★前回の「HUNTER HUNTER No.351-357」の続き記事。
祝・連載再開!また楽しい月曜日が始まるぅっ。
さて今回は34巻にて修正があったことに加え、ある種の「指標」が示されてしまったため、それを踏まえた上で読み直し。
前記事でも触れたが、私はクロロもヒソカも好きなためどちらも不必要に「下げ」たくはなく、共闘は否定派というのが基本スタンス。
※35巻収録予定の情報を一部含むため、単行本派の方はご注意を。
◆修正
まぁこれは“手に取ってマジマジと凝視しているそれを見間違えるのか”という疑問があり、一応の礼儀として“好意的に取れば、羽の部分は深く差した時に折れたか、何らかの理由で折ったか折れたか”とは書いたものの、単純なミスだった模様。
ヒソカの左手爆破も、携帯の形状からクロロ自身がシャルの携帯を用いて指示している様子があり、デスマッチ後―
クロロ:ケータイどうする?アンテ無いけど
シャル:大丈夫 特に使う予定ないし
クロロ:そうか じゃ船で渡すよ
―と話しているので、少なくともシャルはあの戦闘に参加していないことがわかる。
“共闘”には関わっていないが、何故か天空闘技場に来ている旅団メンバーがいるということになるが、メインの能力をクロロに貸しているため仕事ができず(やることがなく)、団長も心配なためか、何かに関わっていたため、というところか。
◆ヒソカの目線の先(流星街の長老?)
続いて、左足を爆破された際にヒソカの目線の先に関して。
本誌では雑誌の紙質もあって、滲みや擦れが生じ細かい描写の確認が難しい面もあるため、“両手の甲に刻印らしきものがあって、被り物は一見長老っぽいかもしれない”が、蟻襲来の際の議会の動きからしても保守っぽい長老がクロロ個人の戦いにわざわざ出てきてくれるのかね、程度に抑えたが―
―どうも単行本でもサンアンドム~~~ン!!!の刻印には見えない。
(左手は月にも見えなくもないが、月は右手ですしね)
甲に刻印が確認できない以上、これが流星街の長老で途中から能力を返却されてコピーに刻印をして回っていたと断定することは難しい。
ヒソカの目線にコマが割かれた以上は何かしら意味があるのでしょうけど、これまで観客の背後等の死角に隠れていたクロロが、作戦の終盤に来てこれだけ大きい肉片が飛ぶような前面に出てくる必要もないでしょうし、クロロではないようにも感じる。
誰かはわからない―恐らくクロロではない。しかし不審な観客がいるというヒソカの中の疑念が増したという読者のミスリードを誘う描写なのではなかろうか。
◆200体の人形関連
ヒソカを壊すよう命令を受けていた200体の人形―ちょいと多すぎないか、という疑問の部分。
こちらは単行本でも完全に納得のいくような部分は見いだせなかったので、再検討。
先に前提的な部分。
まず、そもそもの問題として作中で1立方センチメートルの具現物に、1立方センチメートルのオーラを要する、といった様な説明・描写は出ていない。
制約と誓約の説明の中で、麻雀やポーカーと同じ様に条件が厳しい約ほど点数(=効果)が高いとあったが、ギャラリーフェイクのコピー自体は何の効果もなく、それ自体は無害であることを鑑みればむしろ使用メモリは少ない様にも思われる。
旅団内で腕相撲最弱であることからもコルトピのAOPが極めて多いというような事情は見受けられないが、そんなコルトピがヨークシン編でアジトのコピー50棟は余裕と話していることからも、人間200体程度のコピーであればそこまでメモリ不足に陥るような圧迫はないのではないか、と私は考える。
次に、クロロがたかだか7~8キロの人間頭部にでダメージを負っている描写について。頭部を覆うヒソカのオーラ量が特別多い様にも感じられない。
ひとまずクロロがヒソカを踏みつけた直後(オーラを攻撃に割いている状態)の"死角から攻撃"でダメージを負うのは仕方がないとしよう。
しかしその後の左脇腹への攻撃をクロロは視認していた(わざわざその目線のカットが挟み込まれている)にも拘わらず血反吐を吐いているため、どうも結構なダメージを負っている様に思われる。
