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◆変化系
→オーラや物体に性質を付加するのが得意な系統
変化系という言葉の通り単純にオーラの性質を変化できる系統でもよかったのだが、オーラを電気の性質に変化させた場合あくまで“電気の性質を持ったオーラ”に過ぎず、完全な電気そのものというわけではない。
また変化させているものによっては六性図において隣りに位置する具現化系との区別が―特に漫画上では―難しいケースもあり、変化系能力を検討する際にそれが変化系の範疇に収まっているかどうかの判断基準に“どんな性質が付加されているか”を置くと、紛らわしい描写や言葉に惑わされずに考えることができるかと思われるため“性質を付加できる系統”とした。
また、あくまで“術者が思うモノ”の性質を付加しているに過ぎないため、それが現実世界に存在するものの再現だった場合には能力創出時(開発時)に知らなかった性質は再現されない。
例えばジャングルの奥地で暮らす民族の1人が雨の日に天から落とされる神の怒りを浴びて生き残り、自らのオーラ(変化系)にその神性が加わったと考え再現しようとした場合と、化学系専攻の学生が雷に心酔してそれを自らのオーラ(変化系)で再現しようとし場合、両者の能力者には何らかの違いが出るかと思われる(もちろんこれは他系統でも起きる)。
◎物体にも“性質の付加”は可能?
各水見式の影響から見るに変化系の“性質の付加”は物体にも及ぶかとは思われる。
ただ現状としては作中で明確に物体に及ぶ変化系能力と思われる描写がない。
ユピーの初期の形態変化の中でも、
鞭の様にしなる複腕や、シュートをくし刺しにしようとした背中から飛び出してきた無数のトゲ等は、自身の肉体に“オーラの性質”を付加し“形状変化”させている様にも思われるが、
複眼や複腕が完全に“眼”や“腕”の役割を果たしている様子から具現化系の様にも思われる。
王に自らの細胞を液体に変えて与えた様に細胞レベルで働き掛けて、オーラの性質を付与し形状変化でその形を作り、腕や眼の性質を付与することも出来るのかもしれないが、どうにも確証がない。
“魔獣の特性”と言ってしまえば楽なのだろうが、キメラアントの“摂食交配”も気に入った生物を改造する様な能力として捉えることができることから、ユピーの母体となった魔獣が変形を得意とする種族だとしてもそれも念という可能性もあろう。
しかし、“空間を区切り遮断する能力”が放出系と具現化系という相反する能力者が得意とする様に、結果が同じ様に見える能力でもそれを為しえる念系統が複数あることが示されているため、判断が難しい。
キメラアントの血統は特質系が多いとは思われるもののラモットの様に強化系もいること、ユピーの用いている能力が強化(オ●ニービックバン)、放出(砲台)であることから、ユピーは“兵隊蟻”という“戦闘に特化した個体(戦闘蟻)”として産み出された結果、オーラの性質は強化系に属していると考えれば、残す変形=変化と捉えられキレイに繋がる様には思われるものの、系統的に苦手な具現化系の能力を用いる放出系能力者も作中で複数いるため、ユピーの変形の能力=物体への性質の付加=変化系と断定するのは現時点では出来ない様に思われる。
そのため、現時点では物体への性質の付加も可能だろう程度でしかないが、肉体に電気の性質を加えたり、ゴムとガムの性質を加えたり、オーラの性質を加えることで自身の姿を「隠」して隠れることもできるの“かも”しれない。
◎水見式について
“物体への性質付加”は水見式から見出しているためここで扱う。
水見式とは、心源流に伝わるオーラ選別法で、「発」の修行としても用いられる。
グラスにたっぷりと水を入れ、その上に葉っぱ(軽くて浮く物なら何でも可)を浮かべ「練」を行い、その時に起きた変化でその者のオーラがどのタイプに属するかが分かるというものだ。
オーラとは人間の内部から発する生命エネルギーのことで、その力が強ければ強いほど自他に及ぼす影響は強くなる。
通常時纏うオーラ程度では自他への影響はさほど強くはないが、「練」でオーラの量と質を高めることでその影響も強まっていく。
