◆ジートへの攻撃方法について
ハンターマニアなら「ジート」という名前だけで、“アントキバで腹を吹き飛ばされて死んだ奴”だってすーぐわかるよね。
まぁ私は知らんかったけど。
さて、今回取り扱うのはこのジート君が“誰に”、“どのように攻撃されたのか”を考えてみる小ネタ(?)です。
不確定要素も多く作中根拠もないので明確な答えではありませんが、個人的にはサブかバラの能力だと考えています。
まず状況確認。
・腹部の損傷の状態について
ジートの腹部の損傷状態だが、最初のコマは血で隠れていたことも相俟ってかなり大きそうにも見えたが、最後の描写を見ると思っていたより大きな損傷ではないの“かも”しれない(死に至っているので損傷程度は大きいのでしょうけど、後の比較対象と比べると小さい)。
・NPCについて
まずNPCとはノンプレイヤーキャラクター=“正規の方法でGIをやっているプレイヤー以外”の人物のことで、GIにいる人間達は全て具現化されたNPCなのかもしれないし、一部は何らかの理由や方法でGM(ゲームマスター)に雇われた様な現実に存在する人間の可能性も否定は出来ない。
しかし、ボポボら囚人の様にGMの監視下に置かれるなら違反→即罰則と移行できるだろうが、街中のNPCの様にある程度の自由があった場合、想定してない様な行為(例えば、プレイヤーがその者をゲーム内で雇用するなどして、他のプレイヤーより有利にゲームを進行させる等)に発展する可能性もあるため、居たとしても恐らく“ある行為をする様に、あるいはしない様に”操作(要請型)されている状態なのかと思われる。
そのため、「具現化された人間」であろうとも「(操作された)人間」であろうとも、この記事では特に区別せず同じNPCとして扱う。
そしてNPCに対して、
キルアがその性質に触れていたが、爆死したジートの様子を見ていた周囲の者達が、
“異国の者だ” “むごいのォ”
と話していたことから、いわゆる“ゲームのNPC”よりは性能が高そうである。
・爆破の状況について
ゴンとキルアが店から出て数十秒程度(20秒程度?)会話をした後、
“どよォ” “キャアアア!!” “ウワァァ” “ヒイッ”
という叫び声で事件に気づいている。
通常、爆破事件が起きたらその爆破音の“後”に悲鳴が聞こえてきそうなものだが、以前の記事(→参照:念の可視性と可聴性について)で触れた様に、例えば「隠」された爆弾(具現物)だった様な場合、NPC(非能力者)には聴こえず、力量的にもゴンやキルアには聴こえなかったという“可能性”もあろう。
また、キルアが―NPCなのかプレイヤーかは定かではないが―目撃者に何があったか尋ねた際、
“突然体が爆発したんだ 内からボーンとよ!”
と話していたが、何故この男は“内から”爆発したと言えるのか。
(=本当に内側、例えば腹の中で爆発し、その結果として爆破音は小さくなりゴンやキルア達にはそれが聴こえなかったという可能性もある)
恐らくジートの服装が「Tシャツ+ジーンズ(?)」という単純な服装であったことから、この男がジートを見た時は一見して腹部に何か異物が取り付けられていた様には見えなかったためだろう。
「隠」もしくは特殊な具現化物などの可能性もあるだろうが、「外」に異常がなければ「内」に異常があったと考えるのも妥当だろう。
そして、注目すべきは“突然…爆発した”という部分だろう。
もしジートが誰かを探すように街中を走り回っていたり、“おい、どこにいやがる!?” “くっそぉぉぉッ”等と大声を上げていた後に爆発したならば爆弾を仕掛けられていたのかもしれない等と推測できるだろうが、証言内容からするとその様な素振りはなかった様に思われる。
つまり、ジートは街中を走り回っていた訳でも、大声を上げていた訳でもないのだろう。
◇犯人とその方法について
さて本題。
不確定要素も多いため消去法で考えてみる。
犯人=ゲンスルー 方法=一握りの火薬
恐らく違うかと思われる。
そもそも、「一握りの火薬(リトルフラワー)」(※以下、リトフラと省略)は、
“手でつかんだものを爆破できる”能力で、その限界は“バルケットボール”(直径25cm弱)程度のため、発動自体出来ない様に思われる。
トンパやニコルあたりのお腹なら掴めそうだが、ジートは体格が良いため“触る”ことは出来でも“掴む”ことは出来ないのではなかろうか。
素材が木や鉄だったとしてもバランスボール(直径約55~75cm)程度の大きさでも念能力者ならば“無理やり”掴むことも出来そうなため、無理矢理ジートの腹を掴むことも出来るのかもしれないが、制約と誓約による“制限”であることを鑑みると、念や特別強い握力などを考慮せずに掴めるサイズが能力発動の限界の様に思われる。
“ジートのTシャツ(腹部)を掴み爆破した”とも言えそうだが、それでいいなら予め何か小さい布等を持っておけば本来掴めないものも爆破することもできてしまう訳で、制約と誓約が形骸化してしまう様に思われる。
また仮にリトフラだとしたら、“突然…爆発した”との証言から、“「隠」した状態でジートとすれ違いざまに腹を掴んで爆破した”となるのだろうか。
NPCは「隠」で存在感が薄くなったゲンスルーは記憶に残らず“突然…爆発した”と考えた、と採ることになるのだろう。