この描写はこの時点でクロロが「何か」に何割かのメモリを使用中とも採れる一方で、ヒソカの左手を爆破した太陽刻印チャージ(3~5秒)をゴマかすために"予定していた故意の被弾"とも採れる。
以上の2点から「メモリ」を切り口にした検討は難しいと思われるため、今回そこは省略する(検討がかなり細かくなる)。
0:途中でクロロがコルトピに能力を返しコルトピが増やした
さて本題。これは言葉通りなので特段考える必要はないだろう。
1:戦闘中にクロロが増やした
今回の戦いの延べ時間や、各描写での経過時間や所要時間が不明のため、実質的にできるかどうかも実はわからない。
ひとまずヒソカの予想では「神の左手悪魔の右手(ギャラリーフェイク)」→「番いの破壊者(サンアンドムーン)」→「人間の証明(オーダースタンプ)」は「1体/1~2秒」とのことだった。
破壊役の人形が200体=200~400秒、さらに恐らくフルチャージ(3~5秒)の爆破役が一定数いるだろうが―爆破シーンの"ドォンドォンドドドォォォ"から最低でも5体―「1体/4~7秒」で最低でも20~35秒といったところか。
ガバガバ計算で最終段階の準備には最低でも220~435秒(4分弱~7分強)程は必要。
No.353時点で、ヒソカに実際に襲い掛かって来た人形が30体程(+α待機分)。その直後、クロロはヒソカの隙を伺いつつ人形と一緒に攻撃に参加しているため、恐らく人形を増やすような時間はほぼない。
左手爆破した人形のチャージを終え「転校生(コンバートハンズ)」(栞で挟む)で姿の入れ替え、「携帯する他人の運命(ブラックボイス)」で操作に移行しているから、この間コピー製造は出来ない。
ここでヒソカはミスリードに気づき、No.353時点での+α待機分も考慮した上で、残り20~30体程度かと考えていた。
つまり作中での各描写での具体的な経過時間や所要時間は不明だが、この時点でヒソカがクロロを見失った時間(クロロがコピーを増やせたであろう時間)はおよそ20~60秒程度ということで、No.353開始時点でクロロが最終的に必要な残り時間は少なく見積もって160~375秒(3分弱~6分強)程なのだろう。
ヒソカは“ここで発見に手間取ると新たな人形が1~2秒に1体のペースで増えていく”と考えつつも、3分弱~6分強もの間、手をこまねいていたのだろうか。
まぁ何とも言えない部分はあるけれど―
・10分程度のリミット(救急隊や警備員が来る)が残されていること
・ヒソカが“どんなに数が多かろうが…”と時間経過を匂わすことを考えていること
・ヒソカが周囲を観察している時間や、観客混乱騒動などが起きていること
・想定していた「1体/1~2秒」という作業時間が誤っている可能性(クロロが相当回数シミュレーションを行っており、ヒソカの想定よりも早い可能性)があること
・最後の状況はクロロが作業に専念できる状況であること
―諸々考えると、“クロロ自身がやっていない”と完全否定は出来ないのかもしれない。
ここでコーヒーブレイク的な脱線。
理解を深める上で意味はあると思うので。
クロロが偽物とヒソカを戦わせていた理由って何よって話。
ヒソカの注意を偽物に向けている間にクロロがコピー量産できたなら、200体コピー問題をほぼ解決できたかもしれないが、「転校生(コンバートハンズ)」と「携帯する他人の運命(ブラックボイス)」を使っているため、この時のクロロはコピーできない。
後のヒソカの左手爆破の際の描写からクロロ自身が「携帯する他人の運命(ブラックボイス)」を使っていることがわかっており、No.355で能力のミスリードに気づきNo.353時点での+α待機分も考慮した上で残り20~30体程度と予想を出しているため、クロロが「人間の証明(オーダースタンプ)」を解除してから、ヒソカがクロロ(偽物)を見つけるまでの時間は恐らくかなり短い。クロロが姿を眩ませたところから、ヒソカの思考の先に偽物を向かわせている間も既にコンボ状態なので、恐らくこの時のクロロはコピーほとんど増やせる状態にはないと思われる。