そして、人の持つオーラは生まれつき6つの系統のいずれかに属しているため、“オーラの他へ影響”を見ることでその者の念系統が判別でき、その“他への影響”をより明確化させることはその者の属している念系統の力を意識的に働かせることにも繋がるため“発の修行”にもなるのかと思われる。
次に各系統別に見ていく。
・強化系
→水の量が変わる(ex.ゴン)
作中では水の量が“増える”能力者しか出ていないが、“水の量が変わる”と示されていることから量が“減る”者もいる事がわかる。
強化系に属する者は物体やオーラの働きを±強化(正強化と負強化)することが得意なオーラ質で、そのオーラは±強化しやすい性質を持っているのであろう。
「不思議で便利な大風呂敷(ファンファンクロス)」が物体の縮小が可能だったため、陰獣の梟が水見式を行った場合は“水の量が減る”のかもしれない。
・操作系
→葉が動く(ex.ズシ)
見たままの特性ではあるが葉が動くことから、操作系に属する者は物体やオーラに命令を与えることが得意なオーラ質で、そのオーラは命令を与え易い性質を持っているのだろう。
・具現化系
→水に不純物が出現する(ex.通常時のクラピカ)
ツボネの様な自らの肉体を元に思念を物質化する能力が示される前は“その材料はオーラのみ”かと思っていたが、
水見式でもその様な過程だった場合は、「練→オーラを元に物質化→その物質がコップの中に落ちる」という3段階を踏んでいることになる。
ただこれだと具現化系だけが葉っぱも水も関係ないことになってしまう上、
“水に不純物が出現する”という言葉から元々想像していた手順が“練→コップの中の水に不純物が出現する”という2段階であった。
そして、これは水という物体に作用して水を元に物質化が行われているという意味でよいのだろう。
つまり、具現化系に属する者は物体やオーラを元に思念を物質化することが得意なオーラ質で、そのオーラは物質化しやすい性質を持っているのであろう。
・変化系
→水の味が変わる(ex.キルア)
水に含まれる物質(ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムの様なミネラル成分)を変化させることで味を変えているのかと当初考えていたが、それだと純水では出来ないことになってしまう。
そのため水を甘くするのに砂糖を加える様に、変化系に属する者は物体やオーラに性質を付加することが得意なオーラ質で、そのオーラは思念を加えやすい性質を持っているのであろう。
・特質系
→他の5系統以外の変化が起きる
作中で出てきた例は3つ。
ex.1:ネフェルピトー=葉が枯れる
ex.2:ツェリードニヒ=葉が溶け(?)異臭を放つ(?)
ex.3:クラピカ(緋の眼時)=水の色が変わって葉が回る
オーラの性質は他系統とも、特質系同士でも各能力者ごとに異なり、他系統の様にそのオーラ質が葉や水に上図の様な変化を与えているのかと思われる。
しかし、それだと三者の中でもクラピカの例はオーラ質が顕著に現れている様に思われるのだ。
「葉が動く」のと「水の色が変わる」のは操作系と放出系の水見式を足した様な結果で、
まるで放出と操作の間に位置する特質系能力者かの様にも思われる。
しかし特質系の項目でも触れたが、クラピカは“私のようにどの系統か判別のつかない特質系ならば影響は少ない”と話しているため、他の5系統と同じ様にオーラ質から判断することは難しいのかと思われる。
3つの能力が分かっているピトーの“葉が枯れる”という結果だが―
“葉の生命力を奪い取る”と考えれば、放出系の徴収型の様にオーラを奪い取っている印象を受け、
“葉の生命力を減衰させている”と考えれば、強化系の弱体化(負強化)の様な印象を受け、
“葉の周囲の時間を早めている”と考えれば、具現か操作か特質の様な印象を受け、
―結局そのオーラの性質の核心部分が分からない上、彼女が実際に用いた能力のヒントにはなり難いだろう。
ツェリードニヒの“葉が溶け(?)異臭を放つ(?)”という結果も―