しかし、大分リスクが高い様に思われるのだ。
あくまで自身への「隠」は存在感が薄くなるだけなので、気づかれる恐れもある。
確かに人混みの多い街中であれば、犯行には気づかれにくいとは思われる。
しかしながら、ゲンスルーは少なくとも5年もの歳月を計画に費やしており、
能力が不明でシングルハンターでもあるツェズゲラを警戒し、
ツェズゲラ組のカードデータが5分後には消えるという時にも、“ツェズゲラ組がゲーム外に出たのは10日前の3時5分”だと全員確認して居たにも関わらず“念のため、3時10分まで待とう”と提案したことからも、慎重な人物の様に思われる。
そうすると、確かにGIでは上位の念能力者であっただろうことや、街中での「隠」した状態での犯行ならば、十中八九バレないとは思われる。
しかし、ハメられ組から「爆弾魔(ボマー)」だと少しでも疑われたら計画は破綻してしまう可能性もある。
他に方法がないならまだしも、他に方法があるのならば採らない方法の様に思われるのだ。
犯人=ゲンスルー 方法=命の音
恐らくこれも違うかと思われる。
ゲンスルーの「命の音(カウントダウン)」(※以下、CDと省略)は、“対象者の爆破させたい箇所に「爆弾魔(ボマー)」と言いながら触れることで設置が可能”で、“ゲンスルーの体に触れながら「爆弾魔(ボマー)捕まえた」と言う”ことで解除ができ、なおかつ“自分の能力について対象者に話す”ことで初めて発動出来る能力である。
ハメられ組に仕掛けたCDの発動が、“もう1つの能力であるリトフラで解除を阻止する”と“告げてから”だったことからも、持っている能力も全て伝える必要があるのかと思われる。
そうでなければ、わざわざリトフラの能力を告げる必要もないし、阻止する能力が“もう1つ”だと限定する必要もないだろう(“他の能力で阻止するがな”、と匂わすことも可能だったハズ)。
能力暴露はリスクによるバネ(制約と誓約)であるからして、その説明で嘘を交えていいのならばリスクになりえず、正直に話さなければならないのだろう。
「もう1つの“解除”法」があると嘘を付いてはいるが、それは能力発動後であり、「能力暴露を相手にとって利益になる原則」に留め、「必ずしも相手にとって利益になるとは限らない例外」を告げることも制約と誓約とするかどうかは能力者が決めることであろう。
むしろ逆にアベンガネが“一斉解除が一斉爆破だとしたら…ヤバイな”と考えていた様に、能力暴露を制約と誓約にしながら、取り付けた相手にとって利益となる一斉解除なるルールを告げずに能力発動させたことから、それが嘘(ブラフ)の可能性を想定しうるのかもしれない。
しかし、CDでのジート殺害は無理がある様に思われるのだ。
すれ違いざまにジートの腹部にCDを取り付けるまでは出来るかもしれないが、能力暴露はどの様にするのか。
まず、その場で直接説明するのは無理があろう。
説明には一定時間かかるだろうし、初対面のゲンスルーから突然話しかけられて、爆弾を仕掛けたと言われたならば立ち止まるし、警戒・臨戦態勢にも入られてしまうだろう。
街中で立ち止まって話をすれば周囲の者にも聞かれ、もしプレイヤーが居た場合は疑いを持たれる危険性もある。
(ブログ上はジートのみに伝える“呪言”という裏技も採りえるかもしれないのだが、やはりジートが騒ぎ立てないことに違和感)
交信(コンタクト)のカードで説明し発動することも出来るの“かも”しれないが(途中切断は掛けた者側のみ可能)、それだとジートが街中で騒ぎ立てていないのがおかしいだろう。
(それ以前にそもそも遠隔からの説明では発動しない様に思われる。ゲームに入ってきたばかりの者は「離脱(リーブ)」を持っておらず、「遠隔地から説明→CD発動→離脱(リーブ)」では相手は実質的に解除が出来ないことから、説明は対面状態でないと効果がないのではなかろうか)
“格下”に設置→説明→発動と同時に爆弾に「隠」も可能かもしれないがジートの能力が除念だった場合、あるいは除念じゃなかったとしても街中で爆弾魔(ボマー)の情報を漏らされる可能性もあり、リスクが高い様に思われる(そもそも、恐らく能力の性質的に「隠」は無理だと思われる)。
そして一番の問題点は威力の低さである。
恐らくジートは“格下”のターゲットとして選ばれたのだろうが、損傷が小さいのである。
CDの殺傷力は―
[V(速度)×{AP(ゲンスルーのAOP20%分)+SP(APと同量)}×MP(制約と誓約) ] ×10
―といった具合にリトフラの10倍だとゲンスルー自身が話しており、爆破されたハメられ組の損傷程度はジートよりも遥かに大きかったのだ。
もし―
―CDに「隠」が有効だとすると、ジートは「纏」状態だろうから、やはり損傷程度が小さい。
―CDに「隠」がされていなかったとすると、ジートが街中で騒ぎ立てていないのはおかしいだろう。
―CDが「解放(リリース)」で爆破されたならば、爆破のタイミングはジートにが分からないハズのため、やはり損傷の程度が小さい。
仮に、爆破されるまでの間ずっと「堅」や「硬」をしていたとしても騒ぎ立てていないのがやはりおかしいのではなかろうか。
以上のことから、CDでの殺害でもないと思われる。
犯人=ゲンスルー以外 方法=?
