【未視聴者 注意】緋色の幻影(ファントム・ルージュ) 感想【H×H映画】
の追記をしたかったんですが、案の定amebaブログの容量をオーバーしたため、別記事で挙げました。
◆クルタ族虐殺事件の真相+α
誰も答えてくれなかったが、反応から察するにどうも私が見逃した(聴き逃した)とか意識が飛んでたとかではなく、そもそも劇中で「オモカゲの裏切りの内容」や「クルタ族の虐殺事件の真相」自体語られていない様子。
…それってすごすぎないか?
読切の時にも触れた箇所ではあるのが、映画で色々情報を頂けたのでそれを踏まえた上で改めて考えてみる。
まず、大きく【映画視点】と【原作視点】で分ける必要がある。
ただその前に。
思い返してみれば、予告CM等の中で劇中では実際になかったように思われるシーンがあるので、どうも予告CM等限定で用いられたシーン・描写があるくさい(クラピカが目に包帯をしながらダウジングチェーンぶらんぶらんするシーンなかった気がする)。
しかし、いい具合に映画の記憶も霞みがかり、私自身の中で映画、予告CM等そのどちらで見たか、区別が付かない。そのため、仮に予告CM等限定のシーンがあったとしても、それも映画シーンと推定する。
まず、どんどん記憶が逃げて行く映画視点から。
・旅団に裏切り者が居た(オモカゲ)
・シーラとは明言されていないが、クルタ村の近くまで近づいた者が居た
・クルタ族虐殺事件は起き、メッセージが残された
<情報整理>
・オモカゲの一番の目的は「レツに合う瞳」を探すこと
・しかし持ち前のコレクター気質から気に入った人形を作ることもままある
・オモカゲは旅団の人形をコレクションに入れるため入団
(どうも映画制作陣はオモカゲを「純粋悪」とは描きたくないようなので、本来の目的は自らの活動範囲を広げること、だったのかも)
・5年程前、「クルタ族虐殺事件」発生・発覚
・2・3年前、お気に入りの旅団の人形が入手できたため、オモカゲはヒソカと交代で退団(死亡)
・しかし、二人の戦いは仕組まれたものでヒソカが倒したのは人形だった
・ヒソカは"もちろん"それに気付いていたが、ここで殺すには惜しいと思ったため旅団には知らせず
・→映画へ
さて、「オモカゲの裏切り」とはなんぞや。「クルタ族虐殺事件の真相」とはなんぞや。
オモカゲの本来の目的を考えれば、どこかでクルタ族という変わった"眼"をもつ種族の噂を耳にしたら欲しくなりそうだ。
キルアへのソウルドールの例を考えれば、村への来訪者(シーラ)は、どうも「オモカゲの人形」のように思われる。
後に続く、"旅団を敵に回す"だとか"旅団の裏切り者"を考えれば、クルタ虐殺事件自体がオモカゲに仕組まれたと考えた方がしっくりくる。
かと言って、オモカゲは緋の眼を入手できていないため「旅団の人形」を用いて自ら滅ぼした、というわけでもなさそう。
また、シーラ人形を使ってクラピカもしくはパイロの記憶からクルタ族の人形を創り(ソウルドール)、流星街を襲撃させた、という流れも難しい。
ソウルドールだけでは瞳のない人形しか作れない。
そのためクルタ族の証明たりうる"緋の眼"なしに、つまり"変わりの眼"をハメこんだ人形を使って流星街を襲って、
"わいは、○○町×丁目に住んでるクルタ族や!悔しかったらいつでもこい!"
というのもありえないだろう。
むしろ、シーラ="元"は流星街出身の人間=ソウルドール(2段階目)と採って、ボロボロの状態で流星街に戻って、
"クルタ族に○年間、拉致監禁された上、××××されていた"
と証言するだけでいいのではなかろうか。
(原作では同胞の3年間の不当拘束のために、31人が同時自爆した)
ただ、それだけだと自爆隊が行ってしまうから、"悪魔の側面"を証言させることも重要だろう。
そして、恐らくオモカゲの計画は、旅団の"慈善活動"を利用してオモカゲもクルタ族狩りに参加し、"眼"だけこっそりもらっていくことだったんでしょうか。
ただ大誤算があって、オモカゲは"人形にしか興味がない"から「緋の眼が自分以外にとってもお宝」ということを知らなかったのではなかろうか。
住民の数(お宝の数)も確認されていたため旅団の眼を欺いて盗むこともできず、変に不和を起こせば入団した目的すら害しかねない上、その場で旅団全員を敵に回すことにもつながり得る。
だから、結局オモカゲは緋の眼を1つも入手できなかった。
村に残されたメッセージは、旅団が報復代行として遺した"シーラの事を指した"メッセージ。
クルタ族抹殺が代行内容だったが、そのついでに本来の自分達の仕事もした、ということだろうか。
虐殺現場を発見したとされる"迷い込んだ"女性もシーラ人形で、わざわざオモカゲが改めてシーラ人形を用いて事件を白日の下に晒したのはまんまと自分の手の上で踊った旅団や流星街、そしてクルタ族の悲劇が可笑しくて、その一部を世間に知らせたかったから―だろうか。
最後にお気に入りの人形を入手した後に、ネタバラシをして全面交戦?