“水の中に細かい高純度の硫黄の様な物質を出現させていて、結果としてガスを発生させ(それがゴボゴボ鳴っている?)、腐食性で葉が浸食されている”と考えれば、具現化系に近しい印象を受けるものの、それは私がツェリードニヒが新たな念獣を生み出した事を知っているが故それに寄せた感は否めないし、どう臭いのか、葉が具体的にどのような状態なのか、水に色はついているか、水の温度はどうなっているのか、など不明点が多すぎて判断が出来ない。
しかり仮にそれがわかったとしても、少なくとも「刹那の10秒(仮)」のヒントにはなり難いと思われる。
つまりクラピカの言う通り、特質系はそのオーラ質から能力を推測したり系統の予測を立てることは出来ないのかと思われる。
・放出系
→水の色が変わる
現状では作中にその例が出ていない。
そして“色が変わる”という現象と、放出系の性質がイマイチ合致しない(少なくとも私は見いだせていない)。
作中で分かっている放出系の特徴(能力)は、EOP化(メモリの外部化)、瞬間移動(部分的・全体的)、オーラの徴収?(オーラの与奪?)、空間の遮断などであろうか。
他系統が水見式で現れていたのは応用技能というより、最も基本的な性質であったから放出系の場合はやはりEOP化かと思われる。
あくまで私の読み方に都合よく合わせているだけだが、色を付けることにより他と区別しやすく出来ているのであれば、放出系に属する者は物体やオーラの分離が得意なオーラ質で、そのオーラは(色)分けやすい=離しやすい性質を持っているのであろう。
◎形状変化≠変化系能力
「形状変化」は変化系の発ではなく、変化系以外の能力者が用いても威力・精度が減少しない念の基本技能かと思われる。
形状変化は系統別の念修行における変化系のレベル1の技能だったため、変化系に属する技能(「発」)とも考えられるが恐らく違う。
系統別念修行のレベル1が分かっているのは強化・放出・変化の3つのみだが、順々に確認していく。
まず強化系、レベル1:石割。
平たく言えば“念で強化した石”で無強化の石を割る修行で、1日に1個の石で1000個の石を割れたらクリアというものだ。
しかし、その実は持っている石をオーラで覆うことで念の攻防力を増し手持ちの石が壊れない様にしつつ対象の石を破壊する修行で、必要な技術は「周」と「硬」である。
要は「BP(元々の石の硬さ)+ADP(周→硬)」で、「周」も「硬」も強化系に属する技術というわけではない。
続いて放出系 レベル1:球飛ばし(仮)
数cm程のオーラの球を体から離した状態を1分間維持し、さらにそれを離れた的(10~20m程度?)に当てるという修行である(クリア条件は不明)。
上手く行かないゴンにビスケは、
“維持できる時間は能力者の「纏」の力強さに比例するの”
等と助言・激励を送っていたが、すぐに的に届かせたゴンの様子に、
“毎日まじめに「纏」と「練」をこなしている証拠だわね”
と考えていた。
つまりこの修行もその実、必要な技術は「纏」と「練」で、放出系の「発」というわけではない様であった。
ちなみに、この段階ではこの修行のレベルについては触れられはいないものの、ゲンスルー戦の前に「浮き手」という放出系の修行が上手く行っていないゴンの様子を見て、“あの修行さ、レベルいっこ上がってかなり難易度高くなったよな”とキルアが発言していることから球飛ばし(仮)はレベル1かと思われる。
そうして最後の変化系、レベル1:形状変化
指先にオーラを集め、そのオーラの形を0から9までの数字に変えるという修行で、1分以内にできたらクリアというものだ。
ここで本題。果たしてこの形状変化は変化系の技術(「発」)なのだろうか。
「発」だとすれば、その形状変化の度にオーラが消費され(SOC)、他系統の能力者であれば変化系との相性に応じて威力・精度も落ちるということである。
しかしながら、強化系と放出系のレベル1の修行に求められていた技能が基本の念技術や応用技術だったのに対して、変化系のレベル1だけいきなり系統別の念技術を要求するなんてことがあるのだろうか。
恐らくこの形状変化に求められる技術は「凝」と「練」、最終目標を目指すなら「流」も求められる、といったところではなかろうか。
