ハンタが休載に入って早1ヵ月。
今回のヒンリギの記事はNo.399で「次週やる」と言いつつ放置していたもの。
忙しくなる4月までにはやらなきゃな、とは思いつつもハンターロストの影響なのか何となくやる気が出なかったのだが、寒すぎて何か変なスイッチが入って書き始めている。
内容としてはNo.399時点で情報不足で「No.400でヒントでも出ればいいな」と思っていたが、残念ながらヒンリギは登場すらせず、後述の「ヒンリギの左手がどうなっているか」を始めとして不確かな点があったりして断定は難しいのだが、No.400時点での印象として記しておく。
■ヒンリギの能力について(No.390~400)
ヒンリギ=ビガンダブノは具現化系の能力者で、その能力「てのひらを太陽に(バイオハザード)」は機械や武器や道具等を“元の機能を有したまま生き物に変えて”、“操作できる”というものらしい。
397-2の感想でも触れたが、ヒンリギは具現できる物の「種類」が多く、鎖に比べるて明らかに「複雑」なモノも多いが恐らく具現化に至る方式が、
クラピカのソレとは異なるのかと思われる。
そして、ヒンリギの能力の実際の使われ方だが―、
1:自動小銃 → 銃身のみ蛇(No.390)
対象(自動小銃)の“一部”を“蛇(の一部)”に変え、お互いに向けて発射し同士討ちをさせた。
そして、同士討ち直後に―周囲の者に気づかれない様にするためか―直後に具現を解除している。
2:手錠 → 鳩(全部で何羽かは不明だが最低でも8羽/No.391)
部分的に元の素材(手錠)に戻す(具現解除?する)ことも可能で、
実際にある物を材料に具現した場合はその固さを引き継ぐ模様。
3:ビデオカメラ → 猫(No.391)
猫に録画を頼んだ際、そして録画を確認する前の猫の様子から「自動型(オート)」の様にも使うことが出来るようだ。
一方で、鳩を狙ったタイミングで手錠に戻し拘束したことを考えると「半自動型(セミオート)」の念獣の様に使える能力なのだろう。
4:発信機 → 牡蠣(中身のみ/No.391)
「ヤドカリ」の様に「殻は借り物(ヤドカリ本体とは全くの別物)」ならば“中身のみ”具現出来るのも分かるが、「牡蠣の殻」はざっくり言えば牡蠣自身が生み出した外骨格の様なもので“牡蠣という生物の体の一部”であろう。
1で自動小銃の“一部”を“蛇の一部”に作り変えていたが、それとはちょっと意味やニュアンスが違う“一部具現”が出来るようだ。
ともすると“心臓”等の体の一部分を作り、
どこぞやの汐華初流乃君の様に治療も出来るのだろうか。
―というのもヒンリギはNo.391でお手手ドリルマンから左手を貫かれており、
基本的にはそれ以降はその怪我を庇うかのように左手をポケットに入れていることが多かったものの、
No.394でビデオ猫を回収する際や、No.398での牡蠣シーンでもやや違和感があったが、モレナアジト内で扉を開ける時には傷跡はおろか治療痕すらない様に思われるのだ。
もしヒンリギが“生物の一部具現”を応用して、“負傷部位を具現”して自・他を回復できるならば可能かもしれないが―いくつか疑問点もある。
◎治療の方法について
今回のヒンリギの負傷は、皮膚・血管・筋肉・神経・骨等が傷ついてしまっている様に思われるが、
1:負傷した箇所を―例えばキューブ状に―切り取り、
2:そこに具現した(負傷前の)同部位をハメ込み
3:治療完了
―とはならないだろう。
マチの「念糸縫合」の様に、その具現した部位と皮膚・血管・筋肉・神経・骨等をキレイに繋げば元通りに動かせるかもしれないが、まずそもそもヒンリギの左手の表面には縫合跡の様なものすらない。
1:負傷箇所を抉り
2:部位を具現し、負傷箇所にハメ込み
3:具現化した部位の血管やら神経などを操作し、切断された神経Aと具現されたA’を接合し、
4:さらには強化系の力(自己治癒力の強化)で回復する
ということならば、可能かもしれない。
具現された神経A’が、切断面から神経Aを探すというのは如何にも無理臭いが、操作系で「探索・探知」(クラピカやパーム)の類型の能力ある様なのでそれを使えば可能…かもしれない。
(あるいは「自然治癒力」ではなく「自己治癒力」の強化なので、神経AとA’は勝手に繋がっていく?)