しかし、「蜘蛛のカタは蜘蛛がつける」と大口を叩いた割に、"裏切り者"の相手をまだ"部外者"である、入団希望のヒソカにさせたことにどうも若干に疑問が残る。
ただ、入団志望者が在団員を倒せば交代というルールに、カタをつけさせることによって蜘蛛とみなすとか、団員内で割れてもコインがあるから、アリなのかな。
さて、本題は【原作視点】だ。
まず扱いがやっかいな部分がある。
核心になりうる、例のメッセージ、
"我々は何ものも拒まない だから我々から何も奪うな"である。
というのは、そもそも0巻のQ1の回答によれば、クラピカ追憶編の構想は10巻前後に作られていたが―色々あって―お蔵入りしたらしい。
果たして作者の判断の下「使わない」とされていた部分に、作中の表現との整合性を求めてよいものなのだろうか。
原作において、近年の流星街の住人からの"唯一"のメッセージは、10年程前(クルタ族虐殺事件のさらに5年程前)に起きた同時多発自爆テロでの
"我々は何ものも拒まない だから我々から何も奪うな"
だったとMR兄さん(仮)は言っていた。
裏の世界を取り仕切るマフィア達ですら「旅団=流星街出身」と知ったのはサザンピークでの一件で、世間一般的に流星街と旅団は結びつかない。
しかし、結果的に「クルタ族虐殺事件」の犯人は旅団と断定された様子。
一番怖いのが「映画の販促」だからと言って、元々なかった文言(メッセージ)が追加された可能性。
今風に言うと、"微レ存"?ごめん、言いたかっただけ。
ただあの読切、掲載時の作者コメントによると―
"今はR(レコード)のA面B面に例えてもピンとこないですかね。実はこの読切B面もあるんですが…<義博>"
―B面があるらしいんですよね。
よって、微レ存の想いはありつつも、メッセージがあったのは「正史」で、そのあとのB面で犯行と旅団が結びついた、という前提で進む。
【原作視点】
・旅団に裏切り者はいない
・シーラなる謎の女性が、クルタ村付近まで近づいていた
・クルタ族虐殺事件は起き、メッセージが残された
<情報整理>
・10年前 流星街住民の不当拘束に対する同時自爆テロ発生("拒まない…奪うな")
その際残されたメッセージが、世間一般的に近年で唯一の流星街からのメッセージ(※1)
・5年程前、「クルタ族虐殺事件」発生・発覚("拒まない…奪うな")
・「旅団に流星街出身が居る」というのは一般的に知られてはいない(※2)
・※1と※2から、"拒まない…奪うな"は、流星街の者達だけが使う"文言"ではない可能性
・ウヴォー、パクノダ、フェイタンの反応から、実行犯は旅団と思われる
また「0巻」情報を使って行く。
当初、旅団はクロロの意思によって結成された組織かと思われたが、どうやらクロロから"望んで団長になった"わけではないらしい。
また、クロロはその意に沿わずに決められたことに対して、"決まったことだからがんばる"という人物らしい。
すると、「蜘蛛」なる組織は流星街に元々あった、あるいは以前あった組織で流星街の"議会"によって再結成が決定・団長任命が行われたのかもしれない。
そう思うと、
"ユダは裏切り者ではない"
というのも、「神によって定められた役目を全うした者」として考えれば正にその通りで、どこか自分の境遇を重ねていたのかもしれない。
そしてヒソカによれば旅団は、
主に盗みと殺しでたまに慈善活動もするらしい。
しかしあくまで、ヒソカは途中入団の上、目的は"クロロと闘うこと"に過ぎないので、必要以上に蜘蛛なる組織を探ったりすることもしないだろう。
ただ、ヒソカ視点から見て、得にもならないことをしている様だ。
それは気まぐれの慈善活動なのか、それとも"役目"なのか。
流星街が蟻に襲われた時、
フィンクスらは議会の決定を待たずして、蟻退治に向かった。
それも、
住人の反応からするに、
旅団がたまたま流星街に向かって気まぐれに蟻退治したわけでもなく、住民からしてもそれが意外なことでもないようだ。
つまり、ひょっとすると蜘蛛は「流星街の一機関的役割」を持っているのではなかろうか。