形状変化=基本技術だと感じられた描写は他にもある。ジンのイボクリである。
オーラを使った手遊びだが、他のメンバーが小さいオーラの粒を手の輪郭に沿って動かすだけでも必死になっている中、ジンは左右でイボごとの速さや進行方向さらには大きさや形を変えたりしていた。
それに対して周囲の者達は驚いていた様子だったが、ジンのイボクリの中には形状変化が使われている。
しかし、オーラの不規則で複雑な動きを操作系能力、複雑な形を形状変化=変化系能力と考えればそこまで驚く様なことではない様に思われるのだ。
操作系能力者ならは複雑をプログラムすることは出来るし、もし形状変化が変化系能力ならば変化系能力者の方が形を複雑に出来るのは当たり前だろう。
そして操作系と変化の間にいる様な能力者ならば、その2つをある程度両立することもできるだろう。
ただ、この時のジンはその手のズルをしておらず、“素”のオーラの操縦だけでこなしているから周囲の者に驚かれ称賛の対象になっているのではないだろうか。
変化系レベル1に手こずっていたゴンが、放出系のレベル1の修行では格段に筋が良いことから、
“このコは放出系よりの強化系能力者みたいだわね”
と考えていたが、各基本技能が系統により得手不得手が出るという意味ではなく、それを可能にしているオーラ質から読み取ったと私は考えている。
強化系のレベル1:石割は「周」や「硬」の技術を正確に、そして十分にこなせるようになればどの系統の能力者でも達成可能ではあるものの、生来のオーラ質が物体やオーラの働きを±強化しやすい性質を持っていたならば、「周」や「硬」の技術が不十分でも達成しうるのだろう。
放出系のレベル1:球飛ばし(仮)も毎日まじめに「纏」と「練」をこなしていれば、どの系統の能力者でも達成可能ではあるが、生来のオーラ質が物体やオーラを(色)分けやすい=離しやすい性質を持っていたならば、「纏」と「練」が不十分でも達成しうるのだろう。
そして、変化系のレベル1:形状変化に関しても同様だろう。
具体的にどの技術が関わっているかは不明ではあるが(恐らく「凝」と「練」)、生来のオーラ質が物体やオーラに思念を加えやすい性質を持っていたならば他系統のオーラに比べ加工しやすく、(恐らく)「凝」や「練」が不十分でも達成しるのではなかろうか。
そして、ゴンが変化系に比べ放出系の修行は筋が良かったことから、物体やオーラに思念を加えやすい性質よりも物体やオーラを(色)分けやすい=離しやすい性質を持っていたため、“放出系寄り”と評価できたのだろう。
高レベルの系統別修行ならばその系統の技術を必要とするのもわかるが―水見式が「発」の修行にもなる様に―レベル1の系統別の修行はその系統の力を呼び起こす“意識作り”に近い様に思われる。
―以上のことから、形状変化≠変化系能力と当ブログでは採っています。
◆ヒソカ=モロウ
偽の「4」の番号を持っていた元・幻影旅団員であり、第287期のハンターや天空闘技場のフロアマスターといった顔も持つ。
今回ブログの更新をしようとした際に、各系統の特徴の他にその系統の能力者を最低1人は取り上げようと考えていて、変化系で取り扱おうと思っていた本命の能力者が居たのだが、敢えて特質系の項目に持って行ってしまったんですなぁ。
その結果、再開後すぐに関わってきそうな変化系能力者がヒソカしか残っていなかったのだが…その能力について書ける部分が少ない。
ヒソカは強力な能力を隠し持っているとは思われるものの、戦闘においてはほとんど「伸縮自在の愛(バンジーガム)」だけで済ませてしまっている。
クロロ戦でもその能力を使わなかったことから、恐らく一対多数で使えないか、向かない能力かとは思われるが、元々ヒソカは一対一を好むことから奥の手もそれに適したものであろう、と元々想像していた方向の1つでだったため、その能力について探る作中根拠もない。
奇術に関係するものなんじゃないかとか、よく使っているトランプに関係しているんじゃないか、など思うところはあるものの根拠なしの現状では正直響かないのだ。
そのためヒソカに関しては他の項目とはちょっと違ったつっつき方になりそうだ。
◎死者の念は今も継続中?