しかし具現(理論値100%)・操作(理論値60%)に加えて、強化(理論値60%)も使いこなすということは、かなりバランス良く念を習得している上級者の様に思われるが、そのレベルの者が“能力覚醒直後でハイ丸出しのド素人”の攻撃をそう易々と受けるのか(反語)、という疑問がある。
ひょっとすると単純に“手”を具現しているのだろうか。
「てのひらを太陽に(バイオハザード)」は機械や武器や道具等を材料に具現する能力であるから、それとは別(通常)の具現能力(397-2の感想で触れた様な参照具現の様なもの)なのかもしれないが、負傷した左手を材料に無傷の左手を具現してしまえばいいのかもしれない。
負傷した左手を材料に無傷の左手を具現した場合ずっと具現し続ける必要があるのだろうが、クラピカやコルトピが具現し続けていることを考えれば、具現化系のランニングコストはさほど高くないのかもしれない(それも特に効果もない左手の具現のため余計にそうだと思われる)。
ちなみに具現を解除した時に負傷した部位がどうなっているのかは不明。
「そのまま」の可能性もあれば、「多少は自己治癒しつつある」のかもしれないし、元の左手の状態を具現したことで「自己治癒以上の治療の効果」が出るのかもしれないが詳細は分かっていない。
一方で、これに関しては「そもそも」的な怪しい点があって、“傷のないヒンリギの左手”は作者の意図したものなのかどうかという点が気になっている。
基本的には一見明らかなモノを除いては作者ミスを前提とはせず熟考するスタンスではあるが、この手の描写ミスは―37巻収録分でもテータの頬の傷がない描写が結構ありましたが―“意外とあるある”なのだ。
そもそも治療にも使える能力なら1コマで説明できる描写であろうから、それを省く理由はあるのだろうか。
現時点ではどちらか判断は出来ないが、もし描写ミスでなければ“左手の具現”の様に現時点では感じている。
◆ヒンリギは放出系を使いこなすか
作中では主系統が放出系にも関わらず、真逆の具現化系能力を使いこなす能力者が出ている。
能力“開発時”のクラピカは、
修行不足もあってか出来なかった様だが、果たしてヒンリギは放出系能力を使いこなすことが出来るのだろうか。
というのも発信機を牡蠣に変えた際、
ヒンリギは“オーラを使い切ると元の発信器に戻る”と話していたのだ。
これは一見すると放出系の「自動型(オート)」の様な性質に感じ、術者が気絶しようが最悪死亡しようが電池(オーラ)が残っている限り活動し続ける様に思われる。
ただその一方でヒンリギは、
“運悪くオレが殺られて解剖されたら失敗だ”
と話している。
恐らく解剖された時には、“牡蠣にした発信機が元の状態”に戻ってしまっているから「発信機だとバレ、すぐ破壊されるから失敗」という意味だろうから、どうもヒンリギは放出系は用いていない様に思われる。
放出系だった場合は能力者が死んでも維持され、“電池(オーラ)は2時間程は保つ”と話しており、
2時間もあれば―発信機の性能的にアジトの明確な場所や、そこへの行き方は分からなかったとしても―大体の位置が分かるから必ずしも失敗とは言えない様に思われる。
(※AOP型だとしても殺害直後に“すぐ解剖されるとは限らない”ため、必ずしも失敗とは言えない様に思われる。ただ、“すぐ解剖されるとは限らない”というのは希望的観測に過ぎず、恐らくヒンリギの発言は悪い状況を踏まえた発言かと思われる)
そのため、恐らくヒンリギは放出系は用いていないと思われる。
では、オーラを使い切ると元の発信機に戻るというのは、どの様な意味なのだろうか。
◎念使用時のランニングコスト(ROC)について
ナックルによると臨戦態勢時、通常以上にオーラが消費されていくらしい(技のレベルが高い程増えるという)。
しかし、そのオーラが“どこから消費されていくのか”と言えば、およそ“AOPから”というのは考えられない。
「練」が体内のオーラにも有効で減ったオーラが自動充足されたとしても、戦闘中にAOPが技のレベルに応じて増減しては精緻なオーラ配分が必要な「発」が使用できない上、
ピトーの「玩具修理者(ドクターブライス)」の様に、100%のAOPを使う「発」の場合、例えば10オーラのランニングコスト分が具現物から削られ、体内のオーラ(POP)からAOPを経てその10オーラ分の具現物が充足されるというのは如何にも怪しい。
そのため、ランニングコストはPOPから消費されるのが基本であろうが、今回のヒンリギの“オーラを使い切ると元の発信器に戻る”というのは放出系の“自動型(オート)”の様な性質を持っている様に思われる。
しかしその一方で基本には例外が付き物であり、オーラのランニングコスト(ROC)をPOPではなく、予め「発」に「余剰オーラとしてAOP」を渡しそのオーラ内でのみ維持する様にすることが出来るの“かも”しれない。
あるいは、これまで“体内に「発」を仕込む”描写は直接的にはなく、“体内の「発」”に対して“体外の「発」”と同様にランニングコストを供給できるかは分からない。そのため、今回の性質は“出来ない”故の工夫なのだろうか。
はたまた、上の長文が無駄になるかもしれないが、
「物体操作」のオーラのことを指しているのかもしれない。
恐らく「念獣と呼ばれる様な疑似生物」と「独楽等の道具」では操作系能力の使い方が異なる様に思われるが、ヒンリギの具現は従来の具現とは異なる“物体を材料する具現”である。
作中でその類の具現をする者は少ないが、
同じタイプのツボネの具現も、操縦には別途オーラが必要であった。
つまり、作中で登場した同系統の具現が2つとも別途オーラが必要であることから、ひょっとすると「物体を材料に具現するタイプの能力」は物体としての性質を引き継いでしまい、“動かすには別途オーラが必要”ということなのかもしれない。
まぁ、現時点では作中の例も少ないため不明。
◎モレナアジトでの投げナイフについて
モレナのアジトで投げたナイフの威力からヒンリギの実力を測れる様にも感じたが、
脱出時に“今日はこれ以上能力は使えそうにない”と話していたから、状況的にそれには適していないかもしれない。
ただ思考の助けにはなるだろうから、ヒンリギが投げた“ナイフの状態”について考えたいと思う。
1:ただの投げナイフ(オーラなし)
V(投擲速度)×BP(ナイフの硬さ) > BP(ジャンプの硬さ)+DP(周) ?