この辺りからそろそろ統合。
ただ、もう1つ検討をぶっこみたいので【原作視点】を1(無難ルート)と2(冒険ルート)に分ける。
まず【原作視点】その1。
クルタ族は"太古の昔からあまたの誤解・偏見・差別・好奇の目にさらされ"、時には"緋の眼狩り"に遭うことすらあった。
しかしながら、定期的に移住を繰り返し人里離れた森の奥地で隠れ住むことにより、百何十年余りの平和をやっとのことで手に入れた。
しかしそこに至るまでの間に、クルタ族は望まない形で争いに巻き込まれた経緯があり流星街の住人と何らかの諍いがあったとするならばどうだろうか。
その時代、爆弾があったかはわからない。ひょっとするとないのかもしれない。
あるいはあったとしても"赤目の悪魔"に報いることができず、そうする内にどこかに消えてしまった、としてみようか。
それから百何十年余りの時を経て、とある女の"発表"、あるいはとある町での"赤目の悪魔"の目撃情報が舞い込む。
"赤目の悪魔"の力は健在のようで、どうやら"こども"が数人の男たちをのしたらしい。
さて、31人同時自爆テロの時は"関係した人間"を殺したが、クルタ族は百何十年余り大きな争いをしていないようだから、下手人はとうの昔に死んでいるだろう。
果たして、その下手人に子孫がいるのかどうか。いるとしたらどう判断するのか。いなかった場合はどうするのか。
そして、流星街の"議会"はどのような結論を出すのか。
流星街の人間は、1人が殺されたから1人が自爆するわけではない。
1人が3年不当に拘束されたことへの報復のために、31人が兵器で命を投げ出し31人の命を奪う、いわば足し算も引き算もない連中である。
すると、「発見したクルタ族の根絶やし」という結論も、あながちありえない答えでもないのかもしれない。
よって、クルタ族虐殺事件の実行犯は幻影旅団で、メッセージは流星街の復讐の意図。
それにも関わらず、あのメッセージが流星街と繋がらなかったのは、「緋の眼」の闇ルートへの流出が原因だろうか。
ヒソカ曰く、クロロは獲物を一通り愛でると全て売り払うそうだが、緋の眼を売ったルートのバイヤーが捕まったのかもしれない。
続いて、【原作視点】その2
私の大好きな"冒険"ルートである。
1と同じく、流星街において、旅団が何らかの機関的役割を持っている、とすることは同様。
そこから検討を加える。
その1では、旅団は流星街の一機関とだけしたが、それではなぜマフィアンコミュニティが取り仕切る地下競売を襲ったのか。
マフィアンコミュニティと流星街は密月関係にある。
もし、旅団が流星街の一機関に過ぎないならば、そんなことはできないのではなかろうか。
ここで別の要素をぶちこんで行く。
クロロの団長就任は自らの意思によるものではなく、何らかの理由で"決められたもの"らしい。
流星街に議会があることを思えば、任命した恐らく議会で良いだろう。
が、地下競売襲撃を考えると、どうも流星街の犬というわけでもない様子。
ひょっとして「第三者」が関わってるのではなかろうか。
そう考えてみると「地下競売襲撃」と「クルタ族虐殺事件」には、とある繋がりがある。
「とある第三者」から見るとそのどちらにも「都合の悪い邪魔者」がいる。
前者は、競売を仕切っているマフィアンコミュニティー、しいてはそれを仕切っている"十老頭"、後者は"クルタ族"それ自体。
思えば、ビヨンド・ネテロは恐ろしいことを言っていた。
ONE PIECEにおける「海軍」と「Dの王国」の関係に近しい読み方になっていくのだが―、
"神話を読み解き遺跡を巡れば太古の昔我々の祖先が大陸から渡来した事は明白"
らしい。
「今、内に住んでいる人々の祖先が外からやってきた」
言うなれば彼らは侵略者であり、元々内の世界にも先住民がいたハズなのだ。
流星街は、
一般常識としては、最初はとある独裁者の人種隔離政策だったらしいのだが、ひょっとすると「元々"内の世界"の先住民が押し込まれた」結果なのではなかろうか。