共闘肯定派なら、クロロ(偽物)が出てくる前の段階でコルトピに能力返していると考えれば、偽物騒動でヒソカの注意をクロロ(偽物)に向いている間にコルトピがコピーを大量に増やすため、となるのでしょう。
共闘否定派なら、クロロの実益と趣味を兼ねてヒソカを観察するため、でしょうか。
クロロのこの天空闘技場での戦術は恐らくヒソカに限らず、多くの念能力に勝ちうるのだろう。ただ相手が持っている能力によって修正・調整も必要となろう。
ヒソカがどんな能力隠し持っているのか、またその能力がこの状況で使えるタイプものかの確認、つまり自分(偽物)に一見不利・受け身の状況を作ることでヒソカに切り札を切らせようとしたのではないだろうか。
ただヒソカの「伸縮自在の愛(バンジーガム)」は旅団内でも普通に知られていた様だから、クロロはヒソカの念系統も知っていただろう。
ヒソカの性格もある程度は把握しているだろうし、これまで多くの念を盗み、その能力と持ち主の心の闇を覗いてきたクロロならば、恐らくヒソカが“一対多数”に向くような能力を持っていないであろうことは想定していたように思われる。
そのため、あくまで100%勝つための用心と削りと、底なし沼に沈んでいくヒソカを眺めるためなのかもしれない。
2:戦闘前に増やした
さて200体コピーをどう増やしたか、という本題に戻り、今度は戦闘前に増やした場合。
こちらは「クロロが増やした」でも「コルトピが増やした」でも行けそう。
まず戦闘中に200体のコピーを増やしたことへの疑問は時間的問題もあるが、場所的問題や周囲の観客の心理的問題もあるように思われる。
フロアマスターの中でも恐らくトップレベルの2人の試合ともなれば、恐らく観戦席は完売状態だと思うんですよね。そんな中での+200人。
1つの場所でそれだけの数は増やせないだろうから、かなり分散させたのだと思われるがそれだと時間が掛かってしまう上、最後の観客シェイク騒動前に観客席での騒動が起きてしまうと思うんですよね。
そしてその観客のザワつきで―各所で違和感を覚えていたヒソカならば―何かしらの反応を示してもおかしくない様に思われるのだ。が、そのような描写は挟まれなかった。
そう考えてみると―
“思いの外客が逃げていない”
“被害が及ばなさそうな連中は落ち着いたもんだね…”
―このヒソカの脳内セリフ、妙に気になるんですよね。
ゴムで闘技場を縦横無尽に飛び回るヒソカの姿を見て、被害が及ばないなんて思えるものなのだろうか。
一斉に観客が乱入してくるシーンでは奥の観客たちは外に出ようとしてるが、ドアが開かないなどで外に出られない様な印象を受けるのだが、原型の性格を反映した結果、そのまま降りてくる人形と、ちゃんと通路を通って闘技場に行こうとする人形に分かれているという描写なのか(一気に出ようとして扉のところで詰まっている)。
それとも一斉に動き出した人形達に観客達は驚き、ここで初めて逃げ始めたのか。
ひとまずヒソカの言葉の方を優先することにするが、その“連中”は元々用意されていた人形で、まだ命令を受けていないから"落ち着いた様に見える”という状態の方が個人的にしっくりくるのだ。
“連中”という表現から一定数以上いるのだろうが、その隣りにいる「コピー元」の観客は気が気じゃないと思うんですよね。
ただ“被害が及ばなさそうな”という言葉から、恐らくその場所はこの戦闘中に“異常”=ザワつきなども起きていない場所なのだろう。
試合前から人形が配置されているなら、恐らくその条件を満たす。
今回の戦いに直接は関わっていないシャルが天空闘技場に来ていた理由は、いつぞやの様に―
―受付に化けて、特定の席の観客を誘導した、なんてこともあるのかもしれない。
ここでクロロが―
「神の左手悪魔の右手(ギャラリーフェイク)」→「番いの破壊者(サンアンドムーン)」→「人間の証明(オーダースタンプ)」
―コピー&プロテクト&自分の席に行け、でも良いだろう。
どの時点からクロロがコルトピから能力を借りているかわからないが、一旦ここでコルトピの能力を返して―
コルトピが「神の左手悪魔の右手(ギャラリーフェイク)」