→ただの投げナイフではオーラを纏ったジャンプを貫くことは難しいと思われ、
ナイフの軌道線は効果線だとしても、ナイフの周囲はオーラ描写かと思われる。
そのため1はバツ。
2:オーラあり投げナイフ(通常攻撃≠発)
V(投擲速度)×{BP(ナイフ)+AP(周)} > BP(ジャンプの硬さ)+DP(周)
→手玉に取られたにも関わらず、
ヒンリギは未だに“素人の集まりにしか見えなかった”と話している。
ただ、ナイフはほぼジャンプを貫通しており個人の力ではヒンリギが勝っていたという意味合いだろう。
しかし、“素人の集まり”だとしても念のコンボは個人の力を凌駕しやすいため、警戒はしているという描写だろうか。
3:オーラあり投げナイフ(発)
V(投擲速度)×{BP(ナイフ)+AP(周)+SP(強化or放出)}
→「強化のみ」あるいは「放出のみ」、はたまた「両方」なのかによってヒンリギのオーラ消費量も威力も変わってくるが、もしヒンリギが「発」を使ったのにも関わらず、相手には「ジャンプ(「周」=通常防御)」で防がれてしまったのでは、“素人の集まり”発言には繋がらないだろう。
ただ、ジャンプで投げナイフを防いだオラルジが強化系ということもあって、
BP(ジャンプ)+DP(周)+SP(強化)
ジャンプもオーラを纏った(「周」)だけではなく、「強化」も併用していた可能性もあるかもしれない。
しかし、オラルジは侵入してきたヒンリギに対して臨戦態勢を取っていたわけではなく、
直前までジャンプを読んでいて、そこからの咄嗟の防御である。
あれだけ短いタイミングでジャンプを盾にし、オーラ纏わせ、さらに強化まで用いているとするならば、
背後からドリルの駆動音がしていただろう攻撃を、手で受けてしまった自分自身を棚上げにした“素人の集まり”発言になってしまうから、あの時のオラルジは「発」を用いていない様に感じられた。
それにしても、中級者(?)以上の念での戦いの速度には及ばないのだろうが、
迫る投げナイフに気づき、それをジャンプ+「周」で防ぐというのは一般人の反応速度や対応力を超えている様に個人的には感じられた。
オーラを纏うことで(「纏」)、これまで視えなかったオーラが視えるようになった様に、心身共に全体的に機能が向上しているのかもしれないですね。
◆ヒンリギ総括
以上のことから、No.400時点でヒンリギは主に具現化系と操作系を用いる中級程度の能力者で、
モレナ組のアジトから戻ってきた時にはオーラがほとんど残っていなかった様子であるから、上記の「発」の内容や使用回数等からオーラの総量はナックル戦でのゴン程度(POP2万程度、多くても3万程度?)なのではないかと思われた。
戦闘的な力量は…どうなんでしょうね。
「鳩手錠」なんて、キルアとかなら“こんなの念なしでも楽勝”とか言って簡単に壊してしまいそうな気がするし、ヒンリギ自身の火力が…今のところ低過ぎるように思われる。
しかし、あくまで船内では出来ないだけで「手りゅう弾」とか「対戦車用の地雷」とか、極端な話「貧者の薔薇」を鳩化させて、遠隔視認(操作系)しながら鳩を敵の下に運び自らは安全なところで起爆出来るかもしれないため、使う武器によって大きく変わるだろう。
それが“能力者としての強さ”なのかと問われればクエスチョンマークが浮かんでしまう(※)のだが、ひとまず色々制限を受けているBW号内ではさほど…強くはないのかもしれない。
(※単純に兵器を操作出来る能力者の火力が能力者単体では最も高いことになりうるため)
ちなみに能力使用時に「バチバチッ」と音が鳴る理由は不明。
ヒンあリギはアイドルとかも好きな様なので、能力創出時に何か漫画やアニメの影響を受けた結果なのかもしれないし、能力の仕様に何か秘密があるかもしれないが特段分かっていない。
そして左手に関しては…、38巻での修正の有無待ちですかねぇ…。
以上。