天空闘技場での戦いで一度は死んだヒソカであったがその死の前に、
“念よ…!!!ボクが死んだ後よみがえり!!! 心臓と!!! 肺を!!! 伸縮(愛撫)せよ!!!!!”
と命令し、結果「伸縮自在の愛(バンジーガム)」が死後強まる念として残り、その心肺マッサージで復活を遂げた。
そして、本来「薄っぺらな嘘(ドッキリテクスチャー)」は紙の様に薄っぺらなものにしか映し出せず、これまでハンカチや紙やバインダーの表面に使っていたが、
復活後のヒソカはハンカチなどを用いず、欠損などしていた箇所に型取りで使用した「伸縮自在の愛(バンジーガム)」に適用していた。
そのためヒソカの念は復活後も死者の念の効果でパワーアップしているのではないか、とも感じられる。
ただ、これに関しては“死者の念の原理”も“死から生還した能力者がその後どうなるか”等が描写されておらず、明確にどちらかを判断するのは難しいかと思われる。
そのため、各種キメラアント達が生後まもないにも関わらず強かったのもメルエムが復活後異常に強かったのも一度死んだ事により、死後の念により強まっているため(念を再度使える様になったゴンも強くなっている?)とシャーマンキングの様に“死ぬと強くなる”と考えることもできるだろうし(今後それが容易なパワーアップ法として出て来る?)、“ハンターの世界観に合致しない”と死後の念は継続していないと考えることもできるだろう。
一方で、無根拠に腕をグルグルさせて永遠と殴り合う様な「無根拠廻天(イノセントワールド)」もしんどいので一応私の考えも示しておく。
・死後の念(死者の念)の原理?
念が「生命エネルギー(オーラ)に“魂の枝葉”を分け与え使役する力」だとすれば、魂の器には肉体の他にオーラもなりえるのだろう。
そしてフィンクスから、
“深い恨みや未練を持ったまま死ぬとその念はおそろしく強く残り、残された念は行き場を求めて憎悪や執着の対象へ自ずと向かう”
という死者の念の説明がなされたが、魂の器たる肉体が機能不全に陥ったことで魂は抜け出し行き場を求め、肉体を失ったことで不安定になってしまった魂は少しでも力を回復しようとしてか“分けられた魂の枝葉”に惹かれていくのかもしれない。
そして、その中でも強いエネルギーを持つ「発」に残された“特別な魂の枝葉”は“魂の仮の器”になり、発に込められた命令や感情と死ぬ間際の想いが混ざり合った結果として総じて歪な成長を遂げ易く、発に魂が根付くことで死者の念として強まるのかもしれない。
―その様に考えると、肉体が機能不全から復活を遂げれば魂は元の肉体に戻り“死者の念”状態は解除される様に思われ、ヒソカの念も元に戻っている様に感じられる。
適当に出した死者の念継続説への反論としては―
そもそもゴンもメルエムも死んではいないし(死にかけただけ)、人間蟻が異常に強いのは“外”来種の蟻が混じっていること、人間蟻として生まれ変わったことで硬い外骨格(強い肉体)を得ていること、摂食交配により元々持っていた以上のエネルギーを注がれていることが起因しており、死者の念化以外の要素も大きくその原因を死者の念と断定するのが難しいことを挙げてみよう。
また、型取りに使用した「伸縮自在の愛(バンジーガム)」に「薄っぺらな嘘(ドッキリテクスチャー)」を適用している点については―
紙の様に薄っぺらなものにしか映し出せないとは言うものの、
GIのバインダーの最後のページはそこまで“薄っぺら”ではなく、
予言改ざんの時と同様にその表面を“薄い”オーラで覆い、それに「薄っぺらな嘘(ドッキリテクスチャー)」を適用していたのだろう。
※パームの念字が壁面に残っていたことからガムの性質がなくとも特定の箇所に「纏」で残すことは可能であろうし、表面は「薄っぺらな嘘(ドッキリテクスチャー)」で裏面は「伸縮自在の愛(バンジーガム)」を使用していたのどちらでも採れるだろう。
つまり型取りに使用した「伸縮自在の愛(バンジーガム)」の外側の表面の“表層”に「薄っぺらな嘘(ドッキリテクスチャー)」を適用しているとも考えられるのではなかろうか。