クロロが「番いの破壊者(サンアンドムーン)」→「人間の証明(オーダースタンプ)」
―コピー&プロテクト&自分の席に行け、でも良いだろう。
(※クロロの除念をしたアベンガネには念獣が憑り付いているだろうが、アベンガネの能力をクロロが盗んだ場合、アベンガネの念獣はどうなるのだろうか。
もしそれで消えるならば、念のコンボによって制約と誓約を無視できることになってしまうから、恐らく除念の念獣は残るだろう。
同じように考えて、恐らくコルトピのコピー物もコピーしてから24時間は、途中で能力をクロロに貸与しても残ると思われるため、恐らくここでのプロテクトはなくても成立する。)
―ちなみに。
実は「首だけになった人形」にスタンプが残っている描写が何箇所かあったりする。
一応の礼儀として、首だけの状態でもスタンプが残る方法があると考えてみると、「共闘」の可能性や「事前に増やした」が強くなってくるのかも。
ただその一方で、首だけの人形にスタンプが残っていることにヒソカが何も反応を示していないことにも注意は必要かもしれない。
◆なくなったアンテナ
モジャデブとギョロ目に刺さっていたアンテナがいつまにかなくっていた件。
この部分は前記事と変わらないが、一応+αも含め再記。
仮に「マチが念糸で結んでいて回収した」とした場合、マチは回収後アンテナを直接クロロに渡したんですかね。
それとも予定の場所に置いたりしたんですかね(観客に取られる可能性は100%ないのか)。
それともクロロにも念糸を結んでおいて、その糸にアンテナを結んだ糸をさらに結んで、クイっと引くなどしてサインを出して、クロロが引っ張って回収みたいなことをしたのでしょうか。
恐らく色んなパターンがあるんでしょうけど、ヒソカに気づかれる可能性もあるでしょうし、結構なリスクを負うような気がするのだ。
それもそれだけのためにマチを介入させる必要があるのか。
“「とても丈夫でよく切れる刀」を具現化するくらいなら実際の名刀を買った方がいい”のと同じように「クロロ自身が本当に釣り糸を結んでいて回収した」でもいいような気がする。
戦闘中にマチがごちゃつくよりもリスク低いでしょうし、クロロ自身が釣り糸で回収した方が無難な様に思われる。
―が、個人的には「神の左手悪魔の右手(ギャラリーフェイク)」かと思っている。
“操作系は特に物体操作の場合、使い込んだモノでないと威力・精度が上昇しないことが多い”
“つまり愛用品を失くしたら致命的ってリスクがある”
とは言うものの、シャルの能力の要である携帯には故障は不可避の問題である。
利用頻度が高いボタン部分や、敵に刺すアンテナ、はたまた携帯内部の電子部品など修理や部品交換は必然であろう。
「テセウスの船」じゃあないが、修理・部品交換を繰り返した結果、段階的とは言え少しずつ部品が交換され、究極的に言えば全ての部品が交換されたケーターはシャルの愛用の携帯と言えるのか。
また交換をして不要となった部品を何とか修繕してシャルの携帯がもう1台出来た場合、どちらがシャルの携帯と言えるのか。
もちろんそれはシャルがどう考えるか、という問題ではあるのだが再生品携帯で能力を用いることはできないのだろうか。
そこまでは想定しなくとも、ひとまず天空闘技場戦後のクロロとシャルの会話の中でアンテナが無いことにさほどシャルは反応を見せなかったが、能力の性質上、敵に刺すアンテナは一番破損の可能性が高いこともあり、少なくともアンテナは「元々のオリジナル」でなくとも能力は使用なのかもしれない。
と、そんな根本的疑念を元にして―
「神の左手悪魔の右手(ギャラリーフェイク)」発動(栞で固定)
→真アンテナ1・2をコピー(=偽アンテナ1・2)
右手で「携帯する他人の運命(ブラックボイス)」発動し―
―偽アンテナ1・2をモジャデブとギョロ目に刺す。
二人がやられたところで、「神の左手悪魔の右手(ギャラリーフェイク)」を解除。
→偽アンテナ1・2消滅。
再度「神の左手悪魔の右手(ギャラリーフェイク)」発動(栞で固定、この先はヒソカの想像通りでもよい)。
―という流れでも行けるのではないかと私は考えている。
◆着地点?
