10王子以下の中でも最下位陣営を開始直後から狙うなんてマネはしないのではなかろうか。

 

各陣営の思惑をわかっている範囲で並べると―、

第1王妃ウンマ … 方針不明

┣(1) ベンジャミン … 全員参加とは思っておらず暗殺指示自体不可能

┗(4) ツェリードニヒ … 開始直後から“念なし”で自らの部下に暗殺を指示する程“阿保”ではない様子

 

■第2王妃ドゥアズル … 警護兵にはサポート役に徹する様に指示

┣(2) カミーラ …  最初にベンジャミン、次にハルケンブルグ

┣(5) ツベッパ … 下位王子はアウトオブ眼中(下位王子達への恩赦を願う可能性すらある)

┣(7) ルズールス … まずはツベッパにつく予定

┗(9) ハルケンブルグ … 当初は継承戦辞退予定

 

■第3王妃トウチョウレイ … 不明

┗(3) チョウライ … 赤子から狙うことはしない

 

■第4王妃カットローノ … 不明

┗(6) タイソン … 愛は必ず勝ちます!! (まだ自陣のみしか目が行っていない様子)

 

■第5王妃スィンコスィンコ … 継承戦参加に意欲的

┗(8) サレサレ … 継承戦とかくそくらえ――――――――ェェ!!!!

 

■第6王妃セイコ … 音楽ショー開催に賛成と方向性から間違っている

┣(10) カチョウ … フウゲツを守るべく画策

┗(11) フウゲツ … カチョウに継承戦の辞退を告げようとしていた模様

 

■第7王妃セヴァンチ … 継承戦を理解していなかった(モモゼを上位王妃所属兵のみに任せた)

┣(12) モモゼ … そもそも暗殺を指示する兵がいない

┗(13) マラヤーム … 姉が暗殺されるまでちょっとしたお出かけ気分?

―以上、方針不明の王妃もいるものの、高位王妃が開始直後から最下位王妃&王子陣への暗殺を指示するほど余裕がないとも思えず、各王子達の思惑からも外れている様に思われた。

 

そうなると王妃からの命令となるだろうが、そもそもタイソンの兵は講習会に参加していない(カットローノ王妃除外)

つまり、消去法で継承戦参加に意欲的でサレサレが何も行動を起こさないことに焦り(怒り?)を見せたスィンコスィンコ王妃のみ残ることになる。

 

そうしてムシャホの行動を振り返ると、

バリゲン殺害時は先頭に立って一見真っ当な不満を漏らしていたが、

ミュハン殺害時はサトビとマオールに同調するどころか、むしろ距離を置いている様に思われる(少なくともコマに描かれない距離を取っている)

そう思うとバリゲン殺害時に出張ったのは、他の陣営が戸惑いもあってか“思う様に不満を漏らさなかったから”ではなかろうか。

 

またクラピカの“棄権者は無しか”という言葉に対して、ムシャホは“そりゃそうだろ。王子の命令だからな”と反応していたものの、ムシャホはサレサレの私設兵ではなく、スィンコスィンコ王妃所属兵である。

王妃所属兵は、“私設兵ほどには王子対する帰属意識は強くないが王妃に対する忠誠は強い”と言われており、“王子に上手く厄介払いされた形”の命令を何故強調するのか。

もちろん、ムシャホがあんな王子であろうとも所属の王妃とその王子に高い忠誠心を持っている人物の可能性もあるが、最重要任務とはスィンコスィンコ王妃からのもので“他陣営に念の知識や技術を渡さない様に講習会を中止させること”なのではなかろうか。

 

スィンコスィン系で唯一のサレサレ陣営は後ろ盾(マフィア)も信じられる情報源もなく、

使えるコマ(兵士)も少ない。

やる気のないサレサレに代わってスィンコスィンコ王妃が指示を出し、上位王子陣に手を出す勇気も力もないから弱い王子を狙ったのだろう。

開始直後から襲い始めたのは、それだけスィンコスィンコ王妃が焦っていたためかと思われる(ムシャホも急かされていた)

 

ワブルの部屋に居たスィンコスィンコ王妃所属兵が念能力者だったならその者に暗殺を任せるだろうから、人員不足もあってかそこに配置したスィンコスィンコ王妃所属兵は非能力者だったのかと思われる。

講習会前にムシャホが“他の者には任せられない”と考えていたのは、少なくとも暗殺向きの能力者であの時点でフリーだったのがムシャホしかいなかったのではなかろうか。

 

肝心のサレサレはNo.382で死亡しているが、それ以降で殺人事件は発生しておらず、ヒュリコフ・バビマイナ両名ともに内心含めて暗殺者を気に掛ける様子がない。

サレサレ死亡後、講習会にムシャホが居る様子がない(描写がない)が、担ぐ神輿がなければ暗殺をする必要もなければ講習会に参加する意味すらなく、ヒュリコフも1人残った容疑者が去っているならば気に掛けることもないだろう。

 

と、以上の事からサイマジョの能力者はムシャホかと思われる。

前回の感想時と比べれば大分マシな結果に思われるが、やはり断定的にムシャホ!とは言えず、ムシャホかなぁ?と疑念が残るのがモヤモヤするところ。

 

一昨日の8/21で、どうやら今回のハンターハンターの休載期間が1,000日目到達したらしかったのでその記念に(?)更新しました。

1998年3月から連載開始しており形式的には「連載23年」と言えなくもないけど、掲載期間は合計で10年7ヶ月程で、休載期間の合計が12年8ヶ月程らしい。

とんでもねぇなと改めて思うが、ホレた弱みで待つしかないのである。

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