以前のヒソカがハンカチの表面に適用し、その裏面の四隅のガムで張り付けいたのはその方が奇術っぽくて好き程度の理由で、クロロ戦敗北後はその心理的余裕がなくなっていた、とかで処理できる様な気がしている。
強いて言うならば―現実世界でも九死に一生を得た者がその後の人生観を変化させる様に―ゴンとヒソカの心にも大きな変化をもたらし、その心境の変化がオーラにも影響をもたらした結果強まったということはあるかもしれない(死者の念とは異なる)。
ただ、あくまで私個人の考えに過ぎず無根拠なのはさして変わらないので悪しからず。
また旅団を追っているヒソカが、今も顔面や左手や右足を負傷している状態かも不明。
顔面はまだしも、左手や右足がない状態では戦闘力低下は否めないであろうし、左手や右足に常に「伸縮自在の愛(バンジーガム)」を用いていればその分だけ他の念に使えるAOP(メモリ)は減ってしまい“全力”で戦うことができなくなってしまう。
そのためフランクリンが“より威力が出る気がするから”と指を切り落とした様に、ヒソカが“そのままの方が怒りを忘れなくて済む”等と考えていない限りは、怪我を治している様にも思われる。
もちろん、それがヒソカ自身の強化系能力による自然治癒力の強化で成せるのか、別の能力者(少なくともマチより高額)に頼っているのかは不明である。
◎ヒソカの死者の念の発動のタイミング
素朴な疑問。
“「伸縮自在の愛(バンジーガム)」が死後強まる念として残りその心肺マッサージで復活を遂げた”のはわかった。
ただ死んだ直後にそれが発動しても恐らく再度窒息死していただろうし、シャル、コルトピ、マチの3人が居た状況で発動しても復活直後は茫然自失としていたから、いくらシャルとコルトピが戦闘タイプの能力者ではないとは言え、かなり厳しかった様に思われる。
なぜ、あのある意味で“ベスト”なタイミングで発動したのだろうか。
―恐らくカギはマチだったのかと思われる。
「…前金もらっちゃってたからね…少しコイツを縫ってから行くよ」
というマチの言葉にし対し、
(“団長と闘うのにそんなのマチがもらうワケないじゃん?”)
(“まぁマチはなんだかんだいって優しいからね”)
とシャルとコルトピは小声で話していたが、恐らく二人の考えはどちらも正しい。
ヒソカは“クロロ戦に勝った場合”の治療の依頼をしていたが、恐らくコルトピの言う理由でマチはそれを拒否したかと思われる。
そしてヒソカはその死の瞬間、“どうせ死ぬなら”と発動するかもわからないもどうかもわからない“死者の念”に賭けたが、“どのタイミングで発動するか”も潜在的に思い浮かべていたのではないだろうか。
つまり、あの時のヒソカは2つの“賭け”をしていた。
“マチはなんだかんだで優しい”ことはヒソカも知っており、これまでのマチへの依頼から“その処置が周囲に誰もいない状態で行われる”ことを把握していた。
そして“念糸縫合”を行う際は“一定以上のオーラ量を纏ったマチが自分を触れる”からそれを条件にしたのではなかろうか。
マチがヒソカの体に異変を感じた際―見づらいものの―左手でヒソカの頭を持ち上げようと首に触れている。
マチをわざわざ生かしメッセンジャーとしなくても、
コルトピとシャルの首を壊れていない方の右手に「伸縮自在の愛(バンジーガム)」でくっつけてクラッカーの様にして、
「やぁクロロ、死ぬまでヤってくれるんだよね?ボクはまだ死んでないよ」
等とシャルの代替携帯から動画で送るのでも良いんじゃないかとも思ったが、あの時点ではその2人が近くに居ることもわからなかっただろう。
そのため、ヒソカがマチを殺さずにメッセンジャーにしたのは“自分の思い通りに動いてくれたことへのヒソカなりのお礼”だったのかもしれない。
まぁいつものヒソカ基準で、
マチはここで殺さない方が“美味しく実る”と思ったから、かもしれないですけどね。
◎ヒソカの居場所はどこ?