クロロが―
“後出しはしない”
“晒したカードで闘う”
“ただの殺し合い(ゲーム)だからこそ闘い方(スタイル)は大事”
“オレの手役を見た後でも勝負(コール)するかよく考えろ”
―と告げた上で100%勝つと話していたのに「実は共闘してますた~フヒヒ サーモン」ではさすがにカッコ悪過ぎるだろというのが大元にあり、共闘説には疑問点も多くあったため、共闘説否定派としてここで着地予定だったんですが、「指標」になりうるものが示されてしまったので、着地前にそこも考慮する必要が出てしまった。
◆クロロVSヒソカ 解説
あんまり作品の読み方に関わるような部分は語らず、漫画で語るような印象を勝手に持っていたんですが、何とも珍しいものを出してきましたなっていう。
ただ「解説」だと銘打っているけど、あれって解説でもない気がするんですよねw
作者による作品の解説って100人読んだら、基本的に100人が同じ様な理解をするものだと思うんですけど、あれって読み方割れちゃう気がするんです。明言もしてませんしね。
冨樫さんは説明とか解説とか下手なタイプでもないだろうから、長~い休載中に冨樫さん自身や編集さんにファンレターやら何やらで「あの戦いへの質問」が多すぎて、編集さんに「解説やってもらえませんか?」と言われ断れず、体裁だけそれっぽい感じにした結果がアレなのかな、と思うところもある。
その一方、33巻の話間の余白ページで、
ナニカ「暗黒大陸出身です」
だなんて描いているので、冨樫さんも色々と語りたい年齢に差し掛かってきたんでしょうか。
…とか言って、3日前に出たジャンプ(No.362)でレベルE時代を彷彿とさせるアレが出て来たのよくわからないですな。
「ヒカルの碁」でsaiに敗れた後の塔矢行洋の碁に対して「らしくないじゃん!」と言った倉田さんの様な心境なのかもしれない。
さて、そろそろ本題。
内容に関わりそうなのは大きく2つでしょうか。
1つ目が“「100%勝つ」にあたり岩本虎眼の心構えを参考にした”とのこと。
虎眼先生が100%勝つところと言ったら―
高弟達が忖度した部分もあるんでしょうけど、虎眼流の秘奥の伝授と称しておよそ戦うことができないほどの深手を負わせ、ケシの実を用いた妙薬で意識を朦朧とさせ、股間を焼きゴテで焼き(未遂)、相手には竹光(竹の刀)を持たせた上でこちらは真剣を用いた立ち合い
―愛妾・いくとの密通が露見した際の伊良子清玄への仕置きでしょうか。
あらゆる流派における勝利の鉄則、相手の戦闘力を削ぐこと、それを徹底的に行う。
まぁあくまで“心構え”を参考にしたって話ですから、念での戦い―それも高いレベルの念使いの戦い―に落とし込んだ時、100%勝つためにはそれほどまでに徹底的に相手の力を削いだり、発揮できない状況を作る必要があると考えたということなのでしょうか。
再開第1話(No.361)での―
“念での戦闘は相手が複数ならこっちも複数が大原則”
“それ程に能力の相性やコンビでの攻撃は個人の力を凌駕しやすい”
―クラピカとイズナビ(クラピカ師匠)の会話はクロロVSヒソカ戦が共闘説を後押しするようなやり取りにも思えるが、恐らく違う。
クラピカはイズナビの助言を受けてもなお“それでも” “だからこそ” “一人で戦い抜く力が欲しい”と願い、人差し指の能力を生み出した。
つまり、クロロやクラピカの能力は“個でありながら集団たりうる能力”なのだ。
そのためNo.361でのクラピカとイズナビの会話は、ヒソカが負けたのはクロロ(個)ではなく、クロロ(能力としての集団)なのだ、という後押しに私は思えた。
そして2つ目。こっちが悩まし気。
“ヒソカはあの場でマチを殺したがっていたが…却下。(マチを殺させなかったのは)他の旅団員へのメッセンジャーが必要だったのと、今回の闘いの反省と復讐を踏まえて、クロロの能力を削っておくという、冷徹で合理的な判断にヒソカの本気をにじませたかったら…という言い訳を後からつけ足した私の勘”
正直これ、無茶苦茶なことを言っている気がするんですよね。
“復讐”と“冷酷・合理的”ってまずかけ離れているし、“合理的な判断”をすれば、今後ほぼ100%自分の邪魔をしてくるマチを生かしておく、なんてしないですもんね。
ハンタ6巻で“レベルのEのEはエイリアンのEのつもりだったが「エイリアンはAだよ」とつっこまれ、「E・Tの方です」と苦しい言い逃れをした”なんていうエピソードがありましたけど、勘でこっちの方が面白くなるだろうなと思ってそうしていたが、まだずいぶん先のことなのでまだ全然考えておらず、でもそれをいきなり巻末で書けと言われ書いたかのような咄嗟の言い訳感がするのだが、“人間自体が一貫性からはほど遠い生物”であることを考えれば、まぁおかしくはないのでしょうか。
若干怪しい気もしているが、作者が作中描写に言及するという、言わば「指標」になり得るものを出してしまった以上、無視することもできないだろう。
まず、ヒソカは“クロロの「能力」を削る”ことを考えている様なので、どうもヒソカはクロロが単独で闘っていたと考えているように思われる。
しかし、その一方でクロロもしくは旅団、あるいはその両方へ“復讐”のような感情を抱いている様だ。どうもそれぞれのピースが上手くハマっていない感じがする。
各所で描かれていたヒソカの疑念がマチの発言により確信に変わったという感じならば、後半は問題ないけども前半部分には違和感が残る。
クロロが戦闘の途中で能力を団員に返却したという前提だから、旅団メンバーを殺していけば「試合開始時点のクロロ」の状態で考えれば確かに“クロロの「能力」を削る”ことに繋がるが、もう「ヒソカVS旅団」の様相を呈しているのだから、旅団側がタイマンを偽装する必要がなく、団員もクロロに能力を貸す必要はない。
どうも旅団メンバーを殺す=“クロロの「能力」を削る”に繋がらない気がする。
◆復讐=リベンジ?