ただ、中にはそれをよしとせずに流星街以外の内の世界で、ひっそりと暮らす先住民がいるのかもしれない。
【原作視点】の<情報整理>の中で、
"我々は何ものも拒まない だから我々から何も奪うな"
が、流星街の者達だけが使う"文言"ではない可能性と書いたが、流星街に限らず"先住民系"が最終的に採った理念なのかもしれない、ということ。
さて、ここで注目したいのは侵略者と先住民のせめぎ合いがある段階で落ち着きを見せたこと。
恐らく両者間で協議・協定や取引があったのだと思われる。
そして、その時の先住民側の代表組織、あるいは懸け橋、はたまた取引の1つが"幻影旅団"なのではなかろうか。
マフィアンコミュニティにとっても"便利"なように、社会的に存在しない「犯罪にうってつけの人材」こと流星街の住人(先住民)は、社会的に正しくあるべきお偉い方々にとっても極めて使い勝手がよい。
要は、旅団の飼い主は五大国(V5)絡み。
ゾルディック家のような暗殺家業の者と違って金銭も必要なければ、一方的に弱みを握られることもない。
報酬の代価としての「流星街への不可侵条約」また「依頼の範囲内での強奪行為の黙認」。
もちろん黙認とは言っても犯罪行為には変わりはないのでそれが表立てば、法の下に裁かれるのを妨げない。
大分長くなったが、そろそろ統合。
【原作視点】その2
"外"の世界への渡航が管理されているように、"内"の世界においても自由な行動を制限される者達がいる。いわゆる"先住民"である。
基本的には流星街での居住のみを許可しているのが、中にはそれに従わない者達もおり内務省特別管理課(仮)では、そういった民族らの調査・監督・管理を行っている。
ある日、ルクソ地方において"赤目の悪魔"として悪名高いクルタ族が隠れ住んでいるとの情報が入る。
情報を確認するため特別調査員・シーラを派遣。
調査の結果、クルタ族の村を確認。監視体制を敷く。
○月×日、△街にてクルタ族による"異常行動"を確認。至急V5(?)へ報告。
○月×日、クルタ族の駆除と"特別実行部隊"の派遣が決定。
○月×日、クルタ族の駆除を確認。現場に"先住民系"メッセージを加えた上で通報。
○月×日、クルタ族虐殺事件により行方不明となっていた緋の眼の流通が確認され、バイヤーが確保される。バイヤーの供述により、犯行が"先住民系"のA級賞金首、幻影旅団と判明。
改めて"先住民系"の危険性を再確認した上で、新たな"先住民系による被害者"を出さないためにも、目下、先住民系の調査・監督・管理を行ってゆく。
◎クルタ族逆作事件の真相+α まとめ
【映画視点】
犯行は幻影旅団だが、実質は流星街の復讐代行(慈善活動)
しかし、クルタ族に監禁・暴行を受けたとされるシーラという女性はオモカゲの人形で流星街の住民と幻影旅団はまんまと騙されてしまったのだった
【原作視点】その1(無難ルート)
犯行は幻影旅団だが、実質は百何十年余りの時を経た流星街の復讐代行(慈善活動)
シーラは直接的には犯行に関係なし(クルタ族の所在のヒントを晒した可能性あり)。
メッセージが最終的に流星街と結びつかなかったのは、緋の眼の闇ルートへの流出から旅団の犯行が明らかになったため。
【原作視点】その2(冒険ルート)
犯行は幻影旅団だが、依頼主はV5(絡み)。
シーラは内務省特別管理課(仮)に所属する調査員でクルタ族の調査・監視を行っていた。
メッセージが最終的に流星街と結びつかなかったのは、メッセージ自体が"先住民系"が復讐等の時に用いるモノであることと、緋の眼の闇ルートへの流出から旅団の犯行が明らかになったため。
映画の方は内容がアレなだけに正直なんだろうと構わないのだが、原作の方はキレイに繋げたいところ。
新しい武器を入手したら即刻試し切りしたいタイプなので「0巻」情報を元に冒険ルートを突き進めてみたが、如何せんそこは冒険ルート、色々な"危険"を伴うわけです。
まぁ、無難ル―トをもっとキレイに舗装すると大分ニュアンスも変わってくるのかな。
でも、今回はひとまずここで終わり。
以上。