状況的に船内(BW号内)にいるとは思われるものの、旅団やカキンマフィアらの必死の捜索でも未だに見つかっていない。
そのため“誰かに化けているのではないか”など、様々な読者の推測や憶測を呼んでいる。
イルミの一人称や手の形が意味深で、
クロロやマチがイルミを怪しんでいる様に“見える”ため、ヒソカはイルミに化けているんじゃないかとも思われるものの、
その割にはクロロもマチもイルミから大分離れてしまっている様に感じられる。
イルミらが5層から3層に行くまでそれなりに時間も掛かるだろうし、本気で怪しんでいるならばその間に仕掛けても良さそうなものだが、登場人物視点で見ても―“怪しむ要素”はあったにしても―確証を持てないのだろう。
私自身が能力の検討は好きだけど話の展開予測は不得意というのも大きいのだろうけど、恐らく現時点ではわからない様に思われる。
今回の継承戦は「11人いる!(サイレントマジョリティー)」の犯人もそうだが“怪しい人物”は絞り込めるものの確証を持って断定することは出来ず、良くも悪くも作者が今後複数の方向に運べる様にされてしまっている感がある。
イルミの一人称も確かに通常時は“オレ”であるものの、ヒソカからの依頼で船内では怪しまれる行動を取る様に指定されているのかもしれないし、プライベートと仕事と状況次第で一人称を変えるタイプかもしれない。
※例えばブログ主は、プライベートでは「オレ」、仕事では「私(わたくし)」と「私(わたし)」、状況次第では「僕」と4つの一人称を使い分けている。
36巻のカバー袖の作者コメントも、“何が”、“何の”ネタバレかはハッキリしていない。
カバー袖のコメントのためその挿絵である「“口”ビル」か「表紙」のどちらかだろうが、「口ビル」の事だとすると35巻の「め」は何か意味があるのだろうか。
もちろんそれに意味を見出すことはできるだろうが、それも推測でしかない(単純に書くことに困って適当の目→口と描いただけでは?とも感じる)。
そして、それが「表紙」で、ヒソカの居場所(イルミ=ヒソカ)のネタバレになっているならば、ヒソカがウボォーの花を持っていることには違和感があるし(ヒソカは裏でクラピカに協力はしたものの殺してはいない)、そもそも花弁と中心部(管状花?)の色が他の花との法則(服の色=花弁、髪の色=花の中心)と合致しない。
ウボォーの花ではなく誰かを殺しその場所に新たな花を植えるための花を持っているにしても、持っている花の花弁の色は複数あり、どの団員を暗示しているかもわからない。そもそもパクノダの場所にある花は法則に当てはまっていない様に思われる。
―以上のことから単純に表紙を見た段階でコミックス派の人でも“イルミが旅団に加入していること”がわかる仕様にした、程度の様な気もする。
ヒソカ関連は疑惑や推測や憶測だけで話が発展しやすく、さらには匿名故か、より一層「無根拠廻天(イノセントワールド)」が繰り広げら易い様に思われる。
推測や憶測を広げて“楽しむ”のなら十分わかるが、SNS等で見かけたとしても望ましくない方向で“ある意味盛り上がっている様に見える”状況だったりして、ゲンナリして右上の×をすぐ押してしまうことが多い様な気がしている。
以上。
→7:強化系能力(ラスト)に続く。