恐らくこれが正解かと思われる。
ゲンスルー以外と考えた場合、それはバラかサブのどちらかであろう。
金のために何十人と爆殺する冷酷さを見せる一方で、仲間思いの側面も持ち、
“ヤバイ橋を渡る時は3人いっしょだ”
とまで言うゲンスルーが、臨時で雇った様な者にこのような重要な任務を与えるとは考えづらい。
サブにニッケスの指輪をはめる様に指示した際のやり取りから、サブやバラは自身の指輪は持っていないのかともこの描写の際は思ったものだが、5年もの計画の中でゲンスルー以外がGIに入らない理由がない上、バラがプーハットの首を持ってGIに入った際の対応や離脱(リープ)の使い方や入手方法が面倒(時間が掛かる)ことを把握していたことからバラはGIへの入島経験(プレイ経験)があるだろう。
その後のGIでのサブの発言からも、サブも当然プレイ経験がある様に思われた。
(ゲンスルーがこの時説明したのは―読者含め―裏ルールまでは知らないためだろう)
バラ曰く、
“ゲンスルーが本体なら、自分達は備品みたいなもの”
だが、サブとバラも「爆弾魔(ボマー)」だと言う。
CDは、
アベンガネ曰く具現化物で、放出・操作・具現という3つの系統をバランス良く使いこなした「発」とのことだが、バラの発言からも「相互協力型(ジョイントタイプ)」で、ゲンスルーが具現化系、サブとバラのいずれかが操作系あるいは放出系を担当しているのかと思われる。
そして思えばゲンスルーは「爆弾魔(ボマー)」について、
“わかってるのはそいつがおそらく放出系か操作系の念能力者だということ”
と、気になる発言をしている。
人の上手い騙し方として、よく「虚実を織り交ぜる」方法が挙げられる。
全てを嘘で塗り固めるより要所要所で真実を混ぜる方が嘘に奥行きが出る等と言われるが、この時のゲンスルーの発言も真実なのではなかろうか。
これまでもCDの設置を容易にするためにも―「爆弾魔(ボマー)」の話題を振り易い様に―大量にプレイヤーがGIが入島してきた時(=バッテラ経由のため勧誘しやすい)には手ごろな者を爆破して来たのだろうが、毎回その時にゲンスルーが単独行動を取っていたら怪しまれる可能性もあろう。
そこで自身はハメられ組の誰かと必ず一緒に行動し、その間に“バラかサブ”(=放出系or操作系)が犯行に及んでいたのではなかろうか。
「爆弾魔(ボマー)」を名乗る以上、ゲンスルーの様に相手を爆破する能力を持っていてもおかしくはない様に思われる。
まぁ、GIに武器の持ち込みが禁止されているわけでもなく「貧者の薔薇」の様な小型の化学兵器がある世界ですから、相手に取り付けられるような小型爆弾を仕掛けたとかでも成立しそうな感じはします。
ただ、証言から恐らくジートは爆弾を仕掛けられた事に気づいていなかった様子で、設置された箇所は恐らく白(?)Tシャツ部分のため、かなり小型の爆弾(実物)か、“隠”された爆弾の様に思われます。
後者の場合、恐らく遠隔操作で起爆か、時限機能付きでしょうから、サブとバラ間での「相互協力型(ジョイントタイプ)」の能力という可能性もあるかもしれない。
あるいは、“突然体が爆発したんだ 内からボーンとよ!”という証言を重視するならば、
カキンのマフィア・ヒリンギの「てのひらを太陽に(バイオハザード)」の様に元の機能の残したまま一部を作り変える様な能力で、白雪姫の毒リンゴならぬ爆弾リンゴに作り変え、それを食べたジートを本当に“内側から爆発した”のかもしれない。
サブもしくはバラの能力、あるいは実物の爆弾
―そのどちらにせよ確証も、それを推測させる作中根拠も乏しいですが、少なくとも“ゲンスルー以外の犯行”の方が個人的にはしっくり来ています。
以上です~。