報復という意味ではなく、リベンジという意味合いの復讐ならば通じるだろうか。
クロロが気持ち良く闘えるなら相手十分の条件でもいいとヒソカは考えていたが現実は厳しく、クロロの方が勝利に拘り、100%勝つために徹底していた。
自分の甘さが今回の完敗を招き、自分もクロロに勝つために「なり振り構わない=徹底する」という決意。
これまでクロロと闘おうと思っても旅団メンバーが近くに居て中々実現しなかった経緯もあり、再度クロロにリベンジマッチを仕掛けようとしても、旅団メンバーが前が前に立ちはだかったり、うまくクロロとのタイマンに持ち込んだとしても妨害に入られる可能性は十分あろう。
それもクロロを再度追うことを考えるとその過程で、ある程度内容を把握しており、かつ用意しやすい(借りやすい)旅団メンバーの能力から作戦を組み立てられ、再度相手十分の条件にさせないよう、未来の“クロロの「能力」を削る”ために旅団メンバーも狩る、ということだろうか。
しかし、マチというメッセンジャーは必要なのだろうか。
また、そもそも旅団側に伝える必要あるのだろうか。
いつかのGI編のドッヂボールのように―
―コルトピとシャルの首を、壊れていない右手に「伸縮自在の愛(バンジーガム)」でくっつけてクラッカーみたいにして、
「やぁクロロ、死ぬまでヤってくれるんだよね?ボクはまだ死んでないよ」
とかシャルの携帯から動画送るってことでも良さそうだけどな。
クロロを倒す(殺す)ということには集中・徹底するが、その過程は楽しみたいという、ヒソカもある意味では、やはりハンターなのだということなのだろうか。
―またアメブロの1記事の容量が迫ってきた。
まだいくつか触れようと思ったが、分割が七面倒臭いので、最後に1つ。
メッセンジャーを旅団に向けても送っていることについて。
ヒソカもある意味では、やはりハンターなのだ(どや顔)
でも悪くはなさそうだが、やや「指標」からズレてる感じもするので。
ヒソカがクロロと旅団を同一視したならばどうだろうか。
それも共闘前提だと、今後「クロロ(+旅団メンバー能力)」ではなく、「クロロ+旅団メンバー」になるから、共闘ではないと考えて、だ。
ヒソカの性格的に、求めているのは恐らく攻略しがいのある強いボスなのだ。
しかし満を持して出て来たのは「雑魚の大群」という、まるでver.3以降のド○クエ10。
クロロの強さが“個でありながら集団たりうる能力”にあると触れたが、今回の天空闘技場でのクロロの戦術が、クロロ(個人)としての戦い方ではなく、クロロ(蜘蛛)としての戦い方を彷彿とさせるものだったならばどうだろうか。
“クロロが頭で旅団員が手足。手足は頭の指令に対して忠実に動くのが大原則”
“しかしそれは機能としての話で生死での話ではない”
“クロロも旅団の一部。生かすべきは個人ではなく旅団”
途中入団(それも実質仮入団)だったヒソカが設立当時の話を知っているとは思わないが、マチが“あれ…クロロ?”と話す様子からも、クロロ(蜘蛛)とクロロ=ルシルフル個人は異なる部分があり、隠されたクロロにヒソカがそそられていたならば?
クロロ(蜘蛛)の理性たる12本の手足をもいでしまえば、残るのはクロロ(蜘蛛)ではなく、クロロ=ルシルフル個人。
クロロ=ルシルフル個人へ宛てた、「クロロ(蜘蛛)へのメッセージ」だとすれば、旅団(蜘蛛の手足)へのメッセージも意味が出てくるのかもしれない。
―と、そんな感じの34巻感想。
当初、作者による作品解説にはあまりいい印象を持っていなかったのだが(“神の言葉”=解釈の余地がなくなるため)、ああゆう“よくわからない解説”なら、また別の意味で楽しめるのかもしれないですね